プラット・インスティテュートとは?QS世界5位の学費・出願・スクール構成を徹底解説

プラット・インスティテュートとは?QS世界5位の学費・出願・スクール構成を徹底解説
アイキャッチ使用画像|プラット(作成 2026-10-01 / Saki) Commonsファイル : Pratt_Main_sunny_square_jeh.jpg Commonsページ : https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Pratt_Main_sunny_square_jeh.jpg 画像URL : https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d4/Pratt_Main_sunny_square_jeh.jpg/1280px-Pratt_Main_sunny_square_jeh.jpg ライセンス : CC0(パブリックドメイン相当) 撮影者 : Jim.henderson(Jim Henderson) 撮影日 : 2010-12-09 被写体 : プラット・インスティテュート メイン・ビルディング 画像内の表記 : 画像:プラット・インスティテュート メイン・ビルディング / Photo: Jim.henderson / CC0 / Wikimedia Commons 処理: 切り取り・色調整なし。object-fit:contain で全体を収め、余白は黒帯。 文字は写真の上に重ねず、右のクリーム地パネル(別領域)に配置。 大学のロゴは使用していません(仕様書15-2)。

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こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。

皆さんはプラット・インスティテュート(Pratt Institute)という大学をご存知ですか。アメリカ・ニューヨークのブルックリンにある私立の美術・デザイン大学で、建築、美術、デザイン、情報学、リベラルアーツまでを一つの大学の中に抱えています。QS世界大学ランキングのアート&デザイン部門2026年版で世界5位にランクインし、前年の7位から2つ順位を上げました。

本記事では2026年10月時点で、プラット・インスティテュート公式サイト(pratt.edu)で確認できた情報だけを使って、創立の経緯から学部・大学院の構成、学費、出願の進め方までをご紹介します。それでは早速いってみましょう。

プラット・インスティテュートの基本情報

正式名称Pratt Institute(プラット・インスティテュート)
創立1887年
創立者チャールズ・プラット(Charles Pratt)
設置形態私立・非営利(Private Nonprofit)
本校所在地200 Willoughby Avenue, Brooklyn, NY 11205
その他の拠点マンハッタン(144 West 14th Street)/ユティカ(Pratt Munson College of Art and Design)
学長(President)フランシス・ブロネット教授(Frances Bronet、2018年就任、12代目学長)
学生数5,114名(2025年秋時点)
スクール5つ(建築/美術/デザイン/情報学/リベラルアーツ&サイエンス)+継続教育のSchool of Continuing and Professional Studies
学位プログラム学部・大学院あわせて「nearly 50」(公式サイトAbout Usページの表現。別のページには「58 programs」との記載もあります)
学生対教員比率8.9対1(2025年秋、FTE換算。ユティカのMunson校を除く)
QSランキングアート&デザイン部門2026年版で世界5位、総合スコア87.5
プラット・インスティテュートのメイン・ビルディング、ブルックリン本校
ブルックリン本校のメイン・ビルディング/撮影:Jim Henderson(CC0)/出典:Wikimedia Commons

QSランキングの読み方は【最新!2026年版】アート&デザイン部門 QS世界大学ランキングで詳しく解説しています。同じ記事で1位のロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)、2位のロンドン芸術大学(UAL)も紹介していますので、あわせてご覧ください。

創立からいまに至るまで

1887年、チャールズ・プラットの理念

プラット・インスティテュートが生まれたのは1887年のことです。公式サイトの沿革ページは、当時のニューヨークについて「経済が急速に工業化し、ニューヨークの人々は変化する世界に適応する新しい方法を必要としていた」と振り返っています。チャールズ・プラットは教育の持つ力を深く信じており、大胆な使命を掲げて学校を立ち上げました。その理念は公式サイトの言葉を借りると「階級、肌の色、性別を問わず、すべての学生に手の届く大学教育を提供する」というものです。19世紀のアメリカでこの理念を掲げた学校があったということは、覚えておく価値があると思います。

初期の卒業生は、建築家やエンジニア、そしてドレスメーカーとして世に出ました。公式サイトは、彼らが「リベラルアーツと並行して自分の専門分野を追究し、世界への幅広い理解を自ら選んだ生業に持ち込んだ」と説明しています。実技と教養を並べて教えるという姿勢は、創立から140年近くたった今もプラットの性格として続いています。

