【徹底解説】アニッシュ・カプーアとは?作品と人生を3分で理解しよう!

出典:Shooting Into the Corner, WIKIART, https://www.wikiart.org/

みなさんはアニッシュ・カプーアを知っていますか?

現代を代表する彫刻家で、世界的に有名な現代アーティストです。アーティストと言えばこの人が真っ先に出てくるといえるでしょう。

この記事ではアニッシュ・カプーアの『Cloud gate』と『Sky mirror』についてご紹介します!

アニッシュ・カプーアってどんな人?

アニシュ・カプーア 基本情報

本名 アニシュ・カプーア (Anish Kapoor)
国籍/出身 インド ムンバイ
生年月日 1954年
分野/芸術動向 彫刻
学歴/出身大学など ホーンゼイ芸術大学 / チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ
公式サイト/関連サイト アニシュ・カプーア公式サイト

アニッシュ・カプーアは、1954年にインドのムンバイで生まれた現代最も注目されている現代彫刻家の一人です。

彼の作品はシンプルな形でありながら、テンレス・スチール、漆、更には蒸気そのものを作品に取り入れるなどの多彩な表現をし、視覚的、空間的に問題提起をします。彼の作品の主なテーマは物質非物質といった二元論的なもので、その根源には仏教インド哲学などの存在が垣間見えます。

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アニッシュ・カプーアについてもっと知りたい方はこちらの書籍もおススメです!どちらも洋書ですが、アニッシュ・カプーア本人が書いていますので一次資料としては特におすすめします!

経歴と作品

インドで幼少期を過ごす

アニッシュ・カプーアは、幼少期をインドで過ごした後に1973年からイギリスに渡り、ホーンゼイ芸術大学とチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインをで芸術を学びました。1990年にヴェネツィア・ビエンナーレに出展し2000年賞を受賞、また、翌年1991年にはターナー賞を受賞しました。更に2003年には大英帝国勲章CBEを受賞し、英国だけではなく世界を代表するアーティストとしての評価を確立しました。

Shooting Into the Corner

Shooting Into the Corner, 2009 - Anish Kapoor
出典:Shooting Into the Corner, WIKIART, https://www.wikiart.org/

2018年には大分県別府市で開催されている「in BEPPU」に招聘され、Sky Mirrorなどの代表作が展示されました。他にも、石川県金沢市の金沢21世紀美術館で部屋全体を作品化したコミッションワークなどがあります。

巨大彫刻の制作

クラウド・ゲートは、2006年に二年の歳月をかけて完成したアメリカイリノイ州シカゴダウンタウンのAT&Tプラザに設置されているパブリック・アートです。その豆のような形から「The bean」と呼ばれていましたが、後にカプーア本人がクラウド・ゲートと名付けました。

Cloud Gate /  クラウド・ゲート

クラウド・ゲートは変容の象徴的作品で、彼の過去の作品との深い関わりがあるといわれており、カプーアの作品の中でも複雑な鏡面を持つ形状を最も野心に使用した作品とされています。また、その反射する空、人、建物などにより、どのタイミングでもクラウド・ゲートを見る人達の理解を部分的なものにしています。

出典:Why Landscape Designers Will Be Key to the Future of Our Cities, ArchDaily, https://www.archdaily.com/page/2

インスピレーションは水銀の形からきており、何度も磨き上げられた継ぎ目のないステンレスの表面はシカゴのビル群を映し出します。大きさが10m×20m×13mもあるその作品の中央部には「オロンパス」と呼ばれる穴、くぼみがあります。中を通ることでその鏡面に映し出される情景の移り変わりとその歪みを楽しむことができる様になっています。

Cloud Gate, 2004 - Anish Kapoor
出典:Sky Mirror, WIKIART, https://www.wikiart.org/

当初この作品の制作は不可能に近いと考えられていたため、予定していた完成より、大幅な遅れが生じました。実際、材料となるステンレス材の厚さがどの程度必要かを予測することは非常に困難で、当初予定していた分の倍以上の量、100トン近くになっています。

表面を磨く工程は5段階に分けられており、溶接の継ぎ目の除去に始まり、ベンガラを使用したバフがけまで行っています。制作過程で鏡面処理を施しにくい部分には、登山用の器具を使うなどして研磨作業を行い完成させました。

「“見るもの“が”見られるもの“の一部となる」

Sky Mirror / スカイミラー

ソース元

スカイミラーは2001年にイギリスのノッティンガムにあるウェリントンサーカスに設置されたパブリック・アートです。企画から実装までに6年の歳月を費やしており、総工費は900,000ポンドにもなりました。当時、英国国営宝くじが資金提供した中で最も費用の高いものとなっています。

その後も、2006年にニューヨークのロックフェラーセンター、2010年にロンドンのケンジントン公園に設置されるなど、世界各国の様々な場所にこの作品は設置されてます。近年では、2018年に「アニッシュ・カプーア in BEPPU」で公開されました。

ソース元

これらの様々な場所に設置されたスカイミラーは、それぞれの場所においてわずかに違う寸法で作られています。それぞれ環境に合わせて最適な大きさにデザインされており、それを見る鑑賞者たちに囲まれた環境と作品自体が調和しているかのように思わせます。

さらにこの作品は、知覚的に自分たちの状況、それによって存在する自分たちの生活を支える構造体やその絶妙さに気づかせるような意図も含んでいます。作品はそれぞれの環境で最適に自己を表現していますが、それと同時にカプーアの空間の強調、象徴、実現するという意思も引き継いでいるのです。

ソース元

スカイミラーは、見るものの知覚を歪めながら、空が地上の領域に転落しているかのように思わせ、見るものを不思議な感覚へ引き込みます。この作品も過去の作品と同様に、二元論的テーマが存在しており、「“見るもの“が”見られるもの“の一部となる」という本来交わらないはずの2つの要素が循環する新たな作品です。

Sky Mirror, 2001 - Anish Kapoor

出典:Sky Mirror, WIKIART, https://www.wikiart.org/

また、スカイミラーは、地表にありなら空を見下ろすことにより、人間が自らの視点を上へ合わせることへの可能性を示しています。その単純な形からは想像もつかない、物理的表現を超えた考え方がそこには存在しているのです。

カプーアはこの作品について次のように述べています。「なにか美しいものを作ることができないのと同様、精神的なものも作ることはできない。ただ、そこにある物を認識することしかできないのである。」空を地上へと引き込むこの世界観は、カプーアの中心的探求です。

この作品を通して、地面を超越する空間について問いかけているものがあるのではないのでしょうか。

スカイミラーというと、よく見る写真では、大きなくぼんだ円が正面から映されたものが多いですが、背面も正面と同様に、非常によく磨き上げられています。背面は正面とは対象的な姿を映し出しており、見るものを非常に不思議な感覚へと引き込みます。

正面で空、背面で地表を映し出し、すべての角度から楽しむことができるようになっているのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、アニッシュ・カプーアの『Cloud gate』と『Sky mirror』について記事をまとめました。

アニッシュ・カプーアの作品をより楽しむためには、その作品の意図をつかむとより楽しめると思います。

Euphoric””では、今後も数多くのアーティストをご紹介していくだけではなく、弊社デザイナーが使っているAdobeソフトのイラレやフォトショのチュートリアル、3Dプリンターの解説などを記事にしています。

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参考文献



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