【Anish Kapoor | アニシュ・カプア (現代アーティスト/彫刻家) に迫る!_Vol.2】

<作品>

Sky Mirror / スカイミラー

引用 : https://www.southbankcentre.co.uk/blog/sky-mirror-blue-2016-anish-kapoor

スカイミラーは2001年にイギリスのノッティンガムにあるウェリントンサーカスに設置されたパブリック・アートである。企画から実装までに6年の歳月を費やしており、総工費は900,000ポンドにもなっている。当時、英国国営宝くじが資金提供した中で最も費用の高いものであった。

その後も、2006年にニューヨークのロックフェラーセンター、2010年にロンドンのケンジントン公園に設置されるなど、様々な場所にこの作品は設置されている。また、近年では、2018年に「アニッシュ・カプーア in BEPPU」で公開されている。

「sky mirror anish kapoor」の画像検索結果
引用 : http://anishkapoor.com/109/sky-mirror-red

これらの様々な場所に設置されたスカイミラーは、それぞれの場所においてわずかに違う寸法で作られている。それぞれ環境に合わせて最適な大きさにデザインされており、それを見る鑑賞者たちに、囲まれた環境と作品自体が調和しているかのように思わせる。さらにこの作品は、知覚的に自分たちの状況、それによって存在する自分たちの生活を支える構造体やその絶妙さに気づかせるような意図も含んでいる。作品はそれぞれの環境で最適に自己を表現しているが、それと同時にカプーアの空間の強調、象徴、実現するという意思も引き継いでいる。

引用 : https://www.omotenobutada-photography.jp/wp-content/uploads/2019/10/OMP8016-.jpg

スカイミラーは、見るものの知覚を歪めながら、空が地上の領域に転落しているかのように思わせ、見るものを不思議な感覚へ引き込む。この作品も過去の作品と同様に、二元論的テーマが存在しており、「“見るもの“が”見られるもの“の一部となる」という、本来交わらないはずの2つの要素が循環する新たな作品である。

また、スカイミラーは、地表にありなら空を見下ろすことにより、人間が自らの視点を上へ合わせることへの可能性を示している。その単純な形からは想像もつかない、物理的表現を超えた考え方がそこには存在する。カプーアはこの作品について次のように述べている。「なにか美しいものを作ることができないのと同様、精神的なものも作ることはできない。ただ、そこにある物を認識することしかできないのである。」空を地上へと引き込むこの世界観は、カプーアの中心的探求である。この作品を通して、地面を超越する空間について問いかけているものがあるのではないだろうか。

引用 : http://www.ottawacitizen.com/cms/binary/11112259.jpg?size=640×420

スカイミラーというと、よく見る写真では、大きなくぼんだ円が正面から映されたものが多いが、背面も正面と同様に、非常によく磨き上げられている。背面は正面とは対象的な姿を映し出しており、その表面は、地面とそれを見る人達が映し出されており、見るものを非常に不思議な感覚へと引き込む。正面で空、背面で地表を映し出しており、すべての角度から楽しむことができるようになっているので、ぜひともその世界観を様々な角度から味わってはいかがだろうか。

<参考文献>

https://en.wikipedia.org/wiki/Sky_Mirror

https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2018-10-24

Sky Mirror