カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツとは?専攻・学費・出願を徹底解説

カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツとは?専攻・学費・出願を徹底解説
カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ(Camberwell College of Arts)の校舎

アートコンサルティング

こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。

皆さんはカンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ(Camberwell College of Arts)という学校をご存知ですか。ロンドン芸術大学(University of the Arts London、UAL)を構成する6つのカレッジのひとつで、ロンドン南東部にあります。

他のカレッジと並べると輪郭がはっきりします。セントラル・セント・マーチンズは考え方の枠組みでプログラムを分け、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションは「伝える」で学科を束ね、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションはファッションに特化し、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツはテート・ブリテンの隣でファインアートとデザインを扱います。これに対してカンバーウェルは、ファインアートを「ドローイング」「ペインティング」「写真」「彫刻」「版画」「コンピュテーショナル・アーツ」という媒体の名前で別々の学位課程に分けているカレッジです。チェルシーのBA Fine Artが「パスウェイに分けていない」と明言しているのとは正反対の設計です。

もうひとつの特徴は成り立ちです。カンバーウェルは1898年1月10日に「Camberwell School of Arts and Crafts(カンバーウェル美術工芸学校)」として開校しました。アーツ・アンド・クラフツ運動の只中に、地域の職人のためにつくられた学校です。本記事では、2026年10月3日にUAL公式サイト(arts.ac.uk)、UALの公文書館カタログ、ヒストリック・イングランド、テート(Tate)で確認できた情報をご紹介します。それでは早速いってみましょう。

カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツの基本情報

ピーカム・ロードに建つ1890年代の赤レンガと石造の建物。左が美術学校、右がサウス・ロンドン・アート・ギャラリー
ピーカム・ロードの旧カンバーウェル美術工芸学校とパスモア・エドワーズ・サウス・ロンドン・アート・ギャラリー。モーリス・アダムズの設計で1896年から1898年に完成しました。ヒストリック・イングランドの登録記録によれば、右側の部分にギャラリーの入口、2つの部分のあいだに美術学校の主入口があります/撮影:Reading Tom/出典:Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

基本情報

正式名称Camberwell College of Arts(カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ)
所属University of the Arts London(UAL、ロンドン芸術大学)を構成する6カレッジのひとつ
所在地(2か所)45-65 Peckham Road, London, SE5 8UF / 1 Wilson Road, London, SE5 8LU
地区ロンドン南東部、サザーク区。カンバーウェルとペッカムの中間
前身校の開校1898年1月10日、Camberwell School of Arts and Crafts として(UAL公文書館カタログの記載)
現在の名称になった年1989年
扱う分野ファインアート(ドローイング/ペインティング/写真/彫刻/版画/コンピュテーショナル・アーツ)、グラフィックデザイン、イラストレーション、インテリア・アーキテクチャ、ランドスケープデザイン、デザイナーメイカー
学内ギャラリーCamberwell Space(カンバーウェル・スペース)
隣接する公立ギャラリーSouth London Gallery(サウス・ロンドン・ギャラリー)
電話/問い合わせ+44 (0)20 7514 6302 / camberwell_enquiries@arts.ac.uk
学生数UAL公式サイトに記載を確認できませんでした

UAL公式は「創造性は社会によい影響を与えうると、カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツは考えています」と書き、「About us」も「私たちのコースは、批評する力やつくる力を伸ばすとともに、あなた自身の社会的責任について考えさせるものになります」と記します。社会的責任という言葉を学びの説明の中心に置いているのが特徴です。

UALの6カレッジのなかでの立ち位置

Camberwell College of Arts: Social change through creativity(Camberwell College of Arts 公式YouTube)
カレッジ学科の分け方の軸ファインアートの扱い方
セントラル・セント・マーチンズ(CSM)考え方・アプローチの枠組みで束ねるファインアートをひとつの大きな括りとして置く
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(LCC)「伝える」という機能で束ねるファインアートの学位課程は中心に置かれていない
ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(LCF)ファッションという産業で束ねる同上
チェルシー・カレッジ・オブ・アーツファインアートとデザイン(5分野+キュレーティング)BA Fine Art は「パスウェイに分けない」設計(公式ページの明記)
カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ素材と技法(媒体)で分ける学部4課程・大学院6課程を、媒体名のついた別々の学位に分ける
ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツ演劇・パフォーマンス・映像の制作と衣裳で束ねるファインアートの学位課程を置いていない(学部5課程・大学院5課程はいずれも演技、アートディレクションと視覚効果、舞台と映像の衣裳、舞台技術、舞台デザイン、人形劇など)

UALでファインアートの学位課程を置いているのはCSM、チェルシー、カンバーウェルの3校で、LCC・LCF・ウィンブルドンには学部・大学院ともにありません(2026年10月3日時点の各校コース一覧)。そのなかで学部と大学院の両方を媒体名のついた学位に分けているのはカンバーウェルだけです(CSMには MA Fine Art: Digital がありますが、大学院の一部にとどまります)。

この違いは実務的な意味を持ちます。チェルシーのBA Fine Artは、公式映像で教員が「私たちはファインアートのコースですが、パスウェイに分かれてはいません」と語るように媒体を決めずに入って3年間で動く設計です。一方カンバーウェルは出願の時点で媒体を選ぶことになります。

ただし媒体に閉じ込められるわけではありません。BA Fine Art: Paintingの公式ページは「ファインアート・プログラムの他の学生と協働することで、彫刻、写真、ドローイング、コンピュテーショナル・アーツを含む関連分野に触れることになります」と書いています。もうひとつ知っておくとよいのがCCWです。UALの学生向けページは「あなたのカレッジは、非常に密接に連携して動く3つのカレッジのうちの1つです。カンバーウェル、チェルシー、ウィンブルドンです」と説明しています。

1898年、職人のための学校として始まった

ピーカム・ロードのサウス・ロンドン・ギャラリーの正面
サウス・ロンドン・ギャラリー(ピーカム・ロード)/撮影:Mike Faherty(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

沿革は、UALの公文書館カタログ(archives.arts.ac.uk)に記録されています。

「カンバーウェル美術工芸学校は、1898年1月10日、サウス・ロンドン・アート・ギャラリーに隣接する建物で開校した。ロンドン州議会(London County Council)の技術教育委員会によって設立され、建物はカンバーウェル教区委員会が提供した。その目的は『この地域のあらゆる階層の人々に、最良の芸術的・技術的教育を与えること』『職人が仕事場で得た知識を補うこと』『職人が自分自身の仕事のデザイナーになる手助けをすること』であった」

3つめの目的が出発点を表しています。つくる技術を持っている人に、設計する力を渡す。アーツ・アンド・クラフツ運動の中心にあった考え方です。同カタログは「学校とギャラリーは、カンバーウェルに芸術の中心をつくろうという運動の実現であり、エドワード・バーン=ジョーンズ、レイトン卿、ウォルター・クレイン、G・F・ワッツの支持を受けていた」とも記します。

開校時は初年度の在籍者198人、その多くはパートタイム。夜間の技術クラスが建築、キャビネットデザイン、刺繍、木彫、木版と型紙の切り抜き、職業訓練クラスが石工と石彫、左官、家屋の塗装と装飾。昼間は現場で働き、夜に通う人のための学校です。

