ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(LCC)とは?2027年の新校舎移転と学費・出願を徹底解説

ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(LCC)とは?2027年の新校舎移転と学費・出願を徹底解説
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(London College of Communication)エレファント・アンド・キャッスルの校舎

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こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。

皆さんはロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(London College of Communication、略称LCC)という学校をご存知ですか。ロンドン芸術大学(University of the Arts London、UAL)を構成する6つのカレッジのひとつで、名前のとおり「コミュニケーション」の領域に特化したカレッジです。ファッションを担うロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)や、ファインアートから建築まで幅広く扱うセントラル・セント・マーチンズ(CSM)とは違い、LCCは映像、写真、ジャーナリズム、グラフィック、ゲーム、サウンド、UX、広報といった「伝えるための仕事」に照準を合わせて課程を組んでいます。

そしてもうひとつ、志望者の方にいちばんお伝えしたいことがあります。LCCは2027年9月、いま使っている校舎の道の向かいに完成する新校舎へ全面的に移ります。現在の校舎は2027年6月27日(金)をもって学生・職員の利用を終える予定です。この記事は、以前公開していた専攻一覧中心の内容を全面的に書き改めたもので、2026年10月2日にUAL公式サイト(arts.ac.uk)で確認できた情報を軸に、カレッジの成り立ち、3つのスクール、学部・大学院の全課程、出願要件、学費、キャンパスと新校舎までをまとめています。大学公式に記載のない事項(新校舎の設計者、卒業生の業績)は、設計事務所の公式サイトや国立美術館の所蔵記録で確認し、出典を示しています。それでは早速いってみましょう。

LCCの基本情報

エレファント・アンド・キャッスルに立つロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの校舎
エレファント・アンド・キャッスルにあるLCCの校舎(2015年撮影)/撮影:David Smith(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)
正式名称London College of Communication(ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション、略称LCC)
所属University of the Arts London(UAL、ロンドン芸術大学)を構成する6カレッジのひとつ
所在地Elephant and Castle, London, SE1 6SB(1か所のみ)
電話+44 (0)20 7514 6500
組織Design School/Media School/Screen School の3スクール
学生数約4,500名(LCC公式「Student life at LCC」の記載)
前身St Brides Foundation Institute(1894年設立、印刷の専門教育)など。1962年以降は London College of Printing(ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティング)
現校名になった年2004年
新校舎2027年9月開館予定(現校舎の道の向かい)。現校舎は2027年6月27日に閉鎖

LCCが掲げているのは「教育と研究を通じて、勇気と想像力をもって、この時代の社会的な課題に向き合う」という言葉です。公式サイトは自らを「恐れを知らないクリエイティブな伝え手の次世代を、教え、鼓舞する」カレッジだと説明しています。「伝える」ことを中心に置いた自己定義です。

UALそのものの全体像や6カレッジの違いについては、ロンドン芸術大学(UAL)とは?6つのカレッジの違いと学費・出願・キャンパスを徹底解説でまとめていますので、あわせてご覧ください。なお、QS世界大学ランキングの芸術・デザイン分野の評価はUAL全体に対して出されるもので、LCC単独の順位は算出されていません。「LCCは世界◯位」という書き方は正確ではなく、順位はUAL全体の評価として読むのが適切です。

日本語表記には揺れがありますが、公式の英語表記は London College of Communication で、公式サイト自身も「LCC」という略称を日常的に使っています。本記事でも以降は主に「LCC」と書きます。

「コミュニケーション」に特化した3つのスクール

LCCの課程は、Design School(デザイン・スクール)、Media School(メディア・スクール)、Screen School(スクリーン・スクール)という3つのスクールに分かれています。この3分割が、LCCの性格をいちばんよく表しています。デザイン、報道・出版・写真、そして映像と音。どれも「誰かに何かを伝える」仕事であり、作品そのものの美しさよりも、受け取る相手との関係を前提に成り立つ領域です。

公式サイトは、3つのスクールをそれぞれ次のように説明しています。Design Schoolは「デザインの実践、思考、研究が、戦略的な変化を起こし、前向きな未来を形づくる力を持つと信じている」スクールであり、別のページでは「国際的に評価されている教育者、研究者、実践者による、複数の分野にまたがるコミュニティ」とも書かれています。Media Schoolは「言葉、ビジュアル、写真を通して力のある物語を語りながら、個人と社会をつなぐ」スクール、Screen Schoolは「見ることと聴くことを使って、協働的なコミュニティのなかで没入的な体験をつくる」スクールとされています。

Screen Schoolについては、公式ページが「現実の制作現場をそのまま映すように、異なる分野をまたいだ協働を促している」とも記しています。映画の学生と音の学生、ゲームの学生が別々に完結せず、ひとつの制作のなかで交わることを前提にした設計です。

各スクールはさらに「プログラム」という単位に分かれています。2026年10月2日時点で公式サイトに掲載されている区分は次のとおりです。

スクールプログラム(公式サイトの区分)
Design SchoolInternational Studies and Progression/Branding and Design Innovation/Graphic Design Communication/Interaction Design and Visual Communication/Diploma in Professional Studies (DPS)
Media SchoolInternational Studies and Progression/Communications and Media/Journalism and Publishing/Photography/Diploma in Professional Studies (DPS)
Screen SchoolFilm and Television/Moving Image and Digital Arts/Sound and Music/International Studies and Progression

