こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。
皆さんはウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツ(Wimbledon College of Arts)という学校をご存知ですか。ロンドン芸術大学(University of the Arts London、UAL)を構成する6つのカレッジのひとつですが、他の5校とは成り立ちがかなり違います。UAL公式のカレッジ紹介は、このカレッジを「舞台と映像のパフォーマンスの研究に専念している(dedicated to the study of stage and screen performance)」と書いています。絵画も、ファッションも、グラフィックデザインも、現在の学位課程にはありません。扱うのは演技、コスチューム、デジタル・プロダクション、劇場デザイン、そして人形劇(パペトリー)です。
もうひとつの違いは規模と場所です。UAL全体はおよそ23,000人を抱えますが、ウィンブルドンの在籍者は約850人。キャンパスはロンドン中心部ではなく、テニスの全英選手権で知られるロンドン南西部のウィンブルドンにあり、敷地内に職業用の劇場を持っています。本記事ではそんなウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツについて、成り立ち、他のUALカレッジとの違い、校舎と設備、学部・大学院の全専攻、出願要件、募集状況、学費、英語要件、卒業生まで、2026年10月3日にUAL公式サイト(arts.ac.uk)などで確認できた情報をもとにご紹介します。それでは早速いってみましょう。
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基本情報
| 正式名称 | Wimbledon College of Arts(ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツ) |
|---|---|
| 所属 | University of the Arts London(UAL、ロンドン芸術大学)を構成する6カレッジのひとつ |
| 所在地 | Wimbledon College of Arts, Merton Hall Road, London, SW19 3QA |
| 地区 | ロンドン南西部(South West London)のウィンブルドン。マートン・ホール・ロード保存地区の中 |
| 学生数 | 約850人(UAL公式「Student life」ページの記載「The college has around 850 students」) |
| 扱う分野 | acting(演技)/costume(コスチューム)/digital production(デジタル・プロダクション)/theatre design(劇場デザイン)/puppetry(人形劇)。UAL公式「About us」の記載 |
| 学位課程の数 | 学部(BA)5コース、大学院(MA)5コース。2026年10月3日時点でGraduate Diplomaの掲載はなし。研究学位(PhD・MPhil)は受け入れあり |
| 設備 | 専門工房、スタジオ、敷地内の職業用劇場(on-site professional theatre) |
| 設立の起点 | 1890年(UAL内のブログ「Wimbledon History」の記載。公式のカレッジ紹介ページではありません。マートン区議会の写真アーカイブ Merton Memories も同じ1890年を記載) |
| UALへの統合 | 2006年(UAL公式PDF「A Brief History」の年表に「2006 Wimbledon School of Art incorporated as a sixth college」) |
| 電話 | +44 (0)20 7514 9641 |
| 公式タグライン | Wimbledon College of Arts will inspire you to create experimental and collaborative performance.(実験的で協働的なパフォーマンスをつくるよう促します) |
UAL全体は、公式サイトによれば1842年から創造教育を定義してきた6つのカレッジで構成され、130か国からおよそ23,000人が集まります。その中でウィンブルドンは約850人の小さなカレッジです。UAL公式のカレッジ一覧はウィンブルドンを「パフォーマンスの教育において世界水準の評価を得ている」「大胆で革新的なパフォーマーと、実験的なデザイナーになることを支援する」と紹介しています。UAL全体の仕組みについてはロンドン芸術大学(UAL)とは?の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。
「舞台と映像」だけを扱うという選択
ウィンブルドンの性格をいちばんよく表しているのは、UAL公式の「About us」にある次の一文です。
「We believe in a non-hierarchical and inclusive approach to performance. That means we see all elements as equal partners. Whether it be acting, directing, writing or designing.」(パフォーマンスに対して、非階層的で包摂的な取り組みを信じています。演技であれ、演出であれ、執筆であれ、デザインであれ、すべての要素を対等な相手として見るということです。参考訳)
この「非階層的(non-hierarchical)」という語は学部のコースページにも出てきます。BA Acting and Performanceのページは「意味のある演劇を生み出す力において、どのひとつの手法も他より優れているとは見なさない」と説明し、コスチューム、劇場デザイン、プロダクション・アーツの学生と共有のユニットで協働することを明記しています。
2018年10月のUAL公式記事では、当時のDean of Performance(パフォーマンス学部長)サイモン・ベッツ氏がこう語っています。「舞台の上(onstage)と舞台の裏(backstage)という言葉には、一方がもう一方より上だという歴史的な含みがあります。私たちがやっているのは、そうではない、両者は等しい価値を持っており、その相互関係こそが、ライブの作品がどのように展開し発展していくかにおいて決定的になりうると言うことです」。同じ記事では、当時Camberwell・Chelsea・Wimbledonの3カレッジを統括していたデイヴィッド・クロウ氏が「パフォーマンス、映像、劇場芸術に関わるコースの提供に集中することで、学生はチームで協働し、互いに補い合う技能を持って並んで仕事ができるようになります」と述べています。
つまりこれは分野を減らした結果として生まれている設計です。舞台をつくる仕事がもともと分業であることを、学校の構成に写し取った形だと言えます。
他のUALカレッジとの違い
UALの6カレッジは分野の括り方が違います。公式のカレッジ一覧にある紹介文を並べると、ウィンブルドンの立ち位置がはっきりします。
右端の「括り方」の列は、紹介文を読んだ編集部の整理です。公式がそう書いているわけではありません。
| カレッジ | UAL公式一覧の紹介文(要点) | 括り方 |
|---|---|---|
| Central Saint Martins(CSM) | 「世界的に有名な美術とデザインのカレッジ」 | ファッション、ファインアート、デザイン、パフォーマンスなどを巨大なプログラム単位で抱える総合型 |
| London College of Fashion(LCF) | 「ファッションのデザイン、メディア、ビジネス教育における世界のリーダー」 | ファッションという産業で括る |
| London College of Communication(LCC) | 「クリエイティブ・コミュニケーション教育における先駆的な世界的リーダー。デザイン、メディア、スクリーンの新しい思考の最前線」 | 「伝える」という機能で括る |
| Chelsea College of Arts | 「ロンドンでもっとも権威ある美術とデザインのカレッジのひとつ。今日を代表するアーティストやデザイナーを輩出してきた評価」 | ファインアートと、空間・物・表面をつくるデザイン。テート・ブリテンの隣という立地 |
| Camberwell College of Arts | 「名高い美術とデザインのカレッジ。創造性は社会に良い影響を与えうると信じている」 | 美術とデザイン全般 |
| Wimbledon College of Arts | 「パフォーマンスの教育において世界水準の評価。大胆で革新的なパフォーマーと、実験的なデザイナーになることを支援する」 | 舞台と映像のパフォーマンスという上演の現場で括る |
違いは分野の数ではなく、括り方の軸にあります。ウィンブルドンの軸は「上演の現場で必要になる職能」です。演じる人、着せる人、空間をつくる人、物をつくる人、画面の中をつくる人という役割の束を、そのまま学科の構成にしているので、絵画や彫刻の学位課程はなく、ファッションデザインの学位課程もありません。
同じ「コスチューム」でもカレッジによって扱いが違い、LCFにもコスチューム関連の大学院があります。ウィンブルドンの場合は、それらが同じ建物の中で、同じ上演に向かって動く点が設計の違いです。各カレッジの詳細はセントラル・セント・マーチンズ、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツの各記事をご覧ください。
1890年の素描の授業から、劇場デザインの拠点へ

UAL公式サイト本体にウィンブルドンの年表はありません。組み立てに使ったのは、UAL公式PDF「A Brief History」、UAL内のブログ「Wimbledon History」、そしてマートン区議会の2資料(写真アーカイブ Merton Memories と保存地区の評価書)です。UAL内のブログは公式のカレッジ紹介ページではありませんので、記述ごとの出所は表の右列をご確認ください。
| 年 | できごと | 出所 |
|---|---|---|