年できごと(UAL公文書館カタログの記載)
1898年1月10日Camberwell School of Arts and Crafts 開校。初年度の在籍者198人
1904年増築。煉瓦工事、配管、タイポグラフィを追加
1913年大規模な増築。彫刻、陶芸、ドローイングと絵画のスタジオと新しい図書館。コースは印刷と書籍製作、建物の建設と装飾、刺繍と裁縫、宝飾・銀細工・エナメルの4領域に
1920年〜1938年スタンリー・ソログッド校長の下で、ドローイングと絵画、商業美術、陶芸・裁縫・刺繍などの工芸を拡充
1948年頃フルタイム学生が戦前の約40人から約400人へ
1953年新しい彫刻棟が開設(粘土の塑造、ブロンズ鋳造、石膏取り、石彫・木彫の工房)
1963年3学科に編成。1968年には8学科に
1966年〜1971年ミーティング・ハウス・レーンとリンドハースト・グローヴに校舎を追加。1969年に彫刻専用の別棟が完成
1973年隣接地に新校舎が開設。42のスタジオ兼工房と教室、集会室と講堂、図書館、共用室
1976年旧ウィルソン・スクールの校舎を取得。銀細工と金属工芸の学位課程を開設
1986年1月ロンドン・インスティテュート(London Institute)の構成カレッジに
1989年Camberwell College of Arts に改称
1993年/2003年ロンドン・インスティテュートが学位授与権を取得/大学に
2004年ロンドン・インスティテュートが University of the Arts London(ロンドン芸術大学)に改称
2018年1970年代の建物を増築・改修。図書館の拡張、講義室、スタジオの増設

年表で目を引くのが戦前と戦後の断絶です。同カタログは「1913年以降、職業訓練のコースから(印刷とタイポグラフィのデザインを除いて)次第に離れ、ファインアートとデザインへの比重が高まった」と記します。

ピーカム・ロードとウィルソン・ロード、2つの校舎

カンバーウェルの旧校舎正面入口を支える大きな人像柱(カリアティード)の石彫
旧美術学校の正面入口を支える大きなカリアティード(人像柱)。ヒストリック・イングランドの登録記録は、この入口を「大きなカリアティードに支えられた半円のフードの下にある」と記述しています/撮影:Neil Theasby(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

カンバーウェルは2つの敷地を持ち、単一キャンパスのチェルシーとはここが違います。どちらの敷地にもグレードII指定の歴史的建造物があります。

項目ピーカム・ロード側ウィルソン・ロード側
登録名South London Art Gallery(登録番号1385776)。旧登録名は「Camberwell School of Art and South London Art Gallery」Camberwell College of Arts and Gate Piers at Entrance(登録番号1386051)
住所61, 63 and 65 Peckham RoadWilson Road
等級/登録日グレードII/1972年9月27日(1998年9月17日に修正)グレードII/1972年9月27日(1998年9月17日に修正)
建築年1896年から1898年(建物に1897年の銘)1882年の銘
設計者モーリス・アダムズ(Maurice Adams)E・R・ロブソン(ER Robson)
もとの用途美術学校とギャラリーグラマースクール(文法学校)

ピーカム・ロード側の登録記録は「美術学校とギャラリー。1896年から1898年(1897年の銘がある)。モーリス・アダムズによる」と記し、右側の入口の上に「THE PASSMORE EDWARDS SOUTH LONDON ART GALLERY AND TECHNICAL INSTITUTE」と刻まれた飾り板があるとしています。美術学校と公立ギャラリーが、1890年代に1棟の建物として同時に建てられたのです。公文書館カタログが開校を「ギャラリーに隣接する建物で」と書いているのは、同じ棟のなかで隣り合っていたということです。

ウィルソン・ロード側は別の来歴です。登録記録は「グラマースクール、現在は美術のカレッジ。1882年の銘。建築家E・R・ロブソンによる」とし、扉の上の飾り板に「カンバーウェルの牧師エドワード・ウィルソンによって1615年に創設されたグラマースクール。1882年に再建」と刻まれていると記しています。1615年創設の学校の校舎を、1976年にカンバーウェルが引き継いだことになります。

ウィルソン・ロードの赤レンガの校舎。急勾配のスレート屋根と切妻の翼部
ウィルソン・ロード側の校舎。1882年にE・R・ロブソンが設計した旧ウィルソン・グラマースクールの建物で、グレードIIに指定されています/撮影:N Chadwick(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)
ピーカム・ロードに面した1970年代の校舎。淡い色のレンガと格子状のコンクリートブロックの壁面
ピーカム・ロード側の1970年代の校舎(2012年10月撮影)。UALの公文書館カタログによれば、この建物群は1973年に開設されました/撮影:PAUL FARMER(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

UAL公式の設備ページは「カンバーウェル・アクセシビリティ・プロジェクトは2024年6月に始まり、2025年の暦年末までの完了を予定しています」と記し、工事のあいだ暗室とレタープレスはウィルソン・ロードに残り、カラー暗室はピーカム・ロードで開くという運用も書いていました(2026年10月時点でも、公式ページはこの記載のままです)。歴史的建造物を使い続ける学校は、設備の場所が年度ごとに動くことがあります。

ピーカム・ロード側の校舎の前面。新しい舗装と植栽が並ぶ
2018年2月に撮影された、ピーカム・ロード側の校舎の前面。UALの公文書館カタログは、同じ2018年に1970年代の建物の増築と改修が行われたと記録しています/撮影:N Chadwick(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

工房と設備

Technical Resources at Camberwell College of Arts(Camberwell College of Arts 公式YouTube)

媒体で学科を分けているので、工房の内容がそのまま学びの内容になります。

工房公式ページに挙げられている設備
版画センターデジタル、シルクスクリーン、モノプリント、凸版、金属板と石のリトグラフ、レタープレス(活版)、アクアチント、エッチング。技術者が制作を支援
写真センター複数フォーマットのファイバー暗室(引き伸ばし機10台、トレイ現像、バライタ紙のみ)/35mm白黒レジン暗室(イルフォードのRC紙プロセッサー、引き伸ばし機9台)/白黒フィルム現像室/写真スタジオ(ストロボと定常光、静止画と動画)/特殊プリント暗室(サイアノタイプ、リキッドエマルジョン、ソルトプリント、鶏卵紙、調色のスペース)/カラープリント暗室(RA4プロセッサー、引き伸ばし機5台)/デジタル暗室
3D工房金属(ギロチン、サンドブラスター、鍛冶炉、研磨、金属用のこぎり、プラズマカッター、MIG・TIG・スポット溶接)/陶芸(施釉のラボ、窯、石膏室、スプレーブース)/プラスチック(3Dプリンター、レーザーカッター、真空成形機、フライス盤、ホットワイヤー)/木工(バンドソー、テーブルソー、パネルソー、ルーター、ベルトサンダー)/鋳造
デジタルメディア図書館で機材の貸出と講習。Adobe InDesign、Illustrator、Photoshop、After Effects、Final Cut Pro

写真ではサイアノタイプ、ソルトプリント、鶏卵紙といった19世紀起源の古典技法のための暗室が独立して用意され、同時にデジタル暗室も置かれています。版画も石版とレタープレスがデジタルプリントと同じ一覧に並びます。

図書館にも特徴があります。UAL公式の研究ページは、カンバーウェルのアーカイブが「イラストレーションとファインアートに強い重点」を置き、「イラストレーターであり教育者であり社会改革者でもあったウォルター・クレインに関する書籍の重要なコレクション」と「ロンドンの学校で近代的な『よいデザイン』を教えるために使われたILEA(インナー・ロンドン教育局)コレクション」を所蔵していると記しています。ウォルター・クレインは1898年の開校を支持した4人のうちの1人です。学校の誕生を後押しした人物の資料が、いまもその図書館にあります。

