広島市立大学 芸術学部とは?学科・学費・入試を徹底解説

広島市立大学 芸術学部とは?学科・学費・入試を徹底解説

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こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。

皆さんは広島市立大学 芸術学部をご存知ですか。広島市立大学は、1994年に国際学部・情報科学部・芸術学部の3学部で開学した公立大学です。このうち芸術学部は、日本画・油絵・彫刻の3専攻からなる美術学科と、7つの分野を持つデザイン工芸学科の2学科で構成され、入学定員は合計80名と、少人数で学ぶ芸術系学部です。

本記事で扱うのは、広島市立大学のうち芸術学部(と大学院芸術学研究科)だけです。国際学部と情報科学部は対象に含みません。基本情報、沿革、学科・専攻で学べること、大学院、2026年度の学費、2026年度入試の実施状況と2027年度入試の方式、キャンパスと施設、卒業後の進路まで、公式サイト(hiroshima-cu.ac.jp)で確認できた情報をもとにご紹介します。あわせて、国際的な大学ランキングでの扱いについても、誤解のないように整理します。それでは早速いってみましょう。

広島市立大学 芸術学部って?

基本情報

広島市立大学のキャンパスの外観
広島市立大学のキャンパス(2009年3月)/撮影:Taisyo(CC BY-SA 3.0)/出典:Wikimedia Commons
正式名称広島市立大学 芸術学部(美術学科・デザイン工芸学科)
開学1994年4月(国際学部・情報科学部・芸術学部の3学部で開学)
所在地〒731-3194 広島市安佐南区大塚東三丁目4番1号
設置者公立大学法人広島市立大学(2010年4月に設置者が広島市から公立大学法人へ変更)
学長前田香織(第6代学長。2025年4月就任)
建学の基本理念「科学と芸術を軸に世界平和と地域に貢献する国際的な大学」
芸術学部の理念「自己表現の可能性を追求するために、理論と実技を身に付け、感性を育む」
芸術学部の入学定員80名(美術学科:日本画専攻10名・油絵専攻20名・彫刻専攻10名、デザイン工芸学科40名。2027年度入試の募集人員)
芸術学部の学生数365名(2026年5月1日時点。総定員320名)
大学院芸術学研究科の学生数82名(博士前期課程60名・博士後期課程22名。2026年5月1日時点。総定員は前期60名・後期18名)

芸術学部の教育方針は、公式サイトで3つの柱として示されています。ひとつ目は、創作を続けるための観察力と造形力を養う「基礎実技の重視」。ふたつ目は、過去から現在までのさまざまな素材や技術を学べる「多角的・総合的な教育」。3つ目は、地域連携や海外との学術交流を通じて、芸術の社会的役割を実践的に学ぶ「地域と国際を軸に」です。

学部全体の学生数が365名(2026年5月1日時点)と少人数であることも、この学部の特徴のひとつです。学科・専攻ごとの内訳は次のとおりです。

学科・専攻総定員在学者数(2026年5月1日時点)
美術学科 日本画専攻40名47名
美術学科 油絵専攻80名93名
美術学科 彫刻専攻40名45名
美術学科 小計160名185名
デザイン工芸学科160名180名
芸術学部 合計320名365名

在学者数が総定員を上回っているのは、公式の学生数の表に記載された数字をそのまま掲載しているためです(留年者や休学者などを含む集計かどうかは、公式資料に注記がないため、ここでは言及しません)。

開学から現在まで、広島市立大学が歩んできた道

広島市立大学の公式サイトにある沿革によれば、開学までの歩みは1989年11月の「広島市立大学(仮称)設立準備委員会」の設置から始まります。1991年7月に「基本構想」が策定され、1992年11月に校舎建設工事の起工式、1993年12月に文部省(当時)の設置認可を受け、1994年4月に開学しました。初代学長には田中隆莊が就任しています。同年6月には開学記念式典が挙行されました。

