こんにちは!ユアムーン株式会社 編集部です!
突然ですが、皆さんはポール・ゴーギャンという画家を知っていますか?
印象派の巨匠といえば必ずと言っていいほど取り上げられるフランスの画家ですしかし、そのキャリアは軍人、株式仲買人と、初めから画家として活動していた訳ではありませんでした。
この記事ではポール・ゴーギャンの『人生』と『作品』についてご紹介します!
目次
ポール・ゴーギャンとは?
基本情報
本名 | ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン(Eugène Henri Paul Gauguin) |
国籍/出身 | フランス共和国 パリ |
生年月日 | 1848年6月7日 |
分野/芸術動向 | ポスト印象派、ポン=タヴァン派、綜合主義、象徴主義、プリミティヴィスム |
学歴/出身大学など | カミーユ・ピサロに師事 |
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印象派ってなに?
印象派とは19世紀後半のフランスから発した芸術動向です。筆のストロークや時間による光の変化の緻密な描写、日常性、斬新な構図等の特徴を持ちます。画面全体が明るく、それまで芸術アカデミーが良いとしてきた作品とは対照的でした。初期の頃の印象派はあまり評価を受けませんでしたが、次第に市場が広がり、アメリカに渡ると大衆に一挙に人気になりました。
印象派と一言で言うものの新印象派や後期印象派(ポスト印象派)など、印象派の中でもいくつか分類があります。印象派の代表的な画家にはエドガー・ドガ、クロード・モネ、ベルト・モリゾなど、今日でも高い人気を誇る画家が多くいます。
▼印象派についてはこちらでも詳しく解説しています!▼
ポール・ゴーギャンの作品
二月革命の年、パリに生まれる
ゴーギャンは、二月革命が行われた1848年にパリで生まれました。ちょうどこの頃のフランスは、ウィーン体制が崩壊し、ヨーロッパ全土に革命がおこる不穏な時代でした。父親は初期の社会主義の提唱者で、リベラル系のジャーナリストとしての活動を通して社会主義運動を行っていたようです。
1851年のナポレオン3世のクーデターにより、父の関与していた新聞がフランス当局に弾圧されフランスを離れざるを得なくなり、ペルーへ渡ることになります。しかし、ゴーガンの父は船旅の最中、心臓発作により他界してしまいました。
Working the land
ペルーでは、叔父の娘の夫はペルーの大統領ということもあり、非常に豊かな生活を送ることができました。しかし今後はペルーで市民戦争が勃発し、ペルーでの生活が維持できなくなるとフランスへ戻り、オルレアンというフランス中部の町で暮らすことになります。
フランスでは、地元の学校や寄宿学校等に通い、17歳の時にフランス海軍に入隊し二年間、軍人としての生活を送ります。
株式仲買人としてパリで働く
The Seine opposite the wharf de passy
フランス海軍退役後の1971年にパリに戻り、パリ証券取引所で働き始めます。株式仲介人としてのキャリアは非常に成功しており、1879年には年間収入が3万フランとなりました。それに加えて絵画取引でも同等の収入を得ていたことから合計の収入が年間6万フラン近くになりました。
Garden under Snow
これは、1830年のフランスの公務員の平均年収が1000フランといわれていますので、現在の日本の公務員の平均年収から比較してみると3億6000万円になります。もちろん、19世紀後半のフランスの物価と現在の日本の物価は完全に異なり単純に比較することはできませんが、ゴーギャンが当時の平均的な人たちよりかなり高い収入を得ていたことがわかります。
そして、ゴーギャンはこの株式仲介人として働き始めたころから、趣味で絵画を始めたといわれています。
本格的に絵画の道へ
Nasturtiums & dahlias in a basket
ゴーギャンは、初めは仕事の傍らに趣味で絵を描いていました。また、家が印象派たちのよく集まる地域に位置していたこともあり、画廊にもよく訪れていたようで、新興の画家たちの作品を購入していたといわれています。こうした余暇を通した活動の中で、印象派の代表格として知られるカミーユ・ピサロと出会い、週末には彼のもとで絵を描いていました。
Suzanne Sewing – Study of a Nude
ゴーギャンが画家としての活動を本格的に考え始めた転機は、1882年のパリ株式市場の大暴落がきっかけといわれています。本業の減収だけでなく、絵画取引も停止せざるを得なくなりました。翌年にはピサロに画家になる旨を伝え、1877年にはついにアトリエをパリの郊外に構えます。
