【徹底解説】ピピロッティ・リストとは?作品と人生を3分で理解しよう!

【徹底解説】ピピロッティ・リストのとは?作品と人生を3分で理解しよう!

皆さんはピピロッティ・リストというスイス出身のヴィデオアーティストをご存知ですか?

ヴィデオインスタレーションやフェミニズム運動に関連付けられたアーティストとされており、世界的に有名なヴィデオアーティストの一人です。

この記事では、ピピロッティ・リストの経歴と作品をご紹介します!

ピピロッティ・リストとは?

<名前>
ピピロッティ・リスト(Pipilotti Rist)
※本名:エリザベス・リスト(Elisabeth Charlotte Rist)

<国籍>
スイス グラープス

<人生>

ピピロッティ・リストは1962年、スイスのグラープスで生まれます。本名をエリザベス・リストと言い、ピピロッティと言う名前は児童小説の「長靴下のピッピ(Pippi Longstocking)」と子供のころのあだ名「ロッティ(Lotti)」の二つをつなげたことに由来します。

1986年までウィーン応用芸術大学でグラフィックデザイン、イラストレーション、写真を学びました。その後一年間、バーゼル造形学校でオーディオビジュアルコミュニケーションとビデオを学びます。

この当時は、ビデオインスタレーションが台頭し始めたころで、韓国人アーティストのナム・ジュン・パイが「ビデオ・アート」という新しい表現形式を現代美術に組み込んだ時代でした。

この頃からピピロッティは映像制作を始め、フェミニズムや広告、テレビなどの美学をビデオインスタレーション、ビデオアートの文脈に組み込もうとしました。そして現在では、ビデオインスタレーションの代表格と言えるアーティストの一人になっています。

賛否の分かれる作品もあるものの、MoMAやグッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館に作品が収蔵されています。

ピピロッティ・リストの作品

ピピロッティはヴィデオアーティストとして、シュールで親近感の沸く抽象的な映像作品を作ります。映像作品として親しみやすい音、映像のリズム、色で構成されており、安心しながら見ることが出来ます。

フェミニズム運動の芸術として位置づけられることもあり、彼女の扱うテーマには、ジェンダー、セクシャリティ、人体に関わるものが多くあります。

初期の作品は、8ミリフィルムで作られており、数分で終わるものが多いです。

ピピロッティの代表作をいくつかピックアップしたので一つ一つ見ていきましょう!

『I’m Not The Girl Who Misses Much』(1986年)

この作品は、彼女がバーゼル造形学校に在籍していたころに作られた作品です。

「私は多くを逃す女の子ではない」と繰り返し歌っており、これはビートルズの曲の「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」から引用されてきたものです。

ピピロッティ自身も、ジョン・レノン/オノ・ヨーコに影響を受け、ポップミュージックから現代アートの世界へと移ったと述べています。この意味において、この作品はピピロッティのオマージュ作品と言えるでしょう。

『Ever is Over All』(1997年)

ピピロッティはこの作品で、「破壊する衝動を希望に満ちたカタルシス的ジェスチャーに変換」しようとしています。

優しい音楽と二つの重なり合うビデオプロジェクションで構成される映像には、誇らしげに歩く女性の映像が写されており、時に車の窓ガラスを割るにも関わらず、警官は女性に微笑んで敬礼します。

見る人に対し、非常に不思議な感覚を与える映像作品です。

『Open My Glade』

.この作品は、1980年に創設された「Messages to the Public」というプロジェクトの活動の一つで、2000年から2017年の1月の23:57~0:00の3分間、ニューヨークタイムズスクエアの電子看板に流された作品です。

鮮やかな色彩が使われた映像で、女性が今にも画面から飛びだしそうにスクリーンを押し付けています。この作品の中でピピロッティは、社会からの女性への期待に破り、女性への見えない境界、痛み、経験に対して問題を投げかけています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ピピロッティ・リストの作品は扱っているテーマが重たいにも関わらず、意外と楽な気持ちで見ることのできる作品だと思います。

ピピロッティ自身が非常に明るい性格であることが秘訣なのかもしれません。

2021年4月より日本で個展が開催されます。是非そちらも訪れてみてはいかがでしょうか!?

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