こんにちは!ユアムーン編集部です!
みなさんは個展やデザイン展示、美術館には行ったことがありますか?さまざまなテーマやコンセプトで独創的な作品が展示され、見る人に対して様々な感情を作り出します。美術大学等の学生もこうした企画展を自主的に開催しており、既存の枠に縛られない自由な発想から、鑑賞者にプロの作品とは違った印象や体験を作り出します。
しかし、こうした学生主体の美術展はどのように企画・運営されているのでしょうか。今回は、学生展示を開催する方、したいと思っている方に向けて学生展にはどのような必要事項があるかを徹底解説したいと思います。
本記事はこんな方におすすめです!▼▼
- ポートフォリオにグループ制作を載せたい学生
- 創作活動はしていないけど学生展示を覗いてみたい方
- 展示に興味があるけど何からやればいいかわからない方
目次
学生展示の意義
自主制作の発表の場
イラストを描くのが趣味の方や、手芸で編み物が好きな方、美大生の多くの方は大学の授業以外に様々な作品を主体的に制作しているかと思います。インターネットが発達した昨今、こうした作品を公にすることは簡単にはなりましたが、デジタルではなくリアルの空間で発表することは簡単にはいきません。
デジタルアナログ問わず、こうした自主制作した作品をリアルの空間で他の人に見せることは、クリエイターを志す人にとって重要な経験となります。
今まではボタン一つの公開で済んでいたことが、実際の展示空間での発表となると、より魅力的に配置するための空間や並べ方、集客、スケジュール管理等、制作以外に時間が多く取られます。自分の作品が特定の空間でどのように見えるかがわかる他、展示空間にとらわれなくなるようになり、幅広い領域で活躍するための基礎になります。
グループ内での役割を担う
作品の展示には、個展と呼ばれる一人で開催する展示と、グループ展と呼ばれる複数人が集まり展示をする2種類があります。
グループ展は個展に比べ比較的多く開催されており、金銭面的にも敷居の低いものとなっています。しかし同時に、複数人で展示が行われるため、コンセプトの共有や運営の役割分担など、コミュニケーションコストがかかってきます。
特に学生展においては、役割分担が非常に重要で、それぞれが責任感を持ち自分の担当の仕事をこなす必要があります。また、役割を決めるためには、自分達の展示には何が必要なのかを最初に考えることをおススメします。それにより、展示場所を探す人、作品を搬入するための車両を手配する人の他、具体的なスケジュールもおのずと決まり、スムーズに運営を進めることができます。
ポートフォリオに記載できる
クリエイター志望の学生にとってこうした学生展示での経験や作品は、自身のポートフォリオに掲載することができる重要な要素となってきます。作品単体だけでなく、展示運営を通したマネジメント能力やチーム内でのコミュニケーション能力もあると評価できるため、非常に有益な活動と言えます。
また、学生のうちに展示をしておくと、展示スペースの料金体系や大学以外の人との繋がりもでき、クリエイターとして将来活躍するための大きな資産となります。
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展示を行う流れ
展示を行う際の大まかな流れをご紹介します。
① | コンセプト・テーマ |
② | 展示内容物 |
③ | 役割の分担 |
④ | スケジュールの決定 |
⑤ | 会場の確保 |
⑥ | 展示の告知 |
⑦ | 作品の搬入搬出 |
⑧ | いざ展示! |
コンセプト・テーマ
それぞれが好きなものを作ると、展示に統一感がなくなり展示を通して何を伝えたいのかがあいまいになってしまいます。何を伝えたいかが不明瞭な展示は、アートディレクションのないブランドのようなもので、見る人にとって気持ちの良いものではありません。学生展示において特に重要となるのが、展示全体のコンセプト、テーマの設定です。
統一感を出すために、必ず展示のテーマを決めましょう。また、そのために何を目的としてこの展示を企画するかを話し合ってから進めましょう。
展示内容物
