パーソンズ美術大学とは?ザ・ニュースクールとの関係・学費・出願を徹底解説

パーソンズ美術大学とは?ザ・ニュースクールとの関係・学費・出願を徹底解説
パーソンズ美術大学とは?ザ・ニュースクールとの関係・学費・出願を徹底解説

アートコンサルティング

こんにちは。ユアムーン株式会社編集部です。

皆さんはパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)という大学をご存知ですか。アメリカ・ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにある、ファッション、グラフィック、建築、インテリア、ファインアートまでを一つの学校の中に抱える美術大学です。前身のチェイス・スクールが創立されたのは1896年。現在は総合大学ザ・ニュースクールを構成するカレッジの一つで、ザ・ニュースクールはQS世界大学ランキングのアート&デザイン部門2026年版で世界3位にランクインしています。

本記事では2026年10月時点でパーソンズおよびザ・ニュースクールの公式サイトで確認できた情報だけを使い、創立の経緯からニュースクールとの関係、学部・大学院の構成、学費、出願の進め方までをご紹介します。それでは早速いってみましょう。

パーソンズ美術大学の基本情報

正式名称Parsons School of Design(パーソンズ美術大学)
前身の創立1896年(チェイス・スクールとして)
現校名への改称1941年
創立者ウィリアム・メリット・チェイス(William Merritt Chase)
所属大学ザ・ニュースクール(The New School、1919年創立)
所在地アメリカ・ニューヨーク市マンハッタン、グリニッジ・ヴィレッジ周辺
分校Parsons Paris(パリ)
学位取得を目指す学生数約5,100名(公式サイトAboutページより)
国際学生の割合約35%(同上)
執行部長(Executive Dean)アン・ゲインズ(Anne Gaines、2025年8月就任)。現代アート実践の准教授で、パーソンズ卒業生でもあります
QSランキングアート&デザイン部門2026年版でザ・ニュースクールとして世界3位、総合スコア93.3
ザ・ニュースクールのユニバーシティ・センター、マンハッタン グリニッジ・ヴィレッジ
ザ・ニュースクールのユニバーシティ・センター(2014年10月撮影)/撮影:MusikAnimal(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons

QSランキングの読み方は【最新!2026年版】アート&デザイン部門 QS世界大学ランキングで詳しく解説しています。同じ記事で1位のロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)、2位のロンドン芸術大学(UAL)も紹介していますので、あわせてご覧ください。

創立からニュースクールとの統合まで

1896年、チェイス・スクールの創立

パーソンズの始まりは1896年にさかのぼります。アメリカ印象派を代表する画家ウィリアム・メリット・チェイスが、ニューヨーク・アート・スチューデンツ・リーグから袂を分かった少数の進歩派とともに「チェイス・スクール」を創立しました。公式サイトの沿革ページは、この独立を「反逆的な身振りだった」と表現しています。自己表現と実験を重んじる学校で、デッサン、絵画、構成、イラスト、建築、デザインなど通年の公開講座を開いていました。この学校がのちに、エドワード・ホッパーやマースデン・ハートレーといったアメリカ・モダニズムの画家を育てることになります。

パーソンズの前身チェイス・スクールを創立した画家ウィリアム・メリット・チェイスの肖像写真(1915年)
パーソンズの前身チェイス・スクールを創立した画家ウィリアム・メリット・チェイス(1915年撮影)/撮影:James W. Porter/所蔵:ナショナル・ギャラリー・オブ・アート図書館(ワシントン)/パブリックドメイン/出典:Wikimedia Commons
チェイス・スクール・オブ・アートの女性クラスの様子(1897年)
創立の翌年にあたる1897年、チェイス・スクール・オブ・アートの女性クラスの様子。イーゼルを並べた画室の中央左に、指導にあたるウィリアム・メリット・チェイスの姿が見えます/撮影:バイロン商会(ジョゼフ・バイロンまたはパーシー・C・バイロン)/所蔵:スミソニアン協会アメリカ美術アーカイブ/著作権の制限なし(1897年撮影)/出典:Wikimedia Commons(Flickr Commons)