画家としての始まり
パリにアトリエを構えてから本格的に画家として活動を始めますが、初めは中々うまくいかず経済的にも困窮してしまいます。生活を立て直すため、より生活費の安いノルマンディー地方やデンマークのコペンハーゲンを転々とし、最終的に妻をコペンハーゲンに残しパリへ戻ります。パリに戻った後も生活は困窮し、画家以外の雑多な仕事を余儀なくされています。
Bathing, Dieppe
1886年夏、ゴーギャンは第8回印象派展を訪れます。そこで見たたピサロやエドガー・ドガの手法に影響を受け、『ブルターニュの羊飼い』や『水浴するブルターニュの少年』など様々な作品を描きました。
Boy by the Water
この頃のゴーギャンは、ヨーロッパ絵画の伝統的価値観である写実性や象徴的な深みに対して反発的で、アフリカやアジアの美術に強い関心を持っていました。特に、日本の浮世絵の影響を強く受けており、輪郭線を明確に描くクロワゾニスムを取り入れたことや、遠近法の放棄するなど、ルネサンス美術以来の原則を多く打ち破りました。
中米 マルティニーク島での生活とゴッホとの出会い
A seashore
1887年の6月から11月までの半年間、中米のフランス領マルティニーク島で友人のシャルル・ラヴァルとともに過ごしました。夏は非常に熱く、赤痢とマラリアに苦しむなどしましたが、ゴーギャンはこの期間に12点ほどの作品を残しました。戸外制作された作品で、明るい色彩を特徴としています。
Martinique Landscape
これらの作品は、絵具商アルセーヌ・ポワティエの店に展示されました。この時、フィンセント・ファン・ゴッホはゴーギャンの作品を見て強い感銘を受け、手紙で芸術論を互いに語り合うほど親しくなりました。
タヒチ滞在
ファタタ・テ・ミティ
ゴーギャンはタヒチにたびたび滞在しました。初めての滞在は1891年で、その年の2月に絵画の売り立てがうまくいき、旅行資金を作ることができています。タヒチ滞在のきっかけは、ヨーロッパ文明と「人工的・因習的な何もかも」から脱却したいという思いがあったといわれています。
ゴーギャンは資金はできたものの依然として贅沢をする余裕はなく、首都から45キロほど離れたパペアリに自分で竹の小屋を建て、そこをアトリエとして制作を行いました。この期間の作品はタヒチに滞在していた期間の中で最も高い評価を受けた作品となっています。
イア・オラナ・マリア
Tahitian women
1893年8月、約二年間の滞在を経てゴーギャンはフランスに戻り、『マハナ・ノ・アトゥア(神の日)』、『ナヴェ・ナヴェ・モエ(聖なる泉、甘い夢)』などのタヒチを題材とした作品の制作をつづけました。翌年の1894年11月には、これら作品40点をポール・デュラン=リュエルの画廊で展覧会を開催し、11作品が高値で取引されました。
ナヴェ・ナヴェ・モエ
1895年、ゴーギャンは再びタヒチに渡ります。今回は、『メルキュール・ド・フランス』1895年6月号に自身を批判する記事が掲載され、パリの美術界で孤立したことに起因します。その後6年間、タヒチのパペーテ周辺の画家コミュニティで暮らしました。
この頃になると絵画も安定して売れるようになり、支援者の援助もあり安定した生活を送れるようになりました。また、彫刻作品も手掛けており、『十字架のキリスト』という、50cmほどの作品が残っています。
晩年
Are You Jealous?
1897年4月、最愛の娘アリーヌが肺炎で亡くなった知らせを受けたころから、ゴーギャンの健康状態は徐々に悪化していきます。入退院を何度も繰り返しており、失意に追い込まれていました。こうした環境から原始的な生活を望むようになり、マルキーズ諸島に引っ越します。
健康状態は依然として改善しませんでしたが、1901年に新居を立ててからはより制作に専念するようになります。ここでは、風景画、静物画、人物の習作に取り組んだほか、タヒチ時代の作品をより深化させた作品も制作しています。しかし、1903年5月8日の朝、ついにゴーギャンはその生涯に幕を閉じました。
Two women (Flowered hair)
ゴーギャンの作品は、セザンヌに「中国の切り絵」と批評されるなど、同時代の画家たちからの評価はあまりよくありませんでした。しかし、西洋絵画に対して問題提起をするその作品は、徐々に高く評価されるようになりました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は印象派の巨匠、ポール・ゴーギャンを紹介しました。数多くの代表的作品を描き、今でも多くの人に愛されています。
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