みなさんはアリッサ・モンクスを知っていますか?
彼女は古典的絵画技法を応用し、水や森林と人物をモチーフに作品を作り出すアーティストです。写実的に描かれているため、何を描かれているかに注目してしまうかもしれませんが、是非拡大してそのディテールを見てほしいアーティストです。
この記事ではアリッサ・モンクスの『人生』と『作品』についてご紹介します!
目次
アリッサ・モンクスってどんな人?
<名前>
アリッサ・モンクス(Alyssa Monks)
<国籍>
アメリカ
<人生>
1977年、8人兄弟の末っ子に生まれる。幼少期より母親に様々なアートスクールに連れられ、14歳の頃には画家を志すようになりました。末っ子ということもあり、家族の中ではルールに従うことが多かった彼女にとって、絵の世界は唯一、自分がルールを決められる世界で、どんどん絵の世界に入り込んでいったといいます。
ニュースクール大学、モントクレア州立大学で絵画を学び、ボストン・カレッジにて学士取得しました。その後フランス渡り、ロレンツォデメディチスクールにて絵画を学び、帰国後はニューヨーク芸術アカデミーにて修士号を取得しています。以後、ブルックリンに拠点を構え、制作活動を行っています。
アリッサ・モンクスの作品
彼女の作品が現在の作風に至るまでにはいくつかの大きな変化がありました。
彼女の初めての個展での作品は非常に写実的で、現在の作風とは異なるものでした。絵の世界は彼女にとって完全にコントロールできる世界であったことから、より細かく、写実的に描かなくてはなりませんでした。
初期の作品から10年近く試行錯誤を重ね、彼女の代表的モチーフとも言える、水と人を描くようになりました。
「バスタブ、シャワーの完全に閉ざされた環境はとても神秘的あり、これらの水をどう描くかということに10年を費やした」と、彼女はTEDのプレゼンテーションの中で述べています。
水をテーマとした作品は200点以上あり中には2メートルを超える大きなものもあります。この作品1)は浴槽に小麦粉を混ぜ食用油を流し込み、その中に少女が入ったところを描いています。他にも、蒸気、ビニール、ガラスなど様々な要素を自分の世界に取り込み、作品を制作しています。
彼女が現在の作風になるまでには、母親の肺がんの闘病生活とその死が大きく関係しています。この頃より制御できないものは制御しないという価値観を持つようになり、その価値観がその後の作品、世界観に大きな影響を及ぼしています。緻密な安全な世界を描くことがこれまでの作品とは対象的なもので、自分の中で解きほぐれつつあるものすべてがそこに放たれたかのようであったと後に彼女は述べています。
その後、彼女は森で描いた作品を一晩外に放置するなど、無計画に作品を作り始めました。無計画さ故に現れる、混沌や不完全さに魅了され作品を作る好奇心を取り戻していきました。
この森の中の作品以降、彼女の作品の中には不完全さが許容されるようになりました。新たな緻密さが生まれ、人と人との繋がりには抗えず、制御できないという彼女の新たな哲学とも言える考え方が表現されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アリッサモンクスの作品は楽しめたでしょうか!?写実主義的画風からから抽象写実主義(Abstract realism)的画風に変化してく背景には、深い物語がありました。
Euphoric””では、今後も数多くのアーティストをご紹介していくだけではなく、弊社デザイナーが使っているAdobeソフトのイラレやフォトショのチュートリアル、3Dプリンターの解説などを記事にしています。
是非、そちらの記事も見てみてくださいね!
参考文献
TOP画像:https://www.nytimes.com/2018/03/23/arts/television/the-americans-fx-final-season.html
https://register.asapconnected.com/Courses.aspx?CourseGroupID=18537
https://en.wikipedia.org/wiki/Alyssa_Monks