【徹底解説】ジム・ジャームッシュとは?作品と人生を3分で理解しよう!

皆さんこんにちは、ユアムーン編集部です!

突然ですが、映画監督のジム・ジャームッシュという人物をご存じですか?

2019年カンヌ国際映画祭の幕開けを飾ったゾンビコメディ映画。「デッド・ドント・ダイ」を作り上げた、独特の展開とゆったりとした作品が魅力の映画監督です。

また、アメリカのインディペンデント映画における代表的な監督と評される人物でもあります。

今回は、そんなジム・ジャームッシュとおすすめの作品5選を紹介します。

ジム・ジャームッシュとは?

本名 James R. Jarmusch
生誕日 1953年1月22日
出身 アメリカ/オハイオ州/カヤホガ・フォールズ
母校 コロンビア大学/ニューヨーク大学
活動年数 1979年から現在
職業 映画監督、脚本家、俳優、プロデューサー、編集者、作曲家

インディーズ映画の巨匠

映画との出会い、成長

ジム・ジャームッシュは中産階級の郊外に住む三人兄弟の真ん中として生まれました。母親が映画と演劇の評論家をしていたそうです。彼女は自分の用事の間に地元の映画館にジャームッシュを置いていくことがままあり、そこで彼の映画への関心が育まれたのかもしれませんね。

堅苦しさが苦手な少年で、両親と一緒に協会に行くこともネクタイに窮屈な恰好で蒸し暑い部屋に座ることが嫌だと拒否していたそうです。

現在の白髪にラフな見た目にも負けず劣らず、野生のキノコを食べて死にかけた経験もあり、少しおちゃめなエピソードもあります。

高校卒業後、シカゴに移りジャーナリズム学校に入学するも、翌年には詩人になるためにコロンビア大学に転校しました。当時の彼は文学や美術史に関心を寄せていたのです。

大学最後の年には10か月間交換留学に参加し、パリに引っ越しました。彼は配達員のバイトをしながらシネマテーク・フランセーズという映画遺産の保存をする私立文化施設で一日の大半を過ごしていました。

また留学中は、今村昌平、小津安二郎、溝口健二など、多くのすぐれた日本人監督の映画を見ました。他にもロベール・ブレッソンやカール・テオドア・ドライヤーのようなヨーロッパの映画監督による作品、そしてアメリカのサミュエル・フラーといった監督たちは彼の作品にも影響を与えています。

コロンビア大学を卒業後、ニューヨークでミュージシャンとして働いていました。そして気まぐれで応募したニューヨーク大学の大学院で映画について学びます。

在学中、同大学で教鞭をとっていたニコラス・レイの助手もつとめていました。

映画監督デビューを果たしたのは1980年、長編映画「パーマネント・バケーション」でした。1984年には初の商業映画となる「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を発表し、カンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞。その後も数々の作品を世に送り出し、音楽アルバムも制作する多才な人物です。

作品の特徴

彼は作品によってスタイルを実験的に試しているように作品ごとに異なるスタイルで撮り続けています。

興行性よりも自分の撮りたいものを撮るインディペンデント映画監督として特徴づけられます。伝統的な物語の構造を避け、作家主義的で明確な筋書きの進行はあまりないといえるでしょう。ただ、彼の作品を見ていると自分のその場にいるひとりとして感じてしまうリアルさがあります。

彼の作品を「唯一無二」とか、「斬新な」と評しているのをよく目にします。しかし一方で、彼は自分の作風を「風変りな」と表現される事を嫌います。または、「エッジの聞いた」といった表現が広告目的のうたい文句に聞こえるのだそうです。

彼自身は自分の作りたい作品を作れば、誰でも独創的になると考えているそうです。

作品のテーマ

彼の映画は主にアメリカを舞台としていますが、ヨーロッパと日本の映画をハリウッドと統合するワールドシネマであろうとします。「外国人の目を通して」アメリカを見るという概念を持たせているのです。

また、彼の映画は、外国の俳優やキャラクター、ときには英語以外の会話を使用します。これは、異なる文化間の相互作用を通して国民的アイデンティティの懇意性、民族主義的な感情への不敬を問いかけています。

ジャームッシュの好きな監督

小津安二郎は彼の尊敬する日本人監督の一人でもあります。パリ留学の際に日本人監督の作品を好むようになったとか。

淡々と積み上げられた日常のドラマがささやかな希望となる小津とジャームッシュ作品の共通点といえるでしょう。

興味がある人は小津安二郎の作品も見てみてください。

ロビー・ミュラーからは映画製作について、人生や刹那的な物の見方、直観を信じることについて学びました。絵コンテを作らず、必要最低限のショットリストを作って撮影するところも共通しています。特に彼からは、常に目を見開いて自分の足で考え続ける姿勢を学びました。

また、上司として一緒に映画を製作していたニコラス・レイとも、常に考え続けるという点で3人は価値観が共通していました。ちなみにニコラス・レイはヌーヴェルヴァーグの作家たちからも尊敬を受けたアメリカの巨匠です。こちらもぜひ興味があれば見てみて下さい。

作品紹介

ここからは、そんなジム・ジャームッシュのおすすめ作品をご紹介していきます!