1904年から1910年にかけて、学校は世界で初めてとなるファッションデザイン(当時の呼び名は「コスチューム・デザイン」)、グラフィックデザイン(「広告」または「商業デザイン」)、インテリアデザイン(「インテリア・デコレーション」)の専門課程を次々と開設しました。公式サイトの沿革ページは、これらを「世界で初めての専門課程(study programs)」と位置づけています。ただし同じページの読み物部分では「アメリカで初めて」と書かれており、表現に幅がある点は申し添えます。

フランク・アルヴァ・パーソンズと改称

1904年にチェイスが招いた教育者フランク・アルヴァ・パーソンズは、1911年に学校(当時の校名はニューヨーク・スクール・オブ・ファイン・アンド・アプライド・アート)の校長(director)に就任しました。公式サイトは年表で1911年、読み物部分で「着任の6年後」=1910年と、やや異なる書き方をしています。パーソンズはデザインと産業の結びつきをいち早く見抜き、1920年には「芸術は少数の者、才能ある者、天才、富裕層、教会のためのものではない。産業は国家の生命であり、芸術は表現における美の質であって、産業芸術こそ国民芸術の礎である」と語っています。こうした功績をたたえ、学校は1941年に校名を「パーソンズ美術大学(Parsons School of Design)」へと改めました。公式サイトの校史ページに、この改称の経緯がそのまま記録されています。

フランク・アルヴァ・パーソンズの肖像写真(1911年)
フランク・アルヴァ・パーソンズの肖像写真(1911年)/パブリックドメイン/出典:Wikimedia Commons(原典:newschool.edu校史ページ)

パリ分校とパーソンズ・テーブル

1921年、フランク・アルヴァ・パーソンズと同校出身のウィリアム・オドムは、パリに「パリ・アトリエ」という分校を開設しました。公式サイトはこれを「アメリカの学校として初めての海外分校」としています。建築、装飾美術、コスチュームデザインの授業が行われましたが、戦争のため1939年秋から1948年まで一時閉鎖されました。1930年ごろには、インテリアデザイナーのジャン=ミシェル・フランクがパリ・アトリエの学生を指導するなかで、縦横の寸法をそろえることで多様な素材での量産を可能にした「パーソンズ・テーブル」が生まれました。公式サイトは、簡潔な造形でよいデザインの見本とされてきたと記しています。

1970年、ニュースクールとの統合とグリニッジ・ヴィレッジへの移転

将来パーソンズの学部長となるデイヴィッド・C・レヴィの働きかけにより、1970年、パーソンズはニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ(当時のザ・ニュースクールの名称)に加わりました。ザ・ニュースクール自体は1919年、進歩的な成人教育のための高等教育機関として創立された大学です。1933年にはナチスの迫害を逃れた学者たちを受け入れる「亡命大学(University in Exile)」の拠点にもなりました。統合によってパーソンズは学位プログラムや研究、提携関係を広げる資源を得ます。1972年には、それまでミッドタウンにあった校舎からグリニッジ・ヴィレッジへ移転し、現在の立地になりました。

名称の変遷とQSランキング世界3位

2005年、パーソンズは親大学との一体化を示す意味で「パーソンズ・ザ・ニュースクール・フォー・デザイン」に改称しました。その後、大学全体のブランド再編にあわせて2015年に元の名称「パーソンズ美術大学(Parsons School of Design)」へ戻し、同じ年にQS世界大学ランキングでアメリカの美術大学として全米1位、世界3位を獲得しています。公式の校史ページは「パーソンズはそれ以来、一貫してこの最上位の評価を保っている」と記しています。

パーソンズ美術大学の歩みを、1896年のチェイス・スクール創立、1941年の改称、1970年のニュースクール加入、2005年の改称、2015年の名称復帰まで5段階で示した図
図:パーソンズの名称と歩み

