アンドリュー・ワイエス(1917–2009年)は、ペンシルベニア州チャッズ・フォードとメイン州クッシングを拠点に活動した、20世紀アメリカを代表する写実主義の画家です。
テンペラや水彩による緻密な筆致で故郷の建物・丘・人々を描き続け、代表作《クリスティーナの世界》(1948年、ニューヨーク近代美術館所蔵)で広く知られています。
1963年に画家として初めて大統領自由勲章を受章し、2007年には国民芸術勲章も受章しました。
こんにちは、ユアムーン株式会社 編集部です。
皆さんはアンドリュー・ワイエスというアーティストをご存知でしょうか。
ワイエスは、写実主義で知られる20世紀アメリカを代表する画家です。国民芸術勲章や、大統領自由勲章を受賞した経歴もあります。ワイエス自身の生活環境にある建物、丘、広野や人々を、写実的に描いた絵画は国際的にも人気を博しました。日本でも様々な美術館で、個展が開催されました。2009年の死後もなお、多くの人に評価されています。
この記事では、そんなアメリカ美術史の重要作家、作家アンドリュー・ワイエスの『人生』と『作品』を中心にご紹介します。
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Toggleアンドリュー・ワイエスとは?
アンドリュー・ワイエス基本情報
| 本名 | アンドリュー・ワイエス *正式にはアンドリュー・ニューウェル・ワイエス |
| 国籍/出身 | アメリカ合衆国 ペンシルベニア州チャッズ・フォード |
| 生年月日 | 1917年7月12日-2009年1月16日 |
| 分野/芸術動向 | 絵画、写実主義 |
| 学歴/出身大学など | – |
| 公式サイト/関連サイト | https://andrewwyeth.com/ |
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アンドリュー・ワイエス年表
| 年 | 出来事 |
| 1917年 | ペンシルベニア州チャッズ・フォードに生まれる |
| 1936年 | フィラデルフィア・アート・アライアンスで最初の個展 |
| 1937年 | ニューヨークのマクベス・ギャラリーで個展、出品作が完売 |
| 1945年 | 父N.C.ワイエスが踏切事故で死去 |
| 1946年 | 父の死を受けて《1946年の冬》を制作(ノースカロライナ美術館所蔵) |
| 1948年 | 《クリスティーナの世界》完成(翌年ニューヨーク近代美術館が収蔵) |
| 1963年 | 画家として初めて大統領自由勲章を受章 |
| 1971年-1985年 | 隣人ヘルガ・テストルフをモデルに連作を制作(ヘルガ・シリーズ) |
| 2007年 | 国民芸術勲章を受章 |
| 2009年 | チャッズ・フォードの自宅で死去(91歳) |
ワイエスの人生とアート
アーティストへの道
故郷フィラデルフィアを描きつづけた画家
ワイエスは1917年に、ペンシルベニア州チャッズ・フォードに生まれました。数度の旅を除いて、生涯のほとんどを故郷と、別荘のあったメイン州クッシングの地で過ごし、その土地と人々がワイエスの描く対象でした。イラストレーターのN.C.ワイエスのもとに生まれたワイエスでしたが、幼い頃は病弱で、学校には通うことができなかったといいます。その代わり、父が先生となり、描くことを学びました。二十代前半からは、父のアトリエで働くようになります。
1936年にアート・アライアンス・フィラデルフィア ではじめての展示を経験します。1937年にはニューヨーク市のマクベスギャラリーでも展示を行います。この展示で、作品は高い評価を受け、作品の全てが完売となりました。戦後には、抽象表現主義やポップアートの台頭で、ニューヨークのアートシーンがさらに盛り上がりを見せるなか、一貫してリアリズムを追求します。流行とは異なる表現でも、生涯にわたり人気を博す画家でした。1963年には、ワイエスが画家としては初めての受賞となった大統領自由勲章、2007年には国民芸術勲章を受賞しています。
ワイエスの描くアメリカ