注目していただきたいのは、3つのスクールすべてにInternational Studies and Progressionという区分があることです。ここには、学位課程に進む前の準備課程(Level 3の国際導入課程や、Certificate of Higher Education)が置かれています。日本の高校から英国の学部へ直接進むのは制度の違いもあって簡単ではありませんので、この準備課程の存在は日本からの志望者にとって実用的な情報です。なおこの資格名の表記は公式サイト内で統一されておらず、学部コース一覧ページは「of」、Screen School の紹介ページは「in」と書いています。本記事は1件ずつ照合した一覧ページの表記(of)を採ります(英国の資格としての正式名称も of です)。

そしてDesign SchoolとMedia SchoolにはDiploma in Professional Studies(DPS)という区分があります。これは1年間のインターンシップを課程に組み込む仕組みで、在学中に実務の年を挟めます。公式の学生生活ページでは、就業体験を支援するPlacements Teamや、地域の組織との有償の仕事を仲介するTalent Worksも紹介されています。現場に出る回路を課程のなかに用意しているということです。

学生が関われる発信の場としては、カレッジのマガジンArtefactがあります。在学中から記事を世に出せる媒体が校内にあるかどうかは、コミュニケーション系のカレッジを比べる際に見落としやすく、しかし効いてくる違いだと考えられます。

沿革:印刷の学校から「コミュニケーション」へ

ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションに置かれているアルビオン・プレス(手引き印刷機)。機体に1900年の年号が見える
LCCに置かれているアルビオン・プレス。機体に1900年の年号が見えます/撮影:SophiaNasif/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

LCCの歴史は、印刷から始まっています。公式サイトの「Our History」は、前身組織のひとつとして1894年に設立された St Brides Foundation Instituteを挙げ、「印刷の専門教育を行うために設立された」と説明しています。活字を組み、紙に刷る技術の学校だったということです。

次の節目は1954年です。公式サイトは「アーティストでありデザイナーでもあったトム・エッカーズリーが、グラフィックデザインの学士課程を設置した。英国で初めてのものだった」と記しています。英国の高等教育でグラフィックデザインを初めて学士課程にしたのが、このカレッジだったということです(トム・エッカーズリーは1914年から1997年、ポスター作家)。そして1962年、カレッジはエレファント・アンド・キャッスルに移り、London College of Printing(ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティング、LCP)という名前で知られるようになります。公式の新校舎紹介ページも「60年以上にわたってエレファント・アンド・キャッスルの中心にあった」と書いています。

校名が現在の London College of Communication になったのは2004年です。公式サイトは「コースの多様性が広がっていることを反映するため、London College of Communication になった」と説明しています。印刷という技術の名前を外し、「コミュニケーション」という目的の名前に替えたわけです。写真や映像、のちにゲームや音までを扱うようになったカレッジにとって、「印刷」はもう全体を言い表せなくなっていたと読めます。

最後の節目は2017年のScreen School発足です。公式サイトは「映画、テレビ、アニメーションといった伝統的な領域と、ゲームデザインやバーチャルリアリティといった新しく生まれてきた分野をひとつにまとめる Screen School を立ち上げた」と記しています。3スクールのうち、いちばん新しいのがこのScreen Schoolです。

年できごと(LCC公式「Our History」より)
1894年前身組織のひとつ、St Brides Foundation Institute が印刷の専門教育のために設立される
1954年トム・エッカーズリーが、英国で初めてのグラフィックデザイン学士課程を設置する
1962年エレファント・アンド・キャッスルへ移転し、London College of Printing として知られるようになる
2004年コースの多様化を反映して London College of Communication に改称する
2017年映画・テレビ・アニメーションと、ゲームデザインやバーチャルリアリティなどの新しい分野をまとめる Screen School を立ち上げる

ひとつ、公式サイト内で移転年の記述が食い違っています。ただし重みは対等ではありません。1962年と書いているのは、現行の「Our History」の年表と、2016年の展覧会「Imprint」の紹介ページの2か所。いっぽう1964年は、2016年3月8日付の卒業生向け記事のなかでその同じImprint展を紹介する一文として1回だけ出てくる数字で、展覧会自身のページは1962年と書いています。公式に2説が並立しているのではなく、1964年は告知記事のなかの単発の表記だと読めます。本記事は1962年を採ります。

エレファント・アンド・キャッスルのキャンパス

ニューイントン・バッツ側から見たロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの校舎
ニューイントン・バッツ側から見たLCCの校舎(2016年撮影)/撮影:Fred Romero(Flickr、Commonsのライセンス審査済み)/出典:Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

LCCのキャンパスは1か所だけです。公式の「Find us」ページは所在地を「London College of Communication, Elephant and Castle, London, SE1 6SB」と記しており、校舎は分かれていません。キャンパスが分散していた時期を経てイースト・バンクの新校舎に集約されたロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)とは対照的に、LCCは1962年以降ずっとこの1か所で運営されてきました。

