幅広い芸術分野で大きな分岐点として語られる「モダニズム」。
その中心的分野であった建築には、四大巨匠と呼ばれる偉大な人物が4人います。
ヴァルター・グロピウス、ル・コルビュジェ、ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライトの4人です(ヴァルター・グロピウスを除いて三大巨匠とする場合もあります)。
4人の知名度と影響力はすさまじく、100年近く経つ今の街並みにも、彼らの作品の影響が、あるいは彼らの作品そのものが残っているほどです。
本記事では4人の人生と有名な作品を簡単にご紹介します。
目次
近代建築とは?
改めて、近代建築について軽くご説明します。
近代建築とはモダニズム建築、20世紀建築とも言われる分野・傾向で、主にヨーロッパを中心に広まっていった芸術理念です。
19世紀末のヨーロッパは産業革命を受けてモノづくりが格段に容易になり、職人としてのデザイナーの価値が危ぶまれる時代にありました。
そこでウィリアム・モリスというイギリスのデザイナーが興した「アーツ・アンド・クラフツ運動」という運動がきっかけで、デザイナーの手仕事を重んじた装飾デザインや、伝統性や保守性を打ち破る実験的な芸術を進めていこうという運動が始まりました。
特に建築界では鉄筋コンクリートの発明など、技術革新が直接的にデザインの自由度を上げたため特に大きなイノベーションが起こった分野になったのです。
詳細は以下の記事でご紹介しています!
近代建築の四大巨匠
ヴァルター・グロピウス
近代建築が世の中に広まるきっかけになった教育機関「バウハウス」の創立者にして初代校長を務めるドイツ・アメリカで活躍した建築家です。
著書『国際建築(1925)』で示した「造形は機能に従う」という主張は国境を超えて建築界隈に大きな影響を与えており、デザインを語るのには欠かせない人物です。
教育現場での活躍が長く、作家としての著作も多いため四大巨匠の中ではインテリ派といったイメージです。
詳細は以下の記事でご紹介しています!
ル・コルビュジェ
スイス生まれの建築家で「住宅は住むための機械である」という新しいアプローチを示したことで有名です。代表作はバウハウスの主要な建物である「サヴォア邸」で、近代建築の約束事を消えた「近代建築五法則」を唱えたことでも知られています。
人体と建物の寸法を徹底的に調査して、人の生活に適した基準のサイズ「モデュロール理論」を発表したり、仕事がうまくいかない時に友達と絵画を描いて立ち直る…といったエピソードから繊細で几帳面なイメージがあります。
詳細は以下の記事でご紹介しています!
フランク・ロイド・ライト
アメリカ合衆国の建築家です。その独特な作品からは水平方向に建物が広がるプレイリー・スタイルや、必要最低限の建築構造で出来たユーソニアン・ハウスなど次々と新しい言葉が生まれました。
また日本へ仕事に来たこともあり、かの帝国ホテル設計に携わったことでも有名です。
著書「ライトの住宅:自然・人間・住宅」にまとめられた9つの理念はその当時どれも常識破りの理念で、四大巨匠の中では革命児というイメージです。
詳細は以下の記事でご紹介しています!
ミース・ファン・デル・ローエ
ドイツ出身の建築家です。アメリカに亡命して以降は超高層ビルや集合住宅を主に手掛け、ニューヨークの摩天楼を生み出したと言っても過言ではないほど影響力のある人物です。
様々な人物から影響を受けて作風を変えたり、亡命した先のアメリカで仕事が成功したりというエピソードから、移り気で気まぐれな人物という印象があります。
詳細は以下の記事でご紹介しています!
▼【徹底解説】ミース・ファン・デル・ローエの人生と作品に迫る
まとめ
いかがだったでしょうか?
同じ時代に同じ職業で活躍していた4人ですが、それぞれ個性的で業績も様々でした。
共通しているのは、全員が今私たちが住んでいる町や家の基礎を半世紀以上前に作り上げた偉大な人物であるという点です。
普段見慣れた風景の中に、偉大な建築家の影響を見ることができるのが近代建築の醍醐味かもしれません。
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