その後の主な出来事は、次の年表のとおりです。ここでは大学全体の沿革のうち、芸術学部に関わりの深いものを中心に抜き出しています。

年月出来事(公式サイトの沿革より)
1994年4月開学(国際学部・情報科学部・芸術学部の3学部)
1996年10月講堂が完成
1998年4月大学院修士課程を開設。広島平和研究所(中区)を設置
2000年4月大学院博士後期課程を開設。第2代学長に藤本黎時が就任
2001年9月本学最初の博士学位を授与
2006年4月第3代学長に浅田尚紀が就任
2010年4月公立大学法人広島市立大学が設立され、設置者が広島市から公立大学法人に変更
2013年4月第4代学長に青木信之が就任。大学院芸術学研究科博士前期課程を、絵画・彫刻・造形計画の3専攻から造形芸術専攻の1専攻に統合(2013年度入学生より)
2013年10月サテライトキャンパス(中区)を開設
2014年6月開学20周年記念式典を挙行
2019年4月第5代学長に若林真一が就任。大学院平和学研究科(修士課程)を開設
2025年4月第6代学長に前田香織が就任

芸術学部に直接関わる大きな動きとしては、2013年度入学生から大学院芸術学研究科の博士前期課程が1専攻(造形芸術専攻)に統合されたことが、沿革に明記されています。理念に「科学と芸術」の2つが並んでいる点は、情報科学部と芸術学部が同じキャンパスにある大学の成り立ちを、そのまま映したものといえます。

芸術学部2学科、何をどう学べるのか

芸術学部は、美術学科とデザイン工芸学科の2学科で構成されています。公式サイトの学科紹介をもとに、それぞれで学べる内容をまとめます。

美術学科(日本画・油絵・彫刻)

美術学科は、純粋芸術の専門的な教育・研究を行う学科です。公式サイトは、「基礎技術修得と幅広いカリキュラムで、創造者としての感性を養い、時代に貢献する人材を育成」することを掲げています。実技演習に加えて、各分野の造形の歴史や哲学、科学といった人文学的な内容も学ぶカリキュラムになっている、と説明されています。

専攻学べる内容(公式サイトの専攻紹介より)
日本画専攻「基礎教育から独創的な表現に至る指導で、創造性に富んだ人材を育成する」ことを掲げています。1年次は材料の扱い方と制作を中心に基礎力を高め、2・3年次は写生旅行や古美術研究旅行を通じて表現の幅を広げ、4年次は卒業制作に取り組みます。古典模写、裏打ち技法、金銀箔の技法などの授業も随時開設されています
油絵専攻西洋絵画の伝統的な造形を代表する油絵を中心に学びます。1〜2年次はデッサンと油絵制作に加えて、銅版画・木版画の制作や材料・技法の演習を行います。3年次は自由制作研究と、イタリアでの実地研修を含む古美術研究を行い、4年次に卒業制作に取り組みます
彫刻専攻キャッチコピーは「基礎実習と実材研究を通して 新たな彫刻表現を探究する」。4年間を通して人体をモデルにした塑造実習を行い、木・石・金属・ミクストメディア・テラコッタなどの素材を扱う実材実習があります。1・2年次は素材の基礎知識と技術の習得に重点を置き、3年次以降は自分の素材を選んで制作します

日本画専攻では、学年ごとに1つの教室(アトリエ)を1年間使用します。主な制作サイズは50号から80号で、4年次の卒業制作では150号の大作に挑戦する、と公式サイトに記載されています。油絵専攻には、木版・銅版画・リトグラフ・シルクスクリーンの基本四版種に対応した版画工房があり、有機溶剤など人体に有害な薬品を使わない「Non-Toxic技法」を導入していると紹介されています。専攻の教員数は、公式サイトの専攻ページによれば、日本画専攻が5名、油絵専攻が7名、彫刻専攻が5名です(確認時点の掲載)。

デザイン工芸学科(7つの分野)

デザイン工芸学科のキャッチコピーは「確かな造形表現のための基礎を重視しながら、創造的な活動および表現のできる能力を育てる」です。公式サイトによれば、社会と生活に関わる造形芸術を総合的に教育・研究する学科で、基礎教育を重視して創造力と造形力を身につけさせ、現代社会における新しい表現と、長い歴史に培われた造形表現の両方を検討したうえで、より専門的な造形表現へ発展させていく、という方針が示されています。