場所はロンドン中心部の南、テムズ川の南岸です。公式サイトは「歩いて行ける距離に多くの美術館やギャラリーがある」と書いています。

ニューイントン・バッツに並ぶロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの校舎とメトロポリタン・タバナクル教会
LCCの校舎と、隣に建つメトロポリタン・タバナクル教会(2018年撮影)/撮影:Robin Sones(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

アクセスの良さは、このキャンパスの実用的な強みです。公式の「Find us」ページによれば、ロンドン地下鉄のベーカールー線とノーザン線がどちらもエレファント・アンド・キャッスル駅に停車し、テムズリンクのエレファント・アンド・キャッスル鉄道駅は「カレッジの道をはさんで向かい」にあります。地下鉄2路線と鉄道が交わる場所に校舎が建っているということです。

バス路線も非常に多く、公式サイトは1、12、35、40、45、53、63、68、100、133、136、148、155、168、171、172、176、196、188、333、343、344、360、363、415、453、468、C10、P5という路線名を挙げています(番号の並びは公式サイトの掲載順をそのまま再現しています)。サンタンデール・サイクルハイヤー(ロンドンのシェアサイクル)の駐輪ステーションも近くにあります。タクシーで向かう場合について、公式サイトは「LCCの建物にすぐ隣接する Oswin Street で降りることをおすすめします」と案内しています。障害者用駐車証(ブルーバッジ)の保持者向けには、敷地内に2台分の駐車スペースが用意されています。公式サイトはあわせて、ブルーバッジ保持者は Oswin Street の二重黄線部分にも駐車できると案内しています。

Take a tour | Canteen(London College of Communication 公式YouTube)

校舎の中の様子は、LCC公式YouTubeチャンネルの館内ツアー動画で見ることができます。公式サイトの新入生向けページは、この動画について「カンティーン(食堂)、Typo Café、Kit Room、Creative Technology Lab を見てまわれます」と説明しています。公式サイトは施設名を挙げるだけで内容までは説明していませんので、それぞれが何をする場所かは動画でご確認ください。

2027年9月、道の向かいの新校舎へ

再開発が進むエレファント・アンド・キャッスル中心部の建設現場
再開発が進むエレファント・アンド・キャッスルの中心部(2024年6月撮影)/撮影:Matt Brown(Flickr、Commonsのライセンス審査済み)/出典:Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

ここが、数年前の情報で準備を進めている方にいちばん知っておいていただきたい部分です。LCCは2027年9月、現在の校舎の道の向かいに完成する新校舎へ移ります。公式サイトは「LCCの新校舎は2027年9月に開館します。この日から、すべての学生と職員が新校舎で学び、働くことになります」と明記し、「2027年6月27日(金)から、現在のLCCの校舎はすべての学生と職員に対して閉鎖されます」とも書いています。2027年9月以降に入学する方は、現在の校舎ではなく新校舎に通うことになります。

新校舎の規模は、地上11階と、メザニン(中間階)を備えた深い地下階です。公式サイトは5,000名を超える学生と500名を超える職員を迎える建物だとしています。設計はAllies and Morrison(アリーズ・アンド・モリソン)です。同事務所の公式プロジェクトページがLCC新校舎を自社の案件として掲載し、クライアントを University of the Arts London と明記しています。なお階数は同事務所が「12階建て」と書いており、UAL公式の「地上11階+メザニンを備えた深い地下階」とは数え方が異なります。本記事はUAL公式にそろえて地上11階としています。

設備として公式サイトが挙げているのは、シネマ、2層分の高さを持つ撮影スペース、クリエイティブ・メディアの工房、実物をつくるための工房、VR(バーチャルリアリティ)とVFX(視覚効果)のための施設、音楽スタジオ、プロジェクションマッピング用のスクリーンを備えた Creative Technology Hub(クリエイティブ・テクノロジー・ハブ)などです。映像とサウンドに重さのあるカレッジらしい構成になっています。環境性能については、BREEAM(英国の建築環境評価)で躯体(Shell and Core)は「Excellent」、内装(fit-out)は「Outstanding」を目標にしていると書かれています。

この新校舎で大きな意味を持つのが、建物の1階と2階が一般に開かれるという点です。公式サイトによれば、学生の作品発表と公開イベントのためのスペース、学生サービス、Arts SU(学生自治会)の活動室などがここに入り、学生の発表や公開イベントを学外の人が見られるようになります。屋上にはロンドンを見渡すテラスも設けられる予定です。

そしてもうひとつ、公開エリアに入るのがUALのアーカイブ・アンド・スペシャル・コレクションズ・センター(Archives and Special Collections Centre)です。公式サイトは「私たちは、創造的な芸術の歴史にわたる50件近いアーカイブとコレクションを収めた、UALのアーカイブ・アンド・スペシャル・コレクションズ・センターを擁しています」とし、「新しい校舎では、これらのアーカイブはこれまでになく開かれ、利用しやすいものになります。ファースト・フロアの一般公開エリアに置かれるからです」と記しています。英国では地上階を ground floor、その上を first floor と呼びますので、ここで言う first floor は日本語の2階です。