学内ギャラリー Camberwell Space と研究

公式ページはCamberwell Spaceを「公衆に開かれたプロジェクト/ギャラリーのスペース」と位置づけ、活動の軸を「カンバーウェルとペッカムの地域コミュニティとともに活動すること」と「UALの研究を支援すること」の2つとしています。チェルシーの学内ギャラリーが「アイデアを試すことと、創作の過程を外にさらすこと」を掲げるのと比べると、カンバーウェルは地域とのつながりを先に書いているのが特徴です。

同じ研究ページは、専門領域としてコンピュテーショナル・アーツ、ドローイング、グラフィックデザイン、イラストレーション、インテリア・スペイシャルデザイン、ペインティング、写真、版画、彫刻の9分野を挙げています。学位課程の名前と研究の専門領域の名前がほぼ一致している点にも、媒体で分ける方針が表れています。ホーニマン博物館と英国ローマ学院に教職員のフェローシップを持ち、英国アテネ学院と協力してPhD学生にレジデンシーを提供しているとも記されています。

学部課程(BA)の全専攻

学部課程は、2026年10月3日時点で募集中が8コース、募集を停止しているものが1コース。いずれも3年制のフルタイムで、UCAS(イギリスの大学出願サービス)を通じて出願します。

コース名UCASコード年限内容の要点(公式ページより)
BA (Hons) Fine Art: DrawingW1113年現代のドローイングの実践の限界に挑む
BA (Hons) Fine Art: PaintingW1223年現代的・伝統的・拡張された絵画の技法で実験。ポストコロニアリズム、気候変動、フェミニズムといった主題と制作の関係を扱う
BA (Hons) Fine Art: PhotographyW6423年アナログ、デジタル、代替的で持続可能なプロセス、光学的構成、動画と音。版画、製本、映像、彫刻、絵画、パフォーマンス、コーディング、AIなど他媒体への展開も促す
BA (Hons) Fine Art: SculptureW1323年実験を通じて彫刻の多様なあり方を探る。パフォーマンス、インスタレーション、映像、音まで
BA (Hons) Graphic DesignW2103年卒業生は広告、ブランディング、コーポレートアイデンティティ、イラストレーション、インタラクティブデザイン、印刷、プロダクト、映像の分野で活動
BA (Hons) IllustrationW2223年幅広いイメージ制作のアプローチ
BA (Hons) Interior ArchitectureW2543年ポートフォリオはドローイング、写真、模型、スケッチなど幅広い媒体を含め、完成作だけでなくとくに空間的な性格の制作過程も見せることを求める
BA (Hons) Landscape DesignW2603年ランドスケープの設計。ポートフォリオでは建築的な知識、ドローイング、模型製作、CAD(コンピュータ支援設計)といった分野固有の技能と、空間的に考える適性を見る。検証(validation)の過程にあり、内容が変わる可能性あり
BA (Hons) Fine Art: Computational Arts記載なし3年募集停止中(後述)。バーチャルプロダクション、デジタルファブリケーション、機械学習、デジタルメディア、VRといった領域に接続

UCASの大学コードは、ページに表示を確認できた7コースでいずれも U65 でした(BA Landscape Design と BA Fine Art: Computational Arts のページには表示がありません)。学修形態は「3学年にわたる3つのステージに分かれ、各ステージは30週の授業週で構成される」とされています。

構成で特徴的なのが2年次と3年次のあいだに置かれた任意のディプロマです。Diploma in Professional Studies、Diploma in Creative Computing、Diploma in Storytellingの3つが学部9コース共通で示されています。在学期間が4年になる代わりに、専攻の外側の領域を正式な課程として学べます。

大学院課程(MA)と Graduate Diploma の全専攻

大学院は、2026年10月3日時点で修士(MA)が13課程、Graduate Diploma が1課程。このうちMA Illustration Practices (Online) はUAL Onlineの完全オンライン課程で、学費も出願の手順も違います。

コース名年限(公式ページの記載)内容の要点
MA Fine Art: Computational Arts45週・12か月
※15か月から移行中・構成と内容の変更中
ファインアートにおける批評的なデジタル実践と新興技術
MA Fine Art: Drawing45週・12か月
※15か月から移行中・構成と内容の変更中
現代のドローイング実践の限界に挑む
MA Fine Art: Painting45週・12か月
※15か月から移行中・構成と内容の変更中
絵画の持続する有効性と、発明・再発明の力を認める作家の共同体
MA Fine Art: Photography45週・12か月
※15か月から移行中・構成と内容の変更中
写真を大衆的な技術として、また物質的・技術的な装置として探る。過去の記録としてだけでなく、未来を形づくる探究の過程として捉える
MA Fine Art: Printmaking45週・12か月
※15か月から移行中・構成と内容の変更中
印刷されたイメージが現代の実践の中心を占めるあり方を、メディア・技術・素材の議論を通じて考える
MA Fine Art: Sculpture45週・12か月
※15か月から移行中・構成と内容の変更中
物質的/非物質的な実践を最も広い意味で探る。オブジェ制作、パフォーマンス、場に基づく実践、映像
MA Designer Maker45週・15か月現代デザインの言説・社会・人間性の文脈のなかで、クラフトとつくることの位置を再び主張することを目指す
MA Graphic Design Communication45週・15か月素材、メディア、技術、公共的な関与の仕組みを通じたデザインの解決
MA Illustration45週・15か月広く、包摂的で実験的な課程。持続可能な創造のモデルをつくる
MA Interior and Spatial Design45週・15か月学生の理論的・実践的な研究関心を通じた、空間への批評的な探究
MA Landscape Design45週・12か月
※検証(validation)の過程にあり
創造的な設計、生態系の理解、批評的な探究によるランドスケープ・アーキテクチャの実践
MA Global Collaborative Design Practice72週・2年デザインの実践をクリエイティブ産業の外へ押し広げ、社会課題に取り組む戦略的・学際的な役割へ。すべての授業にキャンパスで対面出席することを求めると明記(掲載されている大学院課程のなかで、この記載を確認できたのはこのコースのみ)
MA Illustration Practices (Online)パートタイム。MAは最短2年・最長4年UAL Onlineが提供する完全オンライン課程。カンバーウェルのキャンパスに通う課程ではありません(公式は「カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツのデザインにおける長年の権威を土台として」と書き、関係を示しています)。1月・5月・9月の年3回入学。PgCert(60単位・2ユニット)、PgDip(120単位・4ユニット)、MA(180単位・6ユニット)から選べる
Graduate Diploma Illustration30授業週・1学年イラストレーションの基礎原理。休止の予定あり(後述)

気をつけていただきたいのが、同じ「45週」でも公式が示す月数が違うことです。ファインアートの6課程とMA Landscape Designは「45週・12か月」、他の4課程は「45週・15か月」。授業週は同じでも在学期間が3か月違い、渡航や滞在許可の計画に影響します。

これはコースごとの好みの違いではありません。MAファインアートの6課程のページ冒頭には「Course length change(コース期間の変更)」という見出しの告知があります。原文は「このコースは、コースの構成と内容を変更する過程にあります。その変更の一環として、2026/27年度以降、このコースの期間は15か月から12か月に変わります」。12か月と15か月の併存は移行期の姿です。見逃せないのは、告知が期間だけでなく「構成と内容を変更する過程にある」と述べている点で、いま載っているユニット構成や内容が入学時には変わっている可能性があります。

似た告知がもう1種類あります。BA (Hons) Landscape Design と MA Landscape Design の2ページには「Validation(検証)」という見出しがあり、「このコースは検証の過程にあります。検証のあいだ、このページに表示されているコース内容に変更が生じる場合があります」と書かれています。ランドスケープの2課程も、掲載内容が確定していません。

コースページは、本文に入る前に冒頭の告知欄を必ず読んでください。募集停止、期間の変更、検証中といった、進学の判断を左右する情報がここにまとまっています。

募集状況(2026年10月3日時点)

