大ヒットしたドラマ「半沢直樹」。役者陣の個性あふれる演技にスポットが集まりました。特に注目されたのが市川猿之助さんや、片岡愛之助さん、香川照之さん(市川中車さん)などの歌舞伎役者です。
彼らの他にも市川海老蔵さんや尾上松也さんなど、テレビで歌舞伎役者を見ない日は無いくらい皆さん活躍されていますよね。
ですが、実際に歌舞伎を見たことがある方は少ないのでは無いでしょうか?
そもそも歌舞伎が日本の伝統芸能なのは知ってるけどそれ以上は知らない…という方が多いのでは。
この記事ではそんな歌舞伎初心者の方に向けて、歌舞伎とは一体何か、から実際に歌舞伎の舞台を観られる劇場まで徹底的に解説していきます!
この機会にぜひ、歌舞伎を見てみせんか?
そもそも歌舞伎とは?
日本の伝統芸能である歌舞伎。音楽と舞踊が一体となり、華やかな衣装や鍛え抜かれた役者陣の演技が舞台を彩ります。
特に歌舞伎の特徴と言われているのがこちら!
歌舞伎の魅力1:化粧
歌舞伎というと、まず思い浮かべるのが隈取をした役者の顔ではないでしょうか。
歌舞伎役者が自分自身で定型にそって化粧を行います。その化粧には役の身分や役割を示す重要な意味があるんです。
例えば顔全体が白色に塗られていたらその役は善人や高貴な人物ということ。肌色が茶に近くなると町人や悪人、そして赤色だと悪人の手下や家来を表しています。
そして歌舞伎の象徴でもある隈取。
血管や筋肉をデフォルメして表現したものと言われていますが、ポイントは使われている「色」です。
・青い隈取…悪や怨霊
・茶色い隈取…人間に化けた妖怪
このように分けられているんです!
話の内容がわからなくなっても、隈取を見れば登場人物がどんな役柄なのかが分かります。
歌舞伎の魅力2:女形
歌舞伎のもう一つの魅力といえば男性の役者が女性役を演じる「女形」です。男性しか舞台に上がることができない歌舞伎(その理由については以下で詳しく述べています。)において、女性役を演じる役者のことをさします。
男性が女性役を演じるのは世界的にも珍しいと言われています。
男性特有の肩幅や声の低さをどうすれば女性らしく見えるのか、何百年も前から研究されてきた仕草やセリフの言い回しなどの美しさは見ていてため息が漏れるはず。
歌舞伎の魅力3:歴史
歌舞伎のルーツである「かぶき踊り」が始まったのは1603年。出雲の阿国によって始められたと言われています。
このかぶき踊りが当時大変人気になり、遊女に伝播しました。なんと今は男性だけが舞台に立てる歌舞伎は、昔は女性が演じていたんです。
しかしそれが風紀を乱すという理由で政府から禁止され、それならばと少年たちの「若衆歌舞伎」に変化しますが、それも同じ理由で禁止に。
最終的にたどり着いたのが、現在の男性だけで構成された「野郎歌舞伎」です。
どれだけ禁止されても形を変えて受け継がれてきた歌舞伎。今行われているのは400年以上に渡って磨き上げられた芸なんです!
ちなみに、歌舞伎とよく比較される『能』と『狂言』についても気になる方は、こちらの記事をオススメします。
>>>【初心者向け】能と狂言の基本をおさえよう!
歌舞伎を見にいこう!
せっかく歌舞伎に興味が湧いたけど、なんだか敷居が高くて見に行きにくい…と思われる方は多いんじゃないでしょうか。
編集部もよく歌舞伎を見にいくのですが、実は後ろの方の席だとかなりリーズナブルに歌舞伎を楽しめるんです!!
後ろの方じゃあまり見えないのでは…と思う方。そんなことはありません。編集部はある時、一番後ろから見ていたのに、出演されていた市川海老蔵さんの目力が突き刺さって今でも忘れられない思い出になっています…!
どの席にも違った楽しみ方があるので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
服装も普段通りでOK。話がわからないんじゃ…という場合も、イヤホンガイドがあるのでぜひご活用ください。
全国で歌舞伎がみられる劇場をご紹介いたします!
東京 歌舞伎座
歌舞伎と言えばやっぱりここ。「歌舞伎座」です。
1889(明治22)年、木挽町の地に誕生し、以来古典芸能を上演し続けてきました。
基本的には毎月、何かしらの公演を行っているので、思いついたときにフラッと立ち寄るのもおすすめ(空席を必ず公式サイトで確認してから向かいましょう!)
京都 南座
歌舞伎座のほかに、代表的な劇場が京都にある南座です。その歴史は出雲の阿国がかぶき踊りを披露していた江戸時代初期にまで遡ります。
由緒ある劇場でぜひ歌舞伎をみてみませんか?
歌舞伎の楽しみ方 番外編
一般的な劇場は、座席での飲食は固く禁じられていますが、なんと歌舞伎座や南座では休憩時間中、座席でお弁当を食べることができるんてす!
劇場内での販売もありますし、近くのデパートでちょっといいお弁当を買って、劇場内で食べるのも楽しみ方の一つです!
(注:2021年1月現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に禁止されている場合がございます。事前に公式サイトでご確認ください。)
まとめ
歌舞伎の魅力から歴史、劇場までご紹介いたしました。
ここに書かれているのは本当に歌舞伎の入り口にしかすぎません。
なんだか敷居が高そうで観に行きにくい…そんな風に思われている方も、ぜひ一度足を運んで見てほしいです。
日本の伝統芸能を肌で感じてみませんか?