こんにちは。ユアムーン株式会社 編集部です。
皆さんは東京造形大学(英語名 Tokyo Zokei University)という大学をご存知ですか。1966年に開学した、東京都八王子市にある私立大学です。大学名の「造形」という言葉には、形づくること全般を指し、人間形成も含む広い創作活動を意味する言葉として選ばれたという由来があります。造形学部にはデザイン学科と美術学科があり、グラフィックデザイン、写真、映画・映像、アニメーション、メディアデザイン、室内建築、インダストリアルデザイン、テキスタイルデザイン、絵画、彫刻の10の専攻領域で学ぶことができます。
本記事ではそんな東京造形大学について、基本情報、沿革、学科・専攻領域、大学院、学費、入試の方式、キャンパスと施設、卒業後の進路まで、公式サイト(zokei.ac.jp)で確認できた情報をもとにご紹介します。あわせて、国際的な大学ランキングで東京造形大学の名前を見かけない理由についても、誤解のないように解説します。それでは早速いってみましょう。
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基本情報
| 正式名称 | 東京造形大学(英語名 Tokyo Zokei University) |
|---|---|
| 開学 | 1966年。文部省の認可を受けて開学しました |
| 創立者 | 桑澤洋子(くわさわ ようこ) |
| 所在地 | 〒192-0992 東京都八王子市宇津貫町1556 |
| 設置者 | 学校法人桑沢学園 |
| 学長 | 生嶋順理(公式サイトの学長挨拶ページに学長として掲載) |
| 学生数 | 造形学部1,848名(収容定員1,558名)、大学院造形研究科117名(収容定員115名)。2026年5月1日現在 |
| 2026年4月の入学者数 | 学部453名(うち編入学16名)、大学院55名 |
| 専任教員数 | 50名(教授34名・准教授13名・助教3名)。2026年5月1日現在 |
| 外国人留学生数 | 学部110名、大学院81名。2026年5月1日現在 |
| 建学の精神 | 「社会をつくり出す創造的な造形活動の探究と実践」 |
公式サイトは、建学の精神について「デザインや美術の創作活動を時代の精神や社会の創造に深く結び付いたものとしてとらえ、それら造形活動を広く社会的な観点から探究し、進取の気概を持って創造的に実践する」ことだと説明しています。あわせて「本学の使命」として、デザインと美術の各分野における専門的な知識と技術を教え研究すること、社会を総合的な視点で捉え社会的課題の解決に取り組める人材を育てること、造形活動を通じて文化を創造し社会の発展に貢献することの3点を掲げています。
学生数の表を見ると、在籍者数が収容定員を上回っていることが分かります。デザイン学科は収容定員1,168名に対して在籍1,434名、美術学科は収容定員390名に対して在籍414名です。学部の規模としては、デザイン学科が全体の約8割弱を占める構成になっています。なお、学部生のうち外国人留学生は110名で、大学院では117名のうち81名が外国人留学生と、大学院では特に留学生の比率が高い点も公式データから読み取れます。
桑沢デザイン研究所から始まった歴史
東京造形大学の出発点は、創立者の桑澤洋子が1954年に創設した桑沢デザイン研究所です。公式サイトの創立者紹介によれば、桑澤洋子は1910年に東京・神田の洋服問屋に生まれ、1977年に亡くなりました。女子美術学校で洋画を学んで1932年に卒業し、東京社(現・婦人画報社)に就職したのち、1933年に新建築工藝学院に入学してバウハウスの教育理念に出会います。桑沢デザイン研究所は専門学校として開所し、公式サイトは戦後日本で初のデザイン教育機関とされています。
その後の歩みを、公式サイトの沿革から主なものを抜き出して年表にまとめます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1954年 | 桑澤洋子が桑沢デザイン研究所を創設 |
| 1957年 | 学校法人桑沢学園が設立される |
| 1966年 | 文部省の認可を受け、東京造形大学が開学 |