ここに収められているものには、映画監督スタンリー・キューブリックのアーカイブ、先に触れたトム・エッカーズリーのコレクション、2005年の展覧会「Her Noise」に関わる記録を収めたHer Noise アーカイブなどがあります(各アーカイブの内容は後の章でご紹介します)。アーカイブの公開に向けては外部からの支援も入っており、LCC公式のニュース記事(2026年1月28日付)は、ウルフソン財団(Wolfson Foundation)から30万ポンドの助成を受けたことを伝えています。使途は「新校舎のファースト・フロア(日本語で言う2階)の一般公開エリアに置かれるUALのアーカイブ・アンド・スペシャル・コレクションズ・センターへのアクセスを広げること」だと説明されています。

工事の進み方も公式サイトが公開しています。2022年10月に着工し、2024年夏に上棟(topping out)、2024年12月に雨仕舞い(weathertight)を完了。躯体は2026年夏に完成見込み、内装工事は2026年冬に完了見込みとされています。

エレファント・アンド・キャッスルのキャッスル・スクエア
再開発にともなって整備されたキャッスル・スクエア(2022年撮影)/撮影:JThomas(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

新校舎の建設は、エレファント・アンド・キャッスルの街全体の再開発と同じ時期に進んでいます。入学年によって通う建物が変わりますので、出願の段階で志望コースのページと新校舎のページを両方ご確認いただくのが確実です。

学部課程(Undergraduate)の専攻一覧

2026年10月2日時点で、LCCの学部課程のページに掲載されている課程は次のとおりです。スクールごとに整理してご紹介します。以前公開していた記事の一覧は2022年時点のもので、その後に新設・名称変更・統合があり、現在の一覧とは一致しません。本記事の一覧は、公式のコース一覧ページで1件ずつ照合したものです。

スクール・分野課程名(公式表記)
準備課程Certificate of Higher Education: Preparation for Design, Media and Screen
Design SchoolBA (Hons) Design for Art Direction/BA (Hons) Design Management/BA (Hons) Graphic Branding and Identity/BA (Hons) Graphic and Media Design/BA (Hons) Illustration and Visual Media/BA (Hons) Interaction Design
Media School(広告・PR・メディア)BA (Hons) Advertising/BA (Hons) Contemporary Media Cultures/BA (Hons) Media Communications/BA (Hons) Public Relations/BA (Hons) Marketing Communications
Media School(ジャーナリズム・出版)BA (Hons) Journalism/BA (Hons) Journalism and Publishing
Media School(写真)BA (Hons) Photography/BA (Hons) Photography and Creative Industries/BA (Hons) Photojournalism and Documentary Photography
Screen School(映画・テレビ)BA (Hons) Film and Television/BA (Hons) Film Practice/BA (Hons) Film and Screen Studies
Screen School(アニメーション・ゲーム・XR)BA (Hons) Animation/BA (Hons) Computer Animation and Visual Effects/BA (Hons) Games Art/BA (Hons) Games Design/BA (Hons) Immersive Media and Mixed Reality
Screen School(サウンド・音楽)BA (Hons) Music Production/BA (Hons) Sound Arts: Design/BA (Hons) Sound Arts: Experimental Music/BA (Hons) Sound for Screen

学部の全体像を見て気づくのは、サウンドの課程が4つに分かれている点です。音楽制作(Music Production)のほかに、サウンドアートを「デザイン」と「実験音楽」の2方向に分け、さらに映像のための音を扱う Sound for Screen が置かれています。Sound for Screen のコースページは、「映画、テレビ、ゲーム、イマーシブメディアのためのサウンドデザイン、Dolby Atmos、フォーリー、オーディオ・ポストプロダクションを専門に学ぶ」コースだと説明しています。フォーリーは効果音を実際の動作で録音する手法のことで、こうした職能の名前がそのままコース説明に入っているのは、職業教育としての解像度の高さを示していると考えられます。

ゲームとXR(クロスリアリティ)の領域も厚く、Games Art と Games Design が別の課程として分かれています。加えて Immersive Media and Mixed Reality、Computer Animation and Visual Effects があり、アニメーションとVFX、ゲーム、XRが隣り合って置かれています。

写真も3課程に分かれています。Photography(写真そのものの実践)、Photography and Creative Industries(産業としての写真)、Photojournalism and Documentary Photography(報道とドキュメンタリー)です。作品として撮るのか、仕事として撮るのか、事実を伝えるために撮るのかで、学ぶ内容も進む先も変わるという前提に立った分け方だと言えます。

ひとつ、公式サイト内で表記が揺れている箇所があります。Screen Schoolの紹介ページには「BA (Hons) Sound Arts」という1つの課程名が載っていますが、学部コース一覧のページには「BA (Hons) Sound Arts: Design」と「BA (Hons) Sound Arts: Experimental Music」の2課程が掲載されています。出願にあたっては、コース一覧ページと個別コースページのほうをご確認いただくのが確実です。