ブルックリンの25エーカーと彫刻の庭

創立の地はブルックリンの25エーカー(約10万平方メートル)の敷地で、プラットは今もここを本拠地としています。キャンパスには70点を超える彫刻が並ぶSculpture Parkがあり、公式サイトは「ニューヨーク市内でも最大級のひとつ」としています。作品は入れ替わりながら展示され、多くは数年単位でキャンパスにとどまります。マーク・ディ・スヴェロ、サンティアゴ・カラトラバ、ビバリー・ペッパー、ケネス・スネルソンといった作家の名前が公式サイトに挙がっており、著名な作家や在学生・卒業生が作品を貸し出すかたちで構成されているとのことです。

1996年の火災と、スティーブン・ホールが設計した中央棟

建築系プログラムの拠点であるHiggins Hallには、もう一つのエピソードがあります。この建物はもともとAdelphi Academyという私立学校の校舎でした。同校はのちにアデルフィ大学へ発展し、ニューヨーク州ガーデンシティへ移転しています。公式のキャンパスツアー資料はHiggins Hallの年を1868年としており、最初の建物に東棟と西棟が1868年・1871年に、2棟目が1889年に加わったと説明しています。プラットがこの建物群を取得したのは1963年で、ジョン・ヒギンズ夫人の寄付によるものでした。現在の名称もこれに由来します。建築スクールが本館からHiggins Hallへ移ったのは1970年です。

1996年、Higgins Hallで4アラーム(第4出動)規模の火災が起こり、公式資料の言葉では中央棟と北棟に重大な損傷を与えました。建築家スティーブン・ホール(Steven Holl)の事務所が設計を担当し、1997年から2005年にかけて、北棟と南棟をつなぐ新しい中央棟がつくられました。ホール自身の公式サイトによると、新設部分は約2,090平方メートル(22,500平方フィート)で、火災で焼け残った赤レンガを再利用した中庭が東西に2か所設けられています。

この校舎の見どころは、北棟と南棟でそろっていなかった床の高さを、そのままガラスの中央棟に引き込んでいる点です。ずれは上の階へ行くほど大きくなり、1階では約1.3センチ(2分の1インチ)、2階では約51センチ(1フィート8インチ)、3階では約145センチ(4フィート9インチ)、4階では約2メートル(6フィート7インチ)になります。ホールの事務所はこれを「不協和のゾーン(dissonant zone)」と呼び、「指の太さほどの厚みから、人の身体の寸法へと移っていく」と説明しています。焼け跡から生まれた校舎は、今もプラットの建築教育の象徴的な場所になっています。

Higgins Hallのレンガ造の棟。もとはAdelphi Academyの校舎
Higgins Hallのレンガ造の棟。もとはAdelphi Academyの校舎で、1970年からプラットの建築スクールが使っています/撮影:Bmzuckerman(CC BY 4.0)/出典:Wikimedia Commons
スティーブン・ホール設計のHiggins Hall中央棟のガラスファサード
1996年の火災のあと、スティーブン・ホールの設計で1997年から2005年にかけてつくられたHiggins Hallの中央棟/撮影:Shuo Yan(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons

ブルックリン初の公共図書館

プラットには、大学の枠を超えたもう一つの功績があります。チャールズ・プラットは学校の開校前から「無料の貸出図書館と閲覧室をつくる」と約束しており、1888年1月、メイン・ビルディングの1階にPratt Institute Free Libraryの最初の分館が開設されました。開設時の蔵書は約1万冊、定期刊行物は約150誌でした。当時のブルックリンは独立した都市で、自前の公共図書館を持っていませんでした。ブルックリン公共図書館が設立されるのは1896年で、最初の分館(ベッドフォード図書館)が開館したのは1897年12月20日です。

プラットの図書館は、一般に公開され、年会費を求めなかったという意味においてブルックリンで最初の公共図書館にあたると、公式サイトの図書館ブログは説明しています。運営費は公費ではなくチャールズ・プラット個人の寄付によってまかなわれていましたが、蔵書は誰にでも開かれていました。1896年には専用の図書館建物が完成し、コレクションはそこへ移されています。設計はウィリアム・B・タビー、内装はティファニー・グラス・アンド・デコレイティング社が手がけました。