分野
現代表現
視覚造形
立体造形
映像メディア造形
金属造形
染織造形
漆造形

デザイン工芸学科は、この7つの分野を設けて各分野の専門性を教育体制に反映させている、と公式サイトに説明されています。金属・染織・漆といった工芸の素材分野と、映像メディア造形のような新しい表現領域が同じ学科の中に並んでいる点が、この学科の構成上の特徴です。各分野の詳しい授業内容は、公式サイトのシラバスで確認できます。

取得できる資格

公式サイトによれば、学部で取得できる資格は次のとおりです。

  • 中学校・高等学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(工芸):デザイン工芸学科に限る
  • 博物館・美術館などの学芸員

大学院芸術学研究科で、さらに深く学ぶ

大学院芸術学研究科には、博士前期課程と博士後期課程があります。公式サイトの紹介を整理すると、次のようになります。

課程専攻内容(公式サイトより)
博士前期課程造形芸術専攻日本画研究、油絵研究、彫刻研究、造形計画研究、現代表現研究、芸術理論研究の6つの研究領域があります。美術・デザイン・工芸の幅広い知識と高度な技術を身につけ、作家、デザイナー、教育者、研究者、学芸員などで指導的役割を担える専門家の育成を目標としています
博士後期課程総合造形芸術専攻芸術の高度な創造・表現の技術と理論を研究し、芸術家および研究者を育成する課程です。他領域との融合を重視し、学際的な視野と国際的視野を備えた人材の養成をうたっています

博士前期課程の特色として、公式サイトは4点を挙げています。古典研究を重視しつつ伝統的な文化芸術を継承・発展・創造すること、電子メディア社会に即した先端表現を推進すること、理論の習熟を基にした創作を探究すること、そして地域文化振興や国際文化交流で指導的役割を果たせる人材を育成することです。取得できる資格は、中学校教諭専修免許状(美術)、高等学校教諭専修免許状(美術)、高等学校教諭専修免許状(工芸)とされています。

なお、博士前期課程は2013年度入学生から、それまでの絵画・彫刻・造形計画の3専攻が造形芸術専攻の1専攻に統合されています。修了制作については、優秀な作品に「優秀賞」を授与し、資料的価値の高い作品は大学が買い上げて芸術資料館に収蔵する、という仕組みが公式サイトに記されています(学部の卒業制作も同様です)。

学費(2026年度)

広島市立大学公式サイトの学費案内に掲載されている、2026年度入学者向けの金額は次のとおりです。学費ページは全学部共通の金額を掲載しており、入学料は「市内の者」と「市外の者」で金額が異なるのが公立大学の特徴です。

項目市内の者市外の者
入学料(入学手続までに納付)282,000円423,000円
授業料(年額)535,800円(前期267,900円・後期267,900円)535,800円(前期267,900円・後期267,900円)
初年度に大学へ納める額817,800円958,800円

公式サイトの定義では、「市内の者」とは、入学日の属する月の初日時点で、継続して1年以上広島市内に住所(住民登録)がある者、または配偶者もしくは1親等の親族が同様に住所を有する者です。それ以外は「市外の者」になります。金額は現行のものとされ、改定された場合は改定後の金額が適用される旨の注記があります。

在学4年間に大学へ納める入学料と授業料の合計は、編集部が公式の金額をもとに計算すると、市内の者が2,425,200円(初年度の817,800円に、2年目から4年目の授業料535,800円×3年分を加えた金額)、市外の者が2,566,200円です。この計算は、現行の金額が4年間変わらないと仮定したものです。

ここで見落としたくないのが、授業料以外の費用です。公式サイトは、芸術学部では用具・教材費、研究旅行費などが別途必要で、状況により予定額を上回る可能性があると明記しています。公式の資料で確認できる1年次の教材費の目安は、日本画専攻が約90,000円、油絵専攻が約100,000円、彫刻専攻が約300,000円(用具一式と2年次までの基礎実習材料費。3年次以降の材料費等は別途)、デザイン工芸学科が約200,000円です。写生旅行費・古美術研究旅行費・学外演習費は2〜3年次に発生するため、上の表の初年度の金額にも、先ほどの4年間の合計にも含めていません。詳細は入学後のガイダンスで案内される、とされています。