| 1969年 | 入学定員を200名に変更 |
| 1981年 | 教育運営制度を刷新し、デザイン学科と美術学科をそれぞれ二つの類に再編 |
| 1987年 | 入学定員を300名に変更 |
| 1990年 | 八王子市宇津貫町で新キャンパスの建設に着手 |
| 1992年 | 造形計画専攻と比較造形専攻を新設。宇津貫キャンパスが一部開校 |
| 1993年 | 宇津貫キャンパスへ移転し、全面開校 |
| 1997年 | 「ZOKEI展」が初めて開催される |
| 1998年 | 教育課程を改定し、6専攻体制に移行 |
| 2003年 | 学科構成を再編し、入学定員を380名に変更 |
| 2005年 | 大学院造形専攻(修士課程)を開設 |
| 2007年 | 国際的な美術・デザイン大学連合Cumulusに加盟 |
| 2010年 | CS PLAZA棟が完成 |
| 2011年 | 学科の専攻領域を再編 |
| 2016年 | 創立50周年。大学院に博士後期課程と造形教育研究領域を新設 |
| 2018年 | 13号館大学院棟が完成。博士後期課程の初の博士審査展を開催 |
| 2019年 | 『東京造形大学50年史』を刊行。公式ロゴを刷新し、タグラインを策定 |
| 2025年 | 創立60周年記念事業のテーマ・コンセプト・ロゴを発表。10月に記念展「生きるキャンパス展」を開催 |
年表の中でとくに大きな転機は、1993年の宇津貫キャンパスへの全面移転です。開学時の所在地は八王子市元八王子町でしたが、1990年に宇津貫町で新キャンパスの建設に着手し、1992年に一部開校、1993年に全面開校という段階を踏んでいます。現在の学びの場は、この移転を軸に整えられてきたことが分かります。
「造形」という大学名の由来も、公式サイトで説明されています。創立者紹介のページによれば、大学名は、バウハウスの理念を継承して1953年にドイツで創立されたウルム造形大学(1953〜1968年)を参考にしたものです。形づくること、形成することを包括的に表すGestaltungというドイツ語を「造形」と訳し、人間形成も含む広い創作活動を「造形」と位置づけた、と記されています。
国際交流の面では、公式サイトに協定校の一覧が掲載されています。9か国12校で、オーストリアのウィーン美術アカデミー、オランダのウィレム・デ・クーニング・アカデミーとハーグ王立芸術アカデミー、スウェーデンのコンストファックとイェーテボリ大学HDK-Valand、イギリスのUWE BristolとサウサンプトンWinchester School of Art、ドイツのシュヴェビッシュ・グムント造形大学、イタリアのカラーラ美術アカデミー、フランスのエコール・ブール、スイスのチューリッヒ芸術大学、タイのチェンマイ大学が並びます(ページに総数の記載はなく、掲載項目を編集部で数えた結果です)。
造形学部2学科10専攻領域、何をどう学べるのか
東京造形大学は、造形学部の1学部で構成されています。学部の下にデザイン学科と美術学科があり、それぞれに専攻領域が置かれています。公式サイトの学科・専攻領域のページに掲載されているのは次のとおりです。
| 学科 | 専攻領域 |
|---|---|
| デザイン学科 | グラフィックデザイン/写真/映画・映像/アニメーション/メディアデザイン/室内建築/インダストリアルデザイン/テキスタイルデザイン(8領域) |
| 美術学科 | 絵画/彫刻(2領域) |
公式サイトのカリキュラムのページによれば、科目は大きく「専門科目」と、学科や領域を横断して履修できる科目に分かれています。専門科目には基礎科目、研究指標科目、卒業研究・制作、専門理論などが含まれ、1年次から段階的に知識と技術を積み上げ、卒業制作は公開で発表される、と説明されています。そのほか、キャリアデザイン、語学、身体、自然・人文科学の科目群である「人間形成科目」、ハイブリッド基礎科目、サステナブル科目、プロジェクト科目、ゼミナールからなる「ハイブリッド科目」が用意されています。自分の専門を深めるか、広げるかによって、履修のバランスを選べる設計です。