一般への開放は1939年に終了します。閉鎖を発表したのは、創立者と同名の孫にあたるチャールズ・プラットでした。当時のブルックリン・デイリー・イーグル紙(1939年10月2日)は「52年にわたる市民への奉仕」の終了として報じています。開設時にプラットの学生は14名でしたが、1939年には5,336名まで増えており、公共図書館の運営が自治体の仕事になっていったことが背景にありました。

プラット・インスティテュート図書館の建物、ブルックリンのクリントンヒル
クリントンヒルにあるプラット・インスティテュート図書館の建物/撮影:Ginamshelton(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons

5つのスクールと主なプログラム

プラットは学位を授与する5つのスクールと、学位を出さない継続教育のスクールで構成されています。公式のQuick Factsが「在籍者数の多い上位区分」として挙げている2024年秋の数字をみると、School of Design 1,861名、School of Art 1,781名、School of Architecture 1,115名、School of Information 336名、School of Liberal Arts and Sciences 158名という順です(この表は上位の抜粋で、総学生数の全内訳ではありません)。学生数がそのまま建築とデザインの学校であることを物語っています。

スクール在籍者数(2024年秋)在籍者数トップの専攻
School of Design1,861名コミュニケーションデザイン 664名
School of Art1,781名ファインアート 518名
School of Architecture1,115名建築(学部・大学院) 763名
School of Information336名(大学院のみのスクール)
School of Liberal Arts and Sciences158名(全学生の一般教養も担当)

School of Architecture(建築スクール)

学部はBArch(Bachelor of Architecture)が中心で、Morphology Concentrationという専攻も選べます。ほかに建設管理のBPS(Construction Management)があります。大学院はM.Arch(第一資格)とMLA(ランドスケープ・アーキテクチャ、第一資格)が中心で、これにMSが6つ並びます。内訳は、建築(ポストプロフェッショナル)、アーバンデザイン(同)、ヒストリック・プレザベーション(歴史的建造物の保存)、サステナブル環境システム、都市・コミュニティ計画(Urban and Community Planning)、都市のプレイスメイキングとマネジメントです。在籍者は学部・大学院あわせて1,115名(2024年秋)で、なかでも建築(学部・大学院あわせて)は763名とプラット全体でも最大の在籍者数を持つプログラムです。

School of Art(美術スクール)

公式が「8つの学科(eight distinct departments)」とする構成で、Art and Design Education、Associate Degrees、Creative Arts Therapy、Creative Enterprise Leadership、Digital Arts and Animation、Film/Video、Fine Arts、Photographyの8つです。学部にはファインアート、フォトグラフィー、2Dアニメーション、3Dアニメーション、ゲームアーツ、アート・アンド・デザイン教育などのBFAがあり、准学士(AOS/AAS)でゲームデザインやイラストレーション、グラフィックデザインを学ぶ道もあります。大学院はMFA(ファインアート、フォトグラフィー、3Dアニメーション、インタラクティブアーツ)に加えて、アートセラピー、ダンス・ムーブメントセラピー、アート・カルチュラル・マネジメントといったMPS・MSプログラムがあります。ファインアートは学部・大学院あわせて518名、デジタルアーツは428名が在籍しています。

School of Design(デザインスクール)

学部はコミュニケーションデザインBFA(グラフィックデザインまたはイラストレーションを専攻)、ファッションデザインBFA、インテリアデザインBFA、そしてインダストリアルデザインBID(Bachelor of Industrial Design)の4つです。大学院にはコミュニケーションデザインMFA、ファッションのMFA(Fashion Collection + Communication)、インダストリアルデザインMID、インテリアデザインMFA、そしてPackaging, Identities and Systems DesignのMSがあります。コミュニケーションデザインは664名、インダストリアルデザインは361名、インテリアデザインは355名が在籍しており、学生数ではプラット最大のスクールです。

School of Information(情報学スクール)

図書館情報学のMS(Library and Information Science)を中心に、ミュージアム・アンド・デジタルカルチャー、データ分析と可視化、情報体験デザインなどのMSプログラムを持つ大学院のスクールです。図書館情報学と美術史のダブルディグリー(MSLIS/MA History of Art and Design)も用意されています。

School of Liberal Arts and Sciences(リベラルアーツ&サイエンス・スクール)

