【徹底解説】建築家 レム・コールハースの人生と作品に迫る〜オランダ発、都市デザイン最前線〜

【徹底解説】建築家 レム・コールハースの人生と作品に迫る〜オランダ発、都市デザイン最前線〜

こんにちは。ユアムーン 編集部です。

皆さんは レム・コールハースという人物をご存知ですか?

レム・コールハースはオランダ出身の建築家・都市計画家です。1975年に建築設計事務所OMAを設立して以降、現代建築の最前線を牽引している最も重要な人物のひとりとして知られています。

本記事ではそんなレム・コールハースの人生と作品についてご紹介します。

レム・コールハースについて

基本情報

本名 レム・コールハース(Rem koolhaas)
生年月日 1944年11月17日〜(79歳)
出身/国籍 オランダ ロッテルダム
学歴 英国建築協会附属建築専門大学
分野 建築、都市計画
傾向 近代建築
師事した/影響を受けた人物 モダニズム建築、摩天楼文化に影響を受ける

経歴と作品

生い立ち

レム・コールハースは1944年11月17日にオランダのロッテルダムで生まれました。

父はジャーナリストで、小説や脚本家としても活躍していました。

幼少期をインドネシアで過ごしたのち首都アムステルダムに戻り、週刊ジャーナリストとして1968年まで仕事をしていました。

1968年にロンドンの英国建築協会附属建築専門大学(AAスクール)へ入学、その後の米国コーネル大学で建築を勉強しました。

近代ニューヨークに見た資本主義の景色

1975年にアメリカ ニューヨークの建築都市研究所で、OMA(The Office for Metropolitan Architecture)を設立。同年に出版した『錯乱のニューヨーク(1975)』が彼のキャリアの第一歩になりました。

彼は都市計画家として実際の建築物と同じかそれ以上に理論を重要視しており、しばしばこれらの著作にあらわされる理論も彼の代表作とされています。

『錯乱のニューヨーク』では、20世紀に近代建築のスタンダードとなったモダニズム建築に対して、アメリカの摩天楼などに見られる資本主義的な巨大建築を例に「マンハッタニズム」という都市理論を提唱しました。

宗教や権力といった、20世紀以前の建築の歴史を牽引してきた要素を抜きにした巨大建築を、レム・コールハースは善悪の彼岸を超えたものとして評価しています。

また、人間のスケールを超えた設計や、人的リソースの循環を考慮しない建築物の乱立といった都市に見られる現象にもレムは関心を寄せています。

建築とは本来、住空間を豊かに安全に暮らすため、仕事や娯楽といった役割を効率よくこなすためといった長期的な機能性を第一に考えられたものが優れていると考えられていました。

しかし近代から現代にかけて、技術発展による機能性の保証、建物の役割の短命化といった様々な要素を資本主義が後押ししたことで建築が持つ意味や価値は激動の時代を迎えています。

そんな20世紀以降の建築界にあってレム自身は社会主義を表していますが、資本主義的な社会の流れにかなり関心を寄せているのがわかります。

レムはこのような、都市や建築が見せる矛盾と、それを吸収したり反発したりを繰り返して新しい姿を見せていく流れに神秘的な力を感じ、それを社会的役割と一致させることが必要だといいます。

レム・コールハースの代表的な作品5選

ヴィラ・ダラヴァ(1991)

レムの初期の代表作としても知られる『ヴィラ・ダラヴァ(1991)』はパリの自然豊かな丘の上に建てられた住宅です。

開放的なピロティ、水平連続窓といったル・コルビュジェ(1887-1965)が提唱したモダニズム建築の主要な要素に準拠したクラシカルな様式のつくりになっています。

屋上はガラス窓によって境界が作られ、備え付けられたスイミングプールで遊びながら緑に囲まれたパノラマビューを楽しめるようにもなっています。

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シアトル中央図書館(2004)

アメリカ合衆国のシアトルに建てられた公共図書館で、建築デザイン会社『REX』の社長でもあるジョシュア・プリンス・ラムス(1969-)と共に制作されました。

大手のデジタル書籍サービスが続々と始まった2000年代、本が好きな人が分け隔てなく集まることができる集会場としての価値をコンセプトに、図書館という空間にただの書庫としての役割を与えるデザインではなく、むしろ古臭い図書館らしさに囚われない新しい公共施設としてのイメージを与えるためにデザインされました。

この『シアトル中央図書館』は2005年の全国AIA名誉建築賞を受賞しました。

現代では当時に比べてかなりデジタル書籍の浸透が進み、図書館もデジタルデータの閲覧や貸借サービスも行われるようになるなどしましたが、それと同時に読み聞かせや廃棄本の配布などのイベント、リファレンスサービスの充実、館内での選書コーナーやポップに力をいれるなど本の貸し借りに留まらない施設に進化しているように思えます。

そういった意味で、図書館という空間の価値を書庫から集会場へ拡張したレムは先見の明があったと言えるでしょう。

サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン(2006)

現代建築家を招き夏季限定のパビリオンを公開する企画展『サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン』において、2006年に招かれたレムが製作した作品です。

期間限定の休憩所を設計するという課題に対して、レムは空気で膨らむ機構を備えた飛行船のようなかたちのパビリオンを作りました。

内部はポリカーボネートパネルで仕切られ、様々なイベントが催されました。

中国中央電視台本部ビル(2004-2008)

中国中央テレビの本社ビルとして建設された『中国中央電視台本部ビル』は、2002年に国際的なコンペティションでデザインが募られ、その結果レム率いるOMAが契約を勝ち取りました。

OMAの代表であるレム・コールハースのほか、OMA所属の建築家オーレ・シェーレンが主体となって設計・建築を行い、400人以上の設計チームを要する大規模な計画となりました。

六つの辺が不均等に組み合わせられた複雑な構造で、設計構造を建築構造家セシル・バルモンド率いるアラップ社が担当し、無事に実現可能な設計に落とし込むことができました。

『プラダ財団美術館(2015)』

2015年にプラダ財団がオープンしたミラノの『プラダ財団美術館』は、1910年代に建てられた蒸留所をレム・コールハース率いるOMAが増改築したものです。

オープン以降、さまざまな企画展を開催し、一般の市民も見ることができる美術館になっています。

既存の施設に加えポディウム(演壇)、シネマ(劇場)、タワー(新棟)といった新しい施設が作られており、「保存」と「創造」の共存・相互作用がコンセプトになっています。

かつての蒸留所の石壁をそのまま残しつつ、鏡張りやアルミなどの新素材をふんだんに取り入れた新施設が混在する風景は、時代の流れを凝縮した一つの街のような様相になっています。

時代を超えて芸術作品に触れることができる美術館という空間を、歴史を繋ぎ合わせた一つの都市として表現するパッチワーク的な手法はまさにレム・コールハースらしいものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

モダニズム建築そのものを思わせるクラシックな作品から、現代建築チックな奇抜な作品まで様々な作風を持つレム・コールハースでした。

前時代の文化へのアンチテーゼを繰り返して発展する側面を持つ芸術の世界にあって、古いものも新しいものも、良いものも悪いものも、矛盾すらも受容してひとつの文化として捉えるレム・コールハースの巨視的な視点は作家としての悟りすら感じますね。



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