【徹底解説】バンクシーとは?素性を明かさないストリートアーティストの人生と作品を解説!

【徹底解説】バンクシーとは?素性を明かさないストリートアーティストの人生と作品を解説!

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こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。

皆さんはバンクシーという人物をご存知ですか?

バンクシー(Banksy)は、名前も顔も公表しないまま活動を続けているストリートアーティストです。街の壁にステンシル(型紙)とスプレーで描かれるネズミや子どもの絵、名画をつくり替えた油彩画、そしてオークション会場で額の中の装置が作品を細断した『愛はゴミ箱の中に』まで、その作品はたびたび世界のニュースになってきました。

「バンクシーとはどんな人?」「どこの国の人?」と気になる方も多いと思います。けれども、本名や生年、経歴は公表されていません。本記事では素性の推測はせず、公式サイトや作品の窓口、美術館やオークション会社などの公式の情報から確かめられる事実だけで、バンクシーの活動と作品をご紹介します。

本記事ではそんなバンクシーの人生と作品についてご紹介します。

バンクシーって?

バンクシーの活動を5段階で示した図。2003年のテート・ブリテンへの無断展示、2005年の名画リミックス展、2009年のブリストル博物館展、2010年の映画の賞候補、2018年の作品の細断へと進む。
図:バンクシーの活動のあゆみ

基本情報

名前(欧文のスペル)バンクシー(Banksy)。本名は公表されていません
生年月日(没年月日)公表されていません(公式サイトと窓口は2026年10月時点で運用されています)
国籍・出身公表されていません。報道では「イギリスのストリートアーティスト」「イギリスを拠点に活動する」と紹介されています
学歴公表されていません
分野ストリートアート(ステンシルとスプレーの壁画)、絵画、版画、映画
傾向ネズミや子どもなどのモチーフ、名画のつくり替え、街の場所そのものを使った皮肉とユーモア
師事した人物・影響を受けた人物公表されていません
公式の窓口公式サイト banksy.co.uk と、作品の記録と真贋の証明を担う「Pest Control Office(ペスト・コントロール)」

ストリートアートの流れや、関連する作家・名画については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

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経歴と作品

バンクシーはどこの国の、どんな人?

バンクシーについて、まず気になるのは「誰なのか」という点でしょう。しかし、本人は名前も顔も、生まれた年も公表していません。ロイター通信は2020年の記事で「とらえどころのないイギリスのストリートアーティスト」と書き、日本の美術誌『美術手帖』は「イギリスを拠点に活動する正体不明のアーティスト」と紹介しています。本記事でも、これ以上の素性には立ち入りません。

バンクシーと外の世界をつなぐのが、「Pest Control Office(ペスト・コントロール)」です。同社の公式サイトは、自らを「グラフィティ・アーティスト、バンクシーの事務手続きを扱うオフィス」と紹介し、作品の詳しい記録を保管し、問い合わせに答え、アーティストとの唯一の窓口になっていると説明しています。作品の真贋を証明する証明書(COA)を発行できるのもペスト・コントロールだけで、違法に描かれたものには証明書を出さないとしています。

同社は、本物らしい来歴を添えて高価な偽物を売る人がいるとして、購入前に確認できる「Keeping It Real」というサービスを設けています。また、バンクシーがグッズをつくるのは特定の企画のときだけで、「バンクシーの商品」に見えるものはほぼ確実に本物ではない、と注意を呼びかけています。

同じFAQには、「バンクシーが誰なのか分かったと思う」という問い合わせへの返事も載っています。バンクシーはその提案に大いに感謝しており、本人もまさにその問いに悩んでいるので、メールの件名に「existential crisis(実存的危機)」と書いてほしい、というものです。素性の詮索そのものを、ユーモアで受け流しているのが分かります。

公式サイトのライセンスのページでは、商業目的での作品の使用は許可していないと明記したうえで、「著作権は負け犬のためのもの」と自分の(著作権のある)本に書いたこと、そして個人の楽しみのためなら作品を使ったり変えたりすることを今も勧めていることを、本人の言葉として書いています。