美術史・デザイン史、人文学とメディア研究、数学と科学、社会科学と文化研究、ライティングの5学科で構成されています(これに国際学生向けの英語支援と一般教育の区分が加わります)。学部の学位はクリティカル・アンド・ビジュアル・スタディーズ(BA)、美術史・デザイン史(BA/BFA)、ライティング(BFA)。大学院は美術史・デザイン史のMA、メディア・スタディーズのMA、ライティングのMFAがあります。ほかの4スクールで学ぶ学生の一般教養科目も、このスクールが担っています。

School of Continuing and Professional Studies(継続教育)

学位を目的としない社会人向け・生涯学習向けのプログラムを提供するスクールです。公式サイトは「取り組みやすく柔軟な形式で、プラットの学びの一端を提供する」としており、プレカレッジのプログラムや短期講座を通じて、キャンパス外の学習者にもプラットの教育を開いています。

キャンパス

本拠地はブルックリンの25エーカーのレジデンシャル・キャンパスです。ここにDock 72やファイザー・ビルといった最新設備も加わっています。マンハッタンには144 West 14th Streetに「Pratt Manhattan」と呼ばれる拠点があり、ランドマーク建築の中にギャラリーも備えています。さらにニューヨーク州ユティカには、美術大学Pratt Munson College of Art and Designを拡張キャンパスとして持っています。

研究面では、ブルックリン海軍工廠(Brooklyn Navy Yard)内に約1,860平方メートル(20,000平方フィート)のResearch Yardを設け、プラット全体の研究活動を一つ屋根の下に集めています。またガバナーズ島では、気候変動をテーマにした研究・教育拠点The New York Climate Exchangeの設立パートナーの一校になっています。プラットは、美術・デザインの独立系スクールとしては唯一、サステナビリティ推進団体AASHEからGoldレーティングを獲得した学校でもあります。

公式サイトはプラットの活動範囲について「プラットの影響力は、ブルックリンの25エーカーのレジデンシャル・キャンパスとDock 72・ファイザー・ビルの最先端施設を越えて、マンハッタンのランドマーク建築と公開ギャラリー、そしてニューヨーク州ユティカの拡張キャンパスであるPratt Munson College of Art and Designにまで広がっている」と説明しています。研究・制作の現場を大学の外へ積極的に広げている点は、実技を重視するプラットらしい姿勢だといえます。地域社会との関わりも大学の性格の一部で、Pratt Center for Community Developmentを通じてブルックリンの地域団体と協働しているほか、2023年秋にはバンク・ストリート・カレッジやニューヨーク市教育局と共同で、公立高校のDesign Works High Schoolを開校しています。

プラット・インスティテュートのサウス・ホール、1891年竣工
サウス・ホール(1891年竣工、設計はウィリアム・B・タビー)/撮影:Peter Greenberg(CC BY-SA 4.0)/出典:Wikimedia Commons
プラット・インスティテュートのライアソン・ウォーク・ゲート
キャンパスの入口にあたるライアソン・ウォーク・ゲート/撮影:Nandaro(CC BY-SA 3.0)/出典:Wikimedia Commons

学費(2026-27年度)

以下は公式サイトの学費ページで確認した、2026-27年度の金額です。アメリカの私立大学らしく、学費は日本の感覚からすると高額です。

区分金額
学部(フルタイム、12〜18単位)年間 $64,703
学部(パートタイム、1単位あたり)$2,087
大学院(School of Information以外、1単位あたり)$2,310
大学院(School of Information、1単位あたり)$1,894

このほかに、学期ごとの必須手数料(Academic Facilities Fee $350、Student Activities Fee $157、Technology Fee $305、Student Health Services Fee $200)が別途かかります。フルタイムの学部生なら1学期$1,012、年間で$2,024です。国際学生にはこれに加えてInternational Student Service Feeが1学期$100かかります。健康保険料は秋学期$1,403・春学期$1,956で、国際学生向けの保険(GEOBLUE)は滞在期間によって金額が変わります。

大学院の授業料は履修単位数で決まります。プラットは学資支援の判定上のフルタイムを「1学期9単位以上」と定めており、9単位×2学期(年間18単位)なら授業料$41,580、12単位×2学期(年間24単位)なら$55,440という計算になります。「大学院でフルタイム」と聞いたときに金額が幅を持つのは、この単位制のためです。