資格課程としては、中学校・高等学校の美術教員や小学校の図画工作専科の免許が取れる教職課程と、1年次から全領域で受講できる学芸員課程が公式に案内されています。
専攻領域のうち、公式サイトで学びの柱が具体的に説明されているものをいくつか紹介します。
グラフィックデザイン専攻領域
公式サイトは、グラフィックデザイン専攻領域の学びを3つの柱で説明しています。ひとつ目は「視覚を介したコミュニケーションの方法を学ぶ」ことで、印刷物を中心とした広告や誌面編集のデザインを基礎から応用まで段階的に学び、「ビジュアルコミュニケーション」の考え方と技法を身につけます。ふたつ目は「デザインの思想を独自の表現方法へと昇華する」ことで、イラストレーションや絵本、アートブックなどを通して独自の表現を追求する「グラフィックアート」を学びます。3つ目は「情報の分析・構築から、的確なコミュニケーションを見いだす」ことで、情報が複雑化・高速化する社会で、情報を分析して編集・構築する「インフォメーションアーキテクチャー」の考え方を学びます。
写真専攻領域
写真専攻領域は、写真を「研究」の視点から捉え直す領域だと紹介されています。研究テーマは自由で、美術、デザイン広告、学術資料、自己PRなど、写真が使われる場面は多岐にわたります。座学だけでなく撮影や作品制作を通して実践的に学ぶ「写真研究所」と位置づけられ、写真化学の専門家や現役の写真作家など、独自の理論をもつ教員が研究を支えるとされています。1年次は写真の基礎と写真を「読む」力、2年次から研究テーマを模索し、3年次に絞り込み、4年次に卒業制作に向けて研究を視覚表現にまとめるという流れです。
絵画専攻領域
絵画専攻領域は、絵画を軸に幅広い表現を学ぶ領域で、学習内容は4つの方向性にまとめられています。モノの形やイメージ、現実世界の事象をもとにした絵画を学ぶ「形象表現の研究」、作品の思想や概念と色彩・形態・素材などの物質的要素の両面から制作を学ぶ「メッセージの読み解き」、伝統的な版技法の制作と技術習得をもとに、今日の美術に対応する絵画表現を探る「版の表現」、そして立体・映像・言語・身体・音・空間などを複合させる「表現の拡張」です。
残る領域(映画・映像、アニメーション、メディアデザイン、室内建築、インダストリアルデザイン、テキスタイルデザイン、彫刻)も、公式サイトの専攻領域のページにそれぞれ紹介があります。詳しくは、記事末尾の公式ページ一覧からご確認ください。
こうして並べると、デザイン学科の領域と美術学科の領域が、同じキャンパスの同じ学部の中にあることが、この大学の最大の特徴だと分かります。絵画領域の学びの説明に「版の表現」や「映像・言語・身体・音・空間」といった言葉が出てくる一方、グラフィックデザイン領域にも「グラフィックアート」という、表現を掘り下げる柱があります。デザインと美術の間に壁を置かない姿勢が、カリキュラムの言葉にも表れています。
大学院造形研究科で、さらに深く学ぶ
東京造形大学の大学院は造形研究科の1研究科で、修士課程と博士後期課程があります。公式サイトによれば、研究領域は「デザイン研究領域」「美術研究領域」「造形教育研究領域」の3つです。沿革では、2005年に大学院造形専攻(修士課程)を開設し、2016年に博士後期課程と造形教育研究領域を新設したと記録されています。
募集人員は、公式サイトの入学試験の種類と概要のページによれば、修士課程は表の「デザイン/造形教育研究領域」の行に50名、博士後期課程は全研究領域で5名と記載されています(美術研究領域の修士課程の募集人員は、同ページの表から判別できませんでした)。収容定員は、修士課程が100名、博士後期課程が15名で、2026年5月1日現在の在籍者数は修士課程109名、博士後期課程8名です。大学院には研究制作の場として、12号館(修士課程)と13号館(博士後期課程)の2つの大学院棟があります。
学費(2026年度以前入学生/2027年度以降入学生)
東京造形大学公式サイトの学費案内には、「2026年度以前入学生」と「2027年度以降入学生」の2つの区分があります。2027年度以降に入学する学生からは、新たに「維持費」が加わります。まず、2026年度以前入学生の造形学部の学費です(学科・専攻領域を問わず共通です)。
