【徹底解説】ケン・ローチってどんな人?作品と人生を3分で理解しよう!

【徹底解説】ケン・ローチってどんな人?作品と人生を3分で理解しよう!
ケン・ローチ ©Kazuko Wakayama

出典:https://www.cinra.net/news/20191211-kazoku

日本を代表する映画監督・是枝裕和さんが最も尊敬しているという映画監督、それがケン・ローチです。普段、作品が大きなシネコンで上映されることが少ないので、ご存知無い方も多いかもしれません。

ですが貧困や労働者階級など、社会に蔓延る複雑な問題を独自の視点から丁寧に映し出すその作品は、是非とも一度は観ておきたい、イギリスの巨匠でもあります。

今回はそんなケン・ローチ監督について、プライムビデオで視聴可能な作品とともにご紹介いたします!

ケン・ローチってどんな人?

<本名>
Kenneth Charles Loach

<国籍>
イギリス

<人生>

1936年6月17日イギリス、ウォリックシャー州ヌニートンで電気工の父と仕立て屋の母の間に生まれました。イギリスの空軍で2年間従軍し、そののちオックスフォード大学セント・ピーターズ・カレッジで法律を学びます。その傍ら、コメディ・グループ「オックスフォード・レヴュー」に俳優として参加していました。

大学卒業後、様々な劇団で俳優や演出家として経験を積み、1963年にBBCテレビに入社。テレビ演出家として多くの作品を手掛けました。そして1967年、『夜空に星のあるように』で長編映画監督デビューを果たしました。
2作品目の『ケス』(1969年)は、英国アカデミー賞と監督賞にノミネートされ、現在ではイギリスで制作された映画の中で最も優れた作品の1つとして高く評価されています。しかし、『ケス』制作後の20年間は、市民が社会問題に対して関心が低かったり、政治的な検閲が理由でキャリアは低迷。映画はあまり配給されず『狩場の管理人』(1968年)や『まなざしと微笑み』(1981年)などの作品はその質の高さにもかかわらず、放送されないこともありました。

労働者階級の苦しみなどを描き続けたケン・ローチ監督が注目を集めるようになったのは1990年代に入ってからになります。『ブラック・アジェンダ/隠された真相』(1990年)と『レイニング・ストーンズ』(1993年)がそれぞれその年のカンヌ国際映画祭審査員賞を、『リフ・ラフ』(1991年)と『大地と自由』(1995年)がヨーロッパ映画賞作品賞を受賞したのです。

2006年に制作された『麦の穂を揺らす風』ではカンヌ国際映画祭で初めてパルム・ドールを受賞。2016年の『わたしは、ダニエル・ブレイク』で再びパルム・ドールを受賞しました。

役者には脚本を渡さず生っぽい演技を大切にし、素人俳優を積極的に起用するなど、ドキュメンタリータッチの作風が大きな特徴です。

ケン・ローチの作品

プライムビデオで視聴可能なケン・ローチ監督作品をご紹介いたします。

わたしは、ダニエル・ブレイク


監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァーティ
出演 デイヴ・ジョーンズ
ヘイリー・スクワイアーズ
ディラン・マキアナン
上映時間 100分

<あらすじ>

ニューカッスルで大工をしていたダニエルは、ある日心臓発作を起こし病院に運ばれます。医師から休職するように言われたため、役所で面談をするものの、カウンセラーには職務可能と判断され給付金を受け取れずにいました。途方に暮れる中、ケイティというロンドンから引っ越してきたシングルマザーとその家族と出会います。彼女らも役人たちの対応のせいで困り果てていたところだした。
お互いに助け合いながら日々を乗り越えていく二人。イギリスが抱える社会保障と貧困の問題をリアルに切り取っています。

第69回カンヌ国際映画祭でパルムドールを、第69回ロカルノ国際映画祭で観客賞を受賞。

舞台俳優Tのここに注目!

リアリティを大事にするケン・ローチ監督。この作品でもそれが存分に生かされています。登場する人々が抱える複雑な問題や、心温まる関わりあいが決して派手では無いけれど、堅実にしっかりと心を揺さぶります。セリフだけでなく、細かい所作などにも注目してみてください!

 

家族を想うとき

こちらは、2021年5月現在プライムビデオでの配信はされていませんが、AmazonでDVD、Blu-rayの購入が可能な作品です。


監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァーティ
出演 クリス・ヒッチェンズ
デビー・ハニーウッド
上映時間 100分

<あらすじ>

舞台はイギリスのニューカッスル。主人公リッキーは元建築労働者で、現在はゼロ時間契約の配達ドライバーとして働いています。正社員を望むリッキーだったが、願いは受け入れられずやむなく個人事業主として契約を続けていました。ゼロ時間契約は、毎日厳しいノルマが課せられる上に、配送用のバンは自費で購入しなければならず、リッキーは妻の車を売ってまで金の工面をしていました。病気でも保険は適用にならず、休みもまともに取れないリッキーは、いつの間にか借金もかさみ、彼の家族も次第に悲惨な状況に陥っていくのでした…。

ケン・ローチ監督が引退を撤回してまで作り上げた作品です。第72回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でパルムドールを争いました。

舞台俳優Tのここに注目!

私はこの作品を小さな映画館でみたのですが、ラストシーンのリッキーの鬼気迫る横顔が今でも脳裏に焼きついています。決して大袈裟ではなく、真実だけを淡々と撮り続けたような作風は、心に重たいけれどとても大切なものを残してくれると思います。今はプライムビデオの対象ではありませんが、機会があればぜひご覧ください。日本の社会問題を考えるいいきっかけにもなると思います。

まとめ

イギリスの名匠・ケン・ローチ監督についてご紹介いたしました。

是枝監督が一番尊敬する映画監督であると公称するのも納得の名作ばかりなので、ぜひ「わたしは、ダニエル・ブレイク」だけでもご覧いただけたら嬉しいです!

これからも注目すべき映画監督についてご紹介していきますのでお楽しみに!