Jeremy Lipking/ジェレミー・リップキング
<プロフィール>
ジェレミー・リップキングは、1975年カリフォルニア州サンタモニカに生まれました。父親のロン・リップキングが画家兼イラストレーターであったことから、は幼いころより芸術に対する興味、関心がありました。絵画の技術は、The California Art Institute in Westlake Villageで習得しました。
2013年、アメリカンアーティストという芸術誌にて史上最高の75人のアーティストの1人に選出されました。更に翌年、リプキングは国立カウボーイ&ウエスタンヘリテージミュージアムで”Prix de West Purchase Award”、アートリニューアルセンターのInternational ARC SalonでBest in Show and Purchase Awardsの二つの賞を受賞しました。
<作品>
リップキングの作品は現実主義(リアリズム)に分類され、ジョンシンガーサージェント、ホアキンソローラ、アンダースゾーンなどの19世紀後半の巨匠と肩を並べるほどであると称されています。その作品は、絵具の域を超えた説得力のある雰囲気を出しています。
リプキングの作品のテーマ、モチーフには、肖像画、風景、女性のヌードなどが用いられ、現実主義の文脈で描かれています。トーンと色相の微妙なバランスを通して、印象的な雰囲気を生み出し、私たちに、苦痛、熟考、親密さなどの複雑な気持ちを呼び起こします。
リアリズムは、二十世紀のほとんどの時代において模倣の芸術と誤解されてきました。(このころ、ちょうど写真が台頭し始めています。)実際、リップキングの作品は非常に写実的で、その写真のような美しさに我々は魅了されます。しかし、実際にリップキングの事物に対する”見え方”はカメラのレンズを通して見えるものとは真逆です。写真に映し出される画像は平坦化され、すべての色と色調の関係を硬い機械的パターンにしてしまいます。それに対してリップキングは、非常に敏感な目で被写体の中や周りを観察し、普通の人やカメラがとらえることができない明るさ、色合いを描き出します。これが彼の作品から生まれる創造的な美しさの源泉となっているのです。
リップキングの制作プロセスはキャンバスの上に色をおいていくように絵を描き進めていく方法で、フランスの画家、ポール・セザンヌとよく似ています。しかし、大きく異なる点もあります。セザンヌはタッチの不連続性を強調しましたが、リップキングは明るさで描くので、連続的な色のベールが浮かび上がります。そうした、彼の巧妙なタッチが要素ごとの関係性を作り出し、作品をリアルに見せているのです。
海外ではワークショップも行われているようですので、是非行ってみたいですね。
<参考文献>
TOP画像:https://images.fasosites.com/63572_2215051w650.jpg
https://www.artsy.net/artist/jeremy-lipking
https://woodriverfinearts.com/portfolio-view/jeremy-lipking/