みなさんはドリス・サルチェードを知っていますか?
ドリス・サルチェードはインスタレーションアーティストとして活躍しています。
彼女はコロンビア出身で、コロンビアでの生活経験が作品に大きく合わられています。作品の制作で主に、木製の家具、衣服、コンクリート、ガラス、薔薇の花弁などを使用し、「失う」ということに対する心の痛み、トラウマ、喪失感などを表現します。
この記事ではドリス・サルチェードの『人生』と『代表作品』についてご紹介します!
ドリス・サルチェードってどんな人?
<名前>
ドリス・サルチェード(Doris Salcedo)
<国籍>
コロンビア
<人生>
ドリス・サルチェード(Doris Salcedo)は1958年にコロンビアのボゴタで生まれました。サルチェードは22歳の1980年にジョージ・タデーオ・ロザーノ大学で美術学士号を取得し、26歳でニューヨーク大学の美術博士号を取得しました。その後、彼女は故郷であるコロンビアのボゴタへ戻り、コロンビア国立大学で大学教授を務めました。
サルチェードはコロンビア大学で教授となった後もアーティスト活動は続けており、展示会スペースから政治的、歴史的に意味のある場所にインスタレーション作品を制作しています。
2002年に彼女は、1985年11月6日のボゴタの最高裁判所占拠事件から17年が経過することを記念し、Palece of Justiceという建物の壁面に木製の椅子を貼り付けた彼女の代表作を制作しました。この作品の制作には合計53時間も費やしたそうです。
そして翌年の2003年には第8回イスタンブールビエンナーレで2つの建物の間に1500もの木製の椅子を積み上げられた作品を制作。
2007年にはロンドンにあるTATEモダンギャラリーから作品制作を依頼され、ユニリーバタービンホールの正面玄関に全長167メートルにもおよぶ床に亀裂が入った作品を制作し、ロンドンのTATEモダンギャラリーから依頼を受けた8人目のアーティストとなりました。
以下の動画では、ドリス・サルチェードが自身の作品について解説しています!
インスタレーションアートってなに?
インスタレーションアートとは、観客が見るだけではなく、歩き回ったり触ってみるなどの実体験を通して芸術を感じることに焦点が当てられています。
そのため、絵画ではなくのような媒体ではなく、美術館や展示会の部屋全体を作品として使います。
インスタレーションは歩き回ったりできる作品が多いですが、実は壊れやすいために入口からしか見れない作品も存在します。
▼インスタレーションアートについて、以下の記事でくわしく解説しています!
【まるっと理解!】インスタレーションアートってなんですか?
ドリス・サルチェードの代表作品
Installation at Palace of Justice-2000年
この作品は1985年に起こったボゴタのPalace of Justiceという最高裁判所が占拠された事件から17周年を記念し、約280の木製の椅子を建物の壁面に飾った作品です。これらの木製の椅子は建物の壁にくっつけられているのでなく、屋根から糸を垂らして吊られています。
彼女の作品には木製の椅子がよく使われています。そしてその使われる場面としては、何か悲しい場面を演出する事に使われる事が多い気がします。彼女の生まれ育ったコロンビアの頃の経験を大きく作品に影響させているアーティストなので、木製の椅子も何か悲しい経験があったのでしょうか。
想像だけが無限に膨らんでしまいますね。
Installation at 8th International Istanbul Biennial-2003年
この作品は2003年に第8回イスタンブールビエンナーレで制作され、2つの建物の間に1550の木製の椅子が詰め込まれています。特に有名ではない通りに作られたこの作品は、見る人に不気味な集団墓地を思い浮かべさせます。
この作品はもはや不気味さを感じます。上記でも述べましたが、もし彼女が木製の椅子に悲しい思い出を持っているであるとすると、この作品には計り知れない悲しさが含まれているということになりますね。
Installation at Turbine Hall in Tate Modern,London-2007年
この作品は2007年TATEモダンギャラリーから依頼を受け、ロンドンとオランダのロッテルダム に拠点を置く一般消費材メーカーのユニリーバがスポンサーを務める「ユニリーバシリーズ」で制作されました。
このひび割れた地面の作品にはどのようなメッセージが込められているのでしょう。こんな巨大なひび割れた地面の作品、何か大きなメッセージ性を嫌でも感じてしまいますよね!
気になりますね〜。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ドリス・サルチェードの作品はかなり大規模なインスタレーションが多いですね!
知っている方もいるかもしれませんが、2007年に彼女へ作品の制作依頼をしたTATEは、芸術で有名なイギリスの国立美術館を管理する組織で、依頼されて作品を制作する機会は滅多に出会えません。
そのような知識も今後発信していきますので、今後もEuphoric””の記事を楽しみにしていてくださいんね!
参考文献
TOP画:EL ESPECTADOR|Colombiana Doris Salcedo gana Premio Nasher
PLAINMAGAZINE|IMPRESSIVE INSTALLATION OF 1,550 CHAIRS CRAMMED BETWEEN TWO BUILDINGS BY DORIS SALCEDO