【徹底解説】ロッシーニってどんな人?オペラから宗教曲まで作曲!

こんにちは、ユアムーン株式会社 編集部です!

皆さんはロッシーニという作曲家をご存知ですか?

ロッシーニは19世紀にイタリアやフランスを中心に活躍した作曲家で、オペラから宗教曲、室内楽曲まで幅広く手掛け、また美食家としても知られる多才な人物です。

この記事ではロッシーニの『人生』と『作品』についてご紹介します!

ロッシーニとは?

基本情報

本名 ジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニ (Gioachino Antonio Rossin)
国籍/出身 イタリア
生年月日 1792年2月29日~1868年11月13日
分野/芸術動向 ロマン派音楽
学歴/出身大学 ボローニャ音楽学校

経歴と作品

父はトランペット奏者、母は歌手といったような音楽一家の一員として生まれた彼は、幼いころから音楽教育を受け6歳の時には父が所属していた楽団の演奏に参加したと言われています。

本格的に作曲家として活動を始めたのは10代の終わりごろからで、24歳の作品「セビリアの理髪師」でヨーロッパ中に知られるオペラ作家となりました。37歳で発表した「ウィリアム・テル」を最後にオペラ界からは引退したものの、その後も宗教曲やピアノ曲、サロン向けの歌曲の作曲を続けていたとされています。

20年に満たない短い作曲活動期間の中で多くの名作を残し、当時最も人気のある作曲家であった彼は悲劇を好むイタリアのオペラ作家の中で喜劇やハッピーエンドの作品が多いことから異色の存在とされており、その作風も明朗快活なことから生前は「ナポリのモーツァルト」の異名を持つほどでした。また、オペラ界から引退した後に作曲の傍ら料理の創作にも熱心であったとされており、現代にもあるヒレステーキにフォアグラとキャビアを添えた「ロッシーニ風」と名の付く料理は彼の名前からとられたものです。

作曲から料理まで幅広い分野で名を遺した彼の手掛けた数々の作品は当時から人気であり、現代に伝わるまでになっているのです。

初期

彼が作曲を始めた初期の作品はオペラ・ブッファと呼ばれる、より身近な問題や話題を取り扱った市民向けのオペラ作品が多くなっています。

「試金石」

ロッシーニの初のヒット作として名高い作品で、ミラノ・スカラ座で初演されました。
あらすじとしては3人の女性から言い寄られているアズドゥルーバレ伯爵が、彼女たちがどれほど真剣に自分を愛しているのか試すために芝居をする、というものです。
第2幕では逆に伯爵が女性に試されることとなり、伯爵は自身の思いに気が付くことが出来る、といったような愛の物語が主軸に置かれていますが、伯爵を取り巻く周囲の人々の人間関係も描かれている面白い作品です。

また、ストーリーだけでなく劇中を彩る合唱曲やアリアたちも華やかで目と耳で楽しむことが出来る作品となっています。
もし興味を持っていただけたのであれば、是非劇中歌だけでも聞いてみて下さい。

 

「アルジェのイタリア女」

このオペラは内容が優れていることはもちろんですが、急遽依頼を受けたロッシーニがわずか27日で完成させたという逸話も含めて有名な作品です。

ストーリーは「偉大なソリーマン2世の美しい女奴隷ロクセラーナ」という伝説に基づいたもので、妻に飽きた太守によって捕らえられた美しいイタリア女が恋人と共に太守の元から逃げ出すというあらすじです。
こう書くと、波乱万丈の脱出劇を想像される方も多いかもしれませんが、アクションストーリーというよりは主人公たちの知恵を凝らした作戦による鮮やかな脱出劇やユーモラスな一幕なども含まれた痛快な作品といった印象です。

また、作品の中でも序曲と呼ばれる物語の導入に流れる曲は単独でも高い知名度を誇り、作品は知らなくとも聞いてみたら聞き覚えがある、なんて方も多いかもしれません。
軽快なリズムと華やかな音色が強い日差しやイタリア人の陽気な気性を表しているようで、聞いているだけで元気が出るような曲です。

中期

彼の作曲家としてのキャリアの後半では、初期とは異なりオペラ・セリアと呼ばれる、バロック時代の慣習に従い厳格な形式に則って作られた王侯貴族向けの贅沢な作品が多く遺されています。

「セビリアの理髪師」

この作品はフランスの劇作家ボーマルシェの書いた風刺的な戯曲「セビリアの理髪師あるいは無用の用心」を題材に描かれたロッシーニ随一の人気作品です。

ロジーナという女性に恋をしたアルマヴィーヴァ伯爵が身分を偽り彼女と結ばれようと努力するストーリーなのですが、ロジーナの後見人である男性がロジーナと結婚し彼女の持つ遺産を手に入れようと伯爵とロジーナを引き裂こうとしてきます。
伯爵は友人の理髪師であるフィガロの手を借りながらロジーナと結ばれるために奮闘し、最終的に祝福されながらロジーナと結婚することが叶います。