| 項目 | 入学時 | 後期 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 300,000円 | 0円 | 300,000円 |
| 基礎授業料 | 400,000円 | 400,000円 | 800,000円 |
| 科目授業料 | 232,500円 | 232,500円 | 465,000円 |
| 施設設備費 | 175,000円 | 175,000円 | 350,000円 |
| 初年度合計 | 1,107,500円 | 807,500円 | 1,915,000円 |
2027年度以降の入学生は、これに維持費(年額40,000円。入学時と後期に20,000円ずつ)が加わり、初年度合計は1,955,000円に改定されます。
| 項目 | 入学時 | 後期 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 300,000円 | 0円 | 300,000円 |
| 基礎授業料 | 400,000円 | 400,000円 | 800,000円 |
| 科目授業料 | 232,500円 | 232,500円 | 465,000円 |
| 施設設備費 | 175,000円 | 175,000円 | 350,000円 |
| 維持費(新設) | 20,000円 | 20,000円 | 40,000円 |
| 初年度合計 | 1,127,500円 | 827,500円 | 1,955,000円 |
一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜・外国人留学生選抜で入学する場合、入学時のみ、別途、校友会費30,000円、自治会費8,000円、学生災害傷害保険料3,300円(合計41,300円)がかかります。教科書や材料費は別で、教職課程や学芸員課程を履修する場合はその費用も別途かかる、と公式サイトに記載されています。
4年間に大学へ納める学費を、公開情報をもとに編集部で計算してみます。年額は2年目以降、入学金を除いた金額になります。2026年度以前入学生の場合は、初年度1,915,000円に、2年目から4年目の年額1,615,000円を3年分加えて6,760,000円、2027年度以降入学生の場合は、初年度1,955,000円に、2年目から4年目の年額1,655,000円を3年分加えて6,920,000円です。ただしこの計算は、各年度の金額が4年間変わらないと仮定したもので、入学時のみの費用(校友会費・自治会費・保険料)、教科書・材料費、住居費・食費などの生活費は含みません。また公式サイトには、卒業留年の場合の扱いなども記載されていますので、詳しくは学費のページをご覧ください。
大学院の学費は次のとおりです(修士課程)。
| 項目 | 2026年度以前入学生 | 2027年度以降入学生 |
|---|---|---|
| 入学金 | 200,000円 | 200,000円 |
| 基礎授業料(年額) | 800,000円 | 800,000円 |
| 科目授業料(年額) | 300,000円 | 300,000円 |
| 施設設備費(年額) | 350,000円 | 350,000円 |
| 維持費(年額) | なし | 40,000円 |
| 初年度合計 | 1,650,000円 | 1,690,000円 |
修士課程では、このほか校友会費30,000円(本学学部出身者は不要)と学生災害傷害保険の掛金1,750円(入学時のみ)がかかります。博士後期課程の初年度合計は、2026年度以前入学生が1,430,000円、2027年度以降入学生が1,470,000円で、2年次以降は入学金がかからず、3年次は科目授業料も下がるため、金額が下がります(詳細は公式サイトの大学院の学費ページをご確認ください)。
入試の方式(2026年度入試の結果と区分)
東京造形大学の学部入試は、一般選抜、総合型選抜(自己アピール)、学校推薦型選抜、外国人留学生選抜、3年次編入学で構成されています。一般選抜はさらに、一般方式と共通テストA・B・C方式の4つの方式があります。公式サイトの入学試験の種類と概要のページに掲載されている区分は次のとおりです(試験時期は公式ページの記載どおりです。年度ごとに変わりますので必ず最新の募集要項をご確認ください)。
