JR
<プロフィール>

JRは1983年、フランスのパリに生まれる。10代のころよりストリートアーティストとして活動をはじめ、パリの公共空間、屋根や地下鉄などで絵を描いた。はじめは自身の存在を主張するために、自分の名前を描いていたが、のちにストリートの人々の存在を主張するために彼らの写真を街に張り出し始めた。
2004年から2006年にかけて、パリの周辺の住宅街で「Portrait of a Generation」というプロジェクトを発表した。この活動は、パリ市がJRの写真を建物に展示したときに公式に認めらた。「ストリートでは、美術館に行ったことのない人々にアプローチする」というJRらしさがよく表れている。
2011年、JRはストリートアーティストとしては異例のTED賞を受賞した。通常、ストリートアーティストはその違法性などの性質上、大きな賞を受賞することは難しい。受賞した賞金、およそ1000万円を投じ、自身の参加型プロジェクトである「Inside Out」を始めた。


<作品>
彼の作品は住宅街やスラムなどに描かれることが多く、そこに住む人々の写真を撮り、その印象的なイメージを建物、バス、道路、橋などの建築物(彼にとってはキャンバスであろう。)に貼り付ける。また、プロジェクトを通して、そこに住む人々から信頼を集め、コミュニティを作り作品を作っていく。

そうした作品は、彼自身が主題ではなくコミュニティが主題となり、可能性の力を解き放ち、我々の周りに住む人々に私たちの真の姿を明らかにし、ストーリーとして共有することができる。


「Inside Out The People’s Art Project」
このプロジェクトは、彼がコンセプトを大きく変えた転換点であり、世界規模のプロジェクトである。アートは世界を変えられるかという問かけからはじまった。
この活動は、彼に世界中から彼に写真を送り、それを彼が印刷しふさわし場所に各自が貼るという参加型プロジェクトである。写真を送るだけでなく、参加者の中には自ら写真ブースを積んだトラックも走らせる人もおり、その場で印刷し貼り付ける人もいる。


この活動は、普段「何かをしたい」と考える人や、他人から自分のパーソナリティに嫌悪感を抱かれる人など、様々な人たちが、自分自身の存在を主張する素晴らしい機会を与えてくれている。

JRは自身の活動を人々の心をつなげることと位置付けている。また、この活動は一人では限界があるもので、自分以外の人にもできるようにすることで、世界を変えていこうとしている。

<参考文献>
https://en.wikipedia.org/wiki/JR_(artist)#iPad_app
https://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/exhibition/street-art/street-art-artists