寮費・食費は学費ページには載っていません。公式は「寮と食事プランは学生生活課(Residential Life Office)が請求する」と明記しており、金額は別のCost of Attendance(学費・生活費の見積り)資料に出ています。2026-27年度の学部版では、住居費と食費が自宅通学$8,013/寮$19,530/学外で借りる場合$24,917、教科書・教材費$2,100、交通費$1,500(自宅通学・学外居住の場合に計上)、その他の生活費$2,369と見積もられています。授業料・手数料を含めた年間総額の目安は、寮生$90,967/自宅通学$80,950/学外$97,854で、建築の新入生はここにさらに$3,500が加わります。国際学生の場合は、このほかにビザ関連の費用も見込んでおく必要があります。

出願の進め方

2026年10月時点で、プラットが出願を受け付けているのは2027年春入学と2027年秋入学です。以下は公式の出願要件ページで確認できた内容ですが、締切と要件は年度ごとに更新されますので、出願の直前には必ず公式サイトをご確認ください。

プラット・インスティテュートのメモリアル・ホール、ブルックリン本校
ブルックリン本校のメモリアル・ホール/撮影:Jim Henderson(CC0)/出典:Wikimedia Commons

学部(高校生・はじめて出願する方向け)

1年次生(高校からの新入生)と准学士課程の出願はCommon Appを通じて行います。編入生はCommon Appではなく、プラット独自のPratt Applicationから出願します(推薦状の依頼だけはCommon App経由でも可能です)。申込手数料はアメリカ市民・永住者が$50、国際学生が$90です。日程は3段階に分かれています。

区分期限結果通知
Early Action11月15日12月中旬まで
Priority Decision1月15日3週間以内
Regular Decision1月15日以降随時(3週間以内)

必要書類は、すべての在籍高校からの公式成績証明書、エッセイ、そしてポートフォリオです。エッセイはプラット独自の課題が必須で、250〜500語(または2ページ以内)と定められています。Common App側のエッセイは任意提出です。

ポートフォリオは専攻ごとに提出区分が決まっており、1年次生は10〜20点、編入生は20〜45点と点数が異なります。いずれも提出から遡って18か月以内に制作した作品を選び、それぞれに使用した素材・寸法・制作年を明記することが求められます。1年次生には、立体物や空間を直接観察して描いた作品を3〜5点含めるという条件もあります。建築、アート・アンド・デザイン教育、ファッションデザイン、インダストリアルデザイン、インテリアデザイン、グラフィックデザイン、イラストレーション、絵画、彫刻、写真などは「General Visual Portfolio」という共通の区分で提出します。建設管理(Construction Management)はポートフォリオの提出区分そのものが設けられていない唯一の専攻です。

専攻によっては、提出するもの自体が文章になります。フィルムと2年制のゲームデザイン准学士課程(AOS in Game Design and Interactive Media)は「ビジュアル部門+文章部門」の2部構成でどちらも必須です。一方、ライティング、クリティカル・アンド・ビジュアル・スタディーズ、美術史・デザイン史(BA)は文章そのものがポートフォリオで、ライティングは合計10ページ以内、残りの2つは5〜10ページ(1,500〜3,000語)が目安です。なお美術史・デザイン史はBFAならGeneral Visual Portfolio、BAなら文章という分かれ方をしています。

SAT・ACTのスコアはtest optional(任意)で、提出は必須ではありません。推薦状は任意提出で、最大3通まで添付できます(家族・友人からの推薦状は受け付けられません)。編入生(Transfer Applicant)の優先締切は2月15日、それ以降は定員が埋まるまで随時審査されます。秋以外に、10月1日を優先締切とする春入学の出願枠(国際学生は9月1日が推奨)もありますが、建築、ファッションデザイン、インテリアデザイン、インダストリアルデザイン、そしてAAS課程は春入学を受け付けていません。

大学院

大学院はプログラムごとに、プラットのオンラインシステムから直接出願します。申込手数料は国内$50・国際$90で、同時に出願できるのは1プログラムだけです(重複して出願すると後の分は無効になり返金されます)。締切は段階的で、春入学は10月1日が奨学金と合否の優先締切、以降11月1日(第2ラウンド)・12月1日(第3ラウンド)と定員が埋まるまで続きます。秋入学は1月5日が優先締切で、2月5日・3月5日・4月5日以降と第4ラウンドまで受け付けます。GREはどのプログラムでも不要です。共通の必要書類は、学士号の成績証明書、推薦状2通、志望理由書(Statement of Purpose)で、学科によってはポートフォリオ・文章サンプル・履歴書も求められます。