大学院課程(Postgraduate)の専攻一覧

大学院課程は学部よりもさらに分野が広く、2026年10月2日時点で39課程が掲載されています。オンラインで完結する課程も含まれます。

スクール・分野課程名(公式表記)
Design SchoolMA Design Management/MA Design for Art Direction/MA Design for Social Innovation and Sustainable Futures/MA Graphic Branding and Identity/MA Design for Data Visualisation/MA Graphic Media Design/MA Design for Visual Communication/MA Illustration and Visual Media/MA Interaction Design/MA Service Design/MA User Experience Design/MA Graphic Design (Online)
Media School(広告・PR・メディア)MA Advertising/MA Media, Communications and Critical Practice/MA Public Relations/MA Marketing Communications
Media School(ジャーナリズム・出版)MA Journalism: Arts and Lifestyle Journalism/MA Journalism: Audio and Video Journalism/MA Journalism: Social Justice Journalism/MA Publishing
Media School(写真)MA Photography/MA Commercial Photography/MA Photojournalism and Documentary Photography/MA Photojournalism and Documentary Photography (online)/MA Photography and Digital Practice (Online)
Screen School(映画・テレビ)MA Film/MA Documentary Film/MA Screenwriting/MA Television
Screen School(アニメーション・ゲーム・XR)MA Animation/MA Animation Online/MA 3D Computer Animation/MA Games Design/MA Virtual Reality/MA Visual Effects
Screen School(サウンド・音楽)MA Sound Arts/MA Music Production/MA Music Management
その他MA Responsible AI for the Creative Industries

大学院の一覧で目を引くのは、MA Responsible AI for the Creative Industriesという課程です。コースページは「このコースは、現実の世界で通用するクリエイティブな仕事をつくる実践的な力を育てながら、テクノロジーについて倫理的で情報に基づいた判断を下す自信を築きます」と説明しています。開始は2027年9月で、新校舎の開館と同じタイミングです。AIを「使えるようになる」だけでなく、「どう使うかを判断できるようになる」ことを課程の目的に掲げている点が、コミュニケーションを扱うカレッジらしい立て方だと考えられます。

もうひとつの特徴は、データとデザインを橋渡しする課程が独立していることです。MA Design for Data Visualisation は、数字や記録を人が読める形に翻訳する技能を扱う課程です。あわせて MA Service Design、MA User Experience Design があり、「画面や印刷物をつくる」だけでなく「仕組みをつくる」側の課程がそろっています。

オンライン課程も4つあります。MA Graphic Design (Online)、MA Animation Online、MA Photography and Digital Practice (Online)、MA Photojournalism and Documentary Photography (online) です。渡英せずに学位を取る選択肢になりますが、学費の区分は通学課程とは別になります(学費の章でご説明します)。

音楽の領域では、制作(MA Music Production)とサウンドアート(MA Sound Arts)に加えて、MA Music Managementという経営側の課程が置かれています。音をつくる人だけでなく、音を世に出す側の人材も育てるという構えです。

出願要件

ここはいちばん慎重に読んでいただきたい章です。LCCの出願要件は課程ごとに違います。「学部は◯、大学院は◯」とまとめた説明は実態と合いません。以下は公式の個別コースページの内容を、要約せずそのまま表にしたものです。

学部課程の例(2027年9月入学)

項目BA (Hons) AdvertisingBA (Hons) PhotographyBA (Hons) Journalism
UCASコードN561W640P500
大学コードU65U65U65
修業年限3年3年3年
開始2027年9月2027年9月2027年9月
UCASタリフポイント104ポイント104ポイント104ポイント
GCSE3科目でgrade 4以上5科目でgrade 4以上(grade A*からCに相当)3科目でgrade 4以上(英語を含む)
IELTS6.0以上(reading・writing・listening・speakingの各技能で5.5以上)6.0以上(各技能で5.5以上)6.5以上(各技能で5.5以上)
ポートフォリオ出願手順にポートフォリオの提出は含まれていません(手順は願書→面接の2段階)最大20ページ。PebblePadで提出する(制作過程やリサーチのメモも含め、筋の通った流れに整理する)出願手順にポートフォリオの提出は含まれていません(手順は願書→面接→その後の連絡の3段階)
パーソナルステートメント4,000字(文字数)以内4,000字(文字数)以内4,000字(文字数)以内
面接オンライン面接(15分から20分)オンライン面接(15分から20分)オンライン面接(15分から20分)
出願締切2027年1月13日18時(GMT)2027年1月13日18時(GMT)2027年1月13日18時(GMT)

この表でいちばん重要なのはIELTSの行です。Advertising と Photography は総合6.0ですが、Journalism は総合6.5。英語で取材し英語で書く仕事を前提にした課程なので、水準が上がっています。「LCCの学部はIELTS 6.0」という覚え方では足りません。

見落としやすいのがGCSEの科目数です。Advertising と Journalism は3科目ですが、Photography は5科目が求められます。

そしてポートフォリオの扱いが課程によって根本的に違います。出願手順にポートフォリオの提出が組み込まれているのはPhotography だけで、願書のあとStep 2でPebblePadに最大20ページを提出し、面接に進む3段階です。Advertising は願書→面接の2段階、Journalism は願書→面接→その後の連絡の3段階で、どちらにもポートフォリオ提出の段階がありません。「ページ数の指定が書かれていない」のではなく、提出する手順自体がないということです。面接は3課程いずれもオンラインで15分から20分、パーソナルステートメントも4,000字以内で共通です。

