みなさんはシルド・メイレレスを知っていますか?
シルド・メイレレスはコンセプチュアルアーティストとして活躍しています。
彼は特にコンセプチュアルアートで有名だある一方、インスタレーションアートや彫刻の作品でも功績を残しています。彼の作品ではブラジルで起こった政治的抑圧への抵抗がテーマとしてよく取り扱われています。
この記事ではシルド・メイレレスの『人生』と『代表作品』についてご紹介します!
シルド・メイレレスってどんな人?
<名前>
シルド・メイレレス(Cildo Meireles)
<国籍>
ブラジル
<人生>
シルド・メイレレス(Cildo Meireles)は、1948年にブラジルのリオデジャネイロで生まれました。彼は幼い頃から幼い頃からドローイングや空間表現に興味がありました。特に、アニメーションでどのように空間が表現されるかに興味を持っており、その世界にのめり込んで行きました。
シルド・メイレレスの作品はブラジルの独裁政権時代の社会的、政治的な側面が描かれています。当時のブラジルでは、クーデターによってゴラール政権が崩壊し、カステロ・ブランコ将軍が大統領に就任。1964年に外資導入を進めるために「経済活動3ヵ年計画」が発表されました。しかしその結果、インフレ抑制のために国民は窮乏化してしまいました。
シルド・メイレレスは1964年の16歳の頃に、意図的ではないものの、当時の政治に対するデモ活動に参加することとなりました。彼がブラジルの政治的抑圧を作品のテーマすることなったきっかけは、この時だったと言われています。
シルド・メイレレスはコンセプチュアルアート、インスタレーション、彫刻の作品で有名ですが、彼の芸術作品の始まりはドローイングでした。1968年、彼はドローイングを完全に辞め、他の媒体の作品の制作に力を入れ始めました。
そして、2008年10月にブラジル人アーティストで初めて、TATEモダンで作品を展示することとなりました。
以下の動画は、TATEがシルド・メイレレスについて取り上げた、インタビュー動画になります!
コンセプチュアルアートってなに?
コンセプチュアル・アートとは、1960年代後半から1970年代にかけて展開した前衛芸術です。
当時はミニマルアートが主流でしたが、もはや絵画や彫刻という形式を取らずとも、思考や構想のみで芸術とみなそうということでコンセプチュアル・アートが登場しました。形式は自由ということから概念芸術とも言われています。
▼コンセプチュアルアートについて、以下の記事でくわしく解説しています!
【まるっと理解!】コンセプチュアルアートってなんですか?
シルド・メイレレスの代表作品
ここではシルド・メイレレスの代表作品を2つご紹介します!どちらも彼の世界観が存分に味わえる作品となっていますよ!
Babel-2001年
この作品は何百もの中古アナログラジオで作られており、1つ1つのラジオから異なるチャンネルから最小音量の音が出るように調整されています。現在はTATEに展示されています。
おそらくこの塔を目の前にすると、1つ1つは言語として聞き取れるけど、何百ものラジオから同じ音が1つとして流れてこないので、すごく不思議に感じることでしょう。
Desvio para o vermelho: Impregnacao, Entorno, Desvio-1967年~1984年
この作品は白と赤で構成されており、血と暴力が表現されています。蛇口から赤色の水が排水されている写真なんて、まさに血が流れてきているみたいですよね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
シルド・メイレレスは自身が経験したブラジルの政治的抑圧をテーマにした作品が多くあります。テーマとは言っても、ただ知っている情報を取り扱っているわけではなく、実際に経験したことを取り扱っているため、政治の非情さを表現した作品では、生暖かいイメージが湧いてきます。
皆さんもシルド・メイレレスの作品を見る機会があれば、彼の歴史を参考にして作品を楽しんでみてください!
参考文献
TOP画像:WIDEWALLS|Cildo Meireles
GALLERIACONTINUA|30YEARS|CILDO MEIRELES