2020年12月16日に「千と千尋の神隠し」の興行収入が308億円から316億円8000万円と更新されたことで、今話題の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入の新記録更新が先延ばしになったことでニュースとなっていました。
アニメ映画「千と千尋の神隠し」の興行収入が308億円から316億8000万円に上積みされたことが話題になっています。公開中の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の13日までの興収が約302億円で、間もなく史上最高になるタイミングだっただけに「なぜ」と感じる人が多かったようです。
上積みの理由は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で映画の新作公開の延期が相次ぎ、今年6~8月に「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ゲド戦記」「風の谷のナウシカ」を再上映。「千と千尋の神隠し」は8億8000万円を上積みしたので、加算したというものです。
このニュースは、ハリウッド映画を多く取り上げている海外メディア「IndieWire」でも大々的に取り上げられていました。

しかし、なぜこんなに海外で「千と千尋の神隠し」は評価されているのでしょうか?
私、ユアムーン 編集部は幸運なことに海外生活がある程度長く、現地の友達と「千と千尋の神隠し」の批評で盛り上がった経験もあります。
そこで、今回は「千と千尋の神隠し」が海外で評価されている理由を、3つの視点から紐解いていきたいと思います!
・海外では類を見ない世界観 ・Hayao Miyazakiという男
では、さっそく解説していきたいと思います!
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Toggle「千と千尋の神隠し」海外での主な評価・受賞歴
「千と千尋の神隠し」は日本公開後、海外の映画祭や主要メディアのランキングでも評価されてきました。確認できる主な出来事は次の通りです。
| 2002年2月 | 第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞(『ブラディ・サンデー』と同時受賞)。アニメーション作品の金熊賞受賞は史上初めてでした。 |
| 2002年9月 | アメリカで公開。配給はウォルト・ディズニー・スタジオ、製作総指揮はジョン・ラセター氏が務めました。 |
| 2003年3月 | 第75回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞。日本の作品がこの部門を受賞したのは初めてでした。 |
| 2016年8月 | BBCが選ぶ「21世紀の偉大な映画100本」で4位にランクイン(アニメーション作品では最高位)。 |
| 2017年 | ニューヨーク・タイムズ紙「21世紀のベスト映画25本」で2位。 |
| 2019年6月 | 中国本土で初の劇場公開。 |
| 2020年3月 | Netflixで日本・アメリカ・カナダを除く世界約190の国と地域で配信開始。 |
英語タイトルは「Spirited Away」です。”spirit away” は「人知れず連れ去る」という意味の英語表現で、原題にある「神隠し」(神に連れ去られて姿を消すという日本の言い伝え)のニュアンスを踏まえた訳になっています。
「千と千尋の神隠し」の異常な作画クオリティの高さ
「千と千尋の神隠し」が海外で評価される理由の1つ目が「作画クオリティ」です。

「千と千尋の神隠し」は、日本では2001年7月20日、アメリカでは2002年9月20日に公開されました(配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ、製作総指揮:ジョン・ラセター氏)。
日本では既に「クレヨンしんちゃん」「ポケットモンスター」などのアニメーションが上映されており、当時でもそこそこの作画のクオリティがありました。なので、「千と千尋の神隠し」を見た日本人は、作画に関してはそこまで深い感想を持たなかったと思います。
しかし、現在もそうですが、2002年の海外の映画はアニメーションではなく、実際に存在する人物が演技をして撮影した動画が元となった映画が9割ほど占めていました。(アニメーションの映画も存在しましたが、作画のクオリティは決して高くありませんでした。子供なら楽しめる程度です。)

そんな中に、あの作画クオリティの「千と千尋の神隠し」が上映されることとなりました。
当時の海外のアニメーション映画は子供向けという立場でしたが、「千と千尋の神隠し」は大人子供関係なく、全員が食い入るように映画を観ていたそうです。おそらく海外で「千と千尋の神隠し」を見て、他のジブリ作品に興味を持った人は山ほどいると思います。
海外では類を見ない「千と千尋の神隠し」の世界観
「千と千尋の神隠し」が海外で評価される理由の2つ目が「世界観」です。

私たちが存在する普通の世界から、神様が存在する別の世界へ主人公である千尋が迷い込む。その中で、多くの人の力を借りることで、様々な困難を乗り越える。そして、序盤の引越しで車に乗っていたムスっとした顔の千尋が、精神的に成長し大人の顔になっていく。
このような成長を感じられるストーリーに、日本人は心打たれると思います。

しかし、海外ではファンタジーが大好きな方が多くいることもあり、神様の存在する世界で登場する人物が、あたかもその世界が当たり前のものであるかのように振舞う。
そして、その異様な世界を後押しするかのような、重くねっとりとしたバックミュージック。
さらに、湯婆婆、銭婆、ハク、顔なしなどの準主人公的な存在だけではなく、黒くて丸い”ススワタリ”の個性もしっかりと表現されているような細部までのこだわりが、海外での「千と千尋の神隠し」の評価をもう一段階上げることとなりました。
「千と千尋の神隠し」の産みの親”Hayao Miyazaki”という男
「千と千尋の神隠し」が海外で評価される最後の理由が「Hayao Miyazaki」です。
「千と千尋の神隠し」は第75回アカデミー賞長編アニメーション賞と第52回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しており、「となりのトトロ」「もののけ姫」など他の宮崎駿作品も含め、彼は数多くの国際的な評価を得ています。
彼は自分のアニメーションへの情熱が強すぎて、40年のキャリアの中で何度も引退を考えたそうです。そして2013年に「風立ちぬ」を公開した後、2014年にスタジオジブリは長編アニメーション制作部門を一時休止しました(会社自体は存続)。
この事実に日本でも数えきれない人が悲しみましたが、海外の人はもしかすると、日本人以上に悲しんでいたのかもしれません。その証拠に、2017年にニューヨークで「Never-Ending Man : Hayao Miyazaki」というドキュメンタリー映画が公開されることとなりました。
今では「Hayao Miyazaki」は日本のアニメーションの”ゴッドファーザー”とも呼ばれるようになり、日本を代表する人物に必ずと言っていいほど、彼の名前が挙げられています。
よくある質問
「千と千尋の神隠し」は海外でも舞台化されている?
2022年3月、東京・帝国劇場で舞台版「千と千尋の神隠し」が世界初演されました(脚色・演出:ジョン・ケアード氏)。2024年にはロンドンのコロシアム劇場でも上演されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、なぜ「千と千尋の神隠し」が海外からあそこまでに評価されるのか、について批評をしてみました。
Euphoric " "では、今後も数多くのアーティストをご紹介していくだけではなく、当ユアムーンのデザイナーが使っているAdobeソフトのイラレやフォトショのチュートリアル、3Dプリンターの解説などを記事にしています。
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参考文献





