ダナ・シュッツの作品は自分自身を食べる人種(セルフイーター)や、
地球上で最後の男であるフランクという人物などが絵開かれており、手の込んだ物語性が見られます。
シュッツは「文化に基づいた絵画には興味がありません。それは退屈だと思うからです。私が興味を持っているのは絵画の中の感情的な空間や、世界のヒエラルキーが絵画の中で覆されることです。」という言葉を残しています。
そして最近発表した作品「Open Casket」は海外で議論を呼んでおり、世界的に注目されつつあるアーティストです!
今回はそんなダナ・シュッツについて、彼女の作品と共にご紹介します!
ダナ・シュッツってどんな人?
<名前>
ダナ・シュッツ(Dana Schutz)
<国籍>
アメリカ合衆国
<経歴>
ダナ・シュッツ(Dana Schutz)は、1976年にアメリアのミシガン州デトロイト郊外のリヴォニアで生まれました。母親は中学校の美術教師、父親は高校のカウンセラー。
シュッツは15歳から絵を描き始め、1995年にアドレーE.スティーブンソン高校を卒業しました。
彼女は2002年にクリーブランド美術大学でBFAを、その後コロンビア大学でMFAを取得しました。
さらに、シュッツはスカウヒーガン絵画彫刻学校と英国のノリッジ芸術デザイン学校でも勉強をしていました。
シュッツは大学院在学中に展示を開始し、2002年から15を超える個展を開催しています。
彼女は学位を取得した2002年にパリで開かれた展示会で、「セルフイーターシリーズ」と「フランク」が描かれたデビュー作品『Frank from Observation』の両方で高い評価を得ました。
その後の数年間で、シュッツは多くの国で展示を行いました。
そして2017年、ホイットニービエンナーレと言われる展示会で、シュッツは「Open Casket」を展示しました。
しかし、その作品にはエメット・ティル(白人女性に口笛を吹いたことで殺されたアフリカ系アメリカ人の少年)の遺体を描いており、その発表時にかなりの反発と論争を呼ぶこととなりました。
シュッツは現在、ニューヨークのブルックリンに住んでおり、夫の彫刻家ライアン・ジョンソンと一緒に働いています。
彼女の作品は、ニューヨーク近代美術館、ボストン美術館、ロサンゼルス現代美術館などのコレクションに収蔵されています。
以下にシュッツのインタビュー動画を載せておきますので、是非そちらもご覧ください!
ダナ・シュッツの代表作品
Open Casket
2016年に制作されました。メディアで報道された黒人男性が白人警察官に銃殺された事件が元ネタとなっています。黒人活動家たちはシュッツが黒人の苦悩を利用したとして、作品の削除を求めています。
Face Eater
セルフイータシリーズの1つ。
黒色の背景は絵画の狂気性を強調しています。
Frank in Desert
地球上で最後の1人であるフランクが描かれている。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
多くの芸術家は時代の背景や文化を訴えるスタイルの絵画を制作しています。
しかし、ダナ・シュッツはそのようなものには興味がなく、自身の中で作り上げた世界観を絵画で表現していました。
自分が作りたいものを作る。アーティストらしい人だと心の底から思いました。
いつかは彼女の作品を日本でも見たいものですね!
参考文献
TOP画像:Marco Anelli | Dana Schutz
ARTnews|Painter Dana Schutz, Whose Work Set Off Whitney Museum Controversy, Heads to David Zwirner
artnews|Dana Schutz (American, born 1976)