募集が止まっているかどうかは最初に確認すべき項目です。カンバーウェルには募集が止まっている課程が2つあります。

課程状況公式の記載
BA (Hons) Fine Art: Computational Arts募集停止(2026/27年度・2027/28年度とも)学部コース一覧ページの「Courses suspended 2026/27(2026/27年度 募集停止のコース)」欄に掲載され、「このコースについて2026/27年度入学の募集を行っていません」と記載。さらにコースページ最上部には「Course suspended」の表示があり、「Applications suspended 2027/28」「2027/28年度入学についてこのコースの募集を行っていません」と記載
Graduate Diploma Illustration新規の出願はできませんコースページに「2026/27年度入学の出願は現在締め切られています。2027/28年度入学の出願は2026年秋に開始します」とある一方、同じページの「Course completion guidance」に「2026/27年度の入学者を最後に、大学院課程の見直しの一環としてGraduate Diplomaの各コースを休止します」と明記。その2026/27年度の出願はすでに締切済み

BA Fine Art: Computational Artsは2つの年度が別々のページに書かれています。コース一覧ページには2026/27年度、コースページ最上部のステータス表示には2027/28年度の停止があり、片方だけを見ると一方の年度しか分かりません。

Graduate Diploma Illustrationは、チェルシーのGraduate Diploma 4コースと同じ状況です。UALは2026/27年度の入学者を最後に休止するとしており、その出願も締め切られています。つまり、この記事をお読みの時点でカンバーウェルのGraduate Diplomaに新たに出願する道はありません。同じページに「2027/28年度入学の出願は2026年秋に開始します」という定型の文言も残っており、公式サイトのなかで記述が食い違っている状態です。

なお2026/27年度の入学者については「2026/27年度にコースに加わる場合、このページに記載されたとおりの全内容を受けられます」とあります。またGraduate Diploma Illustrationには「Graduate Diplomaに合格した場合、翌年度から始まるカンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツのMA Illustrationについて、条件付きオファーを保証します」という条項があり、修了すれば修士への進学が保証されます。ただし前提条件があります。同じページに「学生は、すべてのコースユニットを初回で、または同一学年度内の再提出で合格しなければなりません」と書かれています。翌年に持ち越しての再履修は認められないということです。

出願要件

ここは最も間違いやすい箇所です。UALは出願情報を「Entry requirements」と「How to apply」の2か所に分けており、動画課題・ポートフォリオの上限・面接は、要件欄ではなく How to apply 側にだけ書かれています。

学部課程(BA)の出願要件

学部9コース(募集停止中のものを含む)はいずれも同一の学歴要件・英語要件でした。

項目公式ページの記載
基準112 UCAS tariff points, which can be made up of one or a combination of the following accepted full Level 3 qualifications(以下の認められるLevel 3資格の1つ、またはその組み合わせによる112 UCASタリフポイント)
Aレベル/BTEC/UAL Extended Diploma112 UCAS tariff points from 2 or more A Levels / Distinction, Merit, Merit at BTEC Extended Diploma / Merit at UAL Extended Diploma
ファウンデーション/AccessDistinction at Foundation Diploma in Art and Design / Access Diploma or 112 tariff new UCAS points from the Access to HE Diploma
その他のLevel 3資格112 UCAS tariff points from an equivalent full Level 3 qualification
EU・国際資格Or equivalent EU/International qualifications, such as International Baccalaureate Diploma at 25 points minimum(国際バカロレア・ディプロマは最低25点など)
GCSEAnd three GCSE passes at grade 4 or above (grade A*-C)(グレード4以上のGCSE 3科目。BA Landscape Designのページのみ「3 GCSE passes」と算用数字で表記されていますが、内容は同じです)
英語(学部9コース共通)IELTS level 6.0 or above, with at least 5.5 in reading, writing, listening and speaking
APEL(事前の経験的学習の認定)出願要件を満たさない志願者も、例外的な場合には選考の対象となることがある。関連する学歴・職歴、パーソナルステートメントの質、強い推薦状などが例示される。ただし「オファーを保証することはできません」とも明記

大学院課程(MA)とGraduate Diplomaの学歴要件

大学院はコースによって求める学士号の分野が違います。ファインアートの各課程は、受け入れる分野を広く書いています。

コース学歴要件(Entry requirements の記載)英語
MA Fine Art: Computational ArtsBA (Hons) degree in either art and design or drawing-related disciplines, including social and other sciences or engineering(アート&デザインまたはドローイング関連分野の学士。社会科学その他の科学、工学を含む)/Alternative qualifications and experience will also be taken into considerationIELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Fine Art: DrawingBA (Hons) degree in either art and design or drawing and painting-related disciplines, including social and other sciences or engineering/同上IELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Fine Art: PaintingBA (Hons) degree in either art and design or painting and drawing-related disciplines, including social and other sciences or engineering/同上IELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Fine Art: PhotographyBA (Hons) degree in either art and design or photography or drawing-related disciplines, including social and other sciences or engineering/同上IELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Fine Art: PrintmakingBA (Hons) degree in either art and design or printmaking and drawing-related disciplines, including social and other sciences or engineering/同上IELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Fine Art: SculptureBA (Hons) degree in either art and design or sculpture and drawing-related disciplines, including social and other sciences or engineering/同上IELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Designer Maker/MA Illustration/MA Interior and Spatial DesignBA (Hons) degree or equivalent academic qualifications/Alternative qualifications and experience will also be taken into considerationIELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Graphic Design CommunicationBA (Hons) degree or equivalent academic qualifications/同上。パーソナルステートメントでは「職業的・学問的な背景と、本コースを志望する理由との関係」「コース在学中の目標と、コースがそれをどう支えるか」を明確に説明することを求めるIELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Landscape DesignBA (Hons) degree or equivalent academic qualifications in Landscape Architecture or relevant subjects such as Environmental Design(ランドスケープ・アーキテクチャ、または環境デザインなどの関連分野の学士)。「場合によっては、同等の能力を示せる他分野の卒業生も選考の対象となります」と付記IELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Global Collaborative Design PracticeBA (Hons) degree(alternative qualifications and experience will also be taken into consideration)/Video submission(動画の提出が要件欄に明記)/Personal statement/Portfolio of work。APELの対象は「22歳以上の志願者」と年齢の条件が付くIELTS 6.5(各技能5.5以上)
MA Illustration Practices (Online)An honours degree in a field related to illustration(イラストレーション関連分野の優等学位)/または同等の資格と職務経験の組み合わせ。「他分野の学位をお持ちの方も出願でき、ポートフォリオの強さによって入学が認められることがあります」IELTS 6.5(各技能5.5以上)
Graduate Diploma IllustrationBA (Hons) degree or equivalent academic qualifications/Evidence of ability in art or design(アートまたはデザインの能力を示す証拠)/Alternative qualifications and experience will also be taken into considerationIELTS 6.0(各技能5.5以上)

英語の水準は学部9コースがIELTS 6.0、修士13課程がIELTS 6.5、Graduate Diploma IllustrationがIELTS 6.0で、Graduate Diplomaだけが修士より0.5低く学部と同じ水準です。各技能の最低点はどの課程も5.5で共通です。