| 1890年 | 当時まだ村だったマートンのRutlish Schoolで素描を教える動きが始まる。これがのちのWimbledon School of Artにつながる | UAL内ブログ「Wimbledon History」。マートン区議会の写真アーカイブ Merton Memories も「Wimbledon School of Art got its start in 1890, when an art class was begun for pupils at the Rutlish School.」と記載 |
| 1904年 | Gladstone RoadにMerton and Wimbledon Technical Instituteが開校し、専用スタジオ4室を持つ「The School of Art」が設けられる | 同上。Merton Memories は「1904年から1920年のあいだ、授業はWimbledon Technical Collegeへ移された」と記載 |
| 1923年 | ジェラルド・クーパーが王立美術大学(RCA)を修了(バーバラ・ヘップワース、ヘンリー・ムーアと同年)。のちにウィンブルドンでより広い校舎を求める | 同上 |
| 1930年 | Wimbledon School of Art が独立する | マートン区議会の写真アーカイブ Merton Memories「Wimbledon School of Art became independent in 1930」 |
| 1937年 | Merton Hallと呼ばれた旧農場が新しい学校の用地に決まる | 同上。ただしマートン区議会の保存地区評価書(SPD)はこれと食い違います。SPDは最初の校舎を「1933/34年以降に建てられ、1935年頃と考えられる」とし、建設地はマートン・ホール・ロード西側に並んでいた大邸宅11棟のうち2棟を除いて取り壊した跡だと記載。Merton Hall Farm は Kingston Rd の北側にあった別の場所として説明しています。どちらが正しいかはこちらでは判定できません |
| 1940年 | 新校舎で開校。第二次世界大戦の影響を受け、学生が白い屋根に迷彩を塗った。1階の廊下には防空壕が設けられた | 同上。移転の年は Merton Memories も「moved to its present location on Merton Hall Road in 1940」と裏付けています |
| 1947年から1948年 | 絵画専攻の学生28人がウィンブルドン公共図書館の連作壁画を制作 | 同上 |
| 1948年 | Department of Theatre Design(劇場デザイン学科)を設置。技術学院の時代(1904年)から教えていたドレス・コスチュームのデザインと裁断を補完するものだった | 同上 |
| 1964年 | 新しいスタジオ・シアターとデザイン・スタジオが開場。最初の上演はジョン・ウェブスターの『モルフィ公爵夫人』 | 同上 |
| 1970年代後半から | カニッツァロ・ハウス(現在はホテル)との関係が深まり、庭での彫刻展を毎年開催。1990年代には館内に大学院のスタジオを置く | 同上 |
| 1988年 | ウィンブルドンFCがFAカップを制したとき、絵画専攻の学生が公式のチーム肖像画を描く | 同上 |
| 2006年 | Wimbledon School of ArtがUALの6番目のカレッジとして統合される | UAL公式PDF「A Brief History」。Merton Memories も「In 2006, it became part of the University of the Arts London, and was renamed Wimbledon College of Art」と記載(区の記録では改称後の名称は単数形の Art) |
| 2020年夏 | 数千万ポンド規模の投資プログラムによる敷地改修が始まる | UAL公式「Site development at Wimbledon」 |
| 2022年 | 設計を担当したLevitt Bernsteinの公式プロジェクトページが「Completion: 2022」「Construction Value: £10m」と記載 | Levitt Bernstein公式 |
| 2023年 | 投資プログラムが完了(図書館の改修が2023年初めに終了) | UAL公式「About us」「Site development at Wimbledon」 |
注目したいのは1948年の劇場デザイン学科の設置です。UAL公式サイトのアーカイブ記事(2023年11月1日公開、資料整理を担当した助手アーキビストの署名記事)はこう書いています。
「For many years, the college was unique as the only higher education institution in Britain that offered a diploma and later an honours degree in Theatre Design.」(長年にわたり、このカレッジは、劇場デザインのディプロマ、のちには優等学士の学位を提供する英国で唯一の高等教育機関として独特の存在でした。参考訳)
過去形で書かれている点は大事です。現在もウィンブルドンだけという意味ではありません。それでも、舞台のデザインを学位として教える枠組みを英国で早くからつくった学校だと言えます。
同じ記事は「その存在のかなりの期間、カレッジはファインアートも教えていました。絵画と彫刻を中心に、グラフィックデザインと版画、さらに時期によっては美術史と美術理論のコースも置いていました」とも記しています。現在の「上演に全振りした構成」は、もともとの姿ではありません。2020年からの改修が「パフォーマンスの世界的拠点へ転換するため」と説明されているとおり、近年の選択です。

校舎の建った年と敷地の前身については、記録が食い違います。UAL内のブログは「1937年に旧農場 Merton Hall が用地に決まり、1940年に開校」と書き、マートン区議会の保存地区評価書は校舎を1935年頃、敷地を大邸宅11棟の跡地とし、Merton Hall Farm を別の場所としています。移転が1940年であることは区の写真アーカイブも裏付けますが、竣工年と敷地の前身は断定できません。区の資料には、校舎を含む保存地区について次の記載があります。
| 項目 | マートン区議会 保存地区評価書の記載 |
|---|---|
| 保存地区の指定 | マートン・ホール・ロード保存地区は1987年4月に区が指定。2004年の境界見直しで21/23 Merton Hall Rd を追加した以外、境界の変更なし |
| 範囲と位置 | 6.27ヘクタール。ウィンブルドン中心街の約1キロ南。ダンドナルド・ロードの南、マートン・ホール・ロードの軸に沿う |
| 含まれる物件 | 物件一覧に「Wimbledon School of Art, Merton Hall Rd」が明記 |
| 最初の校舎 | 1933/34年以降に建てられ、1935年頃と考えられる。増築部分は1983年。「平屋根の3階建ての直方体で、その時代のモダニズム建築のよい例(a good example of the modernist architecture of the period)」 |
| 敷地の前身 | 1933/34年の地図ではマートン・ホール・ロード西側に大邸宅11棟。2棟(46/48番)を除いてその後取り壊され、Wimbledon School of Art とブレイサイド・アベニューの集合住宅の用地になった |
| Merton Hall Farm の位置 | 1865年の地図でKingston Rd の北側に示される建物群。校舎の敷地とは別の場所 |
| 劇場の規模 | 敷地奥の劇場は4階建てに相当する高さ |
改修の完了年も公式内で2つに分かれます。Levitt Bernsteinは完成を2022年、UAL公式「About us」は「2023年に投資プログラムを完了した」と書き、「Site development at Wimbledon」は「主要な工事は完了し、図書館の改修は2023年初めに終わる予定」と説明しています。竣工2022年・プログラム完了2023年と読むと3つがつながりますが、数字が揺れていますので、年を1つに決めて使う場合は公式でご確認ください。
ナショナル・シアターとジョスリン・ハーバートのアーカイブ

ウィンブルドンを他のUALカレッジから際立たせている資産がナショナル・シアターとの関係です。UAL公式の研究ページは「ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツはナショナル・シアターと独特の関係を持っています。その中心にあるのは、先駆的な舞台デザイナー、ジョスリン・ハーバートのアーカイブです」と記しています。
ジョスリン・ハーバート(Jocelyn Herbert)は、UAL公式の2019年の記事によれば、ロイヤル・コート劇場でサミュエル・ベケット、ジョン・オズボーン、アーノルド・ウェスカー、デヴィッド・ストーリーの戯曲の世界初演を手がけ、デニス・ラスダン設計のナショナル・シアターの建設委員会の一員でもあった人物で、その仕事は「演出家や観客が舞台デザインを見る見方を変え、作家・演出家・デザイナーの関係に根本的な転換をもたらした」と説明されています。
ウィンブルドンとの縁は人のつながりからです。同じ記事によれば、学科を長年率いたマルコム・プライド氏が、ハーバートと同じくマーガレット(「パーシー」)ハリスの教え子でした。この共通の出自があったため、ハーバートはしばしば外部試験委員や助言者として学生に関わっていたとされています。
彼女の遺志により、6,000点を超える素描、デザイン、模型、関連資料が学生の使えるかたちで機関に置かれることになり、当初はウィンブルドンに収蔵されました。2014年にUALとナショナル・シアターの協働が成立し、アーカイブはサウスバンクへ移っています。UAL公式記事は、この移管で学生のアクセスが改善し、毎年のインターンシップ、シンポジウム、連続講義、模型をめぐる展覧会が生まれたと説明しています。