大学院課程の例(2026年9月入学)

項目MA Graphic Media DesignMA Journalism: Arts and Lifestyle Journalism
期間45週・12か月(2026年9月から2027年9月)1年3か月(4ターム制で45週)
開始2026年9月2026年9月
IELTS6.5(または同等)。4技能それぞれで最低6.07.0(または同等)。4技能それぞれで6.0
学歴の要件グラフィック/メディアデザインの学士(Honours degree)、または同等の資格、あるいは関連する実務経験による学び。専門分野の十分な予備知識と経験、または潜在的な力学士(Honours degree。2:1が望ましい)、または同等の専門資格。あわせて関連する実務経験3年以上
ポートフォリオ最大20ページ(動画課題を含む)。最大5プロジェクトまで。制作過程と、過程主導の実験が分かる内容に、短い説明を添える最大20ページ。書いたもの、または発表されたものを含める。ジャーナリズム、ブログ、学術エッセイ、マルチメディア作品のいずれかの例を入れる
パーソナルステートメント最大200語最大500語(志望理由、自分の制作、関連する経験について書く)

MA Graphic Media Design は提出物の構成に注意が必要です。パーソナルステートメントは最大200語という短さで、そのうえ300語から500語のスタディ・プロポーザルと2分から3分の動画課題(英語)を別途提出します。選考が通ればオンラインで15分から20分の面接です。文章・計画・話す力を別々に見られる構成なので、200語に何を入れるかを先に決めておく必要があります。

大学院でも同じです。MA Graphic Media Design は6.5(各技能6.0以上)、MA Journalism: Arts and Lifestyle Journalism は7.0(各技能6.0)。ジャーナリズム系が高くなる傾向は学部と共通しており、「大学院は一律で6.5」ではありません。

出願の入口も整理しておきます。学部はUCAS(イギリスの大学出願サービス)経由で、コースごとにUCASコードが割り振られています(大学コードはいずれもU65)。2027年9月入学分の締切は2027年1月13日18時(GMT)。大学院は志望コースのページからUALに直接出願します。

なお、大学院の2課程はいずれも最大20ページでした。「LCCは20ページ」という一般則ではなく、課程ごとの指定です。志望コースのページの出願欄を必ずご確認ください。

学費

学費はUAL全体で共通の表が適用され、LCC独自の金額設定はありません。日本からの留学生は原則すべて International(国際学生)区分です。以下は2026年10月2日にUAL公式の学費ページで確認した2026/27年度の金額で、通貨は英ポンド(GBP)です。

課程(2026/27年度)Home(国内)International(国際)
学部(新入生・2026年入学)£9,790/年£30,890/年
サンドイッチ(就業体験)年£1,955£5,725、または標準学費の20%のうち低い方
Turingまたは海外留学の年£1,465国際学生の表にこの行の記載はありません
修士(45週・standard rate)£14,420£30,890
修士(45週・higher rate)£15,790£34,885
修士(60週・lower rate)£14,420£34,880
修士(60週・standard rate)£15,100£39,690
修士(60週・higher rate)£16,610£44,350
Graduate Diploma£14,420£30,890
完全オンラインの修士£11,530£24,720
パートタイム比例計算(pro rata)比例計算(pro rata)

60週の修士課程は、公式サイトが「学費の半分を1年目に支払う」と明記しています。また改定について、UALは「この学費は2026/27年度のみのもので、課程の後年には最大5%上がる可能性がある」と記しています。この注記が国際学生に限定されるかは公式の掲載位置から切り分けられませんでしたので、どちらの区分でも値上がりがあり得るものとして見ておくのが安全です。

そして年度のずれにご注意ください。2026年10月2日時点で、学部課程はすでに2027年9月入学の募集に切り替わっています。今回確認したBA (Hons) Advertising、BA (Hons) Photography、BA (Hons) Journalism の3課程はいずれも、2027年入学の学費を次の金額で掲載していました。

課程(2027年入学)Home(国内)International(国際)
BA (Hons) Advertising£10,050/年£31,510/年
BA (Hons) Photography£10,050/年£31,510/年
BA (Hons) Journalism£10,050/年£31,510/年

共通表の£9,790/£30,890は2026/27年度の金額ですので、学部に出願される方は志望コースのページに表示された入学年度の金額をご確認ください。大学院は2026年9月入学の募集が続いており、上記2課程のページはいずれもHome £14,420/International £30,890と、共通表の45週 standard rate と同じ金額でした。

同じ修士でも higher rate と standard rate、lower rate で差がありますので、志望コースのページでどの区分かを必ずご確認ください。学費のほかに生活費、画材や機材の費用、学生ビザの申請料などが別途かかります。UAL全体の学費の仕組みと、学費以外にかかる費用の目安については、ロンドン芸術大学(UAL)とは?の記事で解説しています。

研究とアーカイブ

LCCは学部・大学院の教育だけでなく、研究の拠点も複数持っています。志望者の方には遠い話に見えるかもしれませんが、どんな研究が置かれているかは、そのカレッジが何を重要だと考えているかの地図になります。

