Christoph Niemann/クリストフ・ニーマン
<プロフィール>
クリストフニーマンは、1970年に西ドイツのヴァイブリンゲンに生まれた世界を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナー、作家です。
シュトゥットガルトの州立芸術アカデミー(State Academy of Fine Arts Stuttgart)でハインツエーデルマンのもとで芸術を学んだ後、ニューヨークで11年間活動を続け、現在はベルリンで活動しています。
彼の作品は、ニューヨーカー、 ナショナルジオグラフィック、ニューヨークタイムズマガジンなどに掲載されています。また、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、応用芸術美術館(オーストリア)、21_21 Design Sight(日本)など、世界各国で展示会が開催されています。
1999年、ニーマンは世界をリードするグラフィックデザイナー、アーティストにより構成されるAGI(Alliance Graphique Internationale)に参加しています。2010年には、アートディレクターズクラブに殿堂入りました。まさに、巨匠と言っても過言では無い存在です。
<作品>
ニーマンはポールスミスとのコラボレーション(2020年発売)で更に日本で知られるようになりました。このコラボでは、ニーマンの遊び心あるイラストレーションが描かれたTシャツやパーカーが販売されています。
「ニーマンの作品スタイルは、ポール・スミスのデザインとどこか通じる部分があるかもしれません。どちらも遊び心の要素を持ち合わせ、見ている側に驚きをもたらすのが大好きである一方、現実世界に根ざしており非常に親しみがあります。」
ポールスミス公式サイト
「椅子に座りアイディアが浮かぶのが理想だが、実際はアイディアが形になるまでかなりの時間紙を見続ける必要がある。」とニーマンは述べています。高度の抽象化された彼のイラストレーションは、簡単に描けそうに見えるかもしれませんが、その線一本一本に明確な意味があります。必要ではないもの以外を取り除き、本質のみ描きだすには、高度なテクニックが必要となります。
ニーマンの作品は日本をテーマにしたものもあります。2011年、ニーマンは東日本大震災が起こった際のニューヨーカーの表紙を手がけました。この作品では当初、日本の国旗や北斎の波などの古典的なキービジュアルを活用することを検討していました。しかし、日本からのインタビュー映像や、ビデオクリップを通して、「情景の静けさと穏やかさ」、「不気味な沈黙」を感じたといいます。そこでニーマンは、写真では映し出せない”静かな大災害”のイラストレーションを描きだしました。桜と放射線のアイコンを組み合わせたグラフィックは、原発事故の形のない恐ろしさが現れています。
「デザイナーとして絶対に大事なのは、自分の作品を見る人の視覚・文化的な読解力をよく理解すること」とニーマンは述べています。見る人の期待や知識と作品の意図が交わった時、その作品のメッセージが創造的なコミュニケーションに変化します。見る人たちがアートを可能にするのです。
<参考文献>
TOP画像:https://www.drsgate.com/company/c00052/369.php?&ref=mod
https://www.ted.com/talks/christoph_niemann_you_are_fluent_in_this_language_and_don_t_even_know_it
https://www.paulsmith.co.jp/stories/ss20/christoph-niemann
https://www.newyorker.com/news/news-desk/cover-story-christoph-niemanns-nuclear-flowers
https://www.youtube.com/watch?v=q_k8fVNzbGU
https://en.wikipedia.org/wiki/Christoph_Niemann
https://www.npr.org/2011/06/22/137197285/-that-s-how-an-illustrator-explains-it-all