移管先であるナショナル・シアターの公式サイトも、自館のアーカイブ紹介でこう書いています。「The National Theatre also holds the archive of pioneering theatre designer Jocelyn Herbert. This unique collection includes masks, drawings and her correspondence with leading theatre figures of the 20th century, such as Samuel Beckett, John Osborne and Arnold Wesker.」(ナショナル・シアターは、先駆的な舞台デザイナー、ジョスリン・ハーバートのアーカイブも所蔵しています。この独特のコレクションには、仮面、素描、そしてサミュエル・ベケット、ジョン・オズボーン、アーノルド・ウェスカーといった20世紀を代表する演劇人との往復書簡が含まれます。参考訳)
ロンドン南西部という立地の意味

UALの他のカレッジはキングス・クロス(CSM)、エレファント・アンド・キャッスル(LCC)、ストラトフォード(LCF)、ピムリコ(チェルシー)といった都市的な場所にあります。ウィンブルドンだけが住宅地の単独キャンパスです。
UAL公式の「Student life」ページは「このカレッジは約850人の学生を抱え、ロンドン南西部という羨むべき立地を享受しています。ロンドン中心部のウエストエンドとサウスバンクから電車で15分の距離です」と書いています。劇場が集まる地区には電車で行ける、しかし校舎のまわりは静かな住宅地という組み合わせです。
校舎はLevitt Bernsteinの公式ページによればマートン・ホール・ロード保存地区の中にあります。同事務所は、既存の構造体・レンガ壁・床仕上げをできるだけ残す「軽いレトロフィット」で大規模な解体をせずに外皮を一新し、屋根の構成を変えてエネルギーと音響の性能を大きく改善したと説明しています。壁には音響処理を組み込み、天井に専門のAV・照明・映像収録の仕組みを入れ、床は裸足でのパフォーマンスを想定した柔らかく丈夫な仕上げにしたとも記しています。保存地区の住宅地で上演と制作を行う学校には、先に解くべき条件だったと考えられます。

交通については公式に2つのページがあり、徒歩時間の記載が違います。「Find us」は「ウィンブルドン駅から徒歩15分」、「Local area guide」は「ウィンブルドン駅とメインの大通りから徒歩10分から15分」です。どちらも公式なので両方を示します。
| 交通手段 | 公式の記載 |
|---|---|
| ウィンブルドン駅(Wimbledon Station) | 徒歩15分(Find us)/徒歩10分から15分(Local area guide)。ナショナル・レール、地下鉄ディストリクト線(ヴィクトリア、ウェストミンスター、アールズ・コート方面)、トラムリンクが利用でき、ロンドン・ウォータールー駅とクラパム・ジャンクション駅への速達列車もあり |
| ウィンブルドン・チェイス駅(Wimbledon Chase Station) | 徒歩9分(Local area guide にのみ記載。Find us にはありません)。テムズリンクでトゥーティング、エレファント・アンド・キャッスル、セント・パンクラス・インターナショナル、ウェスト・ハムステッドへ |
| ダンドナルド・ロード電停(Dundonald Road Tram stop) | 徒歩8分(Local area guide にのみ記載。Find us にはありません)。ウィンブルドン駅方面、またはクロイドン、ニュー・アディントン、ベッケナム方面へ |
| バス | ウィンブルドン駅からモーデン行きの163番または164番に乗り、キングストン・ロードのネルソン病院で下車 |
| 自転車 | カレッジの正面入口横に駐輪ラックあり。入口の外に電動自転車・電動キックボードの指定駐車区画あり(後者は Local area guide の記載) |
| 車 | マートン・ホール・ロード周辺の路上にパーキングメーターあり。敷地内にブルーバッジ(障害者用)駐車区画が2台分。周辺に他のブルーバッジ区画はなし |
| ヒースロー空港から | ピカデリー線で東へ進み、アールズ・コートでディストリクト線の南行きに乗り換えてウィンブルドンへ。そこから徒歩15分 |
| ガトウィック空港から | 空港からロンドン・ヴィクトリア駅まで列車、ディストリクト線の西行きでウィンブルドンへ |

生活圏については、公式の「Student life」ページが率直に書いています。「多くの学生は2つの地元を持ちます。ひとつはウィンブルドンそのものの中心街、もうひとつは住む場所に選んだロンドンの別の地区です。多くの学生にとって、それは近隣のトゥーティングです」。授業のある場所と暮らす場所が分かれやすい立地だということです。
公式の「Local area guide」は、学生が使う場所としてQ&Aや特別先行上映のある映画館Curzon Wimbledon、18世紀の繊維工場を転用して工芸と食の市場が入るMerton Abbey Mills、ツアー公演がかかるNew Wimbledon Theatreを挙げ、緑地ではカレッジの向かいにあるダンドナルド・パークを紹介しています。
キャンパスと設備
設備の一覧は公式の「Facilities」ページにまとまっています。他のUALカレッジと決定的に違うのは、敷地内に職業水準の劇場があることです。
| 設備 | 公式ページの説明 |
|---|---|
| Theatre(劇場) | 業界水準の劇場。リハーサルから上演まで、パフォーマンスの全工程を通して学生を支援する |
| Technically Enhanced Studio | 全学生が使える。照明と投影のセットアップができる照明吊り物があり、グリーンスクリーンで動画作品の後処理が可能。学内の他のスペースとネットワークで接続 |
| Costume Workshop(コスチューム工房) | スタジオ空間と業界水準の設備を組み合わせた工房。ボディ(ドレススタンド)、帽子木型、工業用アイロン、ロックミシン、型紙裁断台、ミシン、スチーマー、デジタル刺繍機。低価格で材料を供給する材料庫もあり |
| 3D Lab | 金属、木材、プラスチックで試作ができる複数の空間の集まり。コスチューム、プロダクション、劇場デザイン、パフォーマンスの各コースで生まれる、さまざまな大きさの制作物に対応。各種機械、作業台、電動工具と手工具を備える |
| Photography Studio | フルフレームカメラ、照明吊り物、背景紙を備えた写真スタジオ |
| Animation Studio | 2Dと3Dのストップモーション設備と専用の撮影ソフト |
| Sound Studio | デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)、MIDIコントローラー、マイク、シンセサイザーなど |
| Postproduction Studio | 全学生が使えるDigital Creative Suite。映像編集、クロマキー、サウンドデザイン、3Dモデリング用の高性能PCとMac |
| Performance Studios | 授業、ワークショップ、自主的なスタジオ制作のための複数のスタジオ |
| Central Loan Store | ノートPC、データプロジェクター、テレビ、デジタル一眼、ビデオカメラ、照明、録音機材などの貸出 |
| 改修で加わったもの | 更新された劇場とグリーンスクリーン設備、改装したデザイン・スタジオ、新設のデジタル・パフォーマンス・スタジオ、改装した正面玄関、校舎正面の改善、外構の緑の追加(公式「Site development at Wimbledon」)。工房と設備はデジタル演劇、イマーシブおよびミクスト・リアリティの技術を支えられると公式「Facilities」が記載 |
劇場が実際にチケットを売る場所として動いていることも公式ページから確認できます。「Shows」のページには、2026年10月27日から28日にMA Performance: Theatre MakingとMA Puppetryの上演がTheatreとRoom AG09で、2026年11月20日から26日(日曜を除く)にMA Theatre and Performance DesignとMA Puppetryの展示がRoom AG12で開かれる(11月19日17時30分から20時30分に、全員に開かれるプライベート・ビューあり。開館は月曜から土曜の11時から17時)と記され、いずれもEventbriteでのチケット予約の案内が付いています。
学部課程(BA)の5専攻
2026年10月3日時点で公式の学部コース一覧にあるのは次の5コースです。いずれも全日制3年、各学年30授業週、週あたり平均40時間(授業時間と自主学習を含む)という構成です。学位名はUALの表記どおり「学位+分野名」の順で記します。
| コース名(公式表記) | 内容 | 科目領域と注記 |
|---|---|---|
| BA (Hons) Acting and Performance | 演技を芸術的な実践として、また現代文化の原動力として捉える学生に向けたコース。身体、声、知性の技能を個人でもアンサンブルでも育て、デジタル、インタラクティブ、イマーシブな上演での演技も学ぶ。3年次は、エージェント、キャスティング・ディレクター、演出家らを観客に招く業界向けショーケースに出演する | Performance and design for theatre and screen |
| BA (Hons) Art Direction and Visual Effects | 映画、テレビ、アニメーション、コンピューターゲームのアートディレクターまたはVFXアーティストになるための技能を学ぶ。絵コンテ、プリビズ、編集、音響、Photoshopによるデジタルペインティング、環境とキャラクターの3Dモデリング、VR、AR、CGI、グリーンスクリーンを扱う。2年次に海外留学の選択あり | Animation, interactive, film and sound(他の4コースとは別の科目領域) |
| BA (Hons) Costume for Theatre and Screen | 演劇、映画、テレビ、ライブ上演のための職業的なコスチュームを扱う。1年次の終わりにDesign(デザイン)とInterpretation(インタープリテーション)のどちらかの専門を選ぶ。テキストとキャラクターの分析、素描、型紙裁断、ドレーピング、コルセット、テキスタイル加工、衣服構成などを学ぶ。2年次に1学期の海外留学の選択あり | Performance and design for theatre and screen |