提出物の分量と選考の流れ

ここがいちばん見落とされやすい箇所です。

課程学歴要件ポートフォリオの上限ステートメントの分量動画課題面接
学部9コース(BA)112 UCASポイント+GCSE 3科目(グレード4以上)最大30ページUCAS経由・全体で4,000字以内なしオンライン15〜20分(募集停止中のBA Fine Art: Computational Artsのページにのみ、面接の節の記載を確認できませんでした)
MA Fine Art の6課程(Computational Arts/Drawing/Painting/Photography/Printmaking/Sculpture)上表のとおり最大20ページ(動画課題を含む)最大500語2〜3分オンライン15〜20分
MA Designer Maker上表のとおり最大30ページ(動画課題を含む)最大500語2〜3分オンライン15〜20分
MA Graphic Design Communication上表のとおり最大30ページ(動画課題を含む)約500語(”about 500 words long” と表記)2〜3分オンライン15〜20分
MA Illustration/MA Interior and Spatial Design上表のとおり最大30ページ(動画課題を含む)最大500語2〜3分オンライン15〜20分
MA Landscape Design上表のとおり最大30ページ(動画課題を含む)最大500語2〜3分(設問あり。後述)オンライン15〜20分
MA Global Collaborative Design Practice上表のとおり最大30ページ(動画課題を含む)最大500語2〜3分(要件欄にも明記)オンライン15〜20分
MA Illustration Practices (Online)上表のとおりページではなく「最大3プロジェクト」300語2〜3分公式ページに面接の記載を確認できませんでした
Graduate Diploma Illustration上表のとおり最大30ページ(動画課題を含む)最大500語2〜3分オンライン15〜20分

読み取っていただきたい点が4つあります。1つめ、大学院は掲載されているほぼ全ての課程で動画課題を求めます。文言は「2分から3分の動画を提出してください。撮影の際はカメラに向かい、英語で話してください」で、「1ページ目に動画課題を置き、その後にポートフォリオを続けてください」と指定されています。締切直前に気づくと間に合いません。

2つめ、ポートフォリオの上限が20ページと30ページに分かれ、どちらも動画課題を含みます(ファインアートの6課程が20ページ、デザイン系とGraduate Diplomaが30ページ)。3つめ、面接がほぼ全課程にあります。文言は共通で「出願の審査後に面接へ招かれることがあります。面接はすべてオンラインで行われ、15分から20分です」。必ず実施されるとは書かれていませんが、招かれる前提で準備しておくほうが安全です。表で「記載を確認できませんでした」としたBA Fine Art: Computational Artsは募集停止中のページで、面接が無いという意味ではありません。4つめ、オンライン課程だけ提出物の数え方が違い、ポートフォリオはページ数ではなく「最大3プロジェクト」、ステートメントは300語です。

BA Landscape Designのページには「作品が共同で制作されたものである場合、またはAI(人工知能)を使用した場合は、そのことを明記してください」という指示もあります。

学費

学費はどの年度のどの課程を見ているかで変わります。2026年10月3日時点で、学部は2027年9月入学、大学院は2026/27年度入学の金額でした。

課程Home(国内)International(国際)公式ページの年度表記と単位
学部9コース(BA)£10,050/年£31,510/年2027年9月入学の金額。年額。2028年9月入学分は変更の可能性あり
MA Fine Art の6課程/MA Designer Maker/MA Graphic Design Communication/MA Illustration/MA Landscape Design£14,420£30,8902026/27年度入学。コース全体の費用(45週・standard rate)
MA Interior and Spatial Design£15,790£34,8852026/27年度入学。コース全体の費用(45週・higher rate)
MA Global Collaborative Design Practice£7,550/年£19,845/年2026/27年度入学。コースページは年額で表記(2年制)
MA Illustration Practices (Online)1ユニットあたり£2,575(MAは6ユニット)2026/27年度入学。2027年9月から1ユニット£2,650に値上げと明記
Graduate Diploma Illustration£14,420£30,8902026/27年度入学。コース全体の費用

気をつけていただきたい点が5つあります。1つめ、大学院の金額は年額ではなくコース全体の費用です。UALの大学院学費ページは「表示されている学費はコース全体の費用をまかなうもので、1学年あたりの金額ではありません」と明記しています。学部の£10,050/£31,510は年額です。2つめ、45週の修士には higher rate と standard rate があり、MA Interior and Spatial Design が higher rate。国際学生で£3,995の差です。

3つめ、MA Global Collaborative Design Practice は表記が他と違います。コースページは年額(Home £7,550/International £19,845)、学費ページの2年制の欄は standard rate で Home £15,100/International £39,690 +「その半額を1年目に支払う必要がある」。年額の2年分と総額は一致しますが、コースページの期間は「72週・2年」、学費表の見出しは「60-week courses (2 years)」で週数が一致しません。

4つめ、学部の金額は年度によって動きます。2026/27年度に始める学生はHome £9,790/International £30,890で、コースページの£10,050/£31,510はその1年後の2027年9月入学の金額です。国際学生には「学費は課程の後年度に最大5パーセントまで上がる可能性があります」という注記もあります。

5つめ、オンライン課程だけ値上げの時期と金額が公表されています。UAL Onlineは「2027/28学年度の学費は、2027年9月に£2,650へ上がります」と記し、「居住国によっては、2027年1月から学費に加えて売上税(Sales Tax)を支払う必要が生じる場合があります」とも書いています。UAL卒業生には20パーセントの進学割引もあります。

学費以外にかかるお金と奨学金

項目金額公式ページの年度表記
学費デポジット(国際学生)£4,000(学費に充当)年度の記載なし
生活費の目安(年間)£19,7502025/26年度
材料費(BA Graphic Design/BA Illustration の例)スケッチブック1冊£5から£20/USBメモリ£5から£10/印刷費 年£30から£80/Adobe Creative Cloud 年£42/道具と材料 年£50/ノートパソコン推奨2027年9月入学のコースページ
材料費(BA Fine Art: Photography の例)任意のフィールドトリップ 1回£5から£30/印刷費 年£30から£80/最終プロジェクト費用£30から£300/追加の道具・材料・ソフトウェア 年£50から£100同上
材料費(MA Designer Maker の例)文具 年£5から£30/模型製作の道具と材料 年£10から£40/個人用の手工具(任意)£10から£200/プロジェクト材料 年£50から£400/ノートパソコン推奨2026/27年度入学のコースページ
材料費(MA Interior and Spatial Design の例)印刷費 年£50から£200/模型の材料 年£100から£300/展示の設営 年£100から£300/ノートパソコンまたはデスクトップ同上
オンラインプラットフォームの維持費年£20(BA/MA Fine Art: Computational Arts)。MA Fine Art: Painting は年£20から£125各コースページ
交通費の割引Student Oyster photocard でトラベルカードとバスのパスが30パーセント割引。TfLのホッパー運賃は1時間以内のバス乗り放題で£1.75年度の記載なし

国際学生の志願者はコースの席を確保するために£4,000の学費デポジットを支払う必要があります。学費に充当され、残りの初年度学費は在籍登録の前に支払います。

生活費は「UALの学生部長室は、2025/26年度の生活費として年間に必要な平均額を£19,750と見積もっています」とあります。これは学費とは別にかかるお金で、大学に払う額ではありません。注意したいのは学費と生活費で公式が示す年度が違うことです。学費£31,510は2027年9月入学、生活費£19,750は2025/26年度で、年度の違う数字を足した合計額は公式には存在しないため、本記事では合算を示しません。

金属・陶芸・鋳造・版画の工房を持つカレッジでは、材料費など学費以外の出費を低く見積もらないほうが安全です。

奨学金はUAL全体の制度が適用されます。代表格がUAL International Postgraduate £10,000 Scholarshipsで、£10,000の学費免除が2026/27学年度に最大288件。対象資格はGrad Dip、M ARCH、MA、MFA、MBA、MRes、MScですがUAL Onlineのコースは対象外で、MA Illustration Practices (Online) は対象になりません。応募にはオファーの保持、Overseas区分の学費ステータス、学部での上位第二級優等(upper second-class honours)以上が必要です。さらに除外条項があり、公式は「英国で行った学修による英国の大学院(授業型)の資格、またはそれと同等の水準の資格をすでに保持している場合は、応募する資格がありません」と明記しています。件数にも上限がありますので、奨学金を前提にした資金計画は立てないほうが安全です。