また、「大学等における修学の支援に関する法律」に基づく減免を受ける場合は、入学料の納付が入学後まで猶予される、という注記も公式サイトにあります。減免制度の利用を検討する場合は、公式サイトに掲載されている窓口に確認してください。

入試の方式(2026年度の実施状況と2027年度入試)

広島市立大学の入試は、芸術学部の場合、総合型選抜・一般選抜・外国人留学生選抜の3つの区分があります(2027年度入試の募集人員の区分による。学校推薦型選抜は芸術学部では実施されていません)。まず、2026年度に実際に行われた入試の実施状況を公式の資料からご紹介し、そのあとで2027年度入試の方式を整理します。

2026年度入試の実施状況(芸術学部)

公式サイトの「2026年度広島市立大学入学者選抜の実施状況」によれば、芸術学部の2026年度入試(学部全体、総合型選抜・一般選抜・外国人留学生選抜の合算)は、募集人員80名、志願者407名、受験者346名、合格者98名、入学者88名でした。倍率は、公式資料の表記では受験者数を合格者数で割った3.5倍です。選抜区分と専攻・学科別の内訳は次のとおりです。

学科・専攻選抜区分募集人員志願者受験者合格者入学者倍率
日本画専攻総合型選抜277332.3
日本画専攻一般選抜(前期日程)83028993.1
油絵専攻総合型選抜53333665.5
油絵専攻一般選抜(前期日程)15686519163.4
彫刻専攻総合型選抜31111552.2
彫刻専攻一般選抜(後期日程)72521882.6
デザイン工芸学科総合型選抜8404011113.6
デザイン工芸学科一般選抜(前期日程)22938824233.7
デザイン工芸学科一般選抜(後期日程)1097511274.3
芸術学部 合計(外国人留学生選抜を含む)8040734698883.5

上の表の数字は、2026年度に実施された入試の結果で、募集人員・志願者数などは公式資料の記載をそのまま使っています(外国人留学生選抜の行は省略しています)。このうち一般選抜(前期・後期)だけを合算すると、募集人員62名に対し志願者313名、合格者72名です。倍率の計算方法は大学ごとに異なり、志願者数を基準にする大学もあれば、受験者数を基準にする大学もあるため、他大学の倍率と単純に比べることはできません。広島市立大学の資料の倍率は、受験者数を合格者数で割った数字です。

なお、デザイン工芸学科の後期日程(志願者97名に対して受験者51名)のように、志願者数と受験者数の差が大きい区分もあります。この差が生じる理由は公式資料には書かれていませんので、ここでは数字の紹介にとどめます。

2027年度入試の方式

公式サイトの2027年度入学者選抜要項によれば、芸術学部の募集人員は次のとおりです。

学科・専攻入学定員一般選抜 前期日程一般選抜 後期日程総合型選抜
日本画専攻10名8名実施なし2名
油絵専攻20名13名実施なし7名
彫刻専攻10名6名実施なし4名
デザイン工芸学科40名20名8名12名
芸術学部 合計80名47名8名25名

このほか、外国人留学生選抜は各学科・専攻とも若干名です。美術学科は前期日程のみで募集し、デザイン工芸学科は前期日程と後期日程に分けて募集します。2026年度入試で後期日程だった彫刻専攻の一般選抜が、2027年度入試では前期日程に移った点は、受験を考える方が押さえておきたい変更点です。

一般選抜

一般選抜は、大学入学共通テストと、大学が行う個別テスト(実技検査)の成績を総合して判定します。芸術学部の配点は、共通テストが600点、個別テスト等(実技検査)が1,200点で、合計1,800点満点です。実技検査の配点が全体の3分の2を占める計算です(編集部で算出)。共通テストは3教科3科目で、利用する教科・科目は公式サイトの要項で指定されています。過年度の共通テスト成績は利用されません。

学科・専攻実技検査の内容実技検査の配点
日本画専攻鉛筆素描(7時間)と着彩写生(12時間)鉛筆素描450点・着彩写生750点(計1,200点)
油絵専攻素描(「木炭のみ」または「木炭と鉛筆の併用」。出願時に選択する必要はなく、用紙はいずれも木炭紙)と油彩素描600点・油彩600点(計1,200点)
彫刻専攻素描と塑造素描600点・塑造600点(計1,200点)
デザイン工芸学科感覚考査(前期は「描出」、後期は「色彩または形体」)1,200点