| 試験の種類 | 試験時期(公式の記載) |
|---|---|
| 一般選抜 一般方式 | 2月上旬 |
| 一般選抜 共通テストA方式 | 共通テスト1月中旬、実技試験2月上旬 |
| 一般選抜 共通テストB方式 | 共通テスト1月中旬 |
| 一般選抜 共通テストC方式 | 共通テスト1月中旬、実技試験2月上旬 |
| 総合型選抜(自己アピール) | 書類審査10月上旬、プレゼンテーション選考10月下旬 |
| 学校推薦型選抜 | 11月下旬 |
| 外国人留学生選抜 | 2月上旬 |
| 3年次編入学 | 書類審査11月中旬、面接選考11月下旬 |
一般選抜の方式別の中身
公式サイトの2026年度入試結果ページには、方式ごとの配点の考え方が注記されています。一般方式は、デザイン学科が学科試験200点・実技試験300点の500点満点、美術学科絵画専攻領域は2つの実技試験の総合点で500点満点です。共通テストA方式は、本学が指定した教科・科目の共通テスト200点と実技試験300点の500点満点、共通テストB方式は共通テスト200点満点、共通テストC方式は共通テスト200点と実技試験300点の500点満点とされています。このうちB方式は共通テストの成績のみで判定する方式、C方式は美術学科絵画専攻領域のみが対象で、彫刻専攻領域とデザイン学科ではC方式の実施がありません。
2026年度入試の結果(一般選抜)
公式サイトの入試結果ページには、2026年2月に実施された一般選抜(造形学部デザイン学科・美術学科)の方式別の結果が掲載されています。
| 方式 | 募集人員 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 志願者÷合格者(編集部計算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般方式 | 145名 | 1,662名 | 1,634名 | 440名 | 約3.8倍 |
| 共通テストA方式 | 55名 | 1,062名 | 1,037名 | 319名 | 約3.3倍 |
| 共通テストB方式 | 15名 | 257名 | 257名 | 125名 | 約2.1倍 |
| 共通テストC方式 | 15名 | 224名 | 219名 | 34名 | 約6.6倍 |
| 4方式合計 | 230名 | 3,205名 | 3,147名 | 918名 | 約3.5倍 |
志願者数は4方式の合計で3,205名、合格者数は918名です。志願者数を合格者数で割ると約3.5倍になります。ただし、この倍率は志願者数を分子にしたもので、受験者数で割ると結果は変わります。大学によって倍率の算出に使う区分(学科・方式・日程・受験者数か志願者数か)が違いますので、他大学の倍率と単純に比べることはできません。また、共通テストC方式は美術学科絵画専攻領域のみの方式のため、倍率がほかの方式と大きく異なります。
その他の区分の2026年度の結果は、総合型選抜(自己アピール、2025年10月実施)が志願者239名・合格者120名、外国人留学生選抜(2026年2月実施)が志願者136名・合格者20名、3年次編入学試験(2025年11月実施)が志願者80名・合格者22名と公式サイトに掲載されています。
キャンパスと施設
東京造形大学のキャンパスは、八王子市宇津貫町にある宇津貫キャンパスの1か所です。公式サイトのキャンパスマップには、1号館から13号館までの施設が紹介されています。
| 棟 | 名称 | 主な内容(公式サイトより) |
|---|---|---|
| 1号館 | 本部・研究棟 | 事務・管理部門、教員研究室、医務室など |
| 4号館 | 桑沢記念ホール(大教室) | 創立者・桑澤洋子を記念する施設。映像・視聴覚設備付きの大教室5室 |
| 5号館 | 図書館 | 蔵書約14万冊、雑誌約700種、視聴覚資料 |
| 6号館 | 美術館 | ジャコモ・マンズーの作品の常設展示と企画展 |
| 7号館 | デザイン棟A | 写真撮影用スタジオ、暗室、AVスタジオ録音室、機織室、染色室など |
