【徹底解説】デイミアン・チャゼルとは?作品と人生を3分で理解しよう!

【徹底解説】デイミアン・チャゼルとは?作品と人生を3分で理解しよう!
出典:Damien Chazelle, Twitter

みなさんはデイミアン・チャゼルを知っていますか?

デイミアン・チャゼルはオスカーも獲得している著名な映画監督です・

この記事ではデイミアン・チャゼルの『人生』と『主要3作品』をご紹介します!

デイミアン・チャゼルってどんな人?

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出典:Damien Chazelle, Twitter

基本情報

本名 デイミアン・チャゼル (Damien Sayre Chazelle)
職業 映画監督/映画プロデューサー/脚本家
生年月日 1985年1月19日
出生地 アメリカ合衆国 ロードアイランド州 プロビデンス

プリンストン大学教授で計算機科学者の父と、ニュージャージー大学にて中世史の教師を務める母のもとに生まれたチャゼル。幼いころから映画製作を夢見ていましたが、後にミュージシャンになろうと、高校でジャズ・ドラムに打ち込みます。

プリンストン高校卒業後、映画製作の道を再び歩みだし、ハーバード大学の視聴覚環境学部で映画製作を学びます。ハーバード大学の芸術・映画・視覚研究科(AFVS)では、映画や絵画、彫刻などの視覚芸術を実践と視覚研究、批判的理論、構築された環境から探求しました。

幼いころからの情熱と才能あふれる彼の作品は、ストーリーの展開や構成はもちろんで、ズームインやズームアウトといった視覚的な要素で異才を放つことでも知られています。それも理論的に裏付けされた技術を持ってこそと知るとより一層興味がわきますね!

また、彼がハーバード大学で出会い、以降の映画でもコラボレーションするジャスティン・ハーウィッツはキャリア・ハウス(日本でいう学生寮)においてルームメイトで、一緒にバンドも組んでいたそうです!

初期の作品

主要3作品に入る前に、簡単にチャゼルの初期作品を紹介します。

ハーバード大学のクラスメイトだったジャスティン・ハーウィッツと共に卒業論文の一部としてミュージカル映画、「Guy and Madeline on a Park Bench」を作成しました。それが彼にとって映画監督・脚本家としてのデビュー作品になりました。この作品は2009年にトライベッカ映画祭でも上映されました。

2013年にはホラー映画「ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛」の脚本をエド・ガス=ドネリーと共に執筆します。同年公開のスリラー映画「グランドピアノ 狙われた黒鍵」の脚本家としても起用されます。チャゼルは後に「この2本のいわゆる『雇われ脚本家』としての仕事を、自分が1から書き上げた脚本で映画を作ってみたい。と思いながら務めていた。」と語っています。

彼の人生の隅々から、映画製作への熱意を感じますね!

それでは主要3作品の「セッション」「ファーストマン」「ラ・ラ・ランド」を裏話と共にご紹介していきます!

代表作

セッション(Whiplash)

公開 2015年
監督 デイミアン・チャゼル
出演 マイルズ・テラー

J・K・シモンズ

上映時間 107分

あらすじ

名門音楽学校で学び、ジャズ・ドラマーを志す若者が、有名なバンドに加入する。厳しい練習に必死に食らいついていくが、やがて主奏者を決める争いの中、完璧さを求める教師の指導が狂気を帯びていき、生徒の精神は次第に追い込まれていく…。

観た人に衝撃を与える狂気

この作品はチャゼルがジャズ・ドラムに打ち込んでいた際、厳格な音楽教師の指導を受けていた経験が大いに役に立ったと言っています。それに関して「アンディー・ネイマン(主人公)と違い、自分の才能では偉大なミュージシャンになることはできないと本能で理解した。」と語っています。

また、この作品で最も注目される人間の狂気ですが、教師役のシモンズには「ただ私たちを怖がらせるだけだ。」「もう人間が画面上にいるのを見たくない。怪物、ガーゴイル、動物を見たい。」などの指導をしました。

出演するバンドメンバーの多くは俳優ではなく、本物のミュージシャンや音楽の学生でした。素人の彼らによる演技はもはやシモンズとチャゼルによって引き出された本物の恐怖と不安ともいえるでしょう。

実は制作できないものだった

本来、「セッション」の製作案はプロデューサーたちの関心を引いたものの、出資者が現われませんでした。

しかし、チャゼルの85ページの脚本が2012年のブラックリスト(映画化されていない脚本のなかでも特に優れた脚本のリスト)に載ったことで、映画化にこぎつけることができたのです。その資金集めのために「セッション」のコンセプトを基に短編映画を制作し、2013年1月に開催された第29回サンダンス映画祭に出品しました。