ザ・ニュースクールとの関係

パーソンズは、単独の大学ではなくザ・ニュースクールを構成するカレッジの一つです。ザ・ニュースクールは2026年秋に組織再編を実施し、それまでの4カレッジ体制から2カレッジ体制へ移行しました。2026年8月26日付のジョエル・タワーズ学長の公式メッセージによれば、2026-27年度は次の2つのカレッジで始まっています。

新しい2つのカレッジ含まれる学校
デザイン・舞台芸術系のカレッジパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)、マネス音楽院、ジャズ&コンテンポラリー・ミュージック・スクール、演劇スクール
リベラルアーツ・社会科学系のカレッジユージン・ラング・カレッジ・オブ・リベラルアーツ、ザ・ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ

パーソンズのパリ分校である Parsons Paris は、カレッジと並ぶ組織ではなく、パーソンズの拠点の一つという位置づけです。なお、2つの新しいカレッジの正式名称は、本記事の確認時点(2026年10月2日)では公式サイトに掲載されていません。公式サイトの「Our Colleges and Schools」欄は、引き続きパーソンズ美術大学をはじめとする学校名で案内されています。

したがって、日本語の記事でしばしば見かける「パーソンズが世界3位」という表現は厳密には不正確です。QSランキングの集計対象になっているのはパーソンズ単体ではなく大学全体としてのザ・ニュースクールであり、パーソンズはその中で美術・デザイン教育を担うカレッジという位置づけになります。この点は、冒頭でもご紹介したQSランキング解説記事でも確認済みです。

ザ・ニュースクールの一員であることは、実際のカリキュラムにも表れています。パーソンズの学部課程には、ユージン・ラング・カレッジのリベラルアーツ教育と組み合わせたBA/BFAデュアル・ディグリーがあり、出願の時点で「ラング&パーソンズ」という組み合わせを選べます。デザインの実技と、社会科学・人文学の学びを並行して進められる点は、単科の美術大学にはない総合大学ならではの強みです。

2026年秋に実施された組織再編

この2カレッジ体制は、2025年秋から1年あまりかけて進められた組織再編の結果です。大学はいずれも公式のコミュニティ向けメッセージで、その経緯を次のように説明しています。

  • 2025年11月17日(タワーズ学長)。理事会が、2027-28年度までに収支を均衡させる計画を承認したと報告。あわせて、ラング・カレッジとニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチを一つの学術単位に、パーソンズと舞台芸術・メディア系をもう一つの学術単位にまとめる方向で進めると明言しています
  • 2026年3月13日(学務担当副学長・最高執行責任者の連名)。「4カレッジから2カレッジへの大きな構造転換」を2026年秋から始めると発表。2021年秋をピークに全体の在籍者数がおよそ20%減った一方で運営費は増えており、年単位で構造的な赤字が生じていると説明しています
  • 2026年6月4日(タワーズ学長)。人員調整の結果を報告
  • 2026年8月26日(タワーズ学長)。2026-27年度を2カレッジ体制で始めたことを報告

人員面の数字は取り上げられやすい箇所なので、公式発表の内容を正確にお伝えします。2025年12月に始めた希望退職制度で、まず全体の約7%にあたる人員が減りました。2026年3月の発表では、この春にさらに「教職員の約15%」にあたる調整を行う方針が示されていました。ただし6月4日の学長メッセージが報告した実際の結果は、職員68名・教員19名で、それぞれの母数のおよそ6%です。そして「約15%」は最終的に、人員の削減率ではなく2027会計年度の運営予算を約15%圧縮したという意味で用いられています。同じメッセージは、パンデミック以降の累積赤字が1億6,000万ドルを超えること、2028会計年度の収支均衡を目指すことにも触れています。