| BA (Hons) Technical Arts for Theatre and Screen | 実物大の小道具、アニマトロニクス、プロテーゼ(特殊造形)を映画、演劇、広いエンターテインメント産業向けに制作する。概念と設計、素材、design fabricationと組み立て、インタラクティブで応用的な技術芸術の4領域を扱い、メカトロニクス、電子工学、アニマトロニクス、造形、型取り、鋳込み、塗装と仕上げ、特殊メイクと3Dプリントを扱う | Performance and design for theatre and screen。2025/26年度入学分からコース名がBA (Hons) Technical Arts for Theatre and PerformanceからTheatre and Screenに変更されたと公式に注記 |
| BA (Hons) Theatre and Performance Design | ライブ上演のための舞台装置とコスチュームのデザインが中心。音響、照明、映像投影のデザインも学ぶ。素描を中核の工程に置き、CAD、コスチューム製作、照明と音響、精密模型製作、ライブ上演向けのデジタルアーツの実技を扱う。2年次に海外留学の選択あり | Performance and design for theatre and screen |
見落としやすい点が2つあります。
1つめは、BA (Hons) Art Direction and Visual EffectsだけがPerformance and design for theatre and screen以外の科目領域に置かれていることです。コースのURLも他の4コースと別の階層にあり、「舞台と映像のデザイン」の一覧だけを見ていると見つかりません。
2つめは4年に延ばす選択肢です。UAL公式の就業実習ページは、Diploma in Professional Studies(DPS)を「任意で、学位とは独立している(optional and independent to your degree)」と説明しています。9月から6月の学年を通じ、学期中に最低100就業日・20週の産業実習を行い、そのあと最終学年に戻ります。同ページは「最終学位の評価には算入されませんが、関与を続けて実習を完了すれば追加の資格を得られます」と書いています。追加の資格は完了が条件です。この年次の呼び方は、ウィンブルドンの記事が「3年次」、中央ページが「2年次と3年次のあいだ」で、同じ仕組みの別の言い方と読めます。同ページのコース一覧にはウィンブルドンの学部5コースすべてが挙がっています。費用はUALの学部学費ページで、Home学生のサンドイッチ(就業)年が2026/27年度£1,955、留学年が£1,465、International学生のサンドイッチ年が£5,725または標準学費の20パーセントのいずれか低い額です。
海外留学は、Art Direction and Visual Effects、Costume for Theatre and Screen、Theatre and Performance Design の3コースのページに、国際交換制度で2年次に留学できる旨の記載があります。残る2コース(Acting and Performance/Technical Arts for Theatre and Screen)には、2026年10月3日時点で留学の記載を確認できませんでした。記載がないことが対象外を意味するとは限りませんので、必要な方は直接お問い合わせください。
大学院課程(MA)の5専攻とGraduate Diplomaの有無
大学院は修士(MA)5コースで、いずれも全日制45週・12か月です。
| コース名(公式表記) | 内容 | 公式の注記 |
|---|---|---|
| MA Comedy Writer-Performer | コメディの創作、執筆、上演の高度な技能を育て、プロデューサーやエージェントに売り込み、ライブ上演、テレビ、デジタルメディアで通用する力をつける。公開のスクラッチ・ナイトで試す機会がある | 2027/28年度入学分からコース名がMA Comedyに変わると公式に注記 |
| MA Costume | 手仕事と、裁断・構成の伝統的な技術を軸に、デジタルの設計と製造技術を組み合わせる。デジタルプリント、デジタル刺繍、レーザーカット、3Dプリントを使う。最終ユニットの成果物は1着のコスチューム全体。BA Costumeの学生が修士に進む経路でもあり、現場の実務者が技能を広げる場でもある | 設備と材料におよそ£600が必要と公式に見積り |
| MA Performance: Theatre Making | 政治、倫理、美学、実践という問いを通してパフォーマンスに取り組む。執筆、デザイン、シノグラフィー、演技、ドラマトゥルギーを組み合わせた多分野の実践としての演劇づくり。ポストドラマ的で政治的に関与する上演の創出を扱う | 2026/27年度以降、課程の長さが15か月から12か月に変更されると公式に注記 |
| MA Puppetry | 人形劇の創作に必要な芸術形式を探究する。他の学生と協働して、ライブと録画の上演のための人形劇をデザイン、考案、制作、上演、検証する。チューターとともに1年間のLearning Agreementを定め、最終プロジェクトの土台にする | 同じく15か月から12か月への変更が公式に注記 |
| MA Theatre and Performance Design | スタジオを拠点にした職業訓練。劇場とプロダクションのデザイナーとして、協働、技術、物語づくりへの取り組みを育てる。模型製作、技術図面、コスチューム図面の技能を高める | 同じく15か月から12か月への変更が公式に注記 |
Graduate Diplomaについては、2026年10月3日時点でウィンブルドンに該当する課程の掲載を確認できませんでした。確認したのはカレッジの「Courses」ハブページ(Pre-degree、Undergraduate、Postgraduate、Research degrees、Study Abroadの5区分のみを掲示)、「Undergraduate courses」一覧、「Postgraduate courses」一覧の3ページで、いずれにもGraduate Diplomaの項目と「Courses suspended」の節はありませんでした。ないことを示す公式の明文はありませんので、志望される場合はコース検索でご確認ください。同じUAL内でも、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツにはGraduate Diplomaが4コースあります(こちらは休止に向かっています)。
研究学位(PhD・MPhil)はウィンブルドンでも受け入れています。公式の研究ページは「パフォーマンス、政治、社会変革」と「パフォーマンス環境、技術、シノグラフィー」という2領域で研究計画を求め、政治と上演、脱植民地的な上演の実践と歴史、階級関係と階級政治、ポストドラマ的な演劇づくり、サイトスペシフィックな上演とシノグラフィーなどを例に挙げています。あわせて、グラデュエイト・ティーチング・アシスタント制度、ポストドクターの研究フェローシップ、1年目に主導して参加できる年次展覧会、そしてアテネ英国学校(British School at Athens)での年1回のアーティスト・レジデンシーがあると説明しています。レジデンシーは公式の記載ではUAL全体の、実践を基礎とする博士課程の学生に提供されるもので、奨学金とスタジオ、宿泊が付きます(ウィンブルドン限定の枠ではありません)。
出願要件
ここは最も間違いやすい箇所です。公式ページの記載をそのまま表にします。要約した形で覚えると実際の条件と食い違うおそれがありますので、必ず志望コースのページで原文をご確認ください。
最初に押さえていただきたいのは、UALが出願要件を「Entry requirements」と「How to apply」の2か所に分けて書くことです。学歴と英語のスコアは前者に、ポートフォリオのページ上限、動画課題、面接は後者にあります。片方だけを見ると、もう片方の要件が存在しないように見えます。
学部課程(BA)の出願要件
学部5コースは基準点とGCSEの条件が共通です。ただし国際バカロレア(IB)の最低点はコースによって違います。
| 項目 | 公式ページの記載 |
|---|---|
| 基準 | 112 UCAS tariff points, which can be made up of one or a combination of the following accepted full Level 3 qualifications(以下の認められるLevel 3資格の1つ、またはその組み合わせによる112 UCASタリフポイント) |
| Aレベル | 112 UCAS tariff points from 2 or more A Levels |
| BTEC | Distinction, Merit, Merit at BTEC Extended Diploma |
| UAL Extended Diploma | Merit at UAL Extended Diploma |
| ファウンデーション | Distinction at Foundation Diploma in Art and Design |
| Access | Access Diploma or 112 tariff new UCAS points from the Access to HE Diploma |
| その他のLevel 3資格 | 112 UCAS tariff points from an equivalent full Level 3 qualification |
| 国際バカロレア(IB)※コースごとに違います | 24 points minimum:BA (Hons) Acting and Performance/BA (Hons) Technical Arts for Theatre and Screen 25 points minimum:BA (Hons) Art Direction and Visual Effects/BA (Hons) Costume for Theatre and Screen/BA (Hons) Theatre and Performance Design いずれも「Or equivalent EU/International qualifications, such as International Baccalaureate Diploma at ◯ points minimum」という書き方 |