チーム内でテーマやコンセプトが決まったら、次は何を作るかを決めます。
学生展示では、それぞれの専門分野が異なることもあり、絵画や彫刻などのアートだけではなく、デジタル作品や工業製品を展示している例もあります。また、チーム全体で一つのインスタレーションを作ることもあり、何を作るかも非常に重要な要素となります。
チーム全体で、テーマに沿ってどのように制作を進めるかをよく話し合いましょう。
役割の分担
前述した通り、グループで展示をするにあたり欠かせないのが、役割の分担です。
学生展の運営は、作品の搬入出や場所の確保など、作品制作以外にも多くのやらなくてはならないことがあります。製作の時間を少しでも確保するために、リーダーをはじめ情報収集する人、展示スペースを確保する人など、チーム全体でタスクを分担しましょう。
制作だけに専念したいという方は、合同グループ展示などに参加するのもよいかと思います。
スケジュールの決定
学生展を企画するにあたり、スケジュールの調整は不可欠です。展示の会期、搬入搬出の日、作品を紹介をするための撮影、告知のためのDM、人を集めるための期間を設けたりなど、諸々のイベントを含めるとかなりの時間を要します。
初めての展示をする場合は、作品にもよりますが最低でも半年をめどに計画を立てると良いでしょう。
ここで忘れがちなのが、予備期間を設けることです。万が一作品が壊れてしまったり、紛失した際にリカバリーを設けておくと安心です。
会場の確保
スケジュールが決まったら、次に会場を抑えていきます。ギャラリーを1週間貸し出してくれるところや、学割の効く画廊もあります。都内では下北沢や新宿などに集中しているのでその周辺を探すとよいでしょう。
会場を抑える際に、搬入搬出の車はどこの駐車場に停めるのか、搬入期間は何時まで作業可能なのかを調べておくと良いでしょう。万が一に備えて、予備情報は多いに越したことはありません。
展示の告知
ほとんどが無料の展示ですが、お客さんを呼び込むためにはどうしたらいいのでしょうか。
SNSや口コミだけでは知り合いしか来ない可能性があります。小規模の展示で知り合いしか呼ばない場合は良いのですが、たくさんの人に来てほしい時にはDMや、所属団体、大学などの施設に設置してもらえるように交渉してみましょう。
郵送で送りつけると迷惑になる可能性が大いにあるので、実際に美術大学などに問い合わせたり、展示情報を載せているサイトなどに問い合わせることをオススメします。
作品の搬入搬出
創作活動も終盤を迎え、徹夜明けで展示会場に向かう方も少なくないでしょう。作品を展示するためには、どういった空間にするかの計画まで立てておくと搬入搬出がスムーズになります。
展示スペースでは実際に什器を貸し出してくれるところや、作業が可能なところもありますが、レンタルをしていることもあり、あまりかけられる時間は多くありません。
搬入搬出も気を抜かずに、予備期間を設けると良いでしょう。
いざ展示!
いよいよ作品が並び展示が開催されます。基本的には、制作したスタッフが在廊し、シフト制で順番で交代していきます。
展示の最中には、こっそり企業の方が紛れていたりもするので作品のコンセプトをアピールするチャンスです。
また、シフト外で来てくれた方を把握するためにも簡単な芳名帳があると良いでしょう。芳名帳と入っても、小さめのノートとペンを置いて名前を記載してもらうだけですので、手帳サイズのもので良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?スケジュールの計画を立てて、半年先の展示に向け準備をするにはかなりの労力がいると思います。
しかし、作品作りにおいて展示は必須。人の目に触れてやっと作品としての真価が発揮されます。実際に他の人に見てもらうことで、さまざまなフィードバックや、感想をもらえることは間違い無いでしょう。
完成した展示をみると、作った作品のポテンシャルを引き出し、今まで見えてこなかった魅力が見えてくるはずです。ぜひ展示にチャレンジしてみてくださいね。
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