Kim Jone’s/キム・ジョーンズ
キム・ジョーンズは1973年、イギリスのロンドン西側にあるハマースミスで生まれました。三歳のとき、父親の水文地質学の仕事の関係により、エクアドルに移住しました。父親の仕事の関係で移動することが多く、その後も、ボツワナ、タンザニア、エチオピア、ケニア、カリブ海の島々など、多様な環境で成長しました。この経験が、のちの彼の価値観、考え方に大きな影響を及ぼしたことはいうまでもありません。


ジョーンズがファッションデザイナーを志したのは14歳のときでした。姉妹の持っていたファッション雑誌を見たときに、自分の進む道を決めたと話しています。その後、ロンドンに戻り、キャンバーウェル・スクール・オブ・アーツに入学しグラフィックデザインを学習しました。その後、ファッションの名門校であるロンドン芸術大学のセントラル・セント・マーチンズでファッションデザインを専攻しました。

ジョーンズのインスピレーションは他のアーティストのイラストレーション、アフリカの自然や文化、日本のストリートファッションなど、様々な分野の観察から生まれます。特に、ファッションイラストレーターのアントニオ・ロペス・ガルシアのイラストレーションは秋/冬の12 Louis Vuittonメンズコレクションのインスピレーションになりました。


MFAを取得して10年後、ルイヴィトンのファッションデザイナーに抜擢されました。彼の持つ高いスキルとそのDNAはルイヴィトンに最適なデザイナーでした。ジョーンズはストリートファッションのスペシャリストで、様々な文化を組み込むデザイナーとして知られています。また、ルイヴィトンの持つ帝国的性質がルイヴィトンのアイデンティティを保ちながら様々な文化を取り入れてきました。その二つのDNAが組み合わさり、男性ファッションの先駆けを作り出しました。そして、非伝統的縫製技術を再構成し、高級のストリートファッションを作り出しました。

更に2018年、ルイヴィトンのデザイナーを辞任したのちに、ディオール・オムのアーティスティックディレクターに就任し、同年6月にパリ・メンズファッションウィークにてコレクションを発表しました。その後も2019年、2020年と毎年多くの作品を発表しています。



また、他にもシュプリームやGU、ナイキなど大手ブランドのコラボレーションを多数手がけました。中でも、韓国のアーティスト、BTSのコラボレーションでは、コンセプトスケッチが早い段階で公開されました。彼のファンだけでなく、世界中のデザイナーにとっての見どころですね。




<参考文献>
https://www.harpersbazaar.com/fashion/designers/a19479743/kim-jones-dior-homme/
https://www.interviewmagazine.com/fashion/kim-jones-1
https://www.fashionsnap.com/article/2018-06-21/dior-homme-kim-jones-kaws/