【まとめ】西洋音楽の変遷 – 時代を作り上げた作曲家たち –

かつて教会や一部の貴族のためのものであった西洋音楽は、しかしフランス革命を代表とする市民階級の台頭やバッハの死によって訪れたバロック時代の終焉と共に市民にとっても身近なものへと変化していきました。

音楽の在り方が大きく変化した時代で、その流れを作り上げてきた象徴的な作曲家が4人います。

ジョアキーノ・ロッシーニジュゼッペ・ヴェルディリヒャルト・ワーグナークロード・ドビュッシーの4人です。

19世紀から20世紀にかけて生きた彼らは、音楽だけでなくヨーロッパ文化そのものに大きな影響を与えた人物と言っても過言ではありません。

本記事では4人の生涯と彼らを象徴する作品について簡単にご紹介します!

市民のための音楽

冒頭でも紹介したように、かつての西洋音楽は宗教音楽や王侯貴族向けの機会音楽が主であったのですが、18世紀中頃から市民にとっても親しみ深い文化へと徐々に変化していきました。

また、バロック時代に求められていた音楽が現代のBGMに該当するようなもの(会話を邪魔しない、盛り上がりすぎないもの)であったのに対し、演奏会での演奏や楽譜の出版など新しい表現の場を得たことで、聴衆から特徴的な旋律や劇的な展開などが望まれるようになり音楽の在り方は大きく変容を遂げ、ロマン派音楽という新たなジャンルが誕生するに至りました。

19世紀に突入して以降、その傾向はさらに強まり作曲家や音楽作品はそれまで求められていた「職人的な技巧の高さ」より「作曲家の個性・独創性」が評価されるようになりました。

それにより単純な美しさだけでなく、「未聴感」_つまり、今まで聞いたことの無い音や旋律、表現が求められるようになり、作曲家たちはそれぞれの美学に基づいた多様な表現法を編み出す、サクソフォンやユーフォニウムなどの新しい楽器を組み込む、など様々な工夫を凝らすようになりました。
「未聴感」の演出にはいくつかの手法があるとされているのですが、それらを使いこなしロマン派音楽の頂点を築き上げたと言われるのが楽劇王ワーグナーです。

そして20世紀、ひいては現代の西洋音楽への扉を開けたとされる作曲家がドビュッシーであり、彼はワーグナーの音楽に強く影響されながらもそのアンチテーゼを唱え、伝統に縛られない自由な音楽の在り方を示した人物です。

今日を生きる私たちにとって生活の中に様々な音楽があることは当たり前のように感じるかもしれませんが、そこに至るまでには長い道のりと先人たちの努力があったのだということを知っていただけたら幸いです。

時代を作り上げた作曲家たち

ジョアキーノ・プッチーニ


「セビリアの理髪師」「ウィリアム・テル」など数多くの名作オペラを遺しているプッチーニは、その明朗快活な作風や当時のイタリア・オペラ作家としては珍しく喜劇を多く作っていることから「ナポリのモーツァルト」の異名を有しています。

また作曲家としてだけではなく美食家としても名を残しており、フランス料理の「ロッシーニ風」は彼の好んだ食べ方から取られた呼び方であるとされています。

ロッシーニは作品も彼自身も華々しく、クラシックであるからと身構えることなく楽しむことが出来る作品が多い印象です。

作曲から料理まで幅広い分野で名を遺した彼の手掛けた数々の作品は当時から人気であり、現代に伝わるまでになっているのです。

詳細は以下の記事でご紹介しています!

【徹底解説】ロッシーニってどんな人?作品と人生を3分で理解しよう!

ジュゼッペ・ヴェルディ

ウェルディは19世紀を舞台に活躍した作曲家で、「アイーダ」「椿姫」など数多くの名作オペラを生み出しイタリア・オペラに変革をもたらした功績から「オペラ王」の異名を持つ、音楽史においても重要な人物です。

またリソルジメント運動(イタリア独立と統一に向けての運動)との関連など、音楽以外の面からも当時のイタリアに大きな影響を与えていた人物であり、その生涯は非常にドラマに満ちています。

多くの悲劇や苦難に見舞われながらも音楽への意欲を失わず、その生涯を通して作品を生み出し続けた彼だからこそ単なる悲劇ではない、味わい深い作品が作れたのかもしれません。

詳細は以下の記事でご紹介しています!

【徹底解説】オペラ王と呼ばれた作曲家ジュゼッペ・ウェルディの作品と生涯

リヒャルト・ワーグナー

ワーグナーは楽劇王の異名を持つ作曲家であり、また多くのオペラ作品の台本を自作していたことから思想家、文筆家としても知られている文化人です。

「ニーベルングの指輪」「パルジファル」など既存のオペラの枠に捕われない名作を生み出し、楽劇という新しい形式を提唱したことで西洋音楽史に強い影響を与えた、ロマン派音楽を象徴する作曲家と言えるでしょう。

毎年7~8月にかけて行われるバイロイト音楽祭は別名リヒャルト・ワーグナー音楽祭とも呼ばれ、彼の演目を上演する最大規模の催しとなっています。興味のある方は現地で参加してみたり、もしくはNHKの中継を見てみたりしてはいかがでしょうか。

詳細は以下の記事でご紹介しています!

【徹底解説】楽劇王と呼ばれた作曲家リヒャルト・ワーグナーの生涯と作品

クロード・ドビュッシー

ドビュッシーは伝統的な様式や古典的な表現から離れ、音楽の本質的な部分を見つめ直すことで「未聴感」を追求した作曲家であり、既存の音階に捕らわれない旋法と自由な和声法を用いた新しい作曲方法は音楽界に留まらず美術界全体に大きな影響を齎しました。

象徴主義の詩人・画家から触発やワグネリズム(ワーグナーによって推進された哲学的理念や彼の音楽を支持する姿勢)への反抗、ドビュッシー特有のさざめくような旋律などが織り込まれた「牧神の午後への前奏曲」「月の光」のようなドビュッシーの美学に基づいて生まれた作品たちは現代の自由な音楽の先駆として歴史に刻まれ、そして現代でも愛されているのです。

詳細は以下の記事でご紹介しています!

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は19世紀から20世紀の西洋音楽を中心とした文化・時代を作り上げてきた4人の作曲家たちをご紹介しました。

それぞれが違った美学や思想を持っており、それを磨き上げて作られた作品たちが彼らが生きた時代を彩り、そしてその後の音楽の在り方にも影響を及ぼしている、そう考えると現代を生きる私たちの身近にも彼らの息吹は息づいていると言っても良いかもしれません。

普段何気なく聞いている音楽にも、そこに至るまでの過程があり、歴史があり、それを紡いできた先人がいるのです。

もし興味を持っていただけたのであれば、各人の記事もご覧になってみて下さい!



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