英語要件と、試験が免除される場合

下の表は主な試験を抜粋したものです。公式ページにはこのほか LanguageCert Academic、Oxford Test of English、国際バカロレア(IB)なども掲載されていますので、お持ちの資格が表にない場合も、必ず公式の一覧でご確認ください。

試験IELTS 6.0 相当(学部9コース/Graduate Diploma Illustration)IELTS 6.5 相当(修士13課程)
IELTS Academic総合6.0・各技能5.5以上(有効期間2年)総合6.5・各技能5.5以上(有効期間2年)
TOEFL iBT総合80(Listening 17/Reading 18/Writing 17/Speaking 20)総合90(Listening 17/Reading 18/Writing 17/Speaking 20)
TOEFL iBT(2026年1月以降の新方式)総合4・各技能4総合4.5・各技能4
PTE Academic/PTE Academic UKVI総合59・各技能59(PTE Academic Online は不可)総合59・各技能59(PTE Academic Online は不可)
Cambridge C2 Proficiency総合169・各技能162総合176・各技能162
Cambridge C1 Advanced総合169・各技能162(2015年1月以降のCAE)総合176・各技能162
Cambridge B2 First総合169・各技能162不可(Not valid)
Trinity ISEISE II Merit/B2 90ISE III Pass/C1 105
PSI Skills for EnglishB2 Pass with MeritC1 Pass・各技能Pass

この表で注意していただきたい箇所が2つあります。

1つめ。PTE Academicのスコアが、IELTS 6.0相当の欄とIELTS 6.5相当の欄で同じ「総合59・各技能59」になっています。公式ページの記載をそのまま写すとこうなります。一次情報の記載が重なっている状態ですので、PTEでの出願をお考えの方は、必ず出願前にUALへ直接ご確認ください。本記事ではどちらかを正しいものとして断定することは避けます。

2つめ。Cambridge B2 First は、IELTS 6.5相当の課程では「不可」と明記されています。学部では使える資格が、修士では使えません。学部からカンバーウェルの修士へ進む方は、持っている資格が通用しなくなることがあります。

公式ページは「以下のいずれかのカテゴリーの要件をすべて満たす場合、英語の試験を受ける必要はありません」として、4つの免除カテゴリーを示しています。

カテゴリー条件(すべてを満たす必要があります)
1. 英語圏の国英国ビザ・移民局が指定する英語を主要言語とする国の国民であること/英語を主要言語とする国で中等教育を全課程修了していること。「英国または英語を主要言語とする国で中等教育の一部のみを受けた場合、試験の免除は受けられません」
2. 英国の永住者・適法な居住者英国に恒久的かつ適法に居住する非英国籍者であること/学習が認められる在留資格を持ち、在学中に学生ビザを必要としないこと/英国または英語を主要言語とする国で中等教育を全課程修了していること(一部のみは不可)
3. 英語で教えられた学位英語で教えられた、英国の学士相当以上の資格を保持していること/かつ、UALで学ぶ予定の課程がRQFレベル6(BA、MA以上)であること。これらの資格は発行日から3年間有効で、課程の開始日に有効である必要があります。さらに「資格ごとに最低成績を定めています(We set minimum grades for each qualification)」とあり、同ページの「Degree qualifications」欄で確認が必要です
4. 英国の英語資格18歳以下のときに英国で開始したGCSE、Aレベル、スコティッシュ・ナショナル・クオリフィケーション、スコティッシュ・ハイヤー、アドバンスト・ハイヤーの英語または英文学の資格。出願後にUALポータルから連絡し、証明書を提出する。発行日から3年間有効。こちらも「資格ごとに最低成績を定めています」とあり、同ページの「Alternative qualifications」欄で確認が必要です

公式は冒頭で「以下のいずれかのカテゴリーの要件をすべて満たす場合」と書いています。カテゴリーの中は「どれか1つ」ではなく「全部」です。

カテゴリー3のただし書きは見落とされがちです。英語で教えられた学位を持っていても、UALで学ぶ課程がRQFレベル6(学士・修士以上)でなければ免除にはなりません。さらにカテゴリー3と4のどちらにも「資格ごとに最低成績を定めています」という条件が付き、資格を持っているだけでは足りません。またカテゴリー1と2の「中等教育の一部のみでは免除されない」という条件も、短期の交換留学や高校の一部を英語圏で過ごした方には関わります。

スコアは「5つのスコア(総合+4技能)を1回の受験で取得する必要があります。異なる時期に受けた試験の結果や『ベスト・オブ』の結果は受け付けません」。ただし例外があります。公式は「4技能のうち1つを再受験する必要がある志願者について、IELTS One Skill Retake を受け付けます」と明記し、すべてのスコア要件を満たし受験日が開始日から2年以内であれば有効としています。1技能だけ足りない場合、全科目を受け直す必要はありません(累積スコアは不可)。

ロンドン南東部という立地

ペッカムのライ・レーンの商店街
ペッカムのライ・レーン。UAL公式の周辺案内は、56の個性的な店が並ぶライ・レーン・マーケットを学生向けに紹介しています/撮影:Chris Whippet(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

UAL公式の「About us」はこう書いています。「多くの学生がカンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツの近くに住んでいます。徒歩圏内に5つの学生寮があります。私たちのロンドン南東部という立地は、活気あるアートの場でもあります。この地域には、学生・教職員・卒業生が働き、展示する、さまざまなギャラリー、プロジェクトスペース、スタジオがあります」。そのうえで学内のCamberwell Spaceに加え、Work Form、Garudio Studiage、DKUKを名指しで挙げます。

ペッカム・レベルズの内部。立体駐車場を転用した空間
ペッカム・レベルズ。立体駐車場を転用した施設で、UAL公式の周辺案内は80を超える独立したクリエイティブ事業者が入っていると紹介しています/撮影:Thomas Roberts(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

公式の「Local area guide(周辺案内)」はさらに具体的です。Copeland Gallery & Bussey Building、Hannah Barry Gallery、全席£7.59の映画館Peckhamplexが並び、South London Galleryには「私たちの隣人。入場無料で、授業の合間に息をつける素晴らしい場所です」と添えられています。イラストレーション専攻の卒業生が立ち上げたOuthouse Gallery、立体駐車場を転用したPeckham Levels、£4.50のファラフェルのラップといった具体的な価格まで書かれた店も並びます。

チェルシーの周辺案内が国会議事堂やテムズ川に近い一帯の店を紹介していたのに対し、カンバーウェルの案内はほぼ全てが「安く、歩いて行けて、地域が運営している」場所です。

キャンパスの所在地とアクセス

ペッカム・ライ駅の駅舎
ペッカム・ライ駅。UAL公式の周辺案内は、ピーカム・ロード側の校舎に通う場合はこの駅が便利だと記しています/撮影:Dr Neil Clifton(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

特徴のひとつが最寄りに地下鉄の駅がないことです。UAL公式の「Find us」は地下鉄での行き方を「ノーザン線でオーヴァル(Oval)まで行き、そこから36番または436番のバス」と案内しています。

