2022年02月09日(水)より企画展「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」が茨城県近代美術館で開催されます。
17世紀以降、フランスの風景画は神話や物語が伴う理想的風景として表現され、アトリエの中で合成・再構成された架空の自然が描かれました。しかしながら、19世紀に入ると、持ち運びが容易なチューブ入り絵具の発明によって、アトリエの外での制作が容易になります。
鉄道網の発達も相まって、画家たちは様々な場所に赴いてリアルな風景に向き合い、明るい光の下で観取した自然の瑞々しさや力強さ、輝きを生き生きと表現するようになりました。
本展では、コローの師であるアシル=エトナ・ミシャロン(1796-1822)、ジャン=ヴィクトール・ベルタン(1767-1842)の理想化から写実へ向かう風景画を皮切りに、手つかずの自然のありのままの姿を捉えたギュスターヴ・クールベ(1819-1877)、田舎や郊外の田園風景に惹かれたバルビゾン派、旅の記憶に叙情を交えて描いたコローなど珠玉の作品を紹介します。
そして、戸外制作の先駆者の一人であり、水と大気と光の変化を画面に定着しようとしたウジェーヌ・ブーダン(1824-1898)から、風景を輝かしい色彩によって光そのものとして表現するにいたるクロード・モネ(1840-1926)ら印象派への道筋をたどります。
Euphoric ” ” 編集部からの一言
印象派が誕生したのは、産業革命という社会が大きく変化しようとしている時代でした。エネルギーを中心とした技術革新、工業化による労働環境の変化、それに伴う社会主義の台頭など、それまでの近世ヨーロッパでは考えられないほどのスピードで社会が大きく変わり続けた時代です。
こうした流れの中で、アカデミー一強であった美術界でも変化が始まり、それと対極とも言える印象派が徐々に社会に認められ始めます。印象派の絵画の特徴は、見える筆のストローク、戸外制作、日常的なテーマなど、それまで主流であった絵画とは大きく異なるものでした。
印象派の発展には、チューブ入り絵の具の普及、写真の台頭に対する主観性の追求、グローバルサプライチェーンの発展に伴う東洋美術の交流など、産業革命による便益が大きく貢献しています。
こうした時代変化の中で生まれた美術は、新型コロナウイルスによる大きな社会変化を感じる我々に何か通じるものがあると思います。今だからこそ、印象派の作品を見に行ってみてはいかがでしょうか!?
「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 展覧会情報
会期 | 2022年02月09日(水)〜2022年03月27日(日) | |||||||||||||||
会場 | 茨城県近代美術館 | |||||||||||||||
展覧会公式サイト | http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/ | |||||||||||||||
開館時間 | 9:30〜17:00 (入場は16:30まで) | |||||||||||||||
休館日 | 3月22日(火) ※水戸の梅まつり期間中は無休 | |||||||||||||||
観覧料 |
※春休み期間を除く土曜日は高校生以下無料 ◎ WEB 予約をおすすめします |
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住所 |
「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 展示作品
見どころ1
名作《イタリアのダンス》を含むコロー16 点、一挙公開
けぶるような銀灰色の、叙情的な風景画が日本でも人気の高いジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)。ランス美術館が誇るコロー作品 27 点のうち、選りすぐりの名画16点が来日を果たしました。
初期から晩年までバランスの良いセレクトによって画風の変遷を辿りながら、様々な土地への旅を通して生まれたコローの詩的情緒あふれる絵画世界をご覧いただく貴重な機会です。
イタリアのダンス
湖畔の木々の下のふたりの姉妹
見どころ2
「空の王者」ブーダン――光、水、大気の交響詩
ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898)は、ノルマンディー地方の港町ル・アーヴルで10代後半のクロード・モネ(1840-1926)に出会い、未来の巨匠を光あふれる戸外での制作に導いたことで知られています。空と雲、水の描写に優れたブーダンは海景画を多く描き、コローからは「空の王者」と称賛されました。
本展ではブーダンに一章をさき、7点の優品により、海や港、船、浜辺のリゾートといった画家が得意としたモティーフによる作品をはじめ、やや珍しい動物画も紹介し、絶えず変化・流動する水の様相と、光と大気の繊細なニュアンスをとらえようとしたブーダンの魅力を余すところなくお伝えいたします。
見どころ3
「連作」前夜――モネの“兄弟作”を見比べる
本展には、茨城県近代美術館が所蔵するクロード・モネ(1840-1926)《ポール=ドモワの洞窟》(1886年)と同じ時期に同じ場所(ブルターニュ地方のベリール)を描いた《ベリールの岩礁》(1886年)が出品されます。
これらは、モネが後に展開することになる、「積わら」や「ルーアン大聖堂」、「睡蓮」といった同じモティーフを、異なる季節や時間帯、気象条件のもと、様々に変化する光の効果を追究して何点も描く「連作」の試みにつながっていく重要な作品です。会場では、“兄弟作”ともいうべき《ポール=ドモワの洞窟》と《ベリールの岩礁》を並べてご紹介します。
普段は水戸とランスという遠く離れた地にある2点を至近で見比べていただくと、光の表現や色彩、筆触や構図などの共通点や相違点など、大小様々な発見があることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
気になる作品はありましたか!?
茨城県近代美術館は
- 水戸駅 南口から徒歩約20分
- 北口8番のりばから「払沢方面、または本郷方面」行きのバスに乗車し、「文化センター入口」にて下車約5分。
にてアクセスできます。
詳しいアクセス方法は「公式ホームページ」からも確認してみてください!
特典:招待チケットプレゼント!(5組10名様)
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