| 8号館 | デザイン棟B | 体育館・多目的ホールとして使うCSホール、デザイン学科の演習・実習室 |
| 9号館 | CS-Lab | 学生が中心となって教育を探究する組織の拠点。全学生に開放 |
| 10号館 | CS PLAZA | 絵画専攻のアトリエ、カフェテリア、売店、学生自治会室・部室など |
| 11号館 | 彫刻棟 | 彫刻専攻のアトリエ |
| 12号館・13号館 | 大学院棟 | 修士課程・博士後期課程の研究制作スペース |
デザインのための設備(写真撮影用スタジオ、暗室、録音室、機織室、染色室)と、美術のためのアトリエ(絵画、彫刻)が、同じキャンパスの中に並んでいます。さらに、学生が中心となって教育を探究するCS-Labが全学生に開放されている点は、学科や領域を越えた交流を前提とした設計だと読み取れます。公式サイトによると、10号館の屋上には15kWの太陽光発電パネルも設置されています。

附属美術館(横山記念マンズー美術館)
キャンパス内の6号館にある附属美術館は、「横山記念マンズー美術館」という名称でも案内されています。公式サイトによれば、コレクションの出発点は1986年に横山達雄氏から寄贈されたジャコモ・マンズーの作品で、1994年に開館式が行われました。建物は白井晟一氏の設計原案に基づくものです。収蔵品は、1986年寄贈分が彫刻5点・版画23点、1994年にインゲ・マンズー夫人から寄贈された分が彫刻5点・版画8点で、合計で彫刻10点・版画31点です。
マンズーはイタリアの現代具象派を代表する彫刻家と紹介され、作品には夫人インゲの胸像が多く、公式サイトは平和と戦争の連作や、ナチスへの批判を宗教的な比喩で表したレリーフにも触れています。サン・ピエトロ大聖堂の〈死の門〉、ザルツブルク大聖堂の〈愛の門〉も代表作として挙げられています。美術館のほか、ZOKEIギャラリー、CSギャラリーという展示スペースもあり、企画展や大学院生の研究成果発表、教員の企画展などに使われています。
附属図書館
図書館の公式ページは、学内の教育研究の情報を集めて発信する拠点であり、歴史的に価値のある資料を保管・管理して、研究支援も行うと説明しています。桑沢デザイン研究所図書室の利用ページへのリンクも置かれているほか、学生が参加する選書ツアーも行われています。2026年5月22日から6月11日にはオンラインでの選書ツアーが行われ、学生14名が参加、選ばれた140冊が3階に配架されたと告知されています。
世界大学ランキングでの位置づけ
海外の美術大学を調べたことがある方は、QS社が発表する「QS World University Rankings by Subject」の「Art & Design」部門をご存知かもしれません。結論からお伝えすると、2026年版のArt & Designに、東京造形大学は掲載されていません。編集部で確認した範囲では、同部門に掲載された日本の大学は東京大学、千葉大学、筑波大学、京都大学、武蔵野大学(武蔵野美術大学とは別の大学です)、東京藝術大学、慶應義塾大学、京都工芸繊維大学、九州大学、早稲田大学の10校でした。
これは、東京造形大学の教育の質が低いことを意味するものではありません。このランキングの配点は、学術評判(世界の研究者へのアンケート)が90パーセント、雇用者評判(企業の採用担当者へのアンケート)が10パーセントで、順位のほとんどは「世界の研究者がその大学をどう見ているか」で決まります。教育の中身や、卒業生が実際にどう活動しているかを直接測る指標ではありません。算出方法や各大学の順位については、アート&デザイン部門QS世界大学ランキングの解説記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
卒業後の進路
東京造形大学は、卒業生の進路状況を専攻領域別に公式サイトで公開しています。2026年10月時点でもっとも新しいのは、2025年度卒業生(2026年6月1日現在)のデータです。公式の表で「就職率」は就職者数を就職希望者数で割ったものと定義されています。分母は卒業生全体ではなく「就職希望者」であり、他大学の数字と並べるときは定義をそろえて見る必要があります。
