雲ひとつない晴れた日に原美術館ARCを訪れて最初に目にするもの――それは大きな青空です。青空と山々の深緑や紅葉、そして青空と端正な黒色の磯崎新建築とのコントラストは、恐らくここでしか見ることのできない感動の光景。しかしよく見ると、青空の青さにはわずかに濃淡があります。輝く太陽の周りは少し白っぽく、太陽から離れるにつれ青さが増してゆく。思い描く理想の青い空は太陽の反対側にあります。
本展では、「青空は、太陽の反対側にある」をキーフレーズに、自身の理想を求めて当時の美術的・社会的動向に背を向けた荒川修作や久保田成子、ギルバート&ジョージやヨーゼフ ボイスなど、国内外の作家の表現を展観します。
まず、現代美術ギャラリーA、B、Cでは、常識や慣習、既存の価値観に抗うことで、または視点を変えることで独自の地平を切り開く作家や、声高ではなくとも社会や美術の潮流に疑問を呈する作家、そして自身の心に深く潜ることで新たな表現を浮上させる作家の作品をご覧いただきます。
一方、特別展示室 観海庵には、鎖国の江戸期に西洋絵画や科学に傾倒した司馬江漢や、「朦朧体」と揶揄されながらも墨線を否定し、独自の表現を切り開いた横山大観の作品を展示します。また、通常は東京国立博物館に寄託している原六郎コレクション、『青磁下蕪花瓶』(国宝)と『青磁袴腰香炉』がお里帰り(展示期間:3月24日~4月26日)。どちらも爽やかな青空色が美しい名品です。さらに、「光悦本」と呼ばれる希少な古活字本である『謡本』を帖を替えながら通年展示。記録に残る限りでは、『青磁袴腰香炉』は明治45年に東京帝室博物館(現 東京国立博物館)開催の特別展覧会「和漢青磁器」展以来の一般公開、『謡本』は初公開となります。
輝く太陽にあえて背を向け、順光に映し出される鮮やかな青空と原美術館ARCをどうぞご堪能ください。
「青空は、太陽の反対側にある:原美術館/原六郎コレクション 第1期(春夏季)」 展覧会情報
会期 | 〜
第2期(秋冬季)は2023 年 9 月 9 日(土)-2024 年 1 月 8 日(月・祝) |
会場 | 原美術館 ARC 群馬県渋川市金井 2855-1 Google Map |
公式サイト | https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc |
開館時間 | 9:30〜16:30(最終入館時間 16:00) |
観覧料 | 一般1,800円(1,500円)、大高生1,000円(700円)、小中生800円(500円)*カッコ内はオンライン前売り料金 ・原美術館ARCメンバーシップ会員は無料、学期中の土曜日は群馬県内の小中学生の入館無料、各種割引あり。 |
休館日 | 木曜日(祝日および8月を除く)、1月1日、8月中無休 *2024年1月9日(火)~3月中旬まで冬季休館 |
出品作家(予定) | 第1期 現代美術:艾未未(アイ ウェイウェイ)、安藤正子、イェルク インメンドルフ、河原温、リー キット、ギルバート&ジョージ、スラシ クソンウォン、佐藤時啓、須田悦弘、ルフィーノ タマヨ、ジャン デュビュッフェ、奈良美智、ゲオルク バゼリッツ、A. R. ペンク、ヨーゼフ ボイス、張洹(ジャン ホワン)、やなぎみわ、ジム ランビー、ロイ リキテンシュタイン、ジャン=ピエール レイノーなど 古美術:『青磁下蕪花瓶』(国宝)、『青磁袴腰香炉』、『青磁水注花入』、『光悦謡本』、狩野派『花鳥図屏風』、『紫陽花蒔絵重箱』、本阿弥光悦『蝶下絵和歌巻(古今和歌集春歌上)』など第2期 現代美術:カレル アペル、荒川修作、アルマン、アルマンド、アンディ ウォーホル、クレス オルデンバーグ、工藤哲巳、久保田成子、クリスト、ヴィレム デ クーニング、篠原有司男、セザール、アントニ タピエス、蜷川実花、エルネスト ネト、森村泰昌、ロバート メイプルソープ、マーク ロスコなど 古美術:司馬江漢『冨嶽図』、横山大観『海辺曙色図』、『光悦謡本』、本阿弥光悦『蝶下絵和歌巻(古今和歌集春歌上)』など |
交通案内 | ・JR上越/吾妻線「渋川駅」(上越/北陸新幹線利用の場合は「高崎駅」で上越/吾妻線に乗り換え)より、関越交通バス「伊香保温泉」または「伊香保榛名口」行き(3番のりば)にて約15分、「グリーン牧場前」下車、徒歩7分。または「渋川駅」よりタクシーで約10分。 ・お車の場合、関越自動車道「渋川・伊香保I.C.」より8 km、約15分。(無料駐車場50台、大型バス駐車場2台) |
住所 |
特典:無料チケットプレゼント!
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