手段公式「Find us」および周辺案内の記載
鉄道(ピーカム・ロード側)ペッカム・ライ(Peckham Rye)駅。オーバーグラウンドのウィンドラッシュ線とナショナルレール
鉄道(ウィルソン・ロード側)デンマーク・ヒル(Denmark Hill)駅。オーバーグラウンドのウィンドラッシュ線とナショナルレール
鉄道の所要時間両駅とも中心部から約15分
地下鉄ノーザン線でオーヴァルまで行き、36番または436番のバスに乗り換え
バスカレッジは12番、36番、171番、345番、436番の主要路線沿い。近くのカンバーウェル・グリーンにはさらに多くの路線が停車
自転車ピーカム・ロードとウィルソン・ロードの両方の敷地に駐輪ラック。ライムバイクがピーカム・ロード沿いによくあり、学生に人気
駐車敷地内に障害者用の駐車枠はなし。ピーカム・ロードとウィルソン・ロードの路上にいくつか
ヒースロー空港からピカデリー線でレスター・スクエアへ、ノーザン線の南行きでオーヴァルへ、36番または436番のバス
ガトウィック空港から鉄道でウォータールーへ、ノーザン線でオーヴァルへ、36番または436番のバス
スタンステッド空港から鉄道でリヴァプール・ストリートへ、35番のバスでカンバーウェル・グリーンへ。そこから徒歩10分
ルートン空港から鉄道でデンマーク・ヒルへ、徒歩または40番・176番・484番・185番のバスでカンバーウェル・グリーンへ、そこから36番・171番・436番
ロンドン・シティ空港からDLRでバンクへ、ノーザン線でオーヴァルへ、36番または436番のバス
デンマーク・ヒル駅の駅舎
デンマーク・ヒル駅。UAL公式の周辺案内は、ウィルソン・ロード側の校舎に通う場合はこの駅が便利だと記しています/撮影:David Robinson(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

UAL公式の周辺案内は「カレッジはカンバーウェルとペッカムのあいだに位置し、どちらの街も徒歩10分から15分の距離です」とし、バスがロンドン南東部各地と、またウォータールー、ウェストミンスター、ウエストエンドと直通で結んでいると書いています。

カンバーウェル・グリーンの緑地と周囲の建物
カンバーウェル・グリーン。UAL公式の案内は、ここに多くのバス路線が停車すると記しています/撮影:N Chadwick(Geograph Britain and Ireland)/出典:Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

出願の進め方

学部課程はUCASを通じた出願です。2027年9月入学分の締切は2027年1月13日18時(GMT)で、「この日以降も空きがある場合、定員が埋まるまで出願を受け付けます」と添えられています。流れはUCASでの出願、PebblePadでのポートフォリオ提出、オンライン面接の3段階です。

なお、BA Landscape Designのページだけは締切の表示が他の8コースと違いました。他が「2027年1月13日18時(GMT)」と日付を示すのに対し、こちらは「2026/27年度入学の出願は現在締め切られています。2027/28年度入学の出願は2026年秋に開始します」という大学院と同じ文言でした。同じカレッジの同じ学部課程で表示が食い違っています。公式ページとUCASの両方でご確認ください。

大学院課程とGraduate Diplomaは、志望コースのページから直接UALに出願します。2026年10月3日時点では全課程に「2026/27年度入学の出願は現在締め切られています。2027/28年度入学の出願は2026年秋に開始します」と表示されていました。手順は初回出願(ステートメント最大500語)、動画課題とデジタルポートフォリオ、面接の3段階です。

MA Illustration Practices (Online) だけは手順が異なり、初回出願でCV、学位証明書と成績証明書、300語のステートメントを提出し、審査を通ると最大3プロジェクトのポートフォリオと2分から3分の動画の提出案内が届きます。入学は1月・5月・9月の年3回です。

卒業生

カンバーウェルで学んだことをUAL公式かテート(Tate)の資料で確認できた人物だけを挙げます。

UAL公式が挙げている現役世代の卒業生

UAL公式の「About us」ページは、「カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツは個性を尊重します。(中略)これらの資質が、卒業生がそれぞれの分野で国際的な評価を得ることにつながってきました」として8名を挙げています。

名前UAL公式「About us」の記載
マット・クラーク(Matt Clark)United Visual Artists クリエイティブディレクター
マシュー・ストーン(Matthew Stone)アーティスト
アリエス・モロス(Aries Moross)Studio Moross アートディレクター
エロル・ドナルド(Errol Donald)クリエイティブディレクター、キュレーター、教育者
アリス・ホーキンス(Alice Hawkins)写真家
ジョディ・バートン(Jody Barton)イラストレーター
エマ・トーマス(Emma Thomas)A Practice for Everyday Life 共同創業者
ジャック・サックス(Jack Sachs)アニメーター、イラストレーター

UAL公式は、この8名の在学年次や修了コースを記していません。本記事でも補いません。

テートの資料で確認できる卒業生

名前テートの資料で確認できる記載
ハワード・ホジキン(Howard Hodgkin、1932年〜2017年)テートの訃報発表は「彼は1949年から50年にかけてカンバーウェル美術学校で学び、続いて1950年から54年までバース美術アカデミーで学んだ」と記し、同じ文章で「1984年に第41回ヴェネツィア・ビエンナーレで英国代表を務め、1985年にターナー賞を受賞した」と記しています。テートの理事(1970年〜76年)、ナショナル・ギャラリーの理事(1978年〜85年)も務めました
ジリアン・エアーズ(Gillian Ayres、1930年〜2018年)テートのターナー賞1989年の候補者紹介は「イングランドの画家。ロンドンのカンバーウェル美術学校で学んだ(1946年〜50年)」と記しています。1989年のターナー賞最終候補
キャシー・ド・モンショー(Cathy de Monchaux)テートのターナー賞1998年の候補者紹介は「イングランドの彫刻家。カンバーウェル美術学校(1980年〜83年)とゴールドスミス・カレッジ(1985年〜87年)で学んだ」と記しています。1998年のターナー賞最終候補
シン・ワイキン(Sin Wai Kin、1991年生)テートのターナー賞2022年の候補者紹介は「シン・ワイキンは1991年カナダのトロント生まれ。ロンドン芸術大学カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツと、ロンドンの王立芸術大学で学んだ」と記しています。2022年のターナー賞最終候補
マイク・リー(Mike Leigh、映画監督)テートの機関誌『Tate Etc.』のインタビューで本人が「それから、1960年代にカンバーウェル美術学校にいたとき、私は気づきはじめたのです」と語り、画家ターナーを絵画の面から理解しはじめた経緯を説明しています。このインタビューは、リーが監督した映画『ターナー、光に愛を求めて(Mr. Turner)』(2014年)に合わせたものです

ターナー賞を「受賞」したことが確認できたのは、ハワード・ホジキン(1985年)の1名です。他の3名は最終候補。この賞の最終候補に1989年、1998年、2022年と30年以上にわたってカンバーウェルで学んだ人が入っていることのほうが、この学校については意味のある事実でしょう。

ジリアン・エアーズについては、テートの機関誌に在学時の一節があります。「1946年、16歳の学生としてカンバーウェル美術学校に着いた彼女は、ウィリアム・コールドストリームが率いる当時支配的だった『ユーストン・ロード派』の教えをただちに無視することを選び、代わりに、より前を向いた自由な態度だと彼女が考えたヴィクター・パスモアの土曜クラスを選んだ」

音楽の領域からも1人います。UAL公式のカンバーウェル・スペースのページは、2015年の卒業生展について「この展覧会は、カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツのもう1人の卒業生である、故人となったミュージシャンのシド・バレットの作品から題名を取り」と書いています。ピンク・フロイドの創設メンバーシド・バレット(Syd Barrett)をUAL公式が卒業生と記した記述です。