| GCSE(5コース共通) | And three GCSE passes at grade 4 or above (grade A*-C)(grade 4以上のGCSE合格3科目) |
| 英語(5コース共通) | IELTS level 6.0 or above, with at least 5.5 in reading, writing, listening and speaking |
| 出願方法 | UCAS経由。University code: U65。UCAS codeはBA Acting and PerformanceがW415、Art Direction and Visual EffectsがW691、Costume for Theatre and ScreenがW453、Technical Arts for Theatre and ScreenがW444、Theatre and Performance DesignがW464 |
| 出願締切 | 13 January 2027, 6pm (GMT)(2027年9月入学分)。この日より後に空席があれば、定員が埋まるまで出願を受け付けると記載 |
| APEL(事前の経験的学習の認定) | 要件を満たさない志願者も例外的な場合には選考の対象となりうる。関連する学歴や職歴、パーソナルステートメントの質、強い推薦状、またはそれらの組み合わせが例。ただし「we cannot guarantee an offer in each case」(オファーを保証することはできません)とも明記 |
大学院課程(MA)の出願要件
大学院は学歴要件がコースによってはっきり違います。「学士があればよい」と覚えると外します。
| コース | 学歴要件(Entry requirements の記載) | 英語 |
|---|---|---|
| MA Comedy Writer-Performer | BA (Hons) degree in either humanities or performance disciplines, including creative writing, script and theatre/media production(人文学または上演系の分野の学士。クリエイティブ・ライティング、脚本、演劇・メディア制作を含む)/Alternative qualifications and experience will also be taken into consideration/Personal statement/Portfolio of written work and/or evidence of performing. This may include a writing sample or comic monologue performance.(執筆作品のポートフォリオ、または上演の記録。執筆サンプルやコミック・モノローグの上演を含めてよい) | IELTS 6.5以上、各技能5.5以上 |
| MA Costume | BA (Hons) degree or equivalent academic qualifications/Alternative qualifications and experience will also be taken into consideration/Personal statement/Portfolio of work | IELTS 6.5以上、各技能5.5以上 |
| MA Performance: Theatre Making | BA (Hons) degree in either theatre and performance or art and design -related disciplines, including social and other sciences or engineering(演劇・パフォーマンスまたは美術・デザイン関連の分野の学士。社会科学その他の科学、工学を含む)/Alternative qualifications and experience will also be taken into consideration/Personal statement/Portfolio of work | IELTS 6.5以上、各技能5.5以上 |
| MA Puppetry | BA (Hons) degree in either art and design or performance disciplines, including social and other sciences or engineering(美術・デザインまたは上演系の分野の学士。社会科学その他の科学、工学を含む)/Alternative qualifications and experience will also be taken into consideration/Personal statement/Portfolio of work | IELTS 6.5以上、各技能5.5以上 |
| MA Theatre and Performance Design | BA (Hons) degree or equivalent academic qualifications/Alternative qualifications and experience will also be taken into consideration/Personal statement/Portfolio of work | IELTS 6.5以上、各技能5.5以上 |
5コースすべてに「Entry to this course will also be determined by the quality of your application, looking primarily at your portfolio of work and personal statement」(出願書類の質、とくにポートフォリオとパーソナルステートメントが選考を左右する)という一文が付いています。MA Comedy Writer-Performerだけは主語が「the portfolio of work and personal statement」と少し違いますが、趣旨は同じです。APELの条項も5コースすべてにあります。
提出物の分量と選考の流れ(全10課程)
ここがいちばん見落とされやすい箇所です。5項目を列にして並べると、どの課程に何があるかが一目で分かります。
| 課程 | 学歴要件 | ポートフォリオ上限 | ステートメント語数 | 動画課題 | 面接 |
|---|---|---|---|---|---|
| BA (Hons) Acting and Performance | 112 UCASポイント/IB 24点以上/GCSE 3科目 grade 4以上 | ポートフォリオの提出なし(Step 2がセルフテープ) | UCAS経由・4,000字以内(3つの設問に回答) | あり。2分から3分のセルフテープ、英語。冒頭30秒で氏名、演じる作品(役名と戯曲・映画・テレビ番組名)、選んだ理由をカメラに向かって述べ、続いて感情と声の幅が見えるテキストに基づくモノローグを演じる。公式は携帯電話のカメラで撮ること、静かで照明の整った場所、無地の背景、全身が入る角度などを具体的に指示 | あり。演技ワークショップと面接。ウィンブルドン校舎で実施。ワークショップは声と動きを扱い、面接は15分から20分、少人数のグループで行う。出席できない志願者にはオンライン面接も用意するが、校舎での参加を強く推奨と記載 |
| BA (Hons) Art Direction and Visual Effects | 112 UCASポイント/IB 25点以上/GCSE 3科目 grade 4以上 | 最大30ページ(PebblePadで提出)。形、構造、質感、空間を探る幅広い作品、発想を展開し問題を解く力を示す実験的な作品、これまでの演劇の仕事の経験、スケッチブックやノートの写真や動画を含めること | UCAS経由・4,000字以内 | なし | オンライン・15分から20分 |
| BA (Hons) Costume for Theatre and Screen | 112 UCASポイント/IB 25点以上/GCSE 3科目 grade 4以上 | 最大30ページ。コスチュームデザイン、コスチューム、ファッション衣服の作例を含めること | UCAS経由・4,000字以内 | なし | オンライン・15分から20分 |
| BA (Hons) Technical Arts for Theatre and Screen | 112 UCASポイント/IB 24点以上/GCSE 3科目 grade 4以上 | 最大30ページ。素描、マルチメディア、スケッチブックやノートの写真や動画を含めること | UCAS経由・4,000字以内 | なし | オンライン・15分から20分 |
| BA (Hons) Theatre and Performance Design | 112 UCASポイント/IB 25点以上/GCSE 3科目 grade 4以上 | 最大30ページ。形、構造、質感、空間を探る幅広い作品と、実験的な作品を含めること | UCAS経由・4,000字以内 | なし | オンライン・15分から20分 |
| MA Comedy Writer-Performer | 人文学または上演系分野の学士(創作、脚本、演劇・メディア制作を含む) | ページ上限の記載なし。Step 1で5ページの執筆サンプル(自分が創作した中心的なコミックキャラクターが登場するモノローグ、場面、スケッチ、または長い脚本からの抜粋)を提出 | 最大500語+CV | あり。2000年以降に書かれたコメディ戯曲から短いモノローグを英語で演じた動画。長さの指定は記載なし | オンライン・15分から20分 |
| MA Costume | 学士または同等の学歴 | 最大30ページ(動画課題を含む) | 最大500語+CV | 2分から3分。カメラに向かい英語で話す。ポートフォリオから1件のプロジェクトを選び、それが自分と演劇・上演の理解にどう挑んだかを説明し、その経験が出願にどうつながったかを述べる | オンライン・15分から20分 |
| MA Performance: Theatre Making | 演劇・パフォーマンスまたは美術・デザイン関連分野の学士(社会科学その他の科学、工学を含む) | 最大30ページ(動画課題を含む) | 最大500語+CV | 2分から3分。自分が制作に関わった上演について、役割、作品名、上演された文脈を示して語る | オンライン・15分から20分 |