再編後のザ・ニュースクールは学部・大学院あわせておよそ8,300名規模となり、そのうちパーソンズ・マネス・ジャズ・ドラマの4校で全体の約80%を占めるとされています。パーソンズは規模の面でも大学の中心に位置する学校ということになります。

とはいえ、新しいカレッジの正式名称や学内の細かな組織の置き方は、現在も整理が続いている段階です。出願を検討する方は、出願前に必ず公式サイトで最新の組織構成とプログラムの開講状況をご確認ください。

学部・大学院の構成と主なプログラム

パーソンズは2008年に、学位プログラムを関連分野ごとに5つの学校(School)へまとめました。公式サイトの沿革ページは、この再編を「関連する創造的実践を統合し、コミュニティを育てるため」と説明しています。現在の公式サイトはプログラムを専攻名で案内しており、5校の区分は表に出していませんが、学内の呼称としては使われています。

規模感の目安として、公式サイトのAcademicsページはニューヨークとパリで37のプログラム、学生対教員比10対1、大学全体で41の研究センター・研究所・ラボという数字を挙げています。2026年秋の組織再編にともない、学内の区分は今後変わる可能性があります。

学校名主な分野
School of Art and Design History and Theoryデザイン史・デザイン研究
School of Art, Media, and Technologyコミュニケーションデザイン、ファインアート、イラスト、写真、デザイン&テクノロジー
School of Constructed Environments建築、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、照明デザイン
School of Design Strategies統合デザイン、戦略デザイン&マネジメント、サステナビリティ
School of Fashionファッションデザイン、ファッションマネジメント、テキスタイル

学部課程(BFA/BBA)

学部のBFA(美術学士)は、建築デザイン、コミュニケーションデザイン、デザイン&テクノロジー、デザイン史と実践、ファッションデザイン、ファインアート、イラスト、統合デザイン、インテリアデザイン、写真、プロダクトデザインの11専攻です。これにビジネス色の強い戦略デザイン&マネジメント(BBA)が加わります。ユージン・ラング・カレッジとの共同学位であるBA/BFAデュアル・ディグリーも用意されています。

大学院課程

大学院は、建築(MArch)、建築&照明デザイン(MArch/MFA)、コミュニケーションデザイン(MPS)、データ・ビジュアライゼーション(MS)、デザイン&テクノロジー(MFA)、ファッションデザイン&ソサエティ(MFA)、ファッションマネジメント(MPS)、ファッションスタディーズ(MA)、ファインアート(MFA)、デザイン史・キュレーション研究(MA)、インダストリアルデザイン(MFA)、インテリアデザイン(MFA)、照明デザイン(MFA)、メディアマネジメント(MS/サーティフィケート)、メディアスタディーズ(MA)、写真(MFA)、戦略デザイン&マネジメント(MS)、テキスタイル(MFA)、都市実践論(MA)、トランスディシプリナリー・デザイン(MFA)などがあります。入学時期は、MFA写真のみ夏、それ以外は秋です。

なお、公式サイトの出願ページには、次の大学院プログラムは2026年秋から新規の学生募集を行わないと明記されています。環境政策&サステナビリティ・マネジメント(MS)、デザイン&アーバンエコロジーズ(MS)、ドキュメンタリー・メディア・スタディーズ(サーティフィケート)、戦略デザイン・フォー・グローバルリーダーシップ(MS)、サステナビリティ・ストラテジーズ(サーティフィケート)の5つです。志望する方は、出願前に必ず対象プログラムが現在も募集中かを公式サイトで確認してください。

準学士課程(AAS)

社会人を主な対象にした準学士課程(Associate’s Degrees for Professionals)には、コミュニケーションデザイン、インテリアデザイン、ファッションデザイン、ファッションマーケティング&コミュニケーションの4つがあります。

学位プログラムとは別に、地元ニューヨークの高校生を対象にしたParsons Scholars Programという取り組みもあります。1997年に発足した3年制のプログラムで、大学進学に向けた準備とデザインの基礎スキルを、公式サイトの言葉では「デザイン教育における多様性を広げる」ことを目的に提供しています。地域社会との接点を学内に持ち続けている取り組みのひとつです。

