2026年6月16日(火)より「杉本博司 絶滅写真」が東京国立近代美術館で開催されます!
様々な領域で活動する現代美術作家、杉本博司(1948-)。小田原文化財団 江之浦測候所をはじめ
建築分野でも活躍し、日本の古典芸能など舞台芸術の演出では国内のみならずヨーロッパ数都市や
ニューヨークにも進出。その活動分野は書、陶芸、和歌、料理と多岐にわたっています。
そんな多才な杉本の芸術の原点は銀塩写真にあります。確たるコンセプトに基づく、独自の表現に
よる作品はまた、写真がデジタルに置き換わった今、銀塩写真の技術としても頂点を極めるもので
あり、その技法は今やまさに「絶滅が危惧される」ものと言えます。
本展では杉本の初期(1970年代後半)から現在に至る銀塩写真約65点を展観します。
写真作品で構成する美術館での個展は、国内では2005年の森美術館以来の開催となります。
さらに、同館所蔵品ギャラリー3階にて同館所蔵杉本作品全点、また未公開資料「スギモトノート」
をサテライト展示します。
ー初期から近作まで全13のシリーズを3章構成で展示ー
本展は、3つの章、全13シリーズにより、ゆるやかに時系列に沿いつつ杉本博司の作品世界の展開
をたどります。
1章「時間・光・記憶」では、1970年代から80年代に着手され、杉本の評価を確立することになった〈ジオラマ〉〈劇場〉〈海景〉の3つのシリーズなどにより、作品世界の始まりを紹介します。
2章「観念の形」では、人間の知性や想像力がつくりだしたさまざまな「かたち」を主題とした〈観
念の形〉、〈スタイアライズド・スカルプチャー〉など90年代末から展開されたシリーズにより、作品世界が拡張・深化していくプロセスを紹介します。
3章「絶滅写真」では、終焉を迎えつつある銀塩写真というメディアの写真の始原にさかのぼる〈前写真、時間記録装置〉、〈フォトジェニック・ドローイング〉から、近作〈Opticks〉ま で 、 6つのシリーズにより、杉本が予見する“絶滅”をめぐるヴィジョンの行方を探ります。
ー初公開の新作ー
本展では初期三部作として知られる〈ジオラマ〉〈劇場〉〈海景〉の3つのシリーズをはじめ、〈建築〉、〈スタイアライズド・スカルプチャー〉などのシリーズにおいて、初公開となる新作の展示を予定しています。とくに杉本のデビュー作として知られる〈ジオラマ〉では、《ポコット族》などいくつかの新作を加えた構成により、1976年、シリーズの始まりからひそかに構想され、約半世紀をかけてついに実現に至った、人類史をめぐる深淵なストーリーが初めて提示されます。
ー“絶滅”をめぐってー
本展のタイトルでもある「絶滅写真」とは、作家のステートメントにもあるように、銀塩写真というメディアの終焉と自らの作家活動の終幕を見すえて浮上した主題です。しかし本展で示される“絶滅”をめぐるヴィジョンとは、それにとどまるものではありません。それではいったい何が“絶滅”しようとしているのか? 半世紀にわたって写真というメディアによる表現の可能性を拡張・深化させてきた杉本の作品世界の全体像を見わたす本展において、通奏低音として示される“絶滅”という主題にご注目ください。
EXHIBITION with TICKET/展示会 (特典付)
https://euphoric-arts.com/category/exhibition-with-ticket/
EXHIBITION/展示会
https://euphoric-arts.com/category/exhibition/
コンテンツ
Toggle展覧会情報
| 会期 | 2026年6月16日(火)~9月13日( 日 ) |
| 開館時間 | 10:00–17:00(金曜・土曜は10:00–20:00) |
| 休館日 | ※休館日につきましては、詳細が決まり次第、展覧会公式サイト等で お知らせいたします。 |
| 会場 | 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー |
| 公式サイト | https://art.nikkei.com/sugimoto/ |
| 観覧料 | ※観覧料につきましては、詳細が決まり次第、展覧会公式サイト等で お知らせいたします。 |
| 住所 | |
| アクセス | ・東京メトロ東西線「竹橋駅」 1b出口より徒歩3分 ※美術館に駐車場はございません。 |
展示内容

杉本博司 《ポコット族》 2025年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×185.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《パレス・シアター、ゲーリー》 2015年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《ワールド・トレード・センター》 1997年 ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《観念の形 0003》 2004年 ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《スタイアライズド・スカルプチャー 120,[クリスチャン・ディオール、Bar、1947]》 2025年
ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《棘のある三葉虫》 2008年 プラチナプリント 93.6×75cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《ダイアナ、プリンセス・オブ・ウェールズ》 1999年 ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《放電場 163》 2009年 ゼラチン・シルバー・プリント 149.2×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《Opticks 087》 2018年 タイプCプリント 119.4×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司 《陰影礼賛 98.0001》 1998年 タイプCプリント 149.2×119.4cm
© Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi
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