| MA Puppetry | 美術・デザインまたは上演系分野の学士(社会科学その他の科学、工学を含む) | 最大30ページ(動画課題を含む) | 最大500語+CV | 2分から3分。ポートフォリオから1件のプロジェクトを選び、それが自分と人形劇の理解にどう挑んだかを説明し、その経験が出願にどうつながったかを述べる | オンライン・15分から20分 |
| MA Theatre and Performance Design | 学士または同等の学歴 | 最大30ページ(動画課題を含む) | 最大500語+CV | 2分から3分。ポートフォリオから1件のプロジェクトを選び、それが自分と演劇・上演の理解にどう挑んだかを説明し、その経験が出願にどうつながったかを述べる | オンライン・15分から20分 |
この表から読み取れることを3つ挙げます。
1つめは、10課程すべてに面接があることです。学部4コースと大学院5コースはオンラインで15分から20分、BA (Hons) Acting and Performanceだけは校舎での演技ワークショップと少人数グループの面接です。面接はEntry requirements欄ではなく、見落としやすいHow to applyのStep 3に書かれています。
2つめは、動画課題が6課程にあることです。BA (Hons) Acting and Performanceのセルフテープと、大学院5コースの動画課題です。撮影と編集に時間がかかるので、締切の直前に気づくと間に合いません。大学院4コースでは動画がポートフォリオの30ページに含まれるので、ページ配分の計画も必要です。
3つめは提出の順番です。大学院はStep 1で出願書類とパーソナルステートメントとCVを出し、標準の入学要件を満たしていると判断された場合にStep 2の提出物を求められる2段階です。ただしMA Comedy Writer-Performerだけは構成が違います。Step 1に5ページの執筆サンプルが含まれ、Step 2は動画課題だけでデジタルポートフォリオの段階がありません。他の4コースはStep 2で動画課題とデジタルポートフォリオの両方を提出します。学部はUCASでの出願後に、通常はデジタルポートフォリオの提出を求められるという書き方です。
募集状況と出願スケジュール
2026年10月3日時点で確認した募集状況です。学部と大学院で状況がまったく違います。
| 課程 | 公式ページの記載(2026年10月3日時点) |
|---|---|
| 学部5コース(BA) | 2027年9月入学分の出願受付中。締切は13 January 2027, 6pm (GMT)。この日より後に空席があれば、定員が埋まるまで受け付けると記載 |
| 大学院5コース(MA) | 「Applications are now closed for 2026/27 entry. Applications for 2027/28 entry will open in autumn 2026.」(2026/27年度入学の出願は締め切りました。2027/28年度入学の出願は2026年秋に開始します)。5コースすべてに同じ文言と「Applications closed 2026/2027」の表示 |
| Graduate Diploma | 該当する課程の掲載を確認できず。「Courses suspended」の節も見当たらず |
| 公式内の日付の食い違い | BA (Hons) Acting and Performanceのページは出願締切を「13 January 2027, 6pm (GMT)」(2027年9月入学分)としながら、演技ワークショップと面接の日程を「Wednesday 11 February 2026, 9.30am – 4.30pm」「Saturday 14 February 2026, 9.30am – 4.30pm」と記載。2027年1月締切の出願に対する面接が2026年2月というのは時系列が合いません |
大学院について注意していただきたいことが2つあります。1つは「2026年秋に開始します」という案内が、この記事の公開時点とほぼ同じ時期を指していることです。2026年10月3日に確認した段階では、まだ将来形の書き方のままでした。すでに受付が始まっている可能性がありますので、各コースページの「Apply now」欄をご自身で確認してください。
もう1つは募集停止の表示が生のテキストに出ないことがある点です。UALのコースページではステータス表示が後から描画される場合があり、取得方法によっては見えません。今回は取得方法を2つ使って突き合わせましたが、読者としてはコースページ最上部のステータス表示と、カレッジのコース一覧ページの両方を見るのが確実です。面接日程の食い違いについては、前年度の日程が残っているものと考えられますが断定はできません。日程は必ず公式に直接お問い合わせください。
学費
学費はどの年度のどの課程を見ているかで金額が変わります。2026年10月3日時点で、学部のコースページはすでに2027年9月入学の金額に切り替わっており、大学院のコースページは2026/27年度入学の金額を掲載していました。通貨はポンド(£)で、公式表記のまま載せます。
| 課程 | Home(国内) | International(国際) | 単位 | 公式ページの年度表記 |
|---|---|---|---|---|
| 学部5コース(BA) | £10,050 | £31,510 | 年額(per year) | 2027年9月入学の金額。2028年9月入学分は変更の可能性ありと記載 |
| 大学院5コース(MA Comedy Writer-Performer/MA Costume/MA Performance: Theatre Making/MA Puppetry/MA Theatre and Performance Design) | £14,420 | £30,890 | コース全体の費用(年額ではありません) | 2026/27年度入学の金額。2027/28年度入学分は変更の可能性ありと記載 |
気をつけていただきたい点を表にまとめます。
| 注意点 | 公式の記載 |
|---|---|
| 大学院の金額は年額ではない | UALの大学院学費ページが「The fees shown cover the cost of the whole course and are not per academic year.」(表示されている学費はコース全体の費用をまかなうもので、1学年あたりの金額ではありません)と明記。一方、学部の£10,050と£31,510は「per year」と明記された年額です |
| ウィンブルドンの修士5コースは同じ料率 | UALの大学院学費表では45週の修士にhigher rate(2026/27年度でHome £15,790/International £34,885)とstandard rate(Home £14,420/International £30,890)、60週(2年)の区分がある。ウィンブルドンの5コースはいずれも45週のstandard rate。コースによって料率が分かれるカレッジもあるので、他カレッジと比べるときは注意 |
| 学部の金額は年度で動いている | UALの学部学費ページでは2026/27年度に始める学生がHome £9,790、International £30,890。コースページの£10,050/£31,510はその1年後の2027年9月入学の金額。さらにInternational学生には「Tuition fees for international students may increase by up to 5% in each future year of your course.」(在学中の後年度ごとに最大5パーセントまで上がる可能性があります)という注記あり。初年度の金額が3年間そのまま続くとは限りません |
| 大学院の掲載額は締切済みの年度のもの | 5コースとも「この学費は2026/27年度入学について正しく、2027/28年度入学については変更の可能性があります」と記載。その2026/27年度の出願は締切済み。これから出願する方が実際に払う額は、まだ公表されていません |
学費以外にかかるお金と奨学金
公式のコースページには、学費に含まれない「Additional costs」がコースごとに金額まで書かれています。舞台や映像の課程は材料費がかかるので、ここは実務的に重要です。
| 課程 | 公式に記載された追加費用の目安 |
|---|---|
| BA (Hons) Acting and Performance | 観劇(計2回)各£10から£20/リハーサル用の衣類と靴 £100から£300/ノートPCまたはデスクトップPCを推奨 |
| BA (Hons) Art Direction and Visual Effects | 描画材料 £20から£50/ノートPCまたはデスクトップPC(推奨仕様は別途案内) |
| BA (Hons) Costume for Theatre and Screen | 校外見学 各£10から£20/描画用具 £10から£30/裁縫道具と材料 £20から£50/Adobe Creative Cloud 年£42/ミシン 1台£100から£350/課題用の材料パック £150から£200/ノートPCを推奨 |
| BA (Hons) Technical Arts for Theatre and Screen | 造形用の道具と材料 年£300(最終学年は最大£700)/ノートPCまたはデスクトップPCを推奨 |
| MA Puppetry | スケッチブック 各£5から£20/任意の観劇(年2回から5回)各£10から£30/最終プロジェクトの材料 £20から£100/人形の材料 年£50から£250/ノートPCまたはデスクトップPCを推奨 |
| MA Costume | 設備と材料におよそ£600と見積り。「作品は使った材料やその費用ではなく、発想の質で評価する」と明記したうえでの記載 |
| BA (Hons) Theatre and Performance Design/MA Comedy Writer-Performer/MA Performance: Theatre Making/MA Theatre and Performance Design | コース特有の材料と機材が必要になりうる旨の記載のみ。金額の内訳は掲載なし |