英語のスコア(国際学生向け)

学部の国際学生は、TOEFL iBTで92点、IELTS Academicで7.0、Duolingo English Testで125点、PTE Academicで62点、ケンブリッジ英検(C1・C2レベル)で183点のいずれかが必要です。TOEFLのMyBEST スコアは受け付けられません。スコアは出願する入学学期から2年以内に取得したものに限られます(2027年秋入学なら2025年8月以降の受験分)。アメリカの高校で最後の3年間を学んだ場合など一定の条件を満たせば免除を申請できますが、ESL課程の修了は条件に含まれず、免除の可否は入試課の裁量で判断されます。

大学院は学科ごとにスコアの基準が異なります。たとえばSchool of ArchitectureのM.Arch(第一資格)はTOEFL iBT 79・IELTS 6.5・ケンブリッジ英検176・Duolingo 110・PTE 53、School of Artのアート・アンド・デザイン教育(Initial Certification)はTOEFL iBT 100・IELTS 7.5・ケンブリッジ英検191・Duolingo 130・PTE 68です。大学院ではスコアの有効期間の数え方も学部とは異なり、出願する学期の優先締切(春は10月1日、秋は1月5日)から2年以内に取得したものである必要があります。

QS世界大学ランキング 2026年版で世界5位

プラットは、QS世界大学ランキングのアート&デザイン部門2026年版で世界5位(総合スコア87.5)にランクインしました。前年の7位から2つ順位を上げ、アメリカの大学としては3番手につけています。スコアの内訳は学術評判88.9、雇用者評判74.6です。公式サイトは「2015年にQSがこの部門を新設して以来、毎年世界トップ10の美術・デザイン大学として評価され続けている」と発表しています。

順位大学総合スコア学術評判雇用者評判
1Royal College of Art98.5100.085.4
2University of the Arts London95.596.289.4
3The New School93.394.483.4
4Rhode Island School of Design93.295.077.1
5Pratt Institute87.588.974.6

この部門のスコアは学術評判90%、雇用者評判10%で決まります。プラットの学術評判88.9は、1位RCA(学術評判100.0)や2位UAL(同96.2)にはおよびませんが、実技の充実度と産業界とのつながりを重視する学校づくりが評価につながっていると読み取れます。順位の背景やほかの大学との比較は、QS世界大学ランキング アート&デザイン部門の解説記事で詳しく取り上げています。

数字で見るプラット

プラット学内のOIRA(Office of Institutional Research and Assessment)が公表するQuick Factsから、進学を考えるうえで知っておきたい数字を挙げます。最新版は2025-26年版(2025年11月公開)で、項目によって公表されている年度が違うため、以下はそれぞれ対象年を添えてご紹介します。

2024年秋の総学生数5,356名のうち、986名が家族の中で初めて大学に進学する「ファースト・ジェネレーション」の学生でした。全体に対しては約18%ですが、この項目は未回答が1,475名(全体の約27%)あるため、判明している範囲だけでみると約25%になります。学部1年目から2年目への継続率(リテンション・レート)は2025年秋時点で91%(ブルックリン校とPratt Munson College 92%・ユティカのMunson校84%)。6年以内の卒業率は、直近で公表されている2019年度入学者コホートが74%、その前の2018年度入学者コホートも74%でした。

2023年7月から2024年6月にかけて授与された学位数は、準学士49、学士792、修士611です。卒業後の進路については、公式が「2023年卒業生の92%(学部)・91%(大学院)が、就職したか進学を継続したと回答した」と発表しています(2025年4月20日時点のFirst Destination Survey)。これは調査に回答した卒業生をもとにした数字です。

学費の負担を和らげる財政支援にも触れておきます。経済的必要性(ニード)が認められたフルタイムの新入生の場合、必要額の58.3%が平均的に満たされ、援助パッケージ全体の平均額は$38,070でした。この内訳のうち、ニードに基づく給付型(返済不要)の奨学金・グラントの平均は$7,771です。これはニード基準の給付を受けた学生だけを母数にした数字で、学力や作品を評価するメリット型の奨学金は別枠にあり、その平均額は$20,442(受給255名)です。ただし私立大学らしい高額な学費であることに変わりはなく、資金計画は早めに立てておくことをおすすめします。