ネズミのステンシル

バンクシーの作品で繰り返し登場するモチーフが、ネズミです。後で紹介する2005年の展覧会「Crude Oils」では、サザビーズの資料によれば、来場者は入場前に同意書に署名し、会場で164匹のネズミと空間を共にする心構えをしなければなりませんでした。

2020年4月には、新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限のさなかに、自宅の浴室で描いたとする新作を発表しました。英国の放送局LBCによれば、バンクシーはインスタグラムに5枚の写真を投稿し、「My wife hates it when I work from home.(私が在宅で仕事をすると妻が嫌がる)」という言葉を添えました。公式サイトにも同じ言葉とともに写真が掲載されています。

洗面台のまわりでは、1匹のネズミがタオル掛けの輪にぶら下がって歯磨き粉のチューブを踏みつけ、中身が勢いよく飛び出しています。反対側では、仲間の背中に乗ったネズミが、傾いた鏡の縁にしがみついています。鏡の中にもネズミが映り、鏡の面には日数を数えるような赤い線が引かれています。いつもは街の壁に現れるネズミが、家の中で暴れ回る姿は、外に出られない日々をユーモラスに映しています。

バンクシーの2020年の浴室の作品。洗面台のまわりで、タオル掛けの輪にぶら下がるネズミや仲間の背に乗るネズミが描かれ、歯磨き粉が飛び出している
バンクシー『浴室のネズミ(題名なし。公式サイトの添え書き「My wife hates it when I work from home.」)』(2020年)、作家の浴室に描かれたステンシルとスプレーの作品。画像出典:Banksy公式サイト「Indoor」ページ(引用)
バンクシーとペスト・コントロールの役割を示した図。バンクシーは本名や生年を公表せず作品を発表し、ペスト・コントロールは作品の記録、問い合わせへの対応、真贋の証明書の発行を担う。
図:バンクシーと公式の窓口の関係

美術館にこっそり作品を掛ける(2003年)

サザビーズの資料によれば、バンクシーは早くから、ロンドンののみの市で買ったありふれた油彩画に自分の手を加える試みを行っていました。こうした作品が初めて公の場に現れたのは2003年、ロンドンのテート・ブリテンです。バンクシーは、田園風景を描いた小さな油彩画に青と白のテープを描き加えた『Crimewatch UK Ruined the Countryside for All of Us』を、美術館の壁に無断で掛けたといいます。

サザビーズの別の記事によれば、バンクシーはテート・ブリテンのほかにも、ルーヴル美術館、大英博物館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、メトロポリタン美術館といった世界有数の美術館で、常設のコレクションの横に自分の作品をこっそり掛けてきました。多くの場合、それが見つかるまでにしばらく時間がかかったといいます。

美術館に許可なく作品を持ち込む行為は、「誰が、何を美術館に飾ると決めるのか」という問いを、それ自体で投げかけるものでした。

名画を「リミックス」する:Crude Oils(2005年)

2005年、バンクシーはロンドンのノッティング・ヒル、ウェストボーン・グローヴ100番地の空き店舗で、展覧会「Crude Oils: A Gallery of Re-mixed Masterpieces, Vandalism and Vermin」を開きました。サザビーズによれば、これはバンクシーにとって2回目のギャラリーでの展覧会で、入場無料の会場に手描きのカンヴァス22点が並び、2週間の会期中は大勢の人が列をつくったといいます。

「Crude Oils」は、バンクシー自身が「リミックス」と呼ぶ、名画のつくり替えのシリーズです。サザビーズの資料は、しおれた花を描いたゴッホの『ひまわり』、ユニオン・ジャックのパンツの男が窓を割った直後のエドワード・ホッパー『ナイトホークス』、ケイト・モスの顔に置き換えたアンディ・ウォーホルのマリリン・モンローなどを、このシリーズの例として挙げています。

『Show me the Monet』(2005年)