写実的に描かれたワイエスのアメリカは、どこか寂寥感を感じさせます。ワイエスの絵の多くは、故郷チャッズ・フォードのブランディワイン・バレーやその周辺や、沿岸地帯のクーシング周辺が描かれています。そこで見た建物や自然風景や出会った人々など、ワイエスが日常的に触れるものを描きつづけました。作品は主に、テンペラ画で一般的に知られていますが、初期から続く水彩画や素描画も多く残しています。
代表作一覧
| 作品名 | 制作年 | 所蔵先 |
| クリスティーナの世界 | 1948年 | ニューヨーク近代美術館(MoMA) |
| 1946年の冬 | 1946年 | ノースカロライナ美術館 |
| ヘルガ・シリーズ | 1971年-1985年 | 複数のコレクションに分蔵 |
ワイエスの代表作
ワイエス画の特徴
茶色や緑といったアースカラーをメインに用いるワイエスですが、自身の卓越した表現力により、自然界が見せるわずかな色の違いも見てとれます。正確で、細やかなワイエスの絵画は、静止画であるにもかかわらず、鑑賞者はその中に、風、空気、温度感、そして動きまでも感じとることができます。
代表作《クリスティーナの世界》
1948年に完成した《クリスティーナの世界》は、ワイエスの代表作のひとつです。メイン州の沿岸地帯を舞台とした丘を背景に、ピンクのワンピースを着た女性が描かれた作品です。描かれた女性のインスピレーションとなったのは、ワイエスの隣人で当時55歳だったアンナ・クリスティーナ・オルソンです。クリスティーナは、(おそらくポリオの後遺症である)筋肉が衰える進行性の病を患っていました。歩く力のないクリスティーナでしたが、車椅子を拒み、両腕を使って這って進むことを好んだといいます。絵の中の女性は、身体的な自由の効かなくとも、前に進む精神世界の自由さを感じとることができる作品です。現在はニューヨーク近代美術館に所蔵されています。
<オルソンハウス・シリーズ>
《クリスティーナの世界》を最重要作品として含む作品群が、<オルソンハウス・シリーズ>です。姉クリスティーナと弟アルヴァロのふたりの日常を描いた作品群となります。ワイエスは、オルソン姉弟が住む家をはじめとして、彼らの周りにあった家屋、道具、人物、船なども描きました。1960年代にふたりが亡くなるまで、ワイエスはこのシリーズの制作をつづけたといいます。
<ヘルガシリーズ>
ペンシルベニア州チャッズ・フォードで、ワイエスの隣人だったドイツ人のヘルガは、長きにわたってワイエス絵画のモデルとなりました。1971年から1985年まで、スケッチ、水彩、テンペラでヘルガをモデルとした作品を240点前後描いたとされています(資料により点数の記載は異なります)。このヘルガ・コレクションは、1989年に匿名の日本企業へ一括で売却されたと報じられています。
よくある質問
アンドリュー・ワイエスはどんな人物ですか?
20世紀アメリカを代表する写実主義の画家です。ペンシルベニア州チャッズ・フォードとメイン州クッシングを拠点に、故郷の風景や隣人を一貫してテンペラ・水彩・ドライブラシで描き続けました。
アンドリュー・ワイエスの生い立ちは?
1917年にペンシルベニア州チャッズ・フォードで、挿絵画家N.C.ワイエスの子として生まれました。幼少期は病弱で学校に通えず、父から直接絵を学びました。1945年に父が踏切事故で亡くなったことは、その後の作品にも大きな影響を与えたとされています。
画風の特徴は?
アースカラーを基調にした落ち着いた色彩と、テンペラ・ドライブラシによる緻密な描写が特徴です。抽象表現主義やポップアートが台頭した時代でも、生涯にわたり写実主義を追求しました。
代表作は何ですか?
《クリスティーナの世界》(1948年、ニューヨーク近代美術館所蔵)が最も知られています。隣人クリスティーナ・オルソンと弟アルヴァロを描いた<オルソンハウス・シリーズ>、隣人ヘルガ・テストルフをモデルにした<ヘルガ・シリーズ>も重要な作品群です。
まとめ
いかかでしたでしょうか。
一貫してリアリズムを追求し、自身の生活で触れるものを描きつづけたワイエス。また、福島県立美術館には彼の作品が6点所蔵されています。
皆さんも実際にワイエスの作品をご覧になってはいかがでしょうか。