キャンパス

パーソンズの拠点は、ニューヨーク・マンハッタンのグリニッジ・ヴィレッジ周辺です。ザ・ニュースクール全体の事務局は66 West 12th Streetに、入試事務局は55 West 13th Streetに置かれています。2014年には14丁目とフィフス・アベニューの角にユニバーシティ・センターが開館しました。公式サイトによれば「アメリカ国内の都市型大学施設としては最大規模のLEEDゴールド認証建物」で、ファッション専攻の工房や、アート・デザイン関連の資料を備えた図書館が入っています。

ザ・ニュースクール本部、66 West 12th Streetの校舎を東側から見たところ
ザ・ニュースクールの本部が置かれる66 West 12th Streetの校舎。白黒の横ストライプのファサードが目印です/撮影:Beyond My Ken(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons
ザ・ニュースクールのアーンホルド・ホール、55 West 13th Street
入試事務局が置かれる55 West 13th Streetのアーンホルド・ホール(Arnhold Hall)。赤レンガの校舎で、低層部に建物名が刻まれています/撮影:Beyond My Ken(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons

ファッション教育の歴史をたどると、1979年にパーソンズのファッション専攻はセブンス・アベニューと40丁目の角にある建物へ移転しました。のちにデイヴィッド・シュワルツ・ファッション・エデュケーション・センターと呼ばれるようになった建物です。現在はユニバーシティ・センターにもファッション関連の施設が集約されています。

デイヴィッド・シュワルツ・ファッション・エデュケーション・センター、セブンス・アベニュー560番地
デイヴィッド・シュワルツ・ファッション・エデュケーション・センター(セブンス・アベニュー560番地)。1979年からパーソンズのファッション専攻が入っていた建物です/撮影:Beyond My Ken(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons

このほか、パリにもParsons Parisというキャンパスがあり、世界各国からの学部・大学院生と机を並べて学ぶことができます。始まりは1921年、前述のとおりアメリカの学校として初めてパリに開いた拠点です。学費は本校と別に設定されているため、出願前に必ず該当の区分をご確認ください。

研究・制作の拠点

パーソンズには、分野を横断した研究・制作の拠点もいくつか置かれています。2016年には、CNCルーター、3Dプリンター、3Dニットマシン、デジタルジャカード織機などを備えた約2,400平方メートル(26,000平方フィート)のメイキング・センターが開設されました。2015年には、非毒性で持続可能な建材の普及を目指すヘルシー・マテリアルズ・ラボが、The JPB Foundationからの750万ドルの助成を受けて発足しています。

学費(2026-27年度)

以下は公式サイトの「新入生向け学費」ページで確認した2026-27年度の金額で、新入生と2025年秋以降に入学した在学生に適用されます。公式サイトの金額は、特記がない限りすべて1学期あたりです。また、ここに挙げるのは授業料だけの金額で、寮費・食費などを含む総費用とは別である点にご注意ください。

学部(パーソンズ、ラング、舞台芸術系の学校共通)

区分金額
フルタイム学費(1学期、12〜18単位)$31,174
フルタイム学費(年間の目安=秋・春2学期分)$62,348(1学期分の2倍。公式サイトは学期単位で表示しています)
パートタイム(1単位あたり)$2,598
Parsons Paris(学部、1学期、12〜18単位)$21,308

大学院(パーソンズ美術大学)

大学院の多くは単位数に応じた従量制です。公式サイトの表から主な区分を挙げます。

区分1単位あたりの学費
多くの修士課程(「その他すべての大学院プログラム」区分、フルタイムなら1学期$31,970・12〜19単位)$2,665
データ・ビジュアライゼーション(MS)$2,182
ファッションマネジメント(MPS)、ファッションスタディーズ(MA)、デザイン史・キュレーション研究(MA)、都市実践論(MA)、戦略デザイン&マネジメント(MS)$2,182
写真(MFA)$1,959
戦略デザイン・フォー・グローバルリーダーシップ(MS、募集停止プログラム)$2,700