シリーズの代表作が『Show me the Monet』です。クロード・モネがジヴェルニーの庭に架けた日本風の太鼓橋を描いた名画をもとに、バンクシーは池にショッピングカートを投げ込み、蛍光オレンジの三角コーンを浮かべて、不法投棄の場所に変えました。サザビーズは、消費主義の浪費を優先して環境を顧みない社会に光を当てた作品と解説し、消費文化への論評、芸術の商業化への批判、環境の衰退への嘆きのいずれとしても読めると書いています。

この作品は2020年10月21日、サザビーズ・ロンドンのオークションに、予想落札価格300万〜500万ポンドで出品されました。

ブリストル博物館での展覧会(2009年)

2009年、イギリス西部のブリストル博物館・美術館で、バンクシーの展覧会が開かれました。英国の博物館の専門団体ミュージアムズ・アソシエーションの機関誌によれば、最初の2か月で27万人が来場し、前年1年間の同館の来館者31万人に迫りました。入場まで最大4時間の列ができたといいます。

同誌によれば、展覧会は2つの専用の展示室だけでなく、館の常設のコレクションの中にもバンクシーの作品が紛れ込む構成で、来場者は「バンクシー探し」を楽しみました。ふだん注目されない収蔵品にとっても、かつてないほど多くの視線が集まる機会になったと、同誌は書いています。

映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』(2010年)

バンクシーは映画も手がけています。2010年のドキュメンタリー映画『Exit through the Gift Shop(イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ)』は、第83回アカデミー賞(2011年)の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされました。映画芸術科学アカデミーの公式記録では、候補者は「Banksy and Jaimie D’Cruz」と記されています。

街に現れる作品(2018年〜2020年)

バンクシーの作品の多くは、ある朝、街の壁に突然現れます。本人がインスタグラムや公式サイトに写真を載せることで、自分の作品だと確かめられるのが通例です。

『Season’s Greetings』(2018年)

2018年12月、ウェールズの工業の町ポート・タルボットのタイバッハ地区で、ガレージの角をまたぐ壁画が見つかりました。英国のデザイン誌Dezeenによれば、バンクシーはインスタグラムに動画を投稿し、自分の作品であることを認めました。

片方の壁だけを見ると、そりを横に置いた男の子が両手を広げ、舌を出して降ってくる雪を受け止めようとしている、楽しげな冬の場面です。ところが角を曲がって全体を見ると、その「雪」は、隣の壁に描かれたごみ箱の中で燃える火から舞い上がる灰だと分かります。ひとつの場面が、見る位置によってまったく違う意味に変わる仕掛けです。

バンクシー『Season's Greetings』。ガレージの角の壁に、両手を広げ舌を出して雪を受け止める男の子と、隣の面に燃えるごみ箱が描かれている
バンクシー『Season’s Greetings』(2018年)、ウェールズ・ポート・タルボットのガレージの壁。画像出典:Banksy公式サイト「Outdoor」ページ(引用)

『フラフープの少女』(2020年)

2020年10月、イングランド中部ノッティンガムの美容室の赤いれんがの壁に、自転車のタイヤをフラフープにして遊ぶ少女の絵が現れました。ロイター通信によれば、絵のすぐ横には、後輪のない自転車が金属の標識柱に鍵でつながれていました。バンクシーは10月17日にインスタグラムと公式サイトに写真を載せ、自分の作品であることを認めています。

少女は両腕を広げ、腰のまわりでタイヤを回しています。壁の前に実際に置かれた自転車から外れた後輪が、そのまま絵の中の遊び道具になったように見えるのが、この作品の面白さです。街に置かれたものと描かれたものを組み合わせるのは、バンクシーの得意な手法です。

バンクシーの2020年のノッティンガムの作品。赤いれんがの壁にタイヤでフラフープをする少女が描かれ、手前に後輪のない自転車が標識柱につながれている
バンクシー『フラフープの少女(題名は公表されていない)』(2020年)、イングランド・ノッティンガムの建物の壁。画像出典:Banksy公式サイト「Outdoor」ページ(引用)

病院に贈られた『Game Changer』(2020年)