デザイン工芸学科の感覚考査は、1科目で実技検査の1,200点すべてを占めます。日程は毎年変わりますので、ここでは書きません。出願期間や試験日、共通テストの指定科目、試験時間などは、必ず最新の学生募集要項で確認してください。

総合型選抜

総合型選抜は、大学入学共通テストを利用せず、「提出書類」の得点と「本選考」の得点を合計して合格者を決める方式です。提出書類は、自己推薦書(志願する学科・専攻を選択した理由や芸術に対する思いなどを1,200字以内で記述)と、これまでに制作した作品や芸術活動をA4ファイル1冊にまとめた作品ファイルが基本です。専攻により、課題作品の写真なども求められます。2027年度入試の配点は次のとおり、いずれも1,000点満点です。

学科・専攻提出書類本選考
日本画専攻自己推薦書100点・作品ファイル150点小論文100点・実技検査(人物モデルの8時間の着彩写生)500点・面接資料と面接の合計150点
油絵専攻自己推薦書100点・作品ファイル150点・課題作品の写真150点小論文100点・実技検査(人物モデルの6時間の素描)300点・面接資料と面接の合計200点
彫刻専攻自己推薦書100点・作品ファイル200点・課題作品の写真200点小論文100点・実技検査(2時間の鉛筆素描)150点・面接250点
デザイン工芸学科自己推薦書100点・作品ファイル200点小論文200点・課題作品300点・面接200点

デザイン工芸学科の課題作品は、10日間程度の制作期間を想定した課題で、課題の詳細とテーマは本選考の10日程度前に大学のウェブサイトで発表される、と公式の要項に記載されています。面接は、5分程度のプレゼンテーションと15分程度の質疑応答です。美術学科の面接は、3分程度のプレゼンテーションを含む一人20分程度の質疑応答、と要項に記されています。志願者が募集人員の一定倍率(日本画専攻4倍、油絵専攻2倍、彫刻専攻3倍、デザイン工芸学科2倍)を超えた場合は、提出書類による2段階選抜(書類選考)が行われることがある、とも定められています。

なお、外国人留学生選抜の出願要件や選抜方法は、日本留学試験(EJU)の成績、実技検査、面接などを組み合わせるものとして要項に記されています。詳細は公式の要項をご確認ください。

キャンパスと施設

広島市立大学のキャンパスは、広島市安佐南区大塚東にあります。公式サイトによれば、大学全体の総面積は302,432㎡(未取得の面積を含む)、総延床面積は79,830㎡です(2026年4月1日時点)。芸術学部は、同じキャンパス内の「芸術学部棟・芸術資料館・第一工房棟」(延床面積14,086㎡)を中心に学びます。このほか、第二工房棟(489㎡)、第三工房棟(975㎡)、第四工房棟(1,277㎡)があります。

山並みを背景に広がる広島市立大学のキャンパスの遠景
山並みを背景にしたキャンパスの遠景(2009年3月)/撮影:Taisyo(CC BY 3.0)/出典:Wikimedia Commons

アクセスは、JR広島駅からJR山陽本線で5分のJR横川駅からバスを利用する方法、広島バスセンターから「くすの木台」方面行きバスで12分、「市立大学前」で降りる方法などが公式サイトに案内されています。アストラムラインの大塚駅のバス停から、広島バスセンター方面行きバスで1分の「沼田料金所前」から徒歩8分、というルートもあります。広島市中心部(紙屋町周辺)から車で12分とされています。

芸術資料館

芸術学部の特色ある施設が、芸術学部棟内にある芸術資料館です。公式サイトによれば、芸術資料館は大学と同じ1994年に開館しました。収集・保存、展示・公開、調査研究、教育・普及を担う施設で、2022年に博物館相当施設の指定を受けています。収蔵品は国内外の約1,400点で、平山郁夫、大歳克衞、淀井敏夫、イサム・ノグチらの作品が含まれると紹介されています。このほか、学部・大学院の卒業・修了制作のうち大学が買い上げた「卒業制作優秀買い上げ作品」や、「光の肖像」シリーズ(被爆者の肖像)も収蔵されています。企画展のほか、学部・研究科の研究発表展も開かれ、収蔵作品は全国の美術館や展覧会にも貸し出されています。