これらに加えて、大学サービス料(秋・春学期それぞれ$720)、学生自治会費(学期$9)などの必須手数料が別途かかります。学生健康保険(ウェイバー可能)は秋学期$1,970、春学期$2,889です。寮費・食費・教材費などを含めた総費用(Cost of Attendance)は学費ページとは別の資料で公表されており、プランによって金額が変わります。実際の負担額は、必ず公式サイトの最新の学費ページでご確認ください。

パーソンズ美術大学の2026-27年度の学費を、学部フルタイム1学期、パリ校の学部1学期、大学院の多くの修士課程の1単位あたりの3つで示した図
図:学費(2026-27年度・授業料のみ)

出願の進め方

以下は2026年10月時点で公式の出願要件ページから確認した内容です。締切と要件は年度ごとに更新されますので、出願の直前には必ず公式サイトをご確認ください。

学部(高校生・編入生向け)

学部とBBAの出願はCommon Appを通じて行います。申込手数料はアメリカ国内・編入の国際学生が$50、1年次として出願する国際学生が$75です。締切は次のとおりです。

区分締切
秋入学・Early Action/Early Decision(1年次)11月1日
秋入学・Regular Decision(1年次・編入生)1月15日
春入学(全区分)10月15日

必要書類は、高校・大学の成績証明書、推薦状(1年次は進路指導担当者1通+教員1通、編入生は教員1通)、そしてザ・ニュースクール独自の小論文1本(300〜400語)です。Common App側の共通エッセイは提出不要です。小論文の設問は「ザ・ニュースクールの学術プログラムやコミュニティのどこに惹かれて出願するのか」を問う内容で、出願先のカレッジ・プログラムに触れて書くよう求められます。SAT・ACTのスコア提出は不要で、合否判定にも使われません。前述のBA/BFAデュアル・ディグリーを志望する場合は、Common Appの志望校欄で「ラング&パーソンズ、BA/BFA」のように組み合わせを選択して出願します。

ポートフォリオはBFA全専攻で必須、BBA(戦略デザイン&マネジメント)は任意です(任意で出す場合は2〜12点)。1年次生は8〜12点、編入生は8〜20点のスライドまたは画像を提出します。媒体は幅広く認められ、制作過程の映像を5点まで追加することもできます。お気に入りの2点以上には、着想や素材の使い方の説明文を添えることが求められます。個人サイトのURLを貼る形での提出はできません。

生成AIの扱いについては、公式サイトが立場を明記しています。AIが関わった部分がある場合は、その制作プロセスと使用した機械学習ツールを説明する必要があります。出願書類の文章にAIを使った場合も同様です。そのうえで入試委員会は「完全にAIで制作した作品の提出は強く推奨しない」とし、生成AIだけで作った画像や文章を含めないよう求めています。AI生成物を含むポートフォリオには追加資料を求める場合があるとも書かれています。このほか、AutoCADの図面、アニメ調の絵、他者の作品をそのまま模写した画像は提出しないよう案内されています。

大学院

大学院の出願はプログラムごとにオンラインで行います。申込手数料は出願者の区分にかかわらず一律$50で、学部のように国際出願者が高くなる設定にはなっていません。締切は秋・夏入学が1月5日、春入学が11月1日です(春入学はメディアマネジメントMS・サーティフィケートとメディアスタディーズMAのみ対応)。