2020年5月、イングランド南部のサウサンプトン総合病院の壁に、バンクシーの作品『Game Changer』が現れました。AP通信によれば、新型コロナウイルスの感染拡大の第1波のさなかのことで、病院は、バンクシーが職員にあてて「皆さんのしていることに感謝します。白黒だけれど、少しでもこの場所が明るくなれば」という趣旨のメモを残したと伝えています。

白黒で描かれた絵では、床に膝をついた男の子が、マスクをつけ、赤十字のマークのついたエプロンとマントを身につけたナースの人形を、空を飛ぶように高く掲げています。そばのくずかごには、バットマンとスパイダーマンの人形が放り込まれています。子どもにとっての新しいヒーローは、医療の現場で働く人たちだというメッセージが読み取れます。

バンクシー『Game Changer』。白黒の絵で、膝をついた男の子がマスクとマントのナースの人形を高く掲げ、そばのくずかごにバットマンとスパイダーマンの人形が入っている
バンクシー『Game Changer』(2020年)、イングランド・サウサンプトン総合病院に寄贈。画像出典:Banksy公式サイト「Indoor」ページ(引用)

この作品は2021年3月、ロンドンのクリスティーズのオークションで約1,680万ポンドで落札され、収益はイギリス各地の医療機関や慈善団体のために使われることになりました(AP通信による)。病院には複製が残されています。

オークションで生まれた『愛はゴミ箱の中に』(2018年)

バンクシーの名前を美術の世界の外にまで広く知らせたのが、2018年10月5日、ロンドンのサザビーズで起きた出来事です。

『愛はゴミ箱の中に(Love is in the Bin)』(2018年)

サザビーズによれば、この日の現代美術イブニング・オークションの最後の出品作は、バンクシーの『Girl with Balloon(風船と少女)』でした。104万2,000ポンドでハンマーが下りた数秒後、額に隠された細断機がカンヴァスの一部を通過させ、作品の下半分が細長く切り裂かれた状態で止まりました。サザビーズはこれを、オークションで売られた初めての「ライブ・パフォーマンス」の作品と位置づけています。

サザビーズの記事によれば、この『Girl with Balloon』は、2017年にイギリスの美術記者を対象に行われた「国民がいちばん好きな美術作品」の投票で1位に選ばれた図柄でした。作品は、バンクシーが権威をからかうときによく使う、ヴィクトリア朝風の大きく重い額に収められていました。

細断された作品には、ペスト・コントロールから新しい証明書が発行され、『Love is in the Bin(愛はゴミ箱の中に)』という新しい題名が付けられました。落札したヨーロッパの女性コレクターは、同じ価格のまま購入を進めたといいます。

落札者は、ハンマーが下りて作品が細断されたとき最初は衝撃を受けたが、次第に自分が美術史の一片を手にすることになると気づいた、という趣旨のコメントを寄せています。サザビーズの担当者は、作家が作品を壊すことには前例があるとして、ラウシェンバーグがデ・クーニングのドローイングを消した作品や、グスタフ・メッツガーとジャン・ティンゲリーの「自己破壊芸術」、持ち物をすべて細断したマイケル・ランディを挙げています。

サザビーズの作品資料によれば、技法はスプレー塗料とアクリル、カンヴァス・板、額は作家によるもので、大きさは142×78×18cm。遠隔操作の細断機は作動しない状態にされ、今も額の中に残っています。その後、ドイツのバーデン=バーデンにあるフリーダー・ブルダ美術館で2019年2月から3月に展示され、2019年3月から2020年2月まではシュトゥットガルト州立美術館に長期貸与されていました。

2021年10月14日、作品は同じサザビーズの会場で再びオークションにかけられ、予想落札価格400万〜600万ポンドを大きく上回る1,858万2,000ポンドで落札されました。サザビーズによれば、9人の入札者による約10分の競り合いの末の結果で、同社はこの作品を「オークション中にライブでつくられた史上初の作品」と紹介しています。