| 奨学金・資金援助 | 大学院5コースに共通で、UALの対象課程を修了していれば大学院の学費割引(Progression discount)の対象になりうること、Home学生向けのPostgraduate Masters Loan、HomeとInternational双方に開かれた各種スカラシップの案内あり。学部のページには、英国在住で対面のOpen Eventに参加する場合に鉄道や航空の交通費をまかなうUAL Travel Bursaryの案内あり |
金額の内訳が載っていないコースは、費用がかからないという意味ではありません。公式が一般的な案内にとどめているだけですので、志望先の担当事務にご確認ください。
英語要件
英語要件は学位区分で分かれます。以下は学部課程と修士課程についてのもので、ウィンブルドンの場合は総合スコアに0.5の差があり、各技能の最低点はどちらも5.5で共通です。研究学位(PhD・MPhil)の英語要件は、2026年10月3日時点でUAL公式に該当するページを特定できませんでした。研究学位をお考えの方は直接お問い合わせください。IELTS以外の試験も認められており、UALの英語要件ページに対応表があります。
| 区分 | 要件(公式の記載) |
|---|---|
| 学部5コース(BA) | IELTS level 6.0 or above, with at least 5.5 in reading, writing, listening and speaking(総合6.0以上、読む・書く・聞く・話すの各技能が5.5以上) |
| 大学院5コース(MA) | IELTS level 6.5 or above, with at least 5.5 in reading, writing, listening and speaking(総合6.5以上、各技能が5.5以上) |
免除については、UALの英語要件ページが4つのカテゴリーを示しています。いずれも「カテゴリーの要件を全部満たす場合」に免除されるという書き方で、但し書きが付きます。
| カテゴリー | 条件 | 但し書き |
|---|---|---|
| Category 1:英語を主要言語とする国 | 英語を主要言語とする国の国籍を持つ、または英語を主要言語とする国で中等教育を全期間修了している。対象国は英国ビザ・移民局(UKVI)が指定 | 中等教育の一部だけを英国や英語圏で受けた場合は免除されません |
| Category 2:英国の永住・合法居住者 | 英国に永住的かつ合法に居住する非英国籍者であり、学修を許す在留資格を既に持ち在学中に学生ビザを必要としない。かつ英国または英語を主要言語とする国で中等教育を全期間修了している | 同じく一部だけでは免除されません |
| Category 3:英語で教えられた学位 | 英国の学士相当以上の資格を、英語で教えられて取得している | 「Your proposed course of study at UAL will be at least RQF Level 6 (BA, MA or above).」(UALで学ぶ予定の課程がRQF Level 6(BA、MA以上)であること)という条件が付きます。資格は発行日から3年間有効で、コース開始日に有効である必要があり、資格ごとに最低成績が設定されています |
| Category 4:英国の英語系資格 | 18歳以下のときに英国でGCSE、Aレベル、スコットランドのNational Qualification、Scottish Higher、Advanced Higherの英語または英文学を開始している場合 | 「may be exempt」(免除されることがある)という書き方です。出願後にUALポータルのContact Usから入試担当に連絡し証書をアップロードする必要があります。発行日から3年間有効で、資格ごとに最低成績が設定されています |
| 試験の扱い(共通) | スコアは5つ(総合+4技能)必要 | 1回の受験で満たす必要があり、別の日に受けた結果や「ベスト・オブ」の組み合わせは認められません。IELTSのOne Skill Retake(1技能の再受験)は、必要なスコアをすべて満たし、コース開始日に受験から2年未満であれば認められますが、複数回の受験をまたいだ合算は不可。障害がある場合に試験提供者が一部免除や配慮を認めることはありますが、UALは障害を理由に低いスコアを受け入れることはできないと明記。条件に「IELTS Academic for UKVI」とある場合、IELTS Academic(非SELT)、IELTS General(非SELT)、IELTS General(SELT)は受け付けられません |
海外との提携と留学
ウィンブルドンは小さなカレッジですが、国際的な提携の数は多めです。公式の「International partnerships」ページに一覧があります。
| 区分 | 提携先(公式の記載) |
|---|---|
| 学術提携校(Academic partners) | Central Academy of Drama(中国・北京)/Javeriana University(コロンビア・ボゴタ)/Korea National University of Arts(韓国・ソウル)/Nanyang Academy of Fine Arts(シンガポール)/National Academy of Fine Arts and Architecture(ウクライナ・キーウ)/School of Drama and Fine Arts(インド・トリシュール)/Whistling Woods International(インド・ムンバイ)/York University(カナダ・トロント) |
| 交換提携校(欧州) | Brera Academy(イタリア・ミラノ)/HFBK(ドイツ・ハンブルク)/Royal Academy of Fine Arts(ベルギー・アントワープ)/TAI School of the Arts(スペイン・マドリード)/Toneelacademie Institute of Performative Arts(オランダ・マーストリヒト)/University of Applied Arts(オーストリア・ウィーン)/University of the Arts(スイス・チューリヒ)/Weissensee School of Art(ドイツ・ベルリン) |
| 交換提携校(欧州以外) | Hong Kong Baptist University(香港)/Korea National University of Arts(韓国・ソウル)/Nanyang Academy of Fine Arts(シンガポール)/National University of the Arts(台湾・台北)/Toronto Metropolitan University(カナダ・トロント)/University of Art and Design(日本・京都) |
| 他大学の学生の受け入れ | UALの学部生と並んで1学期から3学期を学ぶIntegrated Study Abroad、3週間・6週間・8週間のSummer Study Abroad(公式「Study Abroad」ページ) |
公式ページは「提携校の一覧は常に見直しており、短い予告で変わることがあります。交換の機会はコースによって異なります」と明記しています。留学を前提に進学を考える場合は、志望コースで実際に使える枠かどうかをご確認ください。
国際的な舞台への参加としては、2023年のUAL公式記事が、1967年に始まった国際的な舞台美術の祭典プラハ・クアドリエンナーレ(Prague Quadrennial of Performance Design and Space)の第15回(2023年6月8日から18日)に、ウィンブルドンの学生と講師30人が参加し、ワークショップの主導、討議、上演に関わったことを伝えています。
産業とのつながり

UAL公式の「About us」は、ウィンブルドンの産業連携としてナショナル・シアターとリリック(the National and the Lyric)を名指しし、「教員の多くがその分野で実務を続けている専門家です。こうしたつながりによって、学生は価値のある就業経験を得ることができます」と書いています。公式のストーリー記事には、BA Theatre Designの学生がリリック・ハマースミス・シアターと協働した事例も掲載されています。
| 課程 | 公式ページに記載された産業との接点 |
|---|---|
| BA (Hons) Acting and Performance | SpotlightとEquityの担当者が来校して加入の利点を説明し、学生は割引価格で加入できる。毎年Spotlight Prizeに参加。3年次は業界向けの俳優ショーケースに出演し、観客にはエージェント、キャスティング・ディレクター、演出家らが含まれる。会場は学外で、近年はウエストエンドの中心にあるActors’ Church |
| BA (Hons) Art Direction and Visual Effects | 2年次に就業実習が中心的な要素。ロンドンのテレビ・映画スタジオ、VFXハウス、ゲーム会社、アニメーション制作会社への訪問を手配 |
| BA (Hons) Costume for Theatre and Screen | ナショナル・ギャラリー、ヴィクトリア&アルバート博物館、ナショナル・トラスト、Historic Royal Palacesとの協働実績 |
| BA (Hons) Technical Arts for Theatre and Screen | 2年次の就業実習が中心的な要素。ロンドンのテレビ・映画スタジオ、舞台装置工房、小道具会社、メーカー、サプライヤーへの訪問機会 |
| BA (Hons) Theatre and Performance Design | 現役の実務家とともに制作経験を積み、企業や個人との専門的な就業実習に参加。新進および既成の振付家・演出家との協働プロジェクト |
就業実習が2年次に置かれているコースが複数あるのは、3年次の最終作品を産業の現場を知ったうえでつくらせる設計だと読めます。先に挙げたDPSとあわせると、在学中に外へ出る経路が2通りあります。
卒業生
UAL公式の「About us」は、ウィンブルドンの卒業生としてコスチュームデザイナーのローナ・ミューガン、プロダクションデザイナーのサラ・グリーンウッド、舞台デザイナーのサイモン・コスティンとソウトラ・ギルモアの4名を挙げています。このうち数名については、UAL公式の個別記事や、国立の美術館・博物館、米映画芸術科学アカデミーの公式資料で具体的な実績を確認できました。