必要書類は、出身大学の成績証明書、推薦状1通(職業上または学術上の推薦者から。推薦者本人がオンラインの出願システムから直接提出します)、プログラムごとの設問に沿った志望理由書(Statement of Purpose)、1〜2ページの履歴書(CV)です。在学中の出願はできますが、入学する学期の開始までに学士号を取得している必要があります。ポートフォリオはプログラムによって必須・任意が分かれるため、公式の大学院ポートフォリオページで専攻ごとの要件をご確認ください。審査の過程で面接が課されることもあります。なお1年度に出願できるプログラムは、ザ・ニュースクール全体で1つだけです。同じ年度に複数出願した場合は一方の取り下げを求められ、申込手数料も返金されません。

パーソンズ美術大学の学部と大学院の出願を、出願方法・申込手数料・主な締切・主な書類の4項目で並べて比べた図
図:出願の違い:学部と大学院

英語力の証明(国際学生向け)

英語以外を母語とする出願者は、過去2年以内に取得したTOEFL iBT、IELTS Academic、PTE Academic、Duolingo English Test、ケンブリッジ英検(C1 Advanced/C2 Proficiency)のいずれかのスコアが必要です。最低スコアは学部・大学院で共通ですが、後述の免除条件は異なります。なお、IELTS Indicator、iTEP、TOEFL Essentials、TOEFL My Best Score などは受け付けていません。

試験最低スコア
TOEFL iBT92(ライティング5.0、スピーキング5.0以上)
IELTS Academic7.0
PTE Academic63
Duolingo English Test115(ライティング)、110(スピーキング)
ケンブリッジ英検185

学部では、英語を授業言語として高校4年間を通して学んだ場合に免除されます。ただしESL(第二言語としての英語)の授業を履修していた場合は、在籍期間の長短にかかわらず対象外です。このほか編入生に限って、非ESLの大学レベルのライティング科目を2学期分修了した場合や、英語を主要言語とする大学に3年以上在籍して4年制学位を取得した場合も免除されます。大学院では、ザ・ニュースクールのESLプログラムでレベル6に合格することが免除の条件です。いずれの場合も、審査の結果によっては追加でスコアを求められることがあります。

QS世界大学ランキング2026年版でザ・ニュースクールが世界3位

前述のとおり、QS世界大学ランキングのアート&デザイン部門2026年版で世界3位にランクインしているのは、パーソンズ単体ではなく大学全体としてのザ・ニュースクールです。総合スコアは93.3で、前年から順位の変動はありません。

順位大学総合スコア学術評判雇用者評判
1Royal College of Art98.5100.085.4
2University of the Arts London95.596.289.4
3The New School93.394.483.4
4Rhode Island School of Design93.295.077.1
5Pratt Institute87.588.974.6

公式サイトのAboutページは、パーソンズを「総合大学であるザ・ニュースクールの中心にあり、幅広い学問分野を引き寄せて、他にはない学際的な教育を届けている」と説明しています。デザイン、リベラルアーツ、舞台芸術、社会科学を一つ屋根の下に持つ組み合わせが、このランキング評価にもつながっていると考えられます。

主な卒業生

パーソンズ公式サイトの「Notable Alumni」ページで紹介されている人のうち、代表的な名前を挙げます。

氏名分野備考
エドワード・ホッパー画家・版画家創立者チェイスが率いたチェイス・スクール出身
ジャスパー・ジョーンズ画家・彫刻家・版画家公式サイトの「ファインアート」部門に掲載
ノーマン・ロックウェル画家・著述家・イラストレーター同上。チェイス・スクール時代の在籍者
艾未未(アイ・ウェイウェイ)美術家・活動家在学中にジャスパー・ジョーンズらの仕事に触れたと公式サイトが紹介
マーク・ジェイコブスファッションデザイナー1984年卒。卒業審査のショーから作品がそのまま商品化されたことで知られる
ドナ・キャランファッションデザイナーBFAファッションデザイン専攻卒
アナ・スイファッションデザイナー2009年CFDA生涯功労賞受賞
トム・フォードデザイナー・映画監督公式サイトの「ファッション」部門に掲載
リチャード・アヴェドン写真家公式サイトの「写真」部門に掲載
ロバート・ウォンGoogle Creative Lab最高クリエイティブ責任者BFAコミュニケーションデザイン専攻卒