中心にあるのがCRiSAP(Creative Research in Sound Arts Practice)です。公式サイトは「CRiSAPは、サウンドアートという立ち上がりつつある学問領域を発展させることを目指している」と説明しています。サウンドアートを研究センターの単位で持つ美術大学は多くありませんので、LCCの特色のひとつと言えます。先に見たサウンド系の学部4課程・大学院3課程という厚みと対応しています。

そのほかに、公式サイトは研究ハブ・研究ネットワークを14件掲載しています(CRiSAPを含めると15件)。主なものは次のとおりです。

研究ハブ・グループ公式サイトの説明(要旨)
Branded Content Research Hubマーケターが資金を出したり制作したりする素材を扱う
Comics Research Hub(CoRH)UAL全体から第一線の研究者が集まり、大学がアーカイブに持つ資料に光を当てるとともに、豊かに蓄積されたコミックス研究に文脈を与える
Conscientious Communicators Research Hub環境と社会をめぐる創造について、実践にもとづく探究を進める
Design Activism Research Hub(DARH)社会運動と抵抗・扇動をめぐる、視覚文化と物質文化の実践および成果物を研究する
Digital Cultures and Economies Research Hub現代の文化と経済のなかのデジタルメディアとコミュニケーションを調べる
Graphic Subcultures Research Hubサブカルチャーの集団におけるグラフィックの伝達を調べる
Innovations in Publishing Research Hub出版産業の動きについての知見を深める
Photography and the Archive Research Hub(一覧ページには名称のみ掲載。詳細は各ハブのページ)
Photography and the Contemporary Imaginary(一覧ページには名称のみ掲載。詳細は各ハブのページ)
Sonic Screen Lab視聴覚の語りと、文化と社会変化の結びつきを問い直し、そこに新しいものを生み出す
Supra Systems Studioネットワーク技術の政治を、デザインによって形にする
Visible Justice Research HubUALを拠点とする、分野横断の研究コレクティブ

写真関連のハブが2つ並んでいる点は、学部3課程・大学院5課程で写真を押し出すカレッジの構えと対応しています。

一覧を眺めると、広告や出版といった産業の研究と、社会運動や正義といった批評的な研究が同じ建物に並んでいることが分かります。伝え方の技術と、伝えることの倫理の両方を研究対象にしているという構えです。先に紹介した大学院のMA Responsible AI for the Creative Industries も、この流れのなかで読めます。

そしてアーカイブです。新校舎の章で触れたとおり、UALのアーカイブ・アンド・スペシャル・コレクションズ・センターがLCCに置かれており、40件を超えるアーカイブとコレクションを収めています。映画、サウンドアートと音楽、コミックス、写真、テキスタイル、学生作品まで、収蔵の範囲はカレッジの教育領域と重なっています。なお件数の表記は公式サイト内で一致しておらず、新校舎紹介ページは「50件近い」、所蔵一覧ページに並んでいる見出しは42件です。本記事は数えられる一覧ページにもとづいて書いています。主なものは次のとおりです。

アーカイブ・コレクションUAL公式サイトの説明
Stanley Kubrick Archive「キューブリック(1928年から1999年)は著名な映画監督。完成作品の制作過程のあらゆる段階の資料と、未完のプロジェクトの企画資料を含む」
Tom Eckersley Collection「エッカーズリー(1914年から1997年)はポスター作家でありデザインの教育者。ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングで最初のグラフィックデザインのコースを設置した。刊行されたポスターと原画を含む」
Her Noise Archive「2005年にサウス・ロンドン・ギャラリーで開かれた展覧会『Her Noise』および関連イベントの一部としてつくられた映像、音声、書籍、ジン、カタログ、運営記録を含む」
Alfred Brazier Archive実務家かつ講師としての製本のキャリアに関する資料。教育に関する文書・写真・スライドを含む
Lindsay Cooper Archiveジャズとロックの音楽家、作曲家、そしてLGBTQ+のアクティビストのアーカイブ

卒業生

ロンドン芸術大学のサインが掲げられたロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの校舎
校舎に掲げられたUALのサイン(2018年撮影)/撮影:N Chadwick(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

ここでは、UAL公式サイトで在籍したカレッジまで確認できた人物に限ってご紹介します。留学情報サイトで名前が挙がる人物でも、公式で在籍の確認が取れなかった方は載せていません。

人物UAL公式サイトの記載
ネヴィル・ブロディ(Neville Brody)London College of Printing(現在のLCC)の卒業生。2010年のUAL名誉フェロー。2025年の新年叙勲で、デザインへの貢献によりOBEを受章
ジョン・ブラウン(John Brown)London College of Printing を1974年に卒業。出版の分野で活動し、2025年の新年叙勲で、チャリティへの貢献によりOBEを受章
ジェームズ・ウォーターハウス(James Waterhouse)LCCの卒業生。BBCのウクライナ特派員で、戦争開始以降の受賞報道の中心にいた人物として2023年のUAL名誉学位の対象に
ベアトリクス・オン(Beatrix Ong MBE)セントラル・セント・マーチンズ、LCC、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションで学んだラグジュアリーのシューズデザイナー。22歳でジミー チュウのクリエイティブディレクターに就任。2023年のUAL名誉学位の対象に