ダウン・バイ・ロー

作品情報

原題 Down by Law
製作 1986年
出演 トム・ウェイツ/ジョン・ルーリー/ロベルト・ベニーニ 他
上映時間 107分

あらすじ

舞台はニューオリンズ。チンピラのジャックとラジオDJのザックが、それぞれ間抜けな罠にかかり、冤罪で同じ刑務所の房に入れられる。そこに不思議なイタリア人旅行者のロベルトが加わって、脱獄した3人は沼地を抜ける。彼らの逃走の行方はどこへゆくのか…

どこか詩的な物語である本作品。脱獄作品というとその逃走劇に着目しがちですが、友情やユーモアをぜひ見ていただきたい作品です。

また、出演者のトム・ウェイツはジム・ジャームッシュの敬愛するミュージシャンでもあります。本作品では音楽も担当しているので見どころ、聞きどころがたくさんある作品です。

コーヒー&シガレッツ

作品情報

原題 Coffee and Cigarettes
製作 2003年
出演 ロベルト・ベニーニ/スティーブン・ライト/イギー・ポップ 他
上映時間 97分

あらすじ

ジム・ジャームッシュが10年以上にわたって温めていたプロジェクト。愛すべきショートストーリー全11編を収録しています。コーヒーを飲みながら、タバコを吸いながら、様々な登場人物たちが、どうでも良さそうで、良くない、でもひとくせある会話を繰りひろげていく。ジャームッシュの掌に揺らされて楽しむ、至福のリラックス・ムービー。

作中の「カルフォルニアのどこかで」ではイギー・ポップとトム・ウェイツが共演し、カンヌ国際映画祭の短編部門で最高賞を受賞しています。実はこの作品を撮り始めた1986年からジャームッシュはコーヒーを飲まなくなったという話もあります。たばこは吸っているようですが、コーヒーと一緒にのんびり観たくなる作品です。

デッドマン

作品情報

原題 Dead Man
製作 1995年
出演 ジョニー・デップ/ゲイリー・ファーマー/ランス・ヘンリクセン 他
上映時間 121分

あらすじ

19世紀、アメリカ西部にやってきたジョニー・デップ演じる会計士ウィリアム・ブレイク。巻き込まれた街のいざこざから逃げた先でネイティブ・アメリカンと出会う様を、ニール・ヤングの音楽と共に描いたモノクロ・ウエスタン。

この作品は、1作目にご紹介した「ダウン・バイ・ロー」でやり残したモノクロ撮影をとことん追求した作品です。撮影監督も同様にロビー・ミュラーを起用しました。同じ監督、同じ撮影監督による映画を見比べてみるのもおすすめです。

ナイト・オン・ザ・プラネット

作品情報

原題 Night on Earth
製作 1991年
出演 ウィノナ・ライダー/ジーナ・ローランズ/ジャンカルロ・エスポジト 他
上映時間 129分

あらすじ

ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ。5つの異なる都市で、同時刻に走るタクシーで巻き起こるドライバーと乗客のオムニバスで描いた作品。

豪華なキャストが集結し、それぞれに異なるストーリーを積み上げていきます。それでも、原題にあるように同じ地球上で、邦題のように同じ夜空の下なのが何とも不思議な気分にさせてくれる作品です。

パターソン

作品情報

原題 Paterson
製作 2016年
出演 アダム・ドライバー/ゴルシフテ・ファラハニ 他
上映時間 118分

あらすじ

ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソンは朝起きて妻にキスし、バスを走らせ、愛犬と散歩する、いつもと変わらない日々を送る。そんな中で心に浮かぶ詩を秘密のノートに書きとめていく。一見代わり映えしない一週間が、ありふれた日常の美しさを感じさせる作品。

主演のアダム・ドライバーはジャームッシュ作品によく起用される俳優の一人です。彼曰く、アダムの演技はあくまで登場人物に肉体を与える、自然で共感を誘う演技はジャームッシュの望む映画の在り方と少し似ていますね。

そんなアダムの本作品はを観た後には、普通の日常が一層素敵に感じる。ぜひ観ていただきたい作品です。

ジム・ジャームッシュ作品を観るには

U-NEXT

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U-NEXTで視聴できる作品

・パーマネント・バケーション
・ストレンジャー・ザン・パラダイス
・ダウン・バイ・ロー
・ミステリー・トレイン
・ナイト・オン・ザ・プラネット
・デッドマン
・オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
・デッド・ドント・ダイ

まとめ

人生のドラマチックではない瞬間を切り取るジム・ジャームッシュの人生と作品をご紹介しました。

観客が自分なりに解釈し、答えがない映画を魅力的と考えるジャームッシュの作品であなたなりの解釈を見つけてみてください。



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