突然ですが、皆さんはキネティックアートという分野の芸術をご存じですか?
キネティックアートとは、一言で言ってしまえば動く芸術作品で、20世紀初頭の産業革命の頃に生まれました。当時の芸術家たちは、機械や技術の重要性、芸術における動きの可能性、視覚的本質などを芸術に反映するために、”動き”を取り入れてきました。
モーター、磁力、風力など、様々な方法で動きを取り入れた作品があり、とても面白い芸術分野です。その中でも、今回紹介するのは、アレクサンダー・カルダーというアーティストで、空気の自然な流れを利用した作品を紹介したいと思います。
アレクサンダー・カルダーってどんな人?
<名前>アレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)
<国籍>アメリカ合衆国
<経歴>
アレクサンダー・カルダーは1898年、アメリカ・ペンシルベニア州に生まれました。父、祖父は二代にわたり彫刻家で、母は画家であるという、芸術一家に生まれました。両親は8歳の頃から工具を与えるなどして、創造性を高めようとしましたが、アーティストになることには反対でした。本人もアーティストになろうと思っていたわけではなく、高校卒業後はスティーブンス工科大学に入学、1919年に卒業した後はエンジニアとして様々な業界で働いていました。
しかし、どの仕事にも満足することができませんでした。そんなある時、ニューヨーク・サンフランシスコ行きの船上で、輝かしい日の出とその反対側にきらめく満月を見ました。その光景はアーティストになるきっかけになり、さらに生涯を通してカルダーに影響を与え続けました。
その後、1923年にニューヨークに移り、アートスチューデントリーグに入学しました。ここで学ぶ間、よくサーカスのスケッチをを行っており、これが後の作品に大きく影響を与えます。
アレクサンダー・カルダーの代表作品
Mobile
アレクサンダー・カルダーの代表作といえば、この作品を外すことはできません。「Mobile」という名前は、カルダーの友人で会った、マルセル・デュシャンにつけてもらったものです。当時のキネティックアートの作品は機械化され単調な動きしかしないもので飽和されていていました。カルダーは、そこに自然の力で動く作品を作り出し、キネティックアートの世界に革命をもたらしました。
単純な曲線構造は、ピエト・モンドリアンとジョアン・ミロに触発されて作られたもので、その動きは、常にその周りにある空間を新しく定義しています。
Untitled
Antennae with Red and Blue Dots
GLASS FISH
WHITE ORDINARY
まとめ
いかがでしたでしょうか?
絶妙なバランスで構成された作品がたくさんあり、目を引くものもあったと思います。
あまり知られていませんが、アレクサンダー・カルダーの作品の作品は、愛知県の白川公園内にある名古屋市美術館の正面に設置されています。
名古屋を訪れた際は、ぜひ見てみてはいかがでしょうか。
参考URL
https://www.artsy.net/collection/alexander-calder-mobiles
http://www.calder.org/life/biography
https://www.tate.org.uk/art/artists/alexander-calder-848/who-is-alexander-calder
https://www.tate.org.uk/art/art-terms/k/kinetic-art