ここで終われば完全無欠のハッピーエンド……なのですが、後にヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって書かれたこの作品の続編とされているオペラ「フィガロの結婚」では、伯爵は伯爵の友人として活躍した理髪師のフィガロの妻に横恋慕する悪役として登場します。
「フィガロの結婚」はフィガロが恋人と結婚するまでをユーモラスに描いた喜劇であり、「セビリアの理髪師」同様に名作として知られていますので興味のある方は是非見てみて下さい。

 

「チェネレントラ」

「セビリアの理髪師」の翌年に書かれた今作はわずか3週間で作曲されたにも拘わらず、ロッシーニを代表する作品のひとつとして数えられています。

童話「シンデレラ」を基としたとされる作品ですが、原作とは異なり魔法使いは登場しません。
また意地悪な継母が継父に変更されていたり、ヒロインであるチェネントラを宮殿へと導くのが王子の指南役であった哲学者になっていたりなどの配役の変更、さらに「シンデレラ」を代表するガラスの靴が腕輪になっていることなど異なる部分はいくつか存在しますが、概ね「シンデレラ」と似たストーリーと言えるでしょう。

この作品は早口の歌やドタバタした一幕なども含まれる喜劇ですが、王子が真摯に歌うアリアやチェネントラと王子が恋に落ちて歌う二重唱など単なる喜劇としてかたずけられない部分もあり、オペラ・セミ・セリアと分類されることもあります。
フィナーレを飾る超絶技巧的な華麗なアリア「悲しみと涙のうちに生まれて」はその華麗な旋律とそれを奏でるために非常に高い技巧を求められることで知られています。

晩年

彼の作家としての晩年は早く、最後のオペラである「ウィリアム・テル」を仕上げてから30年以上引退生活をしていたという記録もあります。
しかし、「ウィリアム・テル」を仕上げるために速筆の彼が5ヶ月かけたということからこの作品を集大成とするロッシーニの気迫が篭っているように感じます。

「ウィリアム・テル」

先にも述べたようにロッシーニの最後のオペラ作品である「ウィリアムテル・テル」ですが、その序曲である「ウィリアム・テル序曲」は運動会のBGMとして用いられることもあるくらい私たちの生活に浸透している名曲と言っても過言ではありません。
フリードリヒ・フォン・シラーによる戯曲『ヴィルヘルム・テル(英語版)』を原作として作られた作品で、ロッシーニのオペラの集大成とされると共にグランド・オペラの記念碑的作品とも呼ばれる、ロッシーニを語る上で非常に重要な作品と言えるでしょう。

ストーリーとしては、オーストリア支配下のスイスを舞台に弓の名人である主人公のテルがスイスの自由が失われたことを嘆くところから始まります。敵国の王女と恋に落ちてしまった青年や娘を守るために反抗してしまった羊飼いなど、様々な人々と協力しながらオーストリアの圧政に立ち向かうことを決意し、最後には横暴な敵を倒し皆で取り戻した自由を歌い上げる、自由のために戦った人々の物語と言えるでしょう。

主人公であるウィリアム・テルはスイスの伝説に登場する民衆の英雄であり、実在性の証明は成されていないものの、スイス人の多くは彼の存在を信じていると言われています。
夢のある話だと思いませんか?

オペラ以外の作品

ここまでロッシーニの著名なオペラをいくつか紹介してきましたが、彼はオペラ以外にも優れた楽曲を書き残した作曲家です。
ここでは彼が書き残したオペラ以外の楽曲をいくつか紹介したいと思います。

6つの弦楽のためのソナタ

タイトルの通り擦弦楽器のための6曲のソナタ集です。
全て長調で描かれていることから明るく、華やかな印象を与える楽曲が多く弦楽器の優雅な響きと合わせて楽しむことが出来ます。
この楽曲は当時12歳のロッシーニが三日で仕上げたとされ、古典的な型を意識しつつも後年の彼の作品にみられる変化への予兆が見られる興味深い作品となっていますが、ロッシーニ本人は「6つのひどいソナタ」と回想していたという記録も残されています。
現在ではピアノでの独奏やフルートやクラリネットなどの管楽器のよる編成への編曲も成されているため、演奏のハードルが下がっていると言えるでしょう。

グローリア・ミサ

ロッシーニの三大宗教作品のひとつであり、オペラ作曲家を引退するより前に書かれた唯一の本格的な教会音楽です。
四旬節と呼ばれる祝日のために書かれた作品で、1820年にサン・フェルディナンド教会で演奏されたのが初演となります。
混声合唱と管弦楽からなる編成で、宗教音楽らしい荘厳な曲調の中にもロッシーニらしい遊び後心や華やかさを感じ取ることの出来る作品となっています。

まとめ

今回はロッシーニの『人生』と『作品』について紹介しました!

いかがでしたでしょうか?

オペラと聞くと格調高いものである、だとか長くて退屈なもの、といったようにあまり日常的でないもののように思われてしまうこともあるのですが、実はオペラは面白いストーリーと美しい音楽から成る非常に楽しいエンターテインメント作品なのです。

もしこの記事を機にオペラやロッシーニに興味を持っていただけたのであれば、是非今回紹介した作品やそれ以外の作品や作曲家についても調べてみて下さい。
実は聞いたことのある曲が有名なオペラの曲だったり、あるいは何らかのインスピレーションをもたらしたりと、きっと様々な発見に繋がるでしょう!



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