【インタビュー】SAUNA XX「サウナエックス」を手掛けるブランドディレクター芦名勇舗氏が考える経営・デザイン哲学

はじめに

2023年7月1日、突如として目黒駅徒歩1分の立地に現れたSAUNA XX「サウナエックス」。新感覚のサウナ店舗を仕掛けたブランドディレクター芦名勇舗氏にインタビューを行いました。

近年流行りを見せるサウナ業界の中で、どのようにブランドを立ち上げ、どのように差別化をし、どのように成長させていくのか。独自の視点で本メディアに語っていただきました。

SAUNA XX(サウナエックス)公式サイト : https://www.sauna-xx.com/

ビジョンとコンセプト

このサウナ店を開業することになった背景やきっかけを教えていただけますか?

私はこれまで、フィットネスクラブやスーツ店など合わせて13店舗ほど展開してきました。その中で私は常に「高品質サービスの安定供給」を念頭に店舗開発を行ってきました。2021年にオープンした代官山 GYM & SAUNAでの挑戦は「空間にサービスをさせる」ということでした。人の採用や育成スキル、そして管理やマネジメントによって品質が大きく変わってしまう店舗ではなく、空間デザインそのものがサービスであり、ユーザーの自己肯定感を高める施設を造るという挑戦でした。ありがたいことにそのサウナが評価され、この度、サウナだけの店舗を造ろうというのが始まりでした。

どんな展望を考えていますか。

”世界をENERGY(自己肯定感)で溢れかえす。”ことがビジョンです。
私たちは「このように生きなさい」「こんな人生を送りなさい」という提案をするつもりはありません。自分の人生は、自分で決めるものだからです。自分で人生を切り拓くためのENERGY(自己肯定感)を与えることが私たちの使命であり、仕事であると思っています。

そのために大切なのは、運動と食事と休養であると考えていて、SAUNA XXはその休養に特化してサービスを展開します。

クリエーティブ

「記憶を失くせ。」というキャッチコピーはどうして生まれたのですか。

私たちの思考というのは常に、記憶によって創られます。記憶が思考を生み、思考が行動を生み、行動が人生を創るのです。つまり記憶がネガティブであれば、思考も行動も人生も全てネガティブになってしまうんです。一方で、綺麗で素敵な記憶で溢れかえれば、人生も素敵になるものなのです。しかし人間は、将来の不安、過去の後悔、仕事のプレッシャー、人間関係に多く悩んでいます。

そんな中、スマホを閉じて、自分と向き合い、何も考えない時間があってもいいと思うんです。そんな想いでSAUNA XX(=RELAX EXPERIENCEの略)を創業しました。

「ミニマルラグジュアリー」という建築コンセプトについてお聞かせください。

ミニマルラグジュアリーとは「本当に必要なものだけを、最高品質で提供する」というコンセプトなのですが、これまで日本に展開されてきたサウナ施設はどれも私にとって「全部乗せ遊園地」のような印象でした。まず受付があって、館内着を着て、複数種類のお風呂があって、終わったら施設内のレストランでご飯を食べてお酒を飲んで、漫画を読んで長時間を過ごすといったものでした。これはこれで素敵ですが、これを実現するための敷地を確保しようとすれば郊外になってしまい、多くの人材を必要とし、建設費用も莫大なものになってしまいます。それでは店舗展開ができないと確信していました。

そのため私たちはXX(=RELAX EXPERIENCEの略:リラックス体験)を実現するための要素を「サウナ室の湿度」「水風呂の水温」「椅子の座面の高さ」のみであると確信し、それらを最高品質で提供することに決めました。

顧客体験

「ダイナミックプライシング」という試みも面白いですね。

一番は顧客体験を高めたいという想いです。人気になれば施設が混みますが、混むと顧客体験は下がります。これをなんとか乗り越えられないかと考え、「施設内が飽和する前に価格を上げる」というダイナミックプライシングを考え、昨年からシステム開発を始めました。これによって受付での待ち時間や手間が一切なく、施設内も「絶対に混まない」という店舗事業としての革命に挑戦しました。

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そんな思想をどのようにデザインに落とし込んだのでしょうか?

ユーザーが何を目にして、何を感じ、どのように驚くのかを想像しながら空間をデザインします。ポイントは様々ありますが、一番は自己肯定感の高まる非日常な空間を考えました。

目黒駅の喧騒の中、暖簾(のれん)をくぐった瞬間からXX(=RELAX EXPERIENCEの略:リラックス体験)にワープしたかのような設計をしました。空間は大きく「ロッカールーム」「リラックススペース」「サウナルーム」と3つに分かれ、それぞれで空間のコンセプトと香りが違います。施設の奥に行けば行くほど、非日常な驚きを感じることになります。それにより限られた空間の中で、多くの経験と感動をしてもらえるように設計しました。

ロッカールームは、白樺とローズマリーの香りが漂うミラーと照明が印象的な、落ち着きのある上品な空間です。

その奥の大きな扉をスライドすると、コーヒとバニラが香るリラックススペースが待ち構えています。リラックスを追求した結果、358mmのローチェアを採用しました。さらに奥の石壁に埋め込まれた鉄扉を開けると、白樺の香る印象的なサウナが現れます。

サウナルームは「OCTAGON SAUNA」と称し、室内を8角形で設計。空間を8角形にすることで蒸気が空間を効率よく駆け巡ります。また8角形は八方に広がる宇宙空間を意味したり、八方から幸運とエネルギ ーを呼び込む形でもあり、人間が無意識に馴染みのある形で、更にリラックスが深まるのです。

私がデザインで最も大切にしているのは、極力「説明しない」ということです。おそらくSAUNA XXはサウナ施設史上、最も説明の少ない施設だと思います。説明しなくても分かるというのが、最も優秀なデザインであると思います。

ビジネスと将来のビジョン

今後の展望を教えてください。

XX(=RELAX EXPERIENCEの略:リラックス体験)をより多くの方に感じてもらうべく、店舗を拡大します。開業に4,000〜6,000万円を要するため、直営店だけでなくブランドパートナー(FC)との展開も考えています。これまでの話に共感してくださる方は、是非ブランドパートナーとして、一緒にSAUNA XXを日本と世界のリラックスインフラになるべく盛り上げてもらえたらと思います。

お問い合わせ先 : sauna@sauna-xx.com

・プロフィール

芦名勇舗(YUSUKE ASHINA)
慶應義塾大学卒業後、新卒で電通へ入社。クリエーティブ局のコピーライターとして活動した後、プルデンシャル生命へ転職。同社史上最年少の営業所長となる。米国ハリウッドに渡り舞台劇「ブラッド」にて俳優デビュー。2016年にデザイン・コンサルティング会社を設立し、2018年にBVEATSを創業。2021年には代官山にGYM&SAUNAを創業。2023年にSAUNA XXを創業。企画、コンセプト、空間建築、オペレーションまで一気通貫でデザインする。

Twitter : https://twitter.com/ASHINA_ashina
Instagram : instagram.com/ashina.ashina

 



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