ファッション、ファインアート、写真、デジタルデザインと、分野の幅が広いことがパーソンズらしい顔ぶれです。公式サイトの一覧には、このほかインテリアデザイン、グラフィックデザイン、建築、イラストなどの区分もあります。なお、エドワード・ホッパーとノーマン・ロックウェルは、パーソンズが現在の校名になるよりはるか以前、創立まもない「チェイス・スクール」の時代に学んだ人たちである点にご留意ください。公式サイトはこの2人を含めて「Notable Alumni」として紹介しており、学校としては校名の変遷を越えて同じ系譜の卒業生と位置づけています。艾未未は2012年の雑誌『TIME』のインタビューで、在学中にジャスパー・ジョーンズら同時代作家の仕事に触れたことが、ものの見方を変える経験だったと語っています。また卒業生のドナ・キャランは、2015年にハイチの職人コミュニティを支援する職業訓練拠点「DOTセンター」を母校とともに設立するなど、卒業後も学校と関わり続ける例が公式サイトで紹介されています。

まとめ

いかがだったでしょうか。パーソンズ美術大学について見てきました。要点は次の5つです。

  • 1896年、ウィリアム・メリット・チェイスが創立した「チェイス・スクール」が前身で、1941年に現在の校名「パーソンズ美術大学」になりました
  • 1970年にザ・ニュースクールと統合し、現在はザ・ニュースクールを構成するカレッジの一つです。QS世界大学ランキング2026年版の世界3位は、パーソンズ単体ではなく大学全体としてのザ・ニュースクールの評価です
  • ザ・ニュースクールは2026年秋に4カレッジ体制から2カレッジ体制へ移行しました。パーソンズはマネス・ジャズ・ドラマとともに一つのカレッジに入っています。新しいカレッジの正式名称は、本記事の確認時点では公表されていません
  • 2026-27年度の学費は、学部がフルタイム1学期$31,174(2学期で$62,348)、大学院の多くは単位制です
  • 出願は学部・大学院ともにポートフォリオが中心です。学部はSAT・ACT不要で、かわりにザ・ニュースクール独自の小論文1本(300〜400語)が必須。大学院は推薦状1通と志望理由書が要となります
項目パーソンズ美術大学
前身の創立1896年
現校名への改称1941年
ニュースクールとの統合1970年
QSアート&デザイン部門2026年版(ザ・ニュースクールとして)世界3位/総合93.3
学部学費(2026-27年度)フルタイム1学期$31,174(2学期で$62,348)

学費も出願の要件も、そして大学自体の組織構成も年度によって変わります。出願を具体的に考える段階では、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。

Euphoric " " の視点

パーソンズは、ニューヨークのザ・ニュースクールを構成するカレッジのひとつです。QSで世界3位に入っているのは、パーソンズ単体ではなく、この大学全体の名前です。

日本では「パーソンズ美術大学」という呼び方のほうが通りがよく、そのせいで単独の美大のように思われがちです。実際には、社会科学や舞台芸術を持つ総合大学の内側にあります。

この位置は、いま現実の形になって表れています。2026年の秋、大学は4つあったカレッジを2つに統合しました。パーソンズは、音楽やドラマと同じ側に入っています。学生数の減少という、どの大学にも起こりうる事情が背景にあります。

学校は、入ったときのままの形で卒業できるとは限りません。校名も、所属も、組織図も動きます。進学先を選ぶときに見ておくとよいのは、いまの姿だけでなく、その学校がどんな力の中に置かれているかのほうかもしれません。

ポートフォリオの作り方に不安がある方は、ポートフォリオ添削サービス「PORTFOLIO SENSEI」もあわせてご覧ください。

もっと知るには

本記事の情報は、パーソンズ美術大学およびザ・ニュースクールの公式発表をもとに確認しています。学費・出願要件・組織構成は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。

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