| 名前 | 確認できる情報 |
|---|---|
| サラ・グリーンウッド(Sarah Greenwood) | UAL公式記事によれば1982年にウィンブルドンでBA Theatre Designを修了。2023年7月のUAL公式記事の時点でアカデミー賞に6回ノミネートされ、2013年にArt Directors Guild AwardのExcellence in Period Filmを受賞。米映画芸術科学アカデミー公式の第96回(2024年)候補一覧には、『バービー』の美術賞候補として「Production Design: Sarah Greenwood; Set Decoration: Katie Spencer」と記載。2012年にUALの名誉フェローに |
| キャロライン・マッコール(Caroline McCall) | UAL公式のインタビュー記事によれば、十代のときに進路相談会で「コスチュームを学ぶならウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツへ行かなければ」と言われて進学し、コスチュームのデザイン・インタープリテーションを専攻。『ダウントン・アビー』第1シリーズでアシスタントデザイナーを務めたのちシリーズのコスチュームデザイナーに就任。HBO『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第2シーズンのコスチュームデザイナー。『ダーク・マテリアルズ』全3シリーズを担当し、同作でBAFTA TV Craftにノミネートされたと本人が語っている |
| ソウトラ・ギルモア(Soutra Gilmour) | UAL公式「About us」の卒業生一覧に舞台デザイナーとして記載。UAL公式の2019年の記事は、ナショナル・シアターのオリヴィエ劇場で上演された『アンティゴネ』(2012年)のデザイナーとして名前を挙げており、同作はナショナル・シアターでの展覧会「Playing with Scale」が取り上げた5作品のひとつ |
| サイモン・コスティン(Simon Costin) | UAL公式「About us」の卒業生一覧に舞台デザイナーとして記載。ヴィクトリア&アルバート博物館の公式ページは、アレキサンダー・マックイーンが修士の卒業コレクション『Jack the Ripper Stalks his Victims』(1992年)の発表にあたり、コスティンの作品『Memento Mori』のネックレス(1986年)を借りたと記している |
| ローナ・ミューガン(Lorna Mugan) | UAL公式「About us」の卒業生一覧にコスチュームデザイナーとして記載。それ以上の実績は一次情報で確認できなかったため、本記事では公式の記載のみを示します |
| ヴェリティ・ホークス(Verity Hawkes) | UAL公式のキャロライン・マッコールのインタビュー記事の中で、映画『スナッチ』のコスチュームデザイナーであり「もうひとりのウィンブルドン卒業生」として言及されている |
この一覧で注目したいのは、名前が挙がるのがほぼ全員「裏方」の職能だということです。スクリーンに映る人ではなく、映るものをつくる人たちです。UAL公式が2018年10月の記事で「舞台の上と裏に優劣はない」と書いていたことと、卒業生の並びは符合しています。
UAL公式のインタビューで、サラ・グリーンウッドは在学中のウィンブルドンについてこう語っています。「ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツはすばらしかったです。自前の劇場があり、他の芸術形式に手を出す機会があり、LAMDAやNational Opera Studioのような外部組織と非常に密に協働していました」。さらに「ウィンブルドンでは技術や予算の制約に縛られていませんでした。創造的に考えることを強いられ、プロジェクトとともに想像力が育っていきました」と続けます。
同じ記事で彼女は、1982年の最終学年のプロジェクトを、当時の客員講師だった美術家・映画監督のデレク・ジャーマン(Derek Jarman)の指導で進めたとも語っています。題材はシェイクスピアの『冬物語』で、ジャーマンは1学期を通して教えていたそうです。「デレクのような人と仕事をするのは、ただひたすらに崇高でした」。小さな学校にその時代の独立した映像作家が1学期いたという事実は、このカレッジの性格をよく表していると思います。
まとめ

いかがだったでしょうか。ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツについて見てきました。要点は次の8つです。
- UALの6カレッジのひとつで学生数は約850人。公式は「舞台と映像のパフォーマンスの研究に専念している」とし、扱う分野は演技、コスチューム、デジタル・プロダクション、劇場デザイン、人形劇です。絵画やファッションデザインの学位課程はありません
- ロンドン南西部ウィンブルドンの単独キャンパス(Merton Hall Road, London, SW19 3QA)で、マートン・ホール・ロード保存地区の中。ウィンブルドン駅から徒歩15分(公式の別ページでは10分から15分)、ウエストエンドとサウスバンクまで電車で15分
- 敷地内に業界水準の劇場があり、実際にチケットを売る上演と展示が行われています。2020年夏からの改修でデジタル・パフォーマンス・スタジオ、グリーンスクリーン、3Dラボ、後処理用のデジタル設備が整いました
- 起点は1890年、マートンのRutlish Schoolでの素描の授業。1930年に独立、1948年に劇場デザイン学科を設け、1964年にスタジオ・シアターが開場。2006年にUALの6番目のカレッジに統合されました
- ナショナル・シアターとの独特の関係があります。中心は舞台デザイナー、ジョスリン・ハーバートの6,000点を超えるアーカイブで、当初ウィンブルドンに収蔵され、2014年にUALとの協働でサウスバンクへ移りました
- 学位課程は学部5コース(3年)と修士5コース(45週・12か月)。2026年10月3日時点でGraduate Diplomaの掲載は確認できませんでした。研究学位(PhD・MPhil)は2領域で受け入れています
- 10課程すべてに面接があります。学部4コースと修士5コースはオンラインで15分から20分、BA (Hons) Acting and Performanceは校舎での演技ワークショップと少人数グループの面接(来校できない人にはオンラインも用意)。動画課題は6課程、修士4コースでは動画が30ページのポートフォリオに含まれます。IBの最低点は24点と25点に分かれます
- 学費は学部が2027年9月入学でHome £10,050/International £31,510(年額)、修士が2026/27年度入学でHome £14,420/International £30,890(コース全体の費用)。修士5コースは2026/27年度入学が締切済みで、掲載学費もその年度のものです
Euphoric " " の視点
公式はこのカレッジを、舞台と映像の上演を学ぶ場だと説明しています。そして要素のあいだに序列を置かず、すべてを対等な協働者として扱うと書いています。
公式がそう書くのは、舞台では演じる人と美術と衣装と技術が同時に成立しないと、その日の上演そのものが成り立たないからだと考えられます。序列を置かないという言い方は、理念というより、仕事の順番をそのまま書いたものなのだと思います。
選考にもそれが出ています。演技の課程だけは、校舎での演技ワークショップと少人数のグループ面接が置かれています。来られない方にはオンラインも用意されますが、公式は校舎に来ることを強く勧めています。人と組んだときにどうなるかを、入口の段階で見ているのではないかと思います。
ひとりで完成させる訓練と、誰かと組んで初めて成立する訓練は、別のものです。進学先を選ぶとき、自分がどちらに向いているかを考えてみる価値があります。
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もっと知るには
本記事の情報は、ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アーツおよびロンドン芸術大学の公式サイト(arts.ac.uk)を中心に確認しています。学費・出願日程・コースの開講状況は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。
| 内容 | 公式ページ |
|---|---|
| ウィンブルドン公式トップページ | Wimbledon College of Arts(英語) |
| カレッジの紹介 | Wimbledon College of Arts「About us」(英語) |
| 学部課程コース一覧 | Wimbledon College of Arts「Undergraduate courses」(英語) |
| 大学院課程コース一覧(募集状況の確認もこちら) | Wimbledon College of Arts「Postgraduate courses」(英語) |
| 設備・工房 | Wimbledon College of Arts「Facilities」(英語) |
| 所在地とアクセス | Wimbledon College of Arts「Find us」(英語) |
| 周辺の街の案内 | Wimbledon College of Arts「Local area guide」(英語) |
| 上演と展示の予定 | Wimbledon College of Arts「Shows」(英語) |
| 研究学位(PhD・MPhil) | Wimbledon College of Arts「Research at Wimbledon」(英語) |
| 英語要件と免除 | UAL「English language requirements」(英語) |
| 大学院の学費(料率の一覧) | UAL「Postgraduate Tuition Fees」(英語) |
| 学部の学費 | UAL「Undergraduate tuition fees」(英語) |
| ジョスリン・ハーバートのアーカイブ(移管先) | National Theatre「Archive」(英語) |