卒業生ではなく、教えた人たち

UALの公文書館カタログが挙げている長い人名の一覧は、「カンバーウェルで教えた人」であって卒業生ではありません。

名前テートの資料で確認できる在職の記載
ウィリアム・コールドストリーム(Sir William Coldstream、1908年〜1987年)「彼は1945年7月に帰国し、11月に数人の友人とともにカンバーウェル美術工芸学校の教員に加わった。1948年に絵画科長となったが、翌年にはユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのスレイド美術学教授に任命された」。ナショナル・ギャラリー理事(1948年〜63年)、テート・ギャラリー理事(1949年〜63年)、英国映画協会会長(1964年〜71年)。テートは彼の作品《Nude, Camberwell》(1945年〜48年)を所蔵しています
フランク・ボウリング(Sir Frank Bowling、1934年生)「1975年にボウリングはロンドンに戻り、1975年から1982年までカンバーウェル美術学校とバイアム・ショー美術学校で教えた」。同じページによれば、彼自身が学んだのはリージェント・ストリート・ポリテクニック、チェルシー美術学校、シティ・アンド・ギルズ・オブ・ロンドン美術学校、そして王立芸術大学で、カンバーウェルの学生ではありません
ヴィクター・パスモア(Victor Pasmore、1908年〜1998年)UALの公文書館カタログが教員として記載。前述のジリアン・エアーズに関するテートの記事にも「ヴィクター・パスモアの土曜クラス」として登場します
フィリダ・バーロウ(Phyllida Barlow、1944年〜2023年)テートの展覧会カタログの年譜に「1986年 ブライトン・ポリテクニックの教職を離れ、アーティストのブライアン・キャトリングと分け合う形でカンバーウェル美術学校の非常勤の教職を得る」と記されています

このほか公文書館カタログは、ローレンス・ガウイング、ジョン・ミントン、クロード・ロジャース、エドワード・アーディゾーニ、ベルトルト・ヴォルペらの名も教員として挙げています。いずれも卒業生としての記録ではありません。カンバーウェル出身として紹介されることのある複数の人物については、UAL公式とテートのいずれにも記載を確認できませんでした。

まとめ

いかがだったでしょうか。要点は次の7つです。

  • ロンドン南東部に2つの敷地(45-65 Peckham Road / 1 Wilson Road)。チェルシー、ウィンブルドンとともにCCWとして連携。1898年1月10日に「カンバーウェル美術工芸学校」として開校し、「職人が自分自身の仕事のデザイナーになる手助けをすること」を目的に掲げました
  • MAファインアートの6課程は、2026/27年度以降に15か月から12か月へ移行中で、公式が「コースの構成と内容を変更する過程にある」と告知しています。BA/MA Landscape Design の2課程も検証(validation)中で、掲載内容が変わる可能性があります
  • ファインアートを媒体ごとに別の学位に分けるのが最大の特徴。学部は Drawing/Painting/Photography/Sculpture の4課程が募集中(Computational Arts は募集停止)、大学院は Printmaking を加えた6課程です
  • 学部は募集中8コース+募集停止1コース。3年制、UCAS経由、2027年9月入学の締切は2027年1月13日18時(GMT)。IELTS 6.0、GCSE 3科目、ポートフォリオ最大30ページ、オンライン面接15分から20分
  • 大学院は修士13課程+Graduate Diploma 1課程。IELTS 6.5。ほぼ全ての課程に2分から3分の動画課題とオンライン面接があります。ポートフォリオ上限はファインアート6課程が20ページ、デザイン系が30ページで、いずれも動画課題を含みます
  • BA (Hons) Fine Art: Computational Arts は2026/27年度・2027/28年度とも募集停止。Graduate Diploma Illustration は2026/27年度の入学者を最後に休止が予告され、その出願も締切済みです。新たに出願できるGraduate Diplomaはありません
  • 学費は学部が2027年9月入学で Home £10,050/International £31,510(年額)、修士が2026/27年度入学で Home £14,420〜£15,790/International £30,890〜£34,885(コース全体の費用)
  • 卒業生としてUAL公式が挙げるのは現役世代の8名とピンク・フロイドのシド・バレット。テートの資料では1985年にターナー賞を受賞したハワード・ホジキン(1949年〜50年在学)ほかが確認できます

学費、出願日程、開講状況は年度ごとに変わります。募集停止はコースページ最上部のステータス表示とコース一覧ページの募集停止欄の2か所に分かれて出ますので、必ず両方をご確認ください。本記事で挙げた公式サイト内の食い違い(PTEのスコア、BA Landscape Designの締切表示、MA Global Collaborative Design Practice の週数)も、出願前にUALへ直接ご確認ください。

Euphoric " " の視点

カンバーウェルは、ファインアートの媒体をそれぞれ別の学位にしています。絵画、彫刻、版画、写真が、独立した学位の名前として並んでいます。

同じロンドン芸術大学のチェルシーは逆です。学部のファインアートについて、公式がパスウェイに分けないと書いています。ひとつの学位のなかで、媒体を横断して進む形です。

つまりひとつの大学のなかに、学位の単位で分ける設計と、ひとつにまとめる設計が並んでいることになります。どちらかが正しいという話ではなく、志望する人が選べるようになっているのだと考えられます。

進学先を選ぶとき、大学の名前だけで決めると、この違いは見えません。同じ大学の別のカレッジが、まったく違う考え方で学科を組んでいることがあります。カレッジの単位まで降りて見てみる価値があります。

ポートフォリオの作り方に不安がある方は、ポートフォリオ添削サービス「PORTFOLIO SENSEI」もあわせてご覧ください。

もっと知るには

本記事の情報は、カンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツおよびロンドン芸術大学の公式サイト(arts.ac.uk)、UALの公文書館カタログ(archives.arts.ac.uk)、UAL Online(ualonline.arts.ac.uk)、ヒストリック・イングランドの国家遺産リスト、テート(tate.org.uk)をもとに確認しています。学費・出願日程・コースの開講状況は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。

内容公式ページ
カンバーウェル公式トップページCamberwell College of Arts(英語)
カレッジの紹介と卒業生Camberwell College of Arts「About us」(英語)
学部課程コース一覧(募集停止コースの確認もこちら)Camberwell College of Arts「Undergraduate courses」(英語)
大学院課程コース一覧Camberwell College of Arts「Postgraduate courses」(英語)
工房と設備Camberwell College of Arts「Facilities」(英語)
学内ギャラリー Camberwell SpaceCamberwell College of Arts「Camberwell Space」(英語)
研究と研究学位Camberwell College of Arts「Research」(英語)
周辺案内(学生向け)Camberwell College of Arts「Local area guide」(英語)
アクセス(2か所の住所と行き方)Camberwell College of Arts「Find us」(英語)
学費デポジット(国際学生・£4,000)UAL「International students and money」(英語)
国際学生向け大学院奨学金(£10,000・最大288件)UAL「UAL International Postgraduate £10,000 Scholarships」(英語)
比較したチェルシーのBA Fine Art(パスウェイに分けない設計)Chelsea College of Arts「BA (Hons) Fine Art」(英語)
英語要件(スコア表と免除の条件)UAL「English language requirements」(英語)
大学院の学費表UAL「Postgraduate tuition fees」(英語)
学部の学費表UAL「Undergraduate tuition fees」(英語)
生活費の目安UAL「Living costs」(英語)
オンライン課程(MA Illustration Practices)UAL Online「MA Illustration Practices (Online)」(英語)
カンバーウェルの沿革(公文書館カタログ)UAL Archives「CAMB – Camberwell College of Arts Archive」(英語)
ピーカム・ロードの建物の登録記録Historic England「South London Art Gallery」(登録番号1385776・英語)
ウィルソン・ロードの建物の登録記録Historic England「Camberwell College of Arts and Gate Piers at Entrance」(登録番号1386051・英語)

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