グラフィックデザインの歴史に関心のある方にとって、ネヴィル・ブロディの名前は特別な意味を持つはずです。その仕事の重さは公共の美術館の記録から確かめられます。英国のナショナル・ポートレート・ギャラリーは、ブロディを雑誌『The Face』のアートディレクター(1981年から1986年)と記載しています。ニューヨーク近代美術館(MoMA)は書体Blurを、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)はタイポグラフィ誌FUSEを所蔵しています。その人が学んだのが、エッカーズリーが英国初のグラフィックデザイン課程を設置したこのカレッジだった、という系譜になります。教えた側(エッカーズリー)のアーカイブと、学んだ側(ブロディ)の名前が同じカレッジの歴史に並んでいるということです。

近年の卒業生は、公式の「People」ページで課程名まで公開されています。著名人の一覧よりも、こうした「いまの修了生が何をしているか」のほうが、志望課程を選ぶ材料としては役に立つかもしれません。

修了生修了課程(UAL公式「People」ページの記載)
クラリス・ラム(Clarice Lam)MA Design for Data Visualisation
カイ・カルブ(Kai Kalb)MA Media, Communications and Critical Practice
エラ・リバク(Ella Ribak)BA (Hons) Film Practice
アレクサンダー・オーウェン(Alexander Owen)BA (Hons) Illustration and Visual Media
マティアス・コンティーニ(Matias Contini)MA Film
レオン・セラン(Leon Celan)MA Advertising
ペトヤ・ディモヴァ(Petya Dimova)MA Visual Effects
Open Days at London College of Communication(London College of Communication 公式YouTube)

まとめ

建設が進むエレファント・アンド・キャッスルの建物
建設が進むエレファント・アンド・キャッスルの街並み(2024年9月撮影)/撮影:Matt Brown(Flickr、Commonsのライセンス審査済み)/出典:Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

いかがだったでしょうか。ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションについて見てきました。要点は次の8つです。

  • LCCはUALを構成する6カレッジのひとつで、映像、写真、ジャーナリズム、グラフィック、ゲーム、サウンド、UX、広報といった「コミュニケーション」の領域に特化しています
  • 課程は Design School・Media School・Screen School の3スクールに分かれており、Screen School は2017年に発足した最も新しいスクールです
  • 前身は1894年設立の St Brides Foundation Institute など。1962年にエレファント・アンド・キャッスルへ移って London College of Printing と呼ばれ、2004年に現在の校名になりました
  • 1954年にトム・エッカーズリーが、英国で初めてのグラフィックデザイン学士課程を設置したのもこのカレッジです
  • 2027年9月、道の向かいの新校舎へ全面的に移ります。現校舎は2027年6月27日に閉鎖。新校舎は設計がAllies and Morrisonで地上11階、5,000名を超える学生と500名を超える職員を迎え、1階と2階は一般に開かれます
  • 出願要件は課程ごとに違います。学部のIELTSは Advertising と Photography が総合6.0、Journalism が6.5。GCSEは Photography のみ5科目。ポートフォリオの提出手順があるのも Photography のみです
  • 学費はUAL共通で、2026/27年度は学部がHome £9,790/International £30,890、45週の修士の standard rate が £14,420/£30,890。ただし学部は2027年入学の募集に切り替わっており、今回確認した3課程はいずれも £10,050/£31,510 でした
  • サウンドアートの研究センターCRiSAPと、スタンリー・キューブリックやトム・エッカーズリーのアーカイブを含むUALのアーカイブ・アンド・スペシャル・コレクションズ・センター(40件超)がLCCに置かれています

学費・出願日程・コースの構成は年度ごとに変わります。とくにLCCは2027年の移転を控えていますので、出願を具体的に考える段階では、志望コースの公式ページと新校舎のページで最新の情報をご確認ください。

Euphoric " " の視点

LCCは、作るものの種類で学科を分けていません。デザイン、報道と出版と写真、映像と音。この3つを束ねているのは「誰かに伝える」という一点です。

公式はScreen Schoolについて、現実の制作現場をそのまま映すように、異なる分野をまたいだ協働を促していると書いています。映画の学生と音の学生、ゲームの学生が、ひとつの制作のなかで交わることを前提にした設計です。

2027年9月に開く新校舎では、建物の下の2層が一般に開かれます。学生の作品発表と公開イベントのためのスペースがそこに入り、学外の人が見られるようになります。作品が校内で完結しない設計です。

伝える相手を前提にするということは、作品が自分の中では完成しないということでもあります。進学先を選ぶとき、何を教えてくれるかと同じくらい、誰に向かって作らせる学校なのかを見てみる価値があります。

ポートフォリオの作り方に不安がある方は、ポートフォリオ添削サービス「PORTFOLIO SENSEI」もあわせてご覧ください。

もっと知るには

本記事の情報は、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションおよびロンドン芸術大学の公式サイト(arts.ac.uk)をもとに確認しています。大学公式に記載のない事項は下記の別の一次情報で確認しました。学費・出願日程・コース内容は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。

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