| 専攻領域 | 卒業者 | 就職者 | 進学者 | 作家活動・アルバイト他 | 就職活動継続 | 就職希望者 | 就職率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| グラフィックデザイン | 92 | 52 | 3 | 15 | 22 | 74 | 70% |
| 写真 | 24 | 11 | 5 | 4 | 4 | 15 | 73% |
| 映画・映像 | 29 | 11 | 2 | 12 | 4 | 15 | 73% |
| アニメーション | 46 | 22 | 3 | 10 | 11 | 31 | 71% |
| メディアデザイン | 31 | 16 | 2 | 6 | 7 | 23 | 70% |
| 室内建築 | 42 | 24 | 3 | 9 | 6 | 29 | 83% |
| インダストリアルデザイン | 37 | 23 | 3 | 4 | 7 | 30 | 77% |
| テキスタイルデザイン | 32 | 15 | 4 | 6 | 7 | 21 | 71% |
| 絵画 | 69 | 25 | 10 | 20 | 14 | 38 | 64% |
| 彫刻 | 18 | 7 | 4 | 5 | 2 | 9 | 78% |
| 造形学部 全体 | 420 | 206 | 39 | 91 | 84 | 285 | 72% |
卒業者420名のうち、就職者は206名、進学者は39名、作家活動・アルバイト他が91名、就職活動を継続している人が84名です(206+39+91+84=420で一致します)。就職希望者285名のうち206名が就職しているので、就職率は72%となります。美術大学というと作家活動のイメージが強いかもしれませんが、実数でみると企業などへの就職が進路の中心です。
専攻領域別にみると、就職率は室内建築の83%がもっとも高く、絵画の64%がもっとも低くなっています。ただし絵画領域は、作家活動・アルバイト他が20名、進学者が10名と、就職以外の進路を選ぶ人の割合が高いため、就職率の数字だけで優劣を決めることはできません。
公式サイトは、専攻領域ごとの主な就職先も公開しています。主なものを抜き出すと、次のようになります。
| 専攻領域 | 主な就職先の例(公式サイトより) |
|---|---|
| グラフィックデザイン | 電通、博報堂、読売新聞社、サンリオ、セガ、スクウェア・エニックスなど |
| 写真 | 資生堂、共同通信社、毎日新聞社、テレビマンユニオン、ヨドバシカメラなど |
| 映画・映像 | KADOKAWA、TBSアクト、ソニーミュージックグループ、ピラミッドフィルムなど |
| アニメーション | 東映アニメーション、MAPPA、A-1 Pictures、CloverWorksなど |
| メディアデザイン | サイバーエージェント、カプコン、Cygames、バンダイナムコスタジオなど |
| 室内建築 | 乃村工藝社、丹青社、大和ハウス工業、サンゲツなど |
| インダストリアルデザイン | 本田技術研究所、LIXIL、TOTO、セイコーエプソン、NECなど |
| テキスタイルデザイン | イッセイ ミヤケ、ワコール、ファミリア、サンゲツなど |
| 絵画 | 任天堂、コナミデジタルエンタテインメント、スクウェア・エニックスなど |
| 彫刻 | 日産自動車、フロム・ソフトウェア、三菱自動車工業、ダヴィンチなど |
企業のほか、国公立・私立の小中高等学校教員、大川美術館、東京オペラシティーギャラリー、八王子市夢美術館、丸木美術館などの美術館、特許庁、国際協力機構(JICA)、市役所、県職員、警視庁なども、公式サイトが挙げる進路先に含まれています。年度によって数値は動きますので、最新の集計は公式サイトの「進路状況と主な就職先」ページでご確認ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。東京造形大学について見てきました。要点は次の6つです。
- 1954年に桑澤洋子が創設した桑沢デザイン研究所を源流とし、1966年に開学しました。1993年に八王子市宇津貫町のキャンパスへ全面移転しています