日付出来事価格(サザビーズ発表)
2018年10月5日『Girl with Balloon』として落札。直後に額の細断機が作動104万2,000ポンド
2018年10月ペスト・コントロールが新しい証明書を発行し『Love is in the Bin』に改題。落札者は同額で購入同上
2019年2月〜2020年2月フリーダー・ブルダ美術館で展示、シュトゥットガルト州立美術館に長期貸与-
2021年10月14日同じサザビーズ・ロンドンで再びオークションに出品(予想400万〜600万ポンド)1,858万2,000ポンド

日本とバンクシー

日本とのつながりも見ておきましょう。日本では2019年1月、東京・港区の新交通ゆりかもめ日の出駅付近の防潮扉で、バンクシーのステンシル作品によく似たネズミの絵が見つかりました。Impress Watch によれば、東京都は防潮扉のその部分を取り外して保管し、2019年4月25日から5月8日まで東京都庁第一本庁舎で一時公開しました。真贋は確認されておらず、都は「バンクシー作品らしきネズミの絵」として扱っています。

また、日本を含む各地でバンクシーの作品を集めた展覧会が開かれてきましたが、ペスト・コントロールのFAQは、各国で開かれているバンクシーの展覧会について「バンクシーはそのどれにも関与も関係もしていない」と答えています。展覧会に足を運ぶときは、この点を知っておくとよいかもしれません。

なお、バンクシーは紛争地や難民をめぐる場所でも作品を制作していますが、本記事ではそれらの作品は扱いません。

バンクシーの作品の見方

ここまで見てきた作品には、共通する見どころがあります。ひとつは、場所そのものを作品の一部にすることです。ガレージの角、壁の前の自転車、病院の廊下と、描かれた場所を知ることで意味が完成します。もうひとつは、名画やヒーローなど誰もが知るイメージをつくり替えることです。そして、オークション会場や美術館といった「美術の仕組み」そのものを、作品の舞台にしてしまうことです。

バンクシーの作品を見る3つのポイントを示した図。描かれた場所を作品の一部にすること、誰もが知るイメージのつくり替え、美術館やオークションという美術の仕組みを舞台にすることを並べている。
図:バンクシーの作品を見る3つのポイント

まとめ

いかがだったでしょうか。バンクシーの活動と作品について、ご紹介してきました。

バンクシーは本名も生年も公表せず、公式サイトとペスト・コントロールを窓口に活動を続けています。2003年にはテート・ブリテンに無断で作品を掛け、2005年の「Crude Oils」では『Show me the Monet』などの名画のリミックスを発表しました。2009年のブリストル博物館での展覧会には長い列ができ、2010年の映画はアカデミー賞の候補になりました。

街の壁には、灰を雪と見間違える男の子や、タイヤでフラフープをする少女が現れ、病院には医療従事者をヒーローとして描いた『Game Changer』が贈られました。そして2018年、オークション会場での細断によって『愛はゴミ箱の中に』という作品が生まれました。

作者の顔が見えないからこそ、見る人の目は作品そのものと、それが置かれた場所に向かいます。街角で、あるいはニュースでバンクシーの作品に出会ったときは、ぜひ「なぜここに描かれたのか」を考えながら眺めてみてください。

Euphoric " " の視点

バンクシーは名前も顔も公表しないまま、街の壁や美術館、オークション会場を舞台に作品を発表してきました。作者の顔が見えないからこそ、見る人の目は作品そのものと、それが置かれた場所に向かいます。

ガレージの角に描かれた男の子も、病院に贈られた『Game Changer』も、描かれた場所を知ることで意味が完成します。美術館やオークションといった「美術の仕組み」そのものまで作品の舞台にしてしまう姿勢は、作品の価値がどこで、誰によって決まるのかを考えるきっかけを与えてくれます。一枚の絵を、場所とともに読み解く楽しさを教えてくれる作家です。

この作品を見に行くには

バンクシーの作品の多くは街中に描かれたもので、上から塗られたり、壁ごと取り外されたりすることがあります。2026年10月時点で、記事で紹介した作品を常設で展示していることを確認できた美術館はありません。新しい作品や真贋については、次の公式の窓口をご確認ください。

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