石村嘉成が描く天神動物園 – 世界を魅了するアニマル絵画 版画家 –

出典:伊予を描く人,『iyomemo』,https://www.iyobank.co.jp/sp/iyomemo/entry/20180301.html

2021年12月13日から2022年1月3日まで岡山県のRSKイノベイティブセンターの能楽堂ホールで石村嘉成さんによる『天神動物園〜キリンのサンタロウと仲間たち〜』が開催されました。

石村嘉成プロフィール

1994年、愛媛県の新居浜市に生まれ、2歳児検診で自閉症と診断されました。

それでも母・有希子さんは「必ず嘉成を立派に育ててみせる」と、厳しい療育の道を歩み始めました。

「トモニ療育センター」で河島先生より療育の基礎を教わり、普通学級で入学した小学校には毎日同伴し、まさに二人三脚の生活だったと言えます。

しかし2003年、嘉成さんが9歳の頃に有希子さんの癌が発覚します。

まだ若かった故に癌の進行も早く、その2年後にこの世を去ることとなりました。

有希子さんは闘病中も「せっかく進歩してきた療育が私のせいで止まってしまうかもしれない」と嘉成さんのことばかり気にかけていたそうです。

有希子さんの死後も父・和徳さんの懸命な療育により、普通受験で新居浜商業高等学校への進学を遂げました。

そして授業選択で油絵や版画に取り組んだことが嘉成さんの人生を大きく変えることとなったのです。

元々絵を描くことが好きだった嘉成さんはめきめきと才能を開花させ、ついに自宅アトリエで制作活動を始めるに至りました。

嘉成さんの絵は広く評判を呼び、2013年には第二回絵コールドパリ 浮世・絵展ドローイングコンテストにて入選を果たします。

それがきっかけに2014年には新居浜市の美術館を最初として全国各地で個展が開催され、これまでに多くのファンを集めています。

 

展覧会情報

会期 2021/12/14(火)〜2022/01/03(月)
会場 RSKイノベイティブ・メディアセンター1階 能天堂ホール tenjin9
特設サイト https://www.rsk.co.jp/event/tenjin-zoo/

展覧会の経緯

一際動物を描くことにが好きだった石村さんですが、2020年に初めて岡山県の池田動物園を訪れた際、一頭のキリンに目を奪われました。

サンタロウというアミメキリンの子供です。

そのサンタロウにインスピレーションを受け、その場でスケッチを行ってすぐさま作品制作に取り掛かったのです。

今回の展示では、そのサンタロウを描いた作品はもちろん、干支にちなんだ作品など、サンタロウの大勢の仲間達が様々な表情を見せてくれました。

また、能楽堂での開催ということもあって、荘厳な雰囲気の中での一味違った雰囲気での開催となりました。

作品の紹介

実際に展示されていた作品を3つご紹介します!

『サンタロウくんと池田動物園の仲間たち』

こちらが今回の展示会のメインとなる作品です。

高知から一頭きりで岡山までやってきたサンタロウを池田動物園の仲間達が優しい眼差しで迎えている様子が描かれています。

実は左上の緑色のキリンがサンタロウのお父さん、右真ん中の黄色いキリンがお母さんなのだそうです。

実際には亡くなってしまったそうですが、優しい眼差しがサンタロウのことを見守っています。

『今年も良い年でありますように』

こちらの絵にはお正月らしく干支の動物が全員描かれています。

柱で見えにくくなっていますが、左下には紫色をした蛇、右下には小さな可愛らしい鳥が佇んでいます。

 石村さんの作品に共通して言えることですが、動物たちの眼が本当に綺麗に描かれています。

多様な色彩が美しく、誰もが引き込まれるような眼差しをしています。

動物たちの感情を石村さんの純粋な心が読み解くからこそ、このような唯一無二のタッチが生み出されるのではないでしょうか。

『椿』『迫る!!シベリアンタイガー』『コブハクチョウ』

こちらは3つ別の作品が並んでいます。

鮮やかな赤色の椿、今にも飛び出して来そうなシベリアンタイガー、美しく翼を広げたコブハクチョウ。

美しさと力強さを兼ね備えた3作品ですが、それぞれがまた違った雰囲気を醸し出していていますよね。

加えて石村さんの作品の特徴として挙げられるのは、固定概念に囚われない色使いです。

ハクチョウを見ると一目瞭然ですが、白ではなくてピンクが採用されています。

普通ではない色合いも、不思議と馴染んでいて、背景の水色とのコントラストが可愛らしいですよね。

シベリアンタイガーは一見普段見かける色ですが、目をよく見てください。青、紺色、オレンジと、普通では思いつかない色合いをしていることが分かります。

他の作品

他の作品もご紹介していきます!

『白い馬』

白い馬
出典:『版画はぼくのことば 石村嘉成』,プロフィール,https://i-yoshinari.jp/category/gallery/

『ヤギ』

ヤギ
出典:『版画はぼくのことば 石村嘉成』,プロフィール,https://i-yoshinari.jp/category/gallery/page/13/

こちらの作品は、俳優の森山未來さんが企画・出演した舞台「Judas, Christ with Soy(ユダ、キリスト ウィズ ソイ)~太宰治『駆込み訴え』より~」(2015年7月11、12日)のチラシ表絵に採用されました。

こちらの舞台において、ユダはただの悪人ではなく愛憎が交錯する普遍的で人間的な人物像として描かれているそうです。

一方キリスト教圏において山羊は悪魔の象徴と言われています。

森山さんはこの『ヤギ』を鑑賞した際に、歪に輪郭が絡み合ったヤギと、悪人の枠から抜け出たいともがくユダの姿が重なったそうです。

『怒っているマンドリル』

石村嘉成 オフィシャルサイト » 怒っているマンドリル
出典:『版画はぼくのことば 石村嘉成』,プロフィール,https://i-yoshinari.jp/gallery/2020/08/4226/

こちらは子供を守って怒っている母マンドリルの様子が描かれています。

凛とした力強い眼差しには引き込まれてしまいそうな迫力があります。

石村さんの作品には親子や母親を描いたものが多いです。

母・有希子さんの強くて優しい愛のある姿を重ねているのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか!

今回は昨年の年末から今年の年始にかけて開催された石村嘉成さんによる『天神動物園〜キリンのサンタロウと仲間たち〜』についてご紹介させて頂きました。

石村さんの内なる力を信じたご両親の懸命な療育と石村さん本人の努力が高じて発揮された絵画の才能は、これからもたくさんの場所でファンを集めていくのではないでしょうか。

これからのご活躍に注目ですね!



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