「白鳥の湖」は誰もが知っているバレエ作品です!しかし、皆さんは実際にバレエの舞台を鑑賞したことがありますか?
言葉のない演技と踊りだけで物語を展開していくバレエは、馴染みのない方々にとっては踏み込みずらい芸術の領域に感じてしまいがちです。また、数多くあるダンスの中でも古典的なクラシックバレエは敷居が高く、お堅いイメージを持ってしまうのではないでしょうか?
今回の記事では、そんなバレエの世界の入口としてバレエについてのちょっとした知識や楽しみ方をご紹介します!
バレエ作品の主人公について
バレエ作品に登場するダンサー達は華やかな衣装を身にまとい、女性は皆お姫様のようで、男性は皆王子様のように見えますが、作品によって彼らの役柄は多様です。
例えば、真っ赤な衣装と扇子がトレードマークの『ドン・キホーテ』に登場するキトリは宿屋の娘という設定で、優雅というよりは、活発ではつらつとした踊りが特徴です。
また、『ジゼル』の主人公ジゼルは村娘で、ストーリーの中で亡霊となってしまいます。煌びやか宮殿のお姫様とは真逆の、森の中の精霊達と亡くなった村娘ジゼルの物語は一般的なバレエのイメージとは異なる暗く悲しい作品です。
さらに、『コッペリア』に登場するコッペリアは、なんと人形作りの職人コッペリウスが作った人形です!村の青年フランツが人間と勘違いして恋に落ちてしまうという物語なのですが、コッペリア役のダンサーの踊りは人形らしく独特な振付が特徴的です。
もちろん、イメージ通りの華やかなお姫様や王女様が登場する作品も多くあり、ディズニー映画としても知られる『シンデレラ』や『眠れる森の美女』はそんなバレエ作品として有名です。
バレエの代名詞『チュチュ』について
バレエと聞いてぱっと思い浮かべるものの中に、女性ダンサーが身に着けるスカート状のバレエ衣装『チュチュ』があるのではないでしょうか?
洗練されたプロのダンサーがチュチュを着用し優雅に踊る姿は美しく、また、小さな女の子がバレエの発表会でチュチュを着て踊る姿はとても愛らしいですよね。
そんな、バレエの代名詞とも言えるチュチュはふたつの種類があります。
ひとつめは『ロマンティック・チュチュ』。元々は貴族が宮殿で行う舞踏会の余興として踊られていたバレエが、鑑賞するものとして物語性が加えられ、トウ・シューズを履いてつま先で踊るなど技術が発展していくとともに誕生したのが『ロマンティック・チュチュ』です。
膝からくるぶしの間までの丈のスカートで、ダンサーの動きとともにふわっと広がる『ロマンティック・チュチュ』を着た踊りが観れるのは、『ジゼル』や『ラ・シルフィード』などが代表的です。
ふたつめは『クラシック・チュチュ』。ロマンティック・バレエの時代を経て、より高度なテクニックが発展していきました。クラシック・バレエの時代には、回転や跳躍などの大胆な動きが取り入れられ誕生したのが『クラシック・チュチュ』です。
『クラシック・チュチュ』は丈が短く横にピンと広がる形のチュチュで、『白鳥の湖』や『パキータ』などで用いられます。
バレエの楽しみ方は、ダンサーの踊り、物語の展開、舞台演出など様々ですが、筆者が注目している要素のひとつが衣装です!同じ作品でもバレエ団によって少しずつ異なるデザインが施されているので、バレエの楽しみ方の幅が広がります。
『チャイコフスキー 三大バレエ』ってなに?
バレエ初心者で「なにから観ればいいか分からない!」という方に真っ先におすすめしたいのが『チャイコフスキー 三大バレエ作品』です。
『チャイコフスキー 三大バレエ』とは『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』の3作品を指します。
これらの作品には、ロマン派の時代に活躍したロシアの偉大な作曲家『ピョートル・チャイコフスキー』の音楽により構成されています。
どれも有名な作品なので、題名だけでも聞いたことがあるという方も多いと思います。
冒頭でもお話した通り、バレエはダンサーの踊りと表現のみで物語を伝えていく芸術なので、その点で「分かりにくさ」や「親しみにくさ」を感じてしまう方も多いと思います。
しかし、チャイコフスキーが手がけた音楽は感情や風景が目の前に広がるように繊細に表現されていて、初めての方でも音楽が織りなすバレエの臨場感を感じ取りやすいのではないでしょうか。
また、どこかで必ず一度は聞いたことがある音楽が含まれている作品なので親しみやすさも湧いてくると思います!
まとめ
いかがだったでしょうか。
バレエの歴史は長く、その起源は15世紀まで遡ります。
伝統のある、奥が深い芸術のひとつではありますが、かといって決して難しいものではありません。
今でも多くの人を楽しませているバレエは、時代とともに進化し、より身近な芸術となっています。
皆さんもこの機会にバレエ作品に触れてみてください!