制作環境(専攻ごと)

彫刻専攻の公式ページには、制作環境が詳しく書かれています。学部棟内に学年ごとのアトリエと資料室があり、敷地内(約2,500㎡)には木彫・石彫・金属・ミクストメディアの4つの専用工房があります。3tクレーン(計3機)が設置され、屋外には20tクレーン(1機)と3tフォークリフトもあり、大型作品にも対応できるとされています。また、3Dプリンターや3Dモデリングソフトなどのデジタル環境の整備にも取り組んでいる、と記されています。日本画専攻のアトリエや、油絵専攻の版画工房については、前述のとおりです。

世界大学ランキングでの位置づけ

海外の大学を調べたことがある方は、QS社が発表する「QS World University Rankings by Subject」の「Art & Design」部門をご存知かもしれません。結論からお伝えすると、QS世界大学ランキング(分野別)2026年版のアート&デザイン部門に、広島市立大学は掲載されていません。編集部で、QSの公式サイト(topuniversities.com)で確認しました。同部門2026年版に掲載された日本の大学は、東京大学、千葉大学、筑波大学、京都大学、武蔵野大学、東京藝術大学、慶應義塾大学、京都工芸繊維大学、九州大学、早稲田大学の10校です(武蔵野大学は武蔵野美術大学とは別の大学です)。

これは、広島市立大学の教育の質が低いことを意味しません。このランキングの配点は学術評判(世界中の研究者へのアンケート)が90パーセント、雇用者評判(企業の採用担当者へのアンケート)が10パーセントで、教育の中身を直接測る指標ではないからです。詳しい算出方法や各大学の順位は、アート&デザイン部門QS世界大学ランキングの解説記事をご覧ください。

卒業後の進路

広島市立大学は、学部ごとの就職状況を公式サイトで公開しています。芸術学部の最新の数字(2026年3月卒業)は次のとおりです。

卒業年月卒業者進学者就職希望者就職決定者就職決定率進学・就職以外
2026年3月85人(うち留学生1人)22人36人34人94.4%27人
2025年3月73人(うち留学生1人)20人28人25人89.3%25人
2024年3月86人16人48人44人91.7%22人

表の「就職決定率」は、就職決定者数を卒業者全体ではなく就職希望者数で割った数字です(2026年3月卒業分は34人÷36人で94.4%)。たとえば2026年3月卒業では、卒業者85人のうち就職希望者は36人にとどまり、「進学・就職以外」が27人、進学が22人でした。芸術系の学部では、作家活動やフリーランス、制作を続けながらの仕事など、進学でも企業就職でもない進路を選ぶ人が一定数いることが、数字から読み取れます(「進学・就職以外」の内訳は公式の表には記載がありません)。

2026年3月卒業者の就職先を業種別に見ると、教育・学習支援業が7人(21%)、専門・技術サービス業と卸売・小売業が各6人(18%)、製造業と情報通信業が各4人(12%)でした。地域別では、広島市内が11人(32%)、関東地方が12人(35%)です。公式サイトのこのページには企業名は掲載されておらず、個別の就職先は、同ページにリンクされている「芸術学部卒業生・芸術学研究科修了生の就職先」のPDFで確認できます。

大学院芸術学研究科(博士前期課程)の修了後の状況は次のとおりです。

修了年月修了者進学者就職希望者就職決定者就職決定率進学・就職以外
2026年3月19人(うち留学生5人)3人7人7人100.0%9人
2025年3月33人(うち留学生9人)3人11人10人90.9%19人
2024年3月28人(うち留学生6人)5人7人6人85.7%16人

2026年3月修了者の就職先は、業種別に製造業が4人(57%)、教育・学習支援業が2人(29%)、建設業が1人(14%)です。就職希望者が7人と少ないため、割合の数字は人数と合わせて読む必要があります。

