みなさんはリチャード・プリンスを知っていますか?
シミュレーショニズムを代表するアーティストの一人で、写真の写真を撮ることで有名です。
この記事ではリチャード・プリンスの作品やなぜこのようなスタイルになったかも含め解説していきます。
目次
リチャード・プリンスとは?
リチャード プリンス 基本情報
本名 | リチャード プリンス(Richard Prince) |
国籍/出身 | アメリカ合衆国 |
生年月日 | 1760年10月31日 |
分野/芸術動向 | シミュレーショニズム |
学歴/出身大学など | ナソン大学 |
公式サイト/関連サイト | http://www.richardprince.com/ |
リチャードプリンスは、広告写真などを再撮影するアプロプリエーションする写真家・画家として知られています。賛否両論あるものの、世界的に権威のあるアーティストで、2005年にはニューヨーク・タイムズにて「彼の世代で最もの権威のあるアーティストの一人(one of the most revered artists of his generation)」として掲載されました。
―シミュレーショニズムとは―
1980年代のニューヨークを中心に広まった、近代芸術の唯一性(アウラ)に背を向け、大衆芸術からの盗用を積極的に推し進めた美術運動。アプロプリエーションアートとも呼ばれる。
シミュレーショニズムはイメージを盗用することにより、作品のオリジナリティ、権威、著作を問い直すことから始まる。その背景にはオリジナルとコピーの区別が消失し、コピーが大量に消費される現代社会があり、新しいイメージとその社会システムへ視点を向けようとしている。
~“現代美術用語辞典 1.0“より~
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リチャードプリンスの代表作品
中南米 アメリカ支配地帯に生まれる
1949年、パナマ運河のアメリカ支配地帯に生まれます。高校卒業後、ヨーロッパに渡るなどした後に、ナソン大学に通いました。
その後、1973年にニューヨークに移り住み、タイム株式会社にて働き始めました。初めは、アメリカの抽象表現主義者ジャクソン・ポロックの芸術に興味を持っていたようです。
Untitled (Cigarettes)
会社で仕事を始めたころから、ライターのために記事を切り抜いた後に残った商品やモデルの広告写真に着目し、それらを再撮影・切り取り・拡大し自身の作品とするスタイルを確立していきます。1980年に初の個展をCEPAギャラリーにて開催します。その後、様々な地域で個展を開催していました。
Untitled (Cowboy), 1989
この作品は1980年から1992年にかけて制作された、マルボロのパッケージのカウボーイの写真を再撮影、拡大し作品としたものです。アメリカの象徴とも言えるカウボーイ文化に対する創造的破壊の最高傑作であると言えます。
Untitled (Cowboys)
このカウボーイに対して抱くヒーローと言うイメージは当時の大統領から一般市民に至るまで、幅広く浸透しており、長年に渡り信じられてきたある種の神話、虚構的側面を持っていました。
プリンスの作品はその神話の持つイメージの複製の複製であり、アメリカ社会、大衆は常に実体験よりもイメージに着目することを突きつけています。プリンスが述べている「本物とほとんど変わらないが本物ではないもの」に魅力を感じることへの痛烈な批判でした。
Untitled (Publicity)
一見誰でもできそうな簡単な作品のように見えますが、この作品はそう簡単に生まれたものではありません。
彼は日々の雑誌の仕事を繰り返す中で、紙面にカウボーイが多く登場していることを発見しました。この頃のアメリカでは、タバコを吸うとカウボーイになれるというイメージが存在していました。
この二つの要素がインスピレーションとなり、彼は大衆のイメージの中にしか存在しなかったカウボーイを現実を我々の世界に引き出してきたのです。
New Portraits
このシリーズをきっかけに、アート界に大きな影響を与え、訴訟なども引き起こしました。その後も新たな作品シリーズを生みだし続け、最近ではインスタグラムの写真の複製が1000万円で落札されるなど、多くの話題を読んでいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、リチャード・プリンスの代表作について記事をまとめました。
彼の作品の作り方に対して賛否両論あるものの、その作品が意図することに気づくとその作品に対する見え方、考え方が大きく変わってくると思います。
Euphoric””では、今後も数多くのアーティストをご紹介していくだけではなく、弊社デザイナーが使っているAdobeソフトのイラレやフォトショのチュートリアル、3Dプリンターの解説などを記事にしています。
是非、そちらの記事も見てみてくださいね!