項目数値
学生数(2025年秋)5,114名
リテンション・レート(2025年秋)91%
卒業率(6年以内、2019年度入学者コホート)74%
2023年卒業生の進路確定率(2025年4月時点)学部92%/大学院91%

卒業生

プラット公式サイトで卒業生として紹介されている人には、次のような人たちがいます。学位と卒業年は、公式サイトに記載がある場合のみ記しています。

氏名卒業年・学位代表的な功績
ウィリアム・ヴァン・アレン(William van Alen)記録なしニューヨークのクライスラー・ビルを設計した建築家
ロイド・モーガン建築 1911年ウォルドーフ=アストリアの設計に携わった建築家
アルフレッド・モシャー・バッツ記録なしボードゲーム「スクラブル」の考案者
タッカー・ヴィーマイスター記録なしOXOの「Good Grips」シリーズを手がけたプロダクトデザイナー
ジョージ・ロイス1952年クラス雑誌『エスクァイア』の表紙デザインで知られるアートディレクター
アナベル・セルドーフ建築学士 1985年Selldorf Architects創業者・主宰。2012年Alumni Achievement Award、2025年名誉学位
アレム・デュプレシコミュニケーションデザイン修士(MS) 1996年『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』のデザインディレクターを務めた
カン・イクチュン(姜益中)ファインアート修士 1988年1997年ヴェネツィア・ビエンナーレでSpecial Merit Award受賞のインスタレーション作家
シルヴィア・プラチーグラフィックアーツ学士 1965年『ヴィレッジ・ヴォイス』紙で約30年にわたり専属写真家を務めた

建築、プロダクト、グラフィック、ファインアート、写真と、分野の幅が広いことがプラットらしい顔ぶれだと思います。なおジョージ・ロイスは在学中に朝鮮戦争の徴兵で大学を離れており、公式サイトは卒業年ではなく「’52」というクラス年で紹介しています。

卒業生ではありませんが、『セサミストリート』のビッグ・バードなどを造形した人形制作者カーミット・ラブは、公式サイトでプラットの教員として紹介されています。ビッグ・バードというキャラクター自体を考えたのはジム・ヘンソンで、ラブはそれを形にした人にあたります。

まとめ

いかがだったでしょうか。プラット・インスティテュートについて見てきました。要点は次の5つです。

  • 1887年、チャールズ・プラットが「階級、肌の色、性別を問わず、すべての学生に手の届く大学教育を提供する」という理念のもとに創立しました
  • QS世界大学ランキングのアート&デザイン部門2026年版で世界5位(総合スコア87.5)、アメリカの大学では3番手です
  • 建築、美術、デザイン、情報学、リベラルアーツ&サイエンスの5スクールで構成され、学位プログラム数は公式サイトのAbout Usページで「nearly 50」とされています
  • 2026-27年度の学費は、学部が年間$64,703、大学院が1単位$2,310(School of Informationは$1,894)です
  • 本拠地はブルックリンの25エーカーのキャンパスで、70点を超える彫刻が並ぶSculpture Parkがあります。マンハッタンとユティカにも拠点を持っています
項目プラット・インスティテュート
創立1887年
学生数5,114名(2025年秋)
QSアート&デザイン部門2026年版世界5位/総合87.5
学部学費(2026-27年度)年間$64,703

学費も出願の要件も年度によって変わります。出願を具体的に考える段階では、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。

Euphoric " " の視点

プラット・インスティテュートは1887年に開校しました。その翌年、創立者のチャールズ・プラットは校舎の1階に無料の図書館をつくります。ブルックリンで初めての、誰でも入れる図書館でした。運営費は公費ではなく彼個人の寄付でしたが、蔵書は学生だけのものではありませんでした。

学校をつくるとき、多くの場合は先に、誰を入れるかを決めます。プラットが最初にしたのは、その反対のことでした。まず開いたのです。

いまもブルックリンが本拠地です。この街はその後アートの街として知られるようになりましたが、学校が街を追いかけたわけではありません。街のほうが、学校のある場所に追いついた、という順番です。

進学先を選ぶとき、立地を通いやすさだけで見ると惜しいことになります。その街に誰がいて、これから何が起きようとしているのか。卒業したあと自分がどこで働くのかは、そこと地続きです。

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本記事の情報は、プラット・インスティテュートの公式発表をもとに確認しています。学費・出願要件は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。

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