その結果、フィクション短編部門の最優秀賞を獲得し、完成版は翌年の同映画祭に出品され、観客賞と審査員大賞(グランプリ)の両方を獲得しました第87回アカデミー賞ではチャゼル自身の脚色賞をはじめ、作品賞を含む5部門にノミネートされ、助演男優賞(J・K・シモンズ)、録音賞、編集賞の3部門を獲得しました。

この作品を見た当時はただただ衝撃を受けていました。しかし、このような背景を知るとまた違った楽しみ方ができるかもしれませんね。

ラ・ラ・ランド

公開 2017年
監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング

エマ・ストーン

上映時間 128分

あらすじ

夢追う人々が集うロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る。一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを演奏したいという夢を持つセブ。互いを励ましあいながら夢を追う2人は夢の実現と現実の狭間で揺れる…。

ラ・ラ・ランドに影響を与えた作品とこだわり

チャゼルは、ウディ・アレンの「マンハッタン(1921)」やジガ・ヴェルトフの「カメラを持つ男(1929年)」など、1920年代の都市交響映画に感動し、2010年にロサンゼルスに移り住み、この作品の脚本を書きました。

その魅せ方は、パリやサンフランシスコの魅力にロサンゼルスを合わせようとするのではなく、交通、スプロール、スカイラインなど、ロサンゼルスの持つ伝統的な街の素質に焦点を当てました。このような映画のスタイルとトーンは、ジャック・デミーの「シェルブールの傘」特に、ロシュフォルトの「若い女の子」から影響を受けました。

ダンスとジャズ指向であった映画はまた、1940年の「ブロードウェイメロディ」、「雨の中のシンギン」、「バンドワゴン」、「パリのアメリカ人」などのハリウッドの古典作品からヒントを得ます。特に「パリのアメリカ人」については、「それは私たちの得る過去のミュージカル映画の中でも、特筆して素晴らしい作品です。」と絶賛しています。 

このこだわりはもちろん「ラ・ラ・ランド」の中でも見られます。

例えば、1901年に建てられたエンジェルスフライトトロリーの使用です。ケーブルカーは脱線事故があった後、2013年に閉鎖されていました。しかし、チャゼルはロサンゼルスの古い街並み表現するためには必要だと考えました。そして制作チームは1日許可を得て、撮影に使用されることになりました。

また、チャゼルのこだわりは撮影にとどまりません。

もともとの公開日が映画の文脈にあっていないと感じた彼は、秋の初めの映画祭から始まり、ゆっくりとロールアウトする事を望み、公開日を遅らせる決断をしました。

名シーンの裏側

6分間の「A Lovely Night」のシーンは、日没時にあるたった数分間のマジックアワーに完了する必要がありました。そのため、撮影には2日間で8テイクかかりました。

ライアン・ゴスリングとエマ・ストーンがついに撮影に成功したときには、「みんなが盛り上がった」とストーンは語りました。特にゴスリングとストーンはダンサーではなかったため、2人はシングルテイクの長い曲で多くのNGを出しました。しかし、チャゼルは彼らに対して非常に同情的で、経験不足にも理解があり、和やかな撮影だったそうです。

ロサンゼルスという都市に込めた思いが伝わってくるエピソードがたくさんありました。観れば観るほど彼の魅せたかったメッセージに気付ける作品なのではないでしょうか。

ファーストマン

公開 2019年
監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング
上映時間 141分

あらすじ

人類で初めて月に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストリングの半生を映画化した電気ドラマ。1961年、空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストロングだったが、幼い娘を病で亡くす。寡黙な彼は、悲しみに暮れる妻ジャネットの前でも感情を表に出すことはなかった。しかし悲しみから逃れるべくNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募し、みごと採用される。宇宙飛行士たちに課されるいくつもの過酷な訓練をこなしていく中で、エリオットやエドら飛行士仲間との間に確かな絆が結ばれていくニールだったが…。

騒動とチャゼルの見せたかったもの

2018年8月31日、この映画にはアームストロングとオルドリンが月にアメリカ国旗を植えるシーンは含まれていないと報じられました。

しかしチャゼルは声明で「私は月面に立っているアメリカの旗を描きませんでした。なぜならそれは、物理的にも表面に植えられている旗というのはいくつかの瞬間の一つだからです。私はその瞬間に焦点を当てないことを選びましたが、これが政治的な発言というわけではありません。この映画の目標は、アメリカの月への挑戦に対する、目に見えない未知の側面を観客と共有することでした。 」と語りました。

賛否両論ある意見ではありますが、こうしてチャゼルの作品と映画への情熱、魅せ方のこだわりを知っていくと、逆に観ないのことはもったいないのではないかという気分になってきます。

まとめ

今回は、映画監督デイミアン・チャゼルを紹介しました!

若くして才覚を見せる彼の映画製作に対する思いは熱い…その一言に限ります。

今後の作品はもちろん楽しみですが、過去作品も見返したくなりました!

みなさんも機会があれば是非観てみてください!



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