- 造形学部はデザイン学科(8専攻領域)と美術学科(2専攻領域)の2学科10専攻領域で、デザインと美術が同じ学部にあります
- 学費は、2026年度以前入学生が初年度1,915,000円、2027年度以降入学生は維持費が加わり初年度1,955,000円です(4年間の合計は編集部の計算で676万円と692万円)
- 2026年度の一般選抜は、4方式合計で志願者3,205名・合格者918名でした。倍率は方式や算出方法で変わります
- キャンパスには、マンズー作品を収蔵する附属美術館、図書館、写真撮影用スタジオや染色室、絵画・彫刻のアトリエが同居しています
- QS世界大学ランキング アート&デザイン部門2026年版には掲載されていませんが、この部門は学術評判90%・雇用者評判10%で決まるため、掲載の有無は教育の質を示すものではありません
2025年度卒業生(2026年6月1日現在)の就職率は造形学部全体で72%(就職者÷就職希望者)でした。学費や入試の募集人員は年度ごとに変わります。出願を具体的に考える段階では、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
Euphoric " " の視点
東京造形大学の特徴は、名前にあります。公式サイトによれば、「造形」はウルム造形大学を参考に、Gestaltungというドイツ語を訳した言葉です。形づくること全般を指し、人間形成まで含みます。美術とも、デザインとも言わず、その手前の言葉を選んだ大学です。
この選択は、学部の作りにそのまま出ています。デザイン学科の8領域と美術学科の2領域が、ひとつの学部の中にあります。さらに公式のカリキュラムには、領域を横断して履修できる科目が用意されています。美術とデザインの境目で迷っている人にとって、両方が同じ学部にあることは、小さくない利点だと私たちは読みます。
数字からも読み取れることがあります。2025年度卒業生420名のうち、作家活動・アルバイト他は91名、就職活動を継続している人は84名でした。就職率72%という数字だけでは見えない、卒業直後の多様さです。この数字を良し悪しで判断するのは早計で、進路が一本の道に収まらない大学だと理解するほうが正確だと考えます。
もうひとつ、私たちが注目したいのは附属美術館です。キャンパスの6号館に、マンズーの彫刻10点と版画31点が常設されています。デザイン棟に染色室や録音室がある同じキャンパスの中に、彫刻家の作品が日常的にある環境は、造形という言葉の意味を、教室の外でも伝えているように見えます。
出願に向けてポートフォリオを用意する段階でお悩みの方は、ポートフォリオ添削サービス「PORTFOLIO SENSEI」もあわせてご覧ください。
もっと知るには
本記事の情報は、東京造形大学の公式サイト(zokei.ac.jp)をもとに確認しています。学費・入試・募集人員は年度ごとに変わりますので、出願の際は下記の公式ページで最新の情報をご確認ください。
| 内容 | 公式ページ |
|---|---|
| 建学の精神と本学の使命 | 東京造形大学「建学の精神と本学の使命」 |
| 創立者 桑澤洋子 | 東京造形大学「創立者 桑澤洋子」 |
| 沿革 | 東京造形大学「沿革」 |
| 教員数・学生数 | 東京造形大学「教員数/学生数データ」 |
| 学科・専攻領域 | 東京造形大学「教育」 |
| 大学院 | 東京造形大学「大学院」 |
| 学費 | 東京造形大学「授業料等納付金(学費)」/東京造形大学「大学院の学費」 |
| 入学試験の種類と概要 | 東京造形大学「入学試験の種類と概要」 |
| 入試結果 | 東京造形大学「入試結果」 |
| キャンパスマップ | 東京造形大学「キャンパスマップ」 |
| 附属美術館 | 東京造形大学「附属美術館」 |
| 進路状況と主な就職先 | 東京造形大学「進路状況と主な就職先」 |
海外の美術系大学と比較したい方は、QS世界大学ランキング アート&デザイン部門の解説もあわせてご覧ください。国内の美術大学を比べたい方は国内美大の比較記事を、国内の他の芸術・美術大学については国内の芸術・美術大学のアート&デザイン学部/専攻をまとめた記事もご用意しています。






