作業中や手が離せない方は音声だけでも聞いてみてください。
YoutubeやPrimeビデオ、Netflixなど動画配信サービスの台頭により、家で映画鑑賞を楽しむ!という方が増えています。
今日はなんの映画をみようかな、そう思っている方はぜひ一度、舞台をみてみませんか?
本来、生で観るのが醍醐味の舞台ですが、現在は多くの作品がネット上で配信されているので家にいながらにして作品を楽しむことができるんです!
「でも舞台なんて観たことないしどれを観たらいいかわからない…」
「そんなの観るくらいなら映画とかミュージカルを観た方がいいんじゃない?」
そう思っている方にむけて、この記事では2020年12月現在ネット上で配信されている舞台を、実際に東京で3年半、舞台俳優として活動し、現在は地方の劇団でプロとして役者をしている編集部がご紹介いたします!
2種類の人間が存在する世界でどう生きるか・イキウメ 『太陽』
まず始めに、劇作家・演出家の前川知大さんが主宰を務めるイキウメから、2011年11月に初演された『太陽』をご紹介いたします。
シンプルな舞台セットの上に広がる仮想の未来。ファンタジーかと思いきや、舞台の上で生きる人々の生々しい演技が説得力を持って私たちに「人間として生きるとはどういうことか」を訴えかけてきます。
まだ1度も舞台をみたことがないという方から、年に何本もみているという方まで、誰もが面白いと納得できる作品です。
『太陽』のあらすじはこちらになります。
四十年程前、世界的なバイオテロにより拡散したウイルスで人口は激減し、政治経済は混乱、社会基盤が破壊された。
数年後、感染者の中で奇跡的に回復した人々が注目される。彼らは人間をはるかに上回る身体に変異していた。頭脳明晰で、若く健康な肉体を長く維持できる反面、紫外線に弱く太陽光の下では活動できない欠点があったが、変異は進化の過渡期であると主張し自らを「ノクス」(ホモ・ノクセンシス = 夜に生きる人)と名乗るようになる。
ノクスになる方法も解明され、徐々に数を増やす彼らは弾圧されるが、変異の適性は三十歳前後で失われる為、若者の夜への移行は歯止めが効かなくなった。
次第に政治経済の中心はノクスに移り、遂には人口も逆転してしまう。
ノクスの登場から四十年、普通の人間は三割程になり、ノクス社会に依存しながら共存している。
かつて日本と呼ばれた列島には、ノクス自治区が点在し、緩やかな連合体を築いていた。
都市に住むノクスに対し、人間は四国を割り当てられ多くが移住していたが、
未だ故郷を離れず小さな集落で生活するものもいた。
Youtube上で無料で観ることができるので、まず何か1本と考えている方はぜひイキウメ の『太陽』がおすすめです。
これぞ小劇場・時間堂『ローザ』
2016年に解散してしまっている時間堂ですが、東京芸術劇場に進出するなど人気の劇団でした。そんな時間堂の最後の公演である『ローザ』です。
劇場はただの白い部屋。脚立と銀色の台以外、舞台セットらしい舞台セットもなく、俳優の身体と声だけで広がる壮大な世界が、手で触れられそうな距離にあります。
観客の想像力を最大限に信頼した、映画では絶対にできない表現をお楽しみください。
以下が『ローザ』のあらすじになります。
ドイツの革命家ローザ・ルクセンブルク。
彼女の死後、墓前に訪れた因縁の4人が繰り広げる、ローザと過ごした記憶の再現劇。
「想像しろ。ローザの顔、ローザの声、ローザの身体。想像しろ、死の瞬間を。」
俳優の身体と観客の想像力だけで世界を立ち上げる、「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」最終章。
Youtubeでは公開されていませんが、Amazonプライム・ビデオで視聴可能ですので、登録している方は是非見てみてください!
まだ登録されていない方もこれを機に、登録されてはいかがでしょうか?
世界に認められた舞台・SPAC『アンティゴネ』
SPACは、静岡県舞台芸術センターという、国内外の優れた芸術家や劇団の招聘、若手芸術家の育成を目指している静岡市の公益財団法人です。
2017年、世界最高峰の演劇の祭典「アヴィニョン演劇祭」からの招聘を受け製作された『アンティゴネ』を紹介します。
「静岡市・駿府城公園でのプレ公演を経て、客席数約2,000のメイン会場「アヴィニョン法王庁中庭」で演劇祭のオープニング作品として上演。人を善悪に二分しない王女アンティゴネの思想に、「死ねばみな仏」という日本人の死生観を重ねた独創的な演出、舞台全面に水が張られた装置や、高さ30mの法王庁の壁面に俳優の影を映し出す仕掛けは、大きな反響を呼んだ。19年秋には「Japan 2019」の公式企画として、ニューヨークの「パーク・アベニュー・アーモリー」で上演され、開幕翌日ニューヨーク・タイムズ電子版が「霊妙で瞑想的な異世界に引き込まれる」と激賞。さらに、米国版TIME誌が選ぶ2019年の演劇公演ベストテン第6位に選出された。」
一面に水が張られた舞台上で繰り広げられる、ギリシャ悲劇の名作『アンティゴネー』。演劇、と聞いてパッと思いつくものとはかけ離れているかもしれませんが、世界に誇る日本の劇団の舞台をぜひ一度ご覧いただきたいです。その神聖な雰囲気と独創的な世界観にハッと息を飲むはず。
以下が『アンティゴネ』のあらすじになります。
舞台は古代ギリシャ・テーバイ。
先の王オイディプスは自らの出生の秘密を知り、国を追われる。その妻であり母でもあるイオカステは自死を遂げた。残された二人の息子ポリュネイケスとエテオクレスは王位を競って争い、ポリュネイケスはアルゴスに追放される。
やがてポリュネイケスはアルゴス勢を率いてテーバイに攻め入り、エテオクレスとの一騎打ちとなるが、オイディプスの呪いを受けた兄弟は相討ちとなって共に果てる。そして王位はイオカステの兄クレオンのものとなった。
クレオンは国を守ったエテオクレスを手厚く葬り、反逆者ポリュネイケスの死骸を野に晒して野鳥の餌にすることを命じ、これに反した者を死罪に処すことを決める。だが、オイディプス王の娘アンティゴネは王令に従わず、いさめる妹イスメネにも抗して、兄ポリュネイケスに埋葬の礼を施すことを決意する…。
こちらもAmazon プライム・ビデオのみで視聴可能です。
まとめ
以上、編集部がおすすめする3作品をご紹介しました!
それぞれ大きくタイプの違う作品ですので、きっと自分のお気に入りが見つかるはず。
ここで紹介した以外にも、YoutubeやPrimevideoなどでたくさんの舞台が映像配信されているので、興味が湧いた方はぜひご覧ください!
参考文献