専攻ごとの卒業後の展望は、公式の専攻ページにも書かれています。日本画専攻は、教職課程や学芸員資格の取得にも力を入れており、公募展や個展で作品発表を続けている卒業生が多いと紹介されています。油絵専攻は、作家活動、大学院進学や海外留学、教員・学芸員、デザイン・CG・アニメ業界など造形力を生かせる分野を挙げています。彫刻専攻は、毎年多くの学生が進学を希望してさらに高度な創作・研究を進め、広島を中心に個展や公募展、グループ展などで活動の場を広げると説明しています。

まとめ

いかがだったでしょうか。広島市立大学 芸術学部について見てきました。要点は次の7つです。

  • 広島市立大学は1994年4月に国際学部・情報科学部・芸術学部の3学部で開学した公立大学で、芸術学部は美術学科(日本画・油絵・彫刻)とデザイン工芸学科(7分野)で構成されます
  • 芸術学部の入学定員は80名、在学者は365名(2026年5月1日時点)と少人数です
  • 2026年度入学者向けの学費は、入学料が市内の者282,000円・市外の者423,000円、授業料が年額535,800円で、初年度は市内の者817,800円・市外の者958,800円です。このほか、教材費や研究旅行費が別途かかります
  • 2026年度の入試は、芸術学部全体で募集80名・志願者407名・合格者98名、倍率3.5倍(受験者数÷合格者数)でした
  • 2027年度の一般選抜は共通テスト600点・実技検査1,200点の合計1,800点満点で、実技の配点が3分の2を占めます。彫刻専攻の一般選抜は前期日程になります
  • QS世界大学ランキング(分野別)2026年版のアート&デザイン部門には掲載されていません。この部門は学術評判90%・雇用者評判10%で決まり、教育の質を直接示すものではありません
  • 2026年3月卒業の芸術学部は、卒業者85人のうち進学22人、就職決定34人(就職決定率94.4%)、進学・就職以外が27人でした

学費や入試の方式、募集人員は年度ごとに変わります。出願を具体的に考える段階では、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。

Euphoric " " の視点

広島市立大学の芸術学部で目を引くのは、規模の小ささです。入学定員は80名で、4学年あわせても在学者は365名です。公式サイトは、基礎実技を重視し、学年ごとのアトリエや専用工房で制作する環境を紹介しています。この規模だからこそ、1人あたりに回ってくる制作場所や教員の目が多くなる可能性があります。それを強みと読むかどうかは、何を求めて進学するかによります。

もうひとつは入試です。一般選抜の配点は、共通テスト600点に対して実技検査が1,200点で、実技が3分の2を占めます。デザイン工芸学科では、実技検査の1,200点がすべて感覚考査1科目の配点です。学科試験で逃げ切るのではなく、描く・つくる力そのものを見る設計だと読めます。一方、総合型選抜では、自己推薦書や作品ファイルといった、それまでに積み上げたものが配点に直接入ります。どの入口を選ぶにせよ、作品を持って臨む準備が問われます。

学費は、公立の強みがはっきり出ています。初年度の入学料と授業料は、市内の者で817,800円、市外の者で958,800円です。ただし公式サイトは、教材費や研究旅行費が別途かかると明記しています。1年次の教材費の目安は、彫刻専攻で約30万円、デザイン工芸学科で約20万円です。授業料の安さだけで総額を見積もると、実際の負担とずれる可能性があります。

芸術資料館の存在も、この学部の性格を表しています。卒業・修了制作の優秀作品を大学が買い上げて収蔵し、2022年には博物館相当施設の指定を受けました。学生の作品が、大学の収蔵品として残っていく仕組みです。作品を制作することと、作品が保存され、展示されることが、同じ学部棟の中でつながっています。

進学先を選ぶとき、学科名や倍率だけを見ると、見えなくなるものがあります。何を基礎として教え、何を収蔵し、何に配点しているか。公式の数字を並べてみると、その学部が大事にしていることが、表に出てきます。

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もっと知るには

本記事の情報は、広島市立大学の公式サイト(hiroshima-cu.ac.jp)をもとに確認しています。学費・入試・募集人員は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。

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