小林賢太郎/Kentaro Kobayashi
<プロフィール>
1973年、神奈川県横浜市に生まれる。中学時代からクラス演劇の脚本を書いたり、高校在学中にに演劇部に所属するなど、パフォーマンスを行うことが好きであったという。
多摩美術大学に進学して以降は、落研(落語研究会)に所属し、学業よりもサークル活動に専念していたという。
デビューして以来は、ソロの「Potsunen」として海外公演を行ったり、2016年には新たなコント集団「ガラシャ」を結成した。さらに、同年には自身初となるアニメーションを作成、その活動の幅は広がりを見せている。
<作品>
小林賢太郎といえば、ラーメンズのコンビで有名である。相方である片桐仁とは、大学時代に同じ学科で出会い、コンビを結成した。1998年にデビュー作であるコント公演「ラーメンズ・箱式」を発表し、以来、全国各地で公演活動を行っている。
小林賢太郎の舞台では「ことば」を巧みに使った作品が多く、特に、ラーメンズの公演では言葉を独創的に使い笑いを引き起こす。日本語や時に英語を独自の視点で観察し、それをネタにしていく。時にそれは、言葉の意味だけをとらえるのではなく、その言葉が持つ形、おかれている環境、使われ方など、多角的に観察している。
また、小林賢太郎はKKTV(小林賢太郎テレビ)という、年に一度NHKで放送する番組も手がけている。この番組の中で小林賢太郎のコントの制作過程が紹介されており、その発想力や展開力には驚かされる。例えば「タイムマシン」というテーマに対しては、「タイムマシンは乗り物とは限らない。」という、我々が無意識のうちに持つ固定観念を意とも簡単に覆す。
小林賢太郎の作品の中に、「日本の形」というものがある。この作品は、日本の文化を独創的な視点で、面白おかしく紹介する映像作品となっている。ニューヨークに暮らしていた経験ならでは作品だろう。
2016年に福岡で行われた「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術 展」で舞台で使われた道具や自身のイラストレーションなどが展示された。こうしたネタは、日々のメモ、日々の小さな面白いことなどから生まれるという。
この個展で展示された作品の中の『46ピースのパズル』という作品では、小林がその造形が好きでたまらない「ひらがな」と、独自に創作した新たな「ひらがな」を並べて展示した。「50音っていうのに46音しかないのって不思議」と書き記されたこの作品は、小林の小さな発見を表している典型といえる。
小林は仕事としては、複数の仕事を同時に進めるということより、一つのことを丁寧にこなしていくことが多いという。「100点は誰でも一度はとることができる。プロはいかに80点以上をとり続けられるかが勝負。」この小林の考え方が、一つ一つの作品が魅力的にしているのではないだろうか。
<参考文献>
TOP画像:https://cte.jp/wp-content/uploads/2019/06/kentarokobayashi-400×266.jpeg
- https://www.cinra.net/review/20141002-kobayashikentaro
- https://note.com/shionamamori/n/ne90a0e34263e
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E8%B3%A2%E5%A4%AA%E9%83%8E#%E6%A6%82%E8%A6%81
- http://artium.jp/exhibition/2016/15-09-kobayashikentaro/
- https://www.cinra.net/interview/201601-kaimakupennantrace
- https://www.nhk.or.